平成4435日目

2001/02/28

この日のできごと(何の日)

【村上正邦元労相】疑惑の核心に触れず

参院予算委員会が28日午後行ったKSD汚職事件での証人喚問で、元労相の村上正邦前自民党参院議員会長は、東京地検から受託収賄容疑で事情を聴かれ「刑事訴追の恐れがある」として疑惑の核心部分について証言拒否を繰り返した。

このため岡野裕予算委員長は、議員証言法に基づく証言拒絶罪での告発も理事会で検討したいとの意向を表明した。

ただ村上氏は、KSD側が1996年1月の国会質問の見返りとして、同年6月から98年7月まで村上氏の資金管理団体「正邦会」などの家賃計2200万円を肩代わりしていたとの疑惑をめぐって「KSDで負担を願っていたとの報告を聞いた」と述べ、資金提供の事実を認めた。

その上で、趣旨や経緯については「訴追の恐れがある」として詳しい証言を拒否した。

村上氏は(1)KSD前理事長の依頼を受け、96年の参院本会議での代表質問で、KSD側が推進していた「職人大学(ものつくり大学)について後押した(2)見返りとして議員会館で5000万円を受け取った−とされる疑惑については一切証言を拒否。前理事長の議員会館訪問については「日にちは定かではないが、時々会館にお見えになられたことは聞いている」と述べた。

KSD関連の政治団体による架空党員集めや党費肩代わり疑惑について「(政治団体の)事務総長に問い合わせたが『そんなことはない』との返事だった。それ以上調査するすべはない」と答えた。《共同通信》

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【公明党・神崎武法代表】党大会前に首相辞意を

財団法人「ケーエスデー中小企業福祉事業団」(KSD)汚職事件で28日、村上正邦前参院議員に対する強制捜査の可能性が強まり、与党では一連の不祥事の責任を取る形で森喜朗首相の退陣を求める動きが一段と加速する見通しだ。公明党の神崎武法代表は同日午後の記者会見で、3月13日の自民党大会前に森首相が辞意を表明するよう促し、党大会前の辞意表明に否定的な自民党幹部の発言をけん制した。

自民党森派幹部は28日夜、参院選を森首相で戦う確率について「五分五分だ」と述べ、選挙前の退陣もあり得るとの見方を初めて明確にした。

野党は森内閣不信任決議案を当初予定より早く、2日の2001年度予算案の衆院通過前に提出する可能性も含めて検討に入った。1日にも4党党首会談を開き、提出時期を最終調整する。与党は内閣不信任案が衆院通過前に提出されれば、結束して反対する方針。

しかし、与党内には、森首相の退陣要求が大勢となっているため「否決すれば森首相の信任になり、退陣要求に支障が出かねない」(自民党筋)との懸念も出ている。自民党非主流派の動向も焦点となる見通しで、波乱含みの展開も予想される。《共同通信》

【2008年夏季五輪】評価委歓迎パーティー

2008年夏季五輪開催を目指す大阪市は28日、視察中の国際オリンピック委員会(IOC)評価委員会の歓迎パーティーを大阪市北区の大阪国際会議場で関係者約200人を集めて開き、森喜朗首相、磯村隆文市長らが「大阪五輪」の実現をアピールした。

森首相は、26日の歓迎スピーチを欠席したことを、衆院予算委員会で質問されたことに触れた上で「大阪五輪を成功させたいと、政府、国会も目指している。政府として五輪が最高水準の大会となるよう最大限の支援をしていく」と述べた。

磯村市長は、最先端の技術を使った人工島をメイン会場や選手村にすることを「現代的な場所で、古い歴史と伝統を持つまちが開催することは、五輪史上ユニークではないかと自負している」と訴えた。

これに対し評価委のフェルブルッゲン委員長(オランダ)は「磯村市長が何度か使った“COCOLO(心)”はハートの意味。大阪滞在中、笑顔の市民からその意味が分かった。素晴らしく質の高い競技施設をたくさん見た」と話した。《共同通信》


https://www.kantei.go.jp/

2月28日夜、森首相は大阪市で開催された、フェアブリュッゲン委員長をはじめとしたIOC(国際オリンピック委員会)評価委員会の歓迎レセプションに出席した。委員長一行は、今回、2008年のオリンピック誘致に立候補している大阪市を視察するために来日した。

