平成5888日目

2005/02/20

【民主党・岡田克也代表】宮城県・浅野史郎知事と対談

民主党の岡田克也代表は20日、仙台市内のホテルで、 党主催の「地方分権フォーラム」に出席し、 地方分権をテーマに宮城県の浅野史郎知事と対談した。


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岡田氏は、小泉純一郎首相が進める国・地方財政の三位一体改革について「首相は閣僚間の調整すら放棄した。将来展望のない改革だ」と厳しく批判した。 《共同通信》

同党は今後、浅野知事ら改革派の地方自治体首長との連携強化を目指し、こうしたフォーラムを各地で開催する計画だ。

岡田氏は、国の補助金約20兆円のうち約18兆円を地方が自由に使える財源に切り替えるなどとした同党の地方分権政策を説明。「住民に一番近い基礎自治体の市町村に多くの財源を移す」と強調した。《共同通信》




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【中山成彬文科相】総合学習は必要

中山成彬文部科学相は20日午前のNHK番組で、学習指導要綱の見直しに関連し、ゆとり教育の目玉である「総合的学習の時間」の扱いについて「教科をまたがって(学習を)したり、子どもに自ら考え、生きる力を身に付けさせるには知恵や議論も必要。その意味で総合学習は必要」と述べ、廃止はしないとの考えを示した。《共同通信》

【この日の民主党】

岡田代表と浅野宮城知事が対談

党宮城県連・党分権改革推進本部主催の「地方分権フォーラムinみやぎ」が仙台市内で開かれ、岡田克也代表と浅野史郎宮城県知事がそれぞれ、「民主党が目指す地方分権」「地方財政自立改革の実現に向けて」と題して基調講演し、その後、地方分権をテーマに対談した。

宮城県選出の参議院議員、岡崎トミ子副代表の司会の下、県連代表挨拶に立った安住淳衆議院議員は、「地方に新しい活力をもたらすのが分権改革だが、地方自治体も国へ責任回避してきた姿勢を改めていくことも必要」だとして、地方ができることを地方が担っていくとする地方分権とはどういうものか、議論を深めていこうと訴えた。

岡田代表は講演で、「市民・住民の皆さんが、自分たちのことは自分で決める。決定権が皆さんにあるというのが地方分権の原点」と述べ、同時に責任も地方が負うことから分権論議がスタートするとの考えを示した。その上で、「重要なのは住民であり、住民に最も近い基礎自治体が重視されるべき」と強調。岡田代表は重ねて「権限を基礎自治体に移し、下からの積み上げで論じていかなければならない」と述べた。

続いて岡田代表は先の参議院選挙で「政権公約・マニフェスト」として示した民主党案を提示。国の補助金約20兆円のうち生活保護費などを除いた約18兆円(約12兆円の一括交付金と5・5兆円の税源移譲)を最終的には地方が自由に使えるようにしていくとする地方分権策を説明し、「どう使うかは自治体に委ねられる」と語った。

政府が進める分権改革について岡田代表は、「展望のない改革が進んでいる」と指摘。本来、政府が言う改革の先に何があるか、将来展望を小泉首相は示すべきであるとの考えを示し、閣僚間の調整すら放棄した小泉首相の姿勢を厳しく批判した。

同時に岡田代表は、自治体には情報公開が格段に求められるようになると指摘。さらに地方が大きく変わる魅力的な印象をもって捉えられている道州制について、「国の権限移譲がそこで止まり、基礎自治体に降りて行かない危険性もある」との見方を示した。

続いて登壇した浅野知事は、「地方分権と地方財政の自立が、私たちの暮らしを豊かにする!」としたフォーラムの副題を引き、「豊かにするかもしれないが、豊かにならないかもしれない。そんなには甘くない」と語り、住民に委ねられる判断の大きさを改めて強調した。

当初、廃止が検討された義務教育費国庫負担金をめぐる問題について浅野知事は、「廃止されると地方の義務教育の水準が下がると言われているが、それは地方をバカにした物言い」と指摘。公立小中学校の教職員給与の国庫負担分がなくなったとしても、それのみで教育政策転換を打ち出す都道府県は存在し得ないとした上で、「もしそうした状況がもたらされたときこそ、住民が登場する余地がある」と述べ、納税者の政治参加・本来の民主主義の発芽がそこから始まるとした。

浅野知事は宮城県が取り組み始めた寝たきりの障害児を普通校に通わせる統合教育を紹介。「義務教育費国庫負担金でなく、県の義務教育費から出している」とした上で、教育は国の関与で維持されているのではなく、地方の裁量で使えるお金が増えることで地域のニーズに即した教育が多方向に広がっていく可能性に改めて言及した。さらに、見直しが始まっている「ゆとり教育」について、全国一律でやったのが誤り、地域の独自性が発揮されていれば失敗も最小限に防げたはずとの見方を示した。

