平成821日目
1991/04/08
この日のできごと(何の日)
【東京都知事選・開票日】鈴木俊一氏が大差で4選(投票日は7日)
初の保守・中道の分裂などで注目を集めた首都決戦、東京都知事選挙は8日開票され、自民、民社両党都連が推す無所属の現職鈴木俊一氏(81)が自民、公明、民社3党推薦の無所属磯村尚徳氏(61)に85万票を超す大差をつけて圧勝、四選を果たした。
社会党推薦の無所属大原光憲氏(64)は立候補の出遅れなどが響き、共産党推薦の畑田重夫氏(67)を下回り、社会党は7日即日開票された道府県議選に続く惨敗となった。
鈴木氏の圧勝で、強引に磯村氏擁立を進めた小沢自民党幹事長は責任を取り、午後辞意を表明する見通し。社会党も厳しい執行部批判の噴出が予想され、斉藤一雄都本部委員長は区議選終了後、辞任する意向を明らかにした。
鈴木氏は都選管の第1回発表(午時9時半現在)で、約22万票と2位の磯村氏に早くも11万票の差をつけ、その後も地盤の多摩地区を中心に全開票区で最高得票、最終的に229万2000票とほぼ50%の大量得票となった。
大原氏は約29万票、畑田氏に13万票以上の差をつけられ4位となり、供託金没収の基準となる有効投票数の10%を大きく割る異例の事態となった。
鈴木氏は3期12年の実績に加え、都選出の自民党国会議員23人のうち16人や都議、区議の大半の支援を受けて、自民党支持層を中心に広範な支持を勝ち取り、序盤戦から有利に展開した。自
民党本部などによる“鈴木降ろし”に対する同情や反中央・反小沢(幹事長)感情をてこに浮動票も取り込んだ。臨海副都心開発や豪華な新都庁舎など、これまでの都政運営に対する批判は最後までほとんど争点にならなかった。
磯村氏は公約の柱とした「都民税1兆円減税」について、海部首相の協力を取り付けたものの実現性が難問視され弾みがつかなかった上、手足となる都議、区議らの支援がほとんどなく、盛り上がりを欠いた。庶民性を訴えるパフォーマンスも不発で、知名度を最後まで生かせなかった。《共同通信》
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【高橋みなみさん】誕生日
【自民党・小沢一郎幹事長】都知事選敗北で引責辞任
自民党の小沢幹事長は8日、同日開票された東京都知事選挙の責任を取り辞任した。海部首相(総裁)もいったん慰留したものの了承した。同日夕の総務会では小沢氏の辞任を正式に認めるとともに、首相が後任の幹事長に小渕元官房長官を指名、了承された。
同日午後記者会見した小沢氏は「都知事選での党内の混乱は私の不徳の致すところだ」と責任の所在を明らかにすると同時に、難問が山積する内外の状況に対処していくため「挙党態勢が不可欠であると判断した」ことを辞任の理由として挙げた。
執行部三役のうち西岡総務会長、加藤政調会長の二役は残留することや、首相の責任まで問う声が表立って出ていないことから、海部首相は幹事長辞任という政治的危機をひとまずクリアしたと言える。しかし中期的には政治改革や国連平和維持活動(PKO)協力の具体化、また小沢氏が目指してきた「自公民路線」への影響は避けられない。
強引なイメージはあるものの政策遂行の推進力となってきた小沢氏を欠いたことで、海部政権が、この先、求心力を失っていくことは確実視されており、今秋の総裁選での首相の続投にも厳しい環境となったのは間違いない。辞
任の直接原因となった都知事選で小沢氏は、鈴木俊一知事四選に難色を示していた公明党と歩調を合わせ、自公民3党推薦で磯村尚徳氏を擁立した。これは国政レベルでの参院の与野党逆転を克服するためには、3党協力体制の確立が必要との判断によるものだった。
しかし鈴木氏を強く推す自民党東京都連は小沢氏の方針に反対、都知事選初の保守分裂選挙となった。また党内から小沢氏の強引とも言える鈴木降ろしに批判も上がった。《共同通信》
【立山ガイド協会】発足
立山ガイド協会の設立総会は8日、富山県大山町の立山国際ホテルで山小屋や山岳関係者約80人が出席して開かれ、北ア・立山のガイドを再興、中高年登山の案内や遭難防止などに備えることにした。
同会が設立に至った経緯は、昨年7月に国際ガイド連盟が発足、日本にも昨年10月に設立され、北ア・立山山小屋関係者へ支部設立の要請があった。たまたま、立山ガイドの里・立山町芦峅寺地区でも、大正年間に活動が最盛期だった立山案内人組合を復活させる動きが出ており、中高年登山ブームでガイドの需要増もあって、同地区山小屋や山岳関係者が中心となって、今回ガイド協会設立の運びとなった。
設立総会では協会スタッフが紹介され、初代会長に就任した元第一次南極観測隊員の佐伯宗弘(65)=剣御前小屋経営=が「立山ニガイドは衰退の一途をたどっているが、今回、若手の山小屋経営者などを中心にガイド協会が設立された。今後は立山ガイドの灯をこうこうと輝かせたい」とあいさつした。
会員は立山町芦峅寺地区を中心に43人。今年の事業計画は▷立山ガイド祭り(6月下旬―7月上旬)▷ザイル祭り(9月ごろ)―を立山・室堂で開き、ガイドとしての研修などを行う。また、平成4年3月ごろ、立山ガイドとネパール・クムジュン村シェルパと合同で、アイランドピークの登山を目指している。《北國新聞》
【EC・欧州共同体】クルド人保護区設置で合意
ルクセンブルクで開かれた欧州共同体(EC)臨時首脳会議は8日夜、イラクのクルド人難民救済のため総額1億5000万ECU(欧州通貨単位、約252億円)の人道援助供与を決定するとともに、イラク北部に国連の監視によりクルド人の安全を保障する保護地区を設けることで合意し、閉会した。保護地区設置の構想はトルコなどが既に明らかにしているが、EC首脳会議で合意したことにより、実現する可能性が出てきた。
会議はまた①フセイン政権がクルド人などへの弾圧を停止するまで対イラク制裁を継続する②武器売却を監視する制度を国連内につくるーことで合意した。
これら4項目はメージャー英首相が会議の冒頭で提案、加盟12カ国首脳が支持を表明した。会議後、記者会見した議長国ルクセンブルクのサンテール首相によると、人道援助のうち1億ECU(約168億円)はEC予算から支出し、残りの5000万ECU(約84億円)は加盟国が分担して拠出する。《共同通信》