席上、森首相は、1月のギリシア訪問時にオリンピックスタジアムを視察した感想を踏まえ、「アテネから大阪へと平和の架け橋を受け継ぎたいとの想いを強くしました」と述べ、更に「お気づきになったと思いますが私のネクタイはシドニーオリンピックのネクタイです。まもなくアテネのネクタイをいただけるようギリシアのオリンピック事務総長にお願いしています。そして、3本目のネクタイは大阪のネクタイを是非していることを私は願っています」とあいさつした。《首相官邸》

【大阪府・太田房江知事】「土俵入り」再要請

大阪府の太田房江知事は28日、大相撲春場所(3月11日初日・大阪府立体育会館)千秋楽で優勝力士に贈る府知事賞を土俵上で直接手渡す意向を日本相撲協会の時津風理事長(元大関豊山)に改めて伝えたことを明らかにした。

これに対して時津風理事長は「知事の考えは聞いています。私の考えを話したのも事実ですが、それに対して私がどうするこうするとは申し上げられない」と、返事を保留している。

太田知事は全国初の女性知事として初登庁した昨年2月、知事賞の直接授与に意欲を示した。しかし、相撲協会は「女人禁制」の伝統を理由に女性が土俵に上がることに難色を示し、国会の場でも女性差別として取り上げられた。《共同通信》

【中国共産党・李瑞環氏】江路線を暗に批判

中国共産党序列4位で、開明派の李瑞環・人民政治協商会議(政協)主席は28日、北京で開かれた政協常務委会議で「欧米の民主を批判することは必要だが、さらに重要なのはわが国の社会主義民主政治の建設を、真剣に研究し確実に強化することだ」と述べ、政治改革に及び腰の江沢民路線を暗に批判した。

李氏は江総書記の新指導思想「3つの代表」の宣伝にも極めて消極的で、来年秋の第16回党大会を前に指導部の足並みの乱れが表面化してきた。

新華社電によると、李氏は同会議の講話で「過去の成果と経験を広く宣伝することは必要だが、もっと重要なのは指導部内で問題をよく協議し、問題解決の新思考、新方法をよく研究することだ」とも強調。12年近く政権を握り、尊大さが目立ってきた江氏の政治手法を批判したものと受け止められる。《読売新聞》

【蟹江ぎんさん】死去

100歳を超える双子姉妹「きんさん ぎんさん」として、全国のお茶の間で親しまれた妹の蟹江ぎんさんが28日午前1時50分、老衰のため名古屋市南区の自宅で死去した。108歳。名古屋市出身。

姉のきんさんは2000年1月23日に死去。ぎんさんは明治から平成までの足掛け三世紀を生き抜いた。

遺体は姉妹で100歳を超えた長寿の珍しい例として、家族の同意を得て同市内の病院で病理解剖された。家族が同意した。

家族によると、ぎんさんは今月、ほとんど寝たきりの状態となり、3日ぐらい前から食欲がなかったという。4人の娘が交代で看病していたが、28日午前1時半ごろ容体が急変。家族ら5、6人が「おばあさん」と呼び掛ける中、眠るように亡くなった。

ぎんさんは1892(明治25)年8月1日生まれ。1991年に数えで100歳となり、敬老の日を前に愛知県知事と名古屋市長の表敬訪問のもようが全国に報道。これを機に、かわいらしい笑顔と名古屋弁での当意即妙のやりとりが受け「きんさん、ぎんさん」として“国民的アイドル”となった。《共同通信》

【この日の民主党】

衆院予算委/機密費横領の実態を追及=平岡秀夫議員

衆議院予算委員会で28日、民主党の平岡秀夫議員が質問に立った。

平岡議員は、まず外交機密費問題を取り上げ、松尾元要人外国訪問支援室長が官房機密費を預けていた第一勧銀の二つの口座のお金の出入りを明らかにするよう迫ったが、河野外相は「捜査との関係」「官房機密費のことだから」などとして、調査内容の公開を拒否。国民への事件の詳細の公開に消極的な姿勢をさらけ出した。

