平成3009日目

1997/04/04

この日のできごと(何の日)

【杉村春子さん】死去

「女の一生」「華岡青洲の妻」「欲望という名の電車」など数々の舞台で名演を見せ、日本の演劇界を代表する存在だった文化功労者、杉村春子さんが4日午前0時半、頭部膵臓がんのため東京都文京区の病院で死去した。91歳。広島県出身

私立山中高女卒業後、広島で女学校の音楽の代用教員を務めたが、女優への夢を抱き昭和2年上京。築地小劇場、築地座を経て12年、文学座の創立に参加。代表作「女の一生」は空襲下の20年の初演以来、947回演じた。

舞台生活は70年に及び、伝統芸を吸収したち密な演技と、練り上げたせりふ術で、文学座公演を軸に、新劇から新派など商業演劇の舞台まで自在にこなした大女優だった。小津安二郎監督「東京物語」や新藤兼人監督「午後の遺言状」など数多くの映画にも出演。名わき役ぶりを見せ、テレビドラマにも活躍した。

戦後復活第一回の22年度日本芸術院賞を受け、49年には演劇畑では東山千栄子、初代水谷八重子に次いで、女優3人目の文化功労者に選ばれた。また3度の新劇団訪中公演に参加し、日中文化交流に尽力した。平成7年には文化勲章の候補に挙がりながら辞退し、話題になった。

晩年も活動は衰えず8年夏の芸術座「晩菊」や秋の文学座アトリエ公演「華々しき一族」に出演。今年3月の新橋演舞場「華岡青洲の妻」などの出演が予定されていたが、2月10日から入院していた。著書に「自分で選んだ道」など。《共同通信》

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【第69回選抜高校野球大会】第8日

第69回選抜高校野球大会第8日は4日、甲子園球場で前日雨で順延となった2回戦残り3試合を行い、天理(奈良)、西京(山口)、上宮(大阪)が勝ってベスト8が出そろった。

天理は浜松工(静岡)の好投手、伊藤の立ち上がりを攻めて一、二回に計4点を奪って主導権を握り、左腕小南が粘り強い投球で相手打線を完封し、7−0で快勝した。天理は5年ぶりの8強入り。西京は2−3の八回、無死一、三塁から長田の右越え二塁打と美澄のスクイズで大分商(大分)に4−3で逆転勝ちし、初出場ではただ1チーム、準々決勝へ進んだ。上宮は、明徳義塾(高知)の投手陣を打ち込み、山田が4安打完封して6−0で勝った。報徳学園、育英(ともに兵庫)、平安(京都)と合わせ、ベスト8を近畿勢5校が占めたのは第51回大会(1979年)以来、18年ぶり。《共同通信》

【セ・リーグ】開幕

プロ野球は4日、いよいよセ・リーグから公式戦がスタート。広島−阪神(広島)は雨で流れたが、東京、ナゴヤ両ドームには満員のファンが詰め掛け、華やかな雰囲気の中で開幕戦を味わった。試合はヤクルトが小早川の史上3人目の開幕3打席連続ホーマーなどで巨人を6−3と破り、中日は横浜を3−2で下した。注目の清原(巨人)は4打数1安打だった。巨人の開幕戦連勝は5で止まった。《共同通信》

【オレンジ共済組合事件】参院、友部議員に辞職勧告

参院は4日午前の本会議でオレンジ共済組合詐欺事件で起訴された友部達夫参院議員に対し「なお議員の職にあることは許し難い」とする議員辞職勧告決議案を賛成多数で可決した。佐藤道夫議員(二院クラブ)1人だけが、有罪かどうか確定していない起訴段階であることを理由に反対した。

国会ではこれまで、ロッキード事件や佐川急便事件などに関連して衆参の6議員に対し計20件の辞職勧告決議案が提出されたが、いずれも否決か撤回、審議未了に終わっており、可決は初めて。ただ決議に拘束力はなく、友部議員が応じない限り辞職に追い込めないのが実情。参院としては政治家の倫理が問われたこの問題に一応の決着をつけた形になるが、比例代表名簿順位をめぐる疑惑などまだ解明されなければならない問題も残っている。

決議は友部議員に辞職を求める理由について①同共済組合の実質的主宰者として顧客を欺き金銭を取得した政治的・道義的責任は重大②参院議運委員長らの辞職要求を拒み、国民の批判が高まる中、なお議員の職にあることは許し難い−ことを挙げた。