岡田代表は、「義務教育は国の責任である」とした上で、全部を国に委ねるのは違和感を感じると主張。国の責任範囲と地方の裁量で創意工夫すべき点との住み分けの必要性を指摘した。「義務教育費国庫負担金も、最低限やらなければならないところへは国のお金を降ろすのが、地方に委ねる本来の姿だ」と語った。

2004年度は、国庫補助金の削減(約1兆円)・地方交付税改革(約2・9兆円削減)ばかりが先行し、税源移譲は6558億円にとどまっている現状を前に、浅野知事は、「国の財政改革のために利用されているに過ぎない。三位一体改革という名ばかりで、財務省の思う壺」と批判。地方財政自立改革と改名し、その方向性の明確化の必要性を指摘した。

岡田代表、門間宮城2区総支部長ら、街頭演説会で党への支持訴える

岡田克也代表は20日、「地方分権フォーラムin宮城」の終了後に仙台市内で行われた街頭演説会に参加。党宮城県第2区総支部長に新しく就任した門間ゆきこさんを聴衆に紹介し、民主党への支持を訴えた。

演説の冒頭、岡田代表は、辞職した鎌田さゆり前衆議院議員のあとを託す政治家として、門間さんが総支部長に選任されたことを報告。「若い、新しい、女性の政治家を、大きく皆さんの力で育てていただきたい」と述べた。

続いて岡田代表は国会情勢に話題を移し、小泉首相を見ていて大きな失望を感じる人が多くなっている、と指摘。その理由として岡田代表は、地方分権改革と年金改革を例示。地方分権改革に関しては、小泉首相と自民党が、「地方のことは地方に任せ、住民が自己決定できる仕組みを考える」という根本の議論を忘れた結果、何の改革も果たしていないと分析。先の参議院選挙の最大争点であり、「制度としてすでに壊れている」年金問題についても、本気で抜本改革を議論する気がない、とした。

その上で岡田代表は、「次の総選挙で国民の手に政治を取り戻す」とかたく誓い、政権交代を成し遂げるためにも、「仙台において、新しい政治家を生み、育てていただきたい」と、民主党への支持を要請した。

門間総支部長は、「地域に育てられたという意識が強くあり、子どもの頃から、地域のために様々な役に立てたら、と思っていた」と述べ、一軒一軒家を訪ねて声を聞き取り、調査を重ねた社会学者としての経験を活かして、「現場の声を伝え、法律をつくる」ことへの決意を示した。「日本と地域には、限りない力がある。地域の昔からの生活の中に、(孤独死など、社会が抱える)問題の解決策がある」と訴えた門間総支部長は、昔と今をつなぐことが、日本が活力を取り戻す道だとし、「(その第一歩である)政権交代を私たちの手で実現しましょう」と集まった人々に力強く呼びかけた。

演説会には、宮城県連代表の安住淳衆議院議員をはじめ、西村智奈美・橋本清仁両衆院議員、鎌田前衆院議員も参加。道行く人々に支持を呼びかけた。また、終了後、岡田代表と門間総支部長は、聴衆の間を回って握手に応じ、挨拶を行っていた。

補欠選挙は、小泉政権に「ノー」と言う機会 岡田代表が記者団に

民主党の岡田克也代表は20日、「地方分権フォーラムin宮城」とそれに続く街頭演説会の日程終了後、記者団の質問に答えた。

岡田代表はまず、地方分権フォーラムの感想を問われて、「率直にお話ができた。浅野知事もよく話しておられた。会場からも良い質問が出た」などと述べた。

次いで、衆議院宮城2区補欠選挙にも関連する、公職選挙法改正について問われた岡田代表は、「本人が分からないところで行われたことについて、最終的に有権者に選んでいただいた議員自身の責任にまで及ぶのは行き過ぎ」ではないかと指摘。「制度として考えるときに、少し無理がある」との考えを示した。その上で岡田代表は、与党もおそらく改正は当然という同じ認識を持ち、きちんと話し合えば結論が出るだろうと述べ、電話による投票依頼行為については、いわゆるウグイス嬢への報酬が定着するようになった経緯を例に挙げて、「一定の範囲の中で、金額を限って認めるのは、基本的には正しい方向」との認識を明らかにした。

宮城2区補選の位置づけを問われると、岡田代表は、「鎌田さゆりさんという素晴らしい政治家の後を受けて、地域の皆さんに、新しい門間ゆきこという候補者を選んでいただく選挙」であると同時に、「小泉改革の成果を問う選挙」であるとの二点を指摘。特に「国民が大きな疑問と感じていることをきちんと意思表示できるのは、300小選挙区のなかで二つ(宮城2区、福岡2区)しかない」と岡田代表は述べ、宮城2区の有権者に対して、小泉政権に「ノー」と言う機会を活かしてほしいと述べた。《民主党ニュース》



2月20日 その日のできごと(何の日)