また、公共事業予算に関連し、公共事業等予備費が事実上、自民党の選挙道具に使われている実態を指摘。宮沢財務相は「景気効果の観点から必要」と弁明したが、平岡議員は全額削減を強く求めた。

衆院予算委/失業情勢は深刻な状況=城島正光議員

衆議院予算委員会で28日、城島正光議員が雇用情勢をめぐる諸問題について質問した。平成13年度における政府の雇用情勢に関する見通しで失業率4.5%を目標としている点について、その根拠を麻生経済財政政策担当大臣に質した。

麻生大臣は「失業率は増えているが、反面有効求人倍率が確実に増加している点を考慮し、判断した」と答弁。城島議員は「現下の失業情勢は、単に景気の回復だけでは改善できない深刻な状況だ」と分析した。

城島議員は非自発的失業者・世帯主の失業が特に深刻だと指摘。「地域間や求人求職のミスマッチなど構造的な問題がその底辺にある」とした。失業率の低下を最優先させたアメリカ型か失業率の低下は容認して賃金の確保を考えたヨーロッパ型かの選択は「いずれかを選ぶのは無理」とし、両立の必要性を訴えた。

KSD疑惑で村上前参院議員を証人喚問~簗瀬進、櫻井充議員が尋問

ケーエスデー中小企業経営者福祉事業団(KSD)をめぐる政界汚職事件で28日、参議院予算委員会で村上正邦前参議院議員に対する証人喚問が行われた。

民主党・新緑風会からは簗瀬進、櫻井充両議員が約34分間尋問を行ったが、村上前議員は東京地検の事情聴取を受け、刑事訴追を受ける恐れがあることを理由に「証言拒否」や「記憶にない」を連発。両議員は数々の疑問点に鋭く切り込んだが、疑惑の核心部分の解明はほとんど進まなかった。

簗瀬議員は、まず「隠さず真実を語ってほしい」と前置きし、「あなたと古関氏の行動は公益法人を隠れ蓑にし、中小企業者の善意と浄財を食いつぶした。まじめなKSD会員は涙を流して怒っており、謝罪すべきだ」と迫った。村上氏は「この問題が起こった一端の責任は私にある。しかし、私は犯罪者ではない」と逆に簗瀬議員をにらみつけた。

簗瀬議員はさらに、「今年2回、資金管理団体正邦会の収支報告を訂正した。(収入とした)5171万円はKSDグループからの報酬ではないのか」と問いただしたが、村上氏は「訴追の恐れがあるので、控えさせていただきたい」と答えた。簗瀬議員が「あなたは身の潔白を司法の場で明らかにしたいと言った。訴追の恐れがあることと全く矛盾している」とたたみかけると、「ここは裁判所でもなければ、捜査機関でもない。証言を拒否する要件は十分備わっている」と気色ばんだ。

続いて、「平成10年の参院選で獲得した党員のうちKSDにお世話になったのは何人か」と簗瀬議員が尋ねると、村上氏は「9万人だ」と答えたが、さらに「党費4000円なら3億6000万円だ。その党費の獲得は誰にしてもらったのか」と質すと「私は後援会、党員づくりには関与していない。当時は参議院幹事長として忙殺されており、選対事務所にまかせていた」などとはぐらかした。簗瀬議員は、豊明会中小企業政治連盟(豊政連)と村上正邦後援会の連名の署名用紙などを示し、「こういう文書がある以上、あなたは知らないとは言えないはずだ」と追及したが、村上氏は「何を根拠に私が知っていると言うのか。私はいちいち指示していない」と開き直るだけだった。

簗瀬議員はさらに、「(逮捕された豊政連事務総長の)中村勝彦氏が中心となって、(自民党の)幽霊党員をたくさんつくった。石川五右衛門とか徳川家康などたいへん多彩な党員だ。これはあなたのための党員だったのでは」と迫ったが、村上氏は「党員は自民党の党員であり、村上正邦の私兵ではない」などと話をすり替えた。