さらに「係争中の事案は審理結果を踏まえて対処すべきだが、事件の重大性にかんがみ、これ以上放置することは政治に対する信頼を失墜させ、本院の名誉と権威を傷つける」と指摘。有罪判決まで被告は無罪の推定を受けるとの刑事裁判原則にはとらわれず政治責任を問う姿勢を明確にした。《共同通信》

【石破茂衆議】自民党入党

自民党は4日午後の党紀委員会で、無所属の石破茂(鳥取1区)、笹川堯(群馬2区)両衆院議員の復党と、無所属の岩永峯一衆院議員(滋賀3区)の入党を承認、会派届を衆院に提出した。石破氏は衆院会派「21世紀」から離脱、笹川氏は新進党を離党していた。《共同通信》

【橋本龍太郎首相】「特措法改正」時限立法化は拒否

衆院は4日午後の本会議で、米軍用地特措法改正案の審議入りし、趣旨説明、質疑を行った。橋本龍太郎首相は民主党などが求めている時限立法化について「近い将来、今般と同様の事態が発生する可能性を否定できない」として拒否した。

米軍用地強制使用に関する事務手続きについて、首相は「本来、国が執行責任を持つ性格のものだ。地方分権推進委員会からの意見を見ながら幅広く検討したい」と述べ、国への移管も含め基本的法制度の在り方を検討する考えを表明。

さらに「日米安保条約上の義務を果たすことは日本という国家の存立にかかわる重大事項だ」「約3000人分の(契約を拒否している地主の)担保の供託手続きには相当の時間を要する。4月中のできるだけ早い時期の成立をお願いする」と、早期成立への協力を求めた。《共同通信》

【米・ルービン財務長官】橋本首相らと会談

ルービン米財務長官が4日来日し、橋本龍太郎首相や三塚博蔵相と相次いで会談、日本が経常黒字の過度拡大を避け、内需主導による経済成長を実現することが重要との認識で一致した。

一連の会談後に記者会見したルービン長官は、こうした目標を達成できなかった場合には「いかなる追加措置を取るかに議論が集中する」と述べ、財政出動などを含めた対応を求める可能性を示唆した。判断時期については「(平成9年度の)第一・四半期が経過すれば、日本経済のこの一年の動向が見える」と述べた。

為替水準については、ドル高是正を宣言した2月の先進7カ国蔵相・中央銀行総裁会議(G7)合意と「認識は変わらない」と強調した。

この日午前行われた橋本首相との会談では、首相が行財政改革の進行状況を説明。これに対し、ルービン長官は「規制緩和は経済にプラスになる」などと述べた。長官はさらに、日本債券信用銀行の経営改善策など金融不安解消を目指す日本政府の取り組みを歓迎。沖縄問題では、米軍用地特別措置法(特措法)改正案成立に向けた首相の努力を高く評価した。

正午からの三塚蔵相との会談でも長官は、金融システム安定化に取り組む政府の姿勢を歓迎した。長官は5日にフィリピンで始まるアジア太平洋経済協力会議(APEC)の蔵相会議に向かう途中で日本に立ち寄った。《共同通信》

【政界談話室】

○・・・橋本龍太郎首相は4日、ルービン米財務長官官邸で会談したが、米軍用地特別措置法改正のめどが立ってホッとしたのか、米国政府が一目置く「タフ・ネゴシエーター」(手ごわい交渉相手)の面影は見られなかった。首相はいつになく上機嫌で「また厳しい口頭試問をしに来ましたね」と切り出し、同席の榊原英資大蔵省国際金融局長を指さして「この人たちが僕にいろいろ言わせているんだよ」と冗談を飛ばした。ルービン氏も「私のせりふも(榊原氏が)書いてくれたらいいんですが」と応酬、会談は和やかなムードだったとか。

○・・・自民党の都道府県連幹事長会議が開かれ、加藤紘一幹事長は小泉純一郎厚相の郵政事業民営化発言について「選挙にマイナスだ」と批判された。加藤氏は有力な支持基盤である全国特定郵便局長会念頭に「厚相の個人的な考えだ」と逃げの一手。それでも「これからは支援団体の既得権益を犠牲にしなければならないこともある」と改革派をアピールしてみせると、直ちに村上正邦参院幹事長から「改革のプロセスをしっかり説明してほしい」と反撃されて冷や水を浴びせられた格好。右顧左眄では改革の前途も多難?《共同通信》



4月4日 その日のできごと(何の日)