平成822日目

1991/04/09

この日のできごと(何の日)

【衆院本会議】北方領土解決促進を決議

衆院は9日昼の本会議で、16日からのゴルバチニョフ・ソ連大統領来日を前に歯舞、色丹、国後、択捉の北方四島の返還を求める「北方領土問題の解決促進に関する決議」を全会一致で可決した。参院も同日夕の本会議で同趣旨の決議を全会一致で可決する。

大統領来日を機に北方領土の返還を実現し、平和条約を締結し日ソの親善関係を確立しようとする期待を込めた両決議は大統領が17日に国会を訪れ、衆院本会議場で演説を予定しているだけに、過去23回に上る北方領土決議(衆院14回、参院9回)に比べ一段と重い意味を持つ決議と言え、政府や大統領の出方が注目される。

衆院の決議は大統領の日本訪問を「両国首脳間の直接対話の実現」として歓迎の意を表するとともに初のソ連元首の来日が「北方領土問題を解決し、日ソ関係の画期的な発展を実現する突破口」となることを強く、期待している。

その上で決議は歯舞、色丹、国後、択捉の北方四島返還が「日本全国民の長年の悲願であるにもかかわらず戦後45年経過した今日も解決せず、平和条約が締結されていないことは誠に遺憾だ」と指摘。

領土問題を解決し、平和条約を締結することにより日ソ間に真に安定的な平和友好関係を確立することが両国のあらゆる分野での協力関係の飛躍的発展につながり、新しい国際秩序づくりに大きく貢献する」として政府に対して大統領の来日を機に、領土の返還を実現し、平和条約を締結するよう全力を傾注すべきだ、と求めている。《共同通信》

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【海部俊樹首相】地価税法成立に意欲

政府の土地対策関係閣僚会議が9日午前、首相官邸で開かれ、海部首相は「今国会に提出している地価税などの土地対策関連法案は、土地対策を推進する上で必要不可欠。政府一丸となって取り組み成立を果たしたい」と述べ地価税法案などの成立に強い決意を示した。

会議では、国土庁が3月に公表した地価公示の結果、大蔵省が先に行った大都市地域の国有地の使用状況の点検結果を報告。この後の意見交換で、西田国土庁長官は「最近は大都市圏を中心に地価の沈静化傾向が見られるが、依然予断を許さない状況にある。不動産業向け融資の総量規制などの施策を引き続き実施してほしい」と金融面の引き締めを継続することを要請した。《共同通信》

【自民党・小渕恵三幹事長】融和掲げ始動

自民党の小渕幹事長は突然の幹事長交代から一夜明けた9日、役員会、総務会に出席したのをはじめ、党本部で大蔵、外務両省から政策問題の説明を受けるなど、本格的活動をスタートした。

小渕氏は「マスコミは(小沢前幹事長の)『豪腕』と(私の)『軟役』とか書いているが、政策は近似している。あとを引き受けた者として全力を挙げて処理する責務は感じている」と、政治課題に全力投球の構えだ。《共同通信》

【東京都・鈴木俊一知事】中央との協調を維持

中央と対決する形で四選を果たした鈴木東京都知事は9日、新都庁舎に初登庁後記者会見し、中央との関係修復について「自らぎくしゃくした行動をとったとは思っていない。都知事、特に全国知事会の会長として政府との連絡、協調関係を確保しなければならない」と述べた。

選挙期間中、鈴木知事は「東京の自治を守る」という訴えを繰り返したが「連絡、協調とは中央の言うままになるというわけではない。独立した自治体と政府という関係は従来通り」と強調するとともに「私はもともと中央育ち。中央とは一番パイプが強いつもり」と協調関係の維持に自信を見せた。

鈴木知事は同日午後、海部首相に会い、就任あいさつするとともに協力を要請する。

自公民3党推薦の磯村尚徳氏が選挙公約に掲げた都民税減税に絡む富裕団体の起債制限撤廃問題については「標準行政を維持するために標準税率が決まっている。金持ちだけ制限をなくすのは自治体の差別。全く非常識な考え」と切り捨てた。《共同通信》