次に尋問に立った櫻井充議員は、ものつくり大学設立や補助金獲得への村上氏の関与を中心に問いただした。

櫻井議員はまず、96年1月の参議院本会議での代表質問について「古関前理事長から何か働き掛けがあったのか」と質したのに対し、村上氏は「まさにそのことが受託収賄の疑惑をかけられている。また先日の地検の事情聴取で聴かれていることだ」として、証言を拒否した。ところが、櫻井議員が「96年1月時点で(ものつくり大学は)自民党の基本方針だったのか」と迫ると「記憶が定かではない」、「橋本首相(当時)の前向きな答弁を引き出すために、労働省、内閣官房、首相に働きかけたのか」と質すと、「そんなことはございません」と語気を強めて否定。櫻井議員は「与党の中できちんと決まっていないものが、なぜ政府から前向きな答弁が引き出せたのか」と疑問を呈した。

また、「96年6月の国際技能工芸大学設立議連が自民党内に発足した。これにあたって古関氏から何か要請があったのか」と櫻井議員が尋ねると、またもや証言を拒否。これに対して、櫻井議員が「身の潔白を証明すると言ったが、証人ご自身は潔白だとお考えなのか」と迫ると、「私は証人喚問を受ける以上、堂々と公明正大にお答えするために出てきている。しかし今は事情が違う」と言い逃れた。

櫻井議員はさらに「あなたは参議院の地位向上に努力された。こういう証人喚問が行われても、何も発言せず何もわからなければ、国会は何をやっているのかと思われるのではないか」と責め立て、「96年10月に5000万円をKSD側から受け取ったとされるのは事実か」と質問。しかし村上氏は「訴追の恐れがあるので答えられない」と繰り返すばかり。

業を煮やした岡野委員長も「正当の理由のない証言拒否は禁固、罰金という規定があるが、それでもなおかつ拒否するのか」と警告したが、村上氏は「参議院の権威を高めることは人後に落ちない」と居丈高になったり、「それは委員長ね、今日の新聞を見てもわかるでしょ…」と嘆き節になったりしながら、証言を拒否し続けた。

櫻井議員は次に、平成12年度予算でものつくり大学建設に関する政府の補助金が約20億円増額された件への村上氏の関与をただしたが、「具体的な話はしていない」「思い出せない」などと村上氏はあいまいな答弁を繰り返した。また、大学の設置認可を早くおろすよう中曽根弘文文相(当時)に働き掛けをしたことや、KSD会員獲得に金融機関の協力を実現させるために大蔵省関係者を古関氏に紹介したことについても、「記憶はない」と述べた。

櫻井議員は、最後に「村上証人はKSDの政界工作のエージェントだったのではないか。小山前議員、村上証人以外の政治家がまだまだ関与していると考えられる」と、自民党全体への波及を示唆して尋問を終えた。

「厳粛に受け止める」山本前代議士への実刑判決で談話

政策秘書給与をだまし取り、政治資金収支報告書も改ざんしたとして、詐欺と政治資金規正法違反(虚偽記載)の罪に問われた山本譲二前代議士に対し、東京地裁は28日、「国会議員としての地位、信頼を利用して国民の期待を裏切った。民主主義の根幹を揺るがしかねない犯行」として、懲役1年6月の実刑判決を言い渡した。

民主党は、同日仙谷由人企画委員長名で「大変に厳しい判決であり、山本議員がかつて所属していた民主党としても、厳粛に受け止めたい」とする談話を発表した。

談話では、「民主党所属議員であった山本氏に対して指導が及ばなかったことを深く反省」し、国民のみなさまに深くお詫びした。

民主党の赤松広隆国対委員長は午前中の記者会見で、「きわめて厳しい判決だと受け止めている。政治に対する倫理が何よりも求められている現在、実刑判決はやむをえない。本人は十分反省し、罪を償ってほしい」と述べた。《民主党ニュース》



2月28日 その日のできごと(何の日)