東京都知事選で四選を果たした鈴木俊一知事(80)は9日、早速、東京・西新宿の新都庁舎に初登庁し“知事のいす”の感触を味わった。

鈴木知事は、今回の都知事選出馬に当たり「新都庁舎に入りたくて出馬したのではない。都民から都政の信託を受けるまで新庁舎の知事のいすには座らない」と公約。3月9日の落成式の際にも庁舎内には入っておらず、この日が文字通りの初登庁。

午前9時半、公用車で第一本庁舎玄関前に着いた鈴木知事は、横田、続、真仁田の3副知事ら職員約1100人の拍手に迎えられ、晴れ晴れとした表情。玄関前で4月1日付で異動した女性の前秘書から花束を贈られた鈴木知事は、花束を持ったまま両手を何度も上げて拍手にこたえた。

庁舎内に入った鈴木知事は軽く笑みを浮かべ、上機嫌。玄関ホールで出迎えた職員に会釈しながら、エレベーターで知事執務室のある7階へ。執務室に置かれた机やいすは、丸の内の旧庁舎時代から使い慣れたもので、いすに座ると「この机、いす。やはり落ち着きますね」と一言。

「この部屋は今日が初めてなんです。初めてここに入ったんです」と強調、当選の実感をかみしめていた。《共同通信》

【政界談話室】自己PRはしっかり

○…小沢自民党前幹事長の辞任を受けて就任した小渕新幹事長は9日の記者会見で「幹事長のいすの座り心地は」と聞かれ「慣らし運転というところだからね。よもや小沢幹事長がああした潔い決断をするとは夢にも思っていなかった」と小沢氏の電撃的な辞任劇に触れながら胸の内を明かした。

思いがけない人事だったためか「あらかじめ(就任を)想定して抱負は考えてなかった」とあくまで低姿勢だったが、小沢氏と比較されることを予期してか「官邸にいる時も考え方は知っている。マスコミは(小沢氏の)剛腕、(小渕氏の)軟投というが、基本的に政策に取り組む考えは似ている」としっかり自己PRしていた。

○…小沢前幹事長はこの日昼、衆院本会議前に開かれた自民党代議士会に出席。竹下派の若手議員に囲まれて後方に座っていたが、梶山国対委員長から「民間人になったから後ろの席にいるのか。お騒がせしました、とかあいさつするもんだ」と声を掛けられ、他の議員からも「あいさつ、あいさつ」の小沢コール。

重い腰を上げた小沢氏、頭をかきかき照れ臭そうに前に出て「在職中はご迷惑ばかり掛けて申し訳ありませんでした。今後は一党員として頑張りたい」。満面に笑みを浮かべながらも、言葉少なめなあたり、大役を離れても寡黙ぶりは変わらず。《共同通信》

【中国・李鵬首相】辞任説を否定

中国の第七期全国人民代表大会(全人代)第4回会議は9日午後、閉会した。この後、李鵬首相は人民大会堂で内外記者と会見し、中央指導部の結束を強調、自らの辞任説を否定し「任期(1993年春まで)いっぱい首相を続ける」と述べた。

会見は2時間に及び、新任の鄒家華副首相を含む3副首相が同席、広範な質問に答えた。その中で、李首相は今回の全人代で政治局員でない鄒家華、朱鎔基両氏が副首相に突然任命されたことから出ている観測に答え、3月8日に自民党の渡辺美智雄氏との会見で「大きな変化はない」と答えた際には知っていたが、秘密を守ったと釈明。

最高実力者鄧小平氏の死後、不安定になるのでは、との質問に李首相は、鄧氏は非常に健康だが、万一のことがあっても江沢民総書記を中心に安定を保てるとし、鄧氏は今回全人代で採択された二つの長期計画を支持していると述べた。

李首相は最後に、第14回党大会を繰り上げ、年内に開催するとの情報が流れていることに関し、質問がなかったにもかかわらず自ら「予定通り来年開催し、年内にはない」と説明、繰り上げ開催説を明確に否定した。《共同通信》



4月9日 その日のできごと(何の日)