平成4792日目
2002/02/20
この日のできごと(何の日)
【衆院予算委員会】
衆院予算委員会は20日午前、アフガニスタン復興支会議への一部非政府組織(NGO)参加拒否問題などをめぐり、田中真紀子前外相と鈴木宗男前衆院議院運営委員長の参考人質疑を相次いで行った。田中氏が、参加拒否に鈴木氏の関与があったと野上義二外務事務次官(当時)から報告を受けたと重ねて主張したのに対し、鈴木氏は否定し、食い違いは埋まらなかった。
田中氏は、自身の更迭に関し「大臣と事務次官を相打ちにした判断は間違っている。次官に責任を取らせて様子を見ることができたはずだ。首相自身が抵抗勢力であることに踏み切った」と、小泉純一郎首相を厳しく批判した。
田中氏は在任中の国会答弁を「間違いない」とし、鈴木氏の関与を否定した野上氏の国会答弁については「残念ながらそう(うそをついている)だ」と表明。特定の議員の主張に従ったことはない」とする政府見解については「棒をのむ思いで了とせざるを得なかった。今も納得していない」と不満を示した。
田中、鈴木両氏の主張が真っ向から対立したことで、野上氏らの参考人招致を求める声が強まるのは必至。政府見解についても首相や福田康夫官房長官は田中氏発言との整合性を問われそうだ。
鈴木氏は「特定のNGOに言及したことはない」と反論。ただ「私がNGOに対して、ものを言ったことを外務省が忖度したとすれば、外務省にも(参加拒否されたNGO代表の)大西健丞氏にも申し訳ない」と述べた。
野党は、北方四島人道支援や対アフリカ政府開発援助(ODA)をめくり、鈴木氏が入札に関与し、受注企業から政治献金を受けていると「私物化」疑惑を追及したが、鈴木氏は「どこどこ(の企業)にという話はしたことがない」と否定した。
田中氏は福田官房長官らが外務省人事に関係したことを「外相は官邸にいるのかと思った」と批判。鈴木氏に近い外務省職員の異動について「小町恭士官房長が『鈴木先生の許可がないと触れない』と言っていた」とし、鈴木氏の外務省への影響力に強い不快感を示した。《共同通信》
衆院予算委員会は20日午後、田中真紀子氏、鈴木宗男氏の参考人質疑を受けて非政府組織(NGO)参加拒否問題についての集中審議を続行した。外務省の小町恭士官房長は鈴木宗男氏に近いとされる同省国際情報局の佐藤優主任分析官が6年以上も同ポストに在職していることに関して、「鈴木氏との関連も(異動しない理由として田中外相に)説明した」と鈴木氏の影響があることを事実上認めた。小泉純一郎首相は外相の更迭批判に反論、NGO問題の再調査を拒否した。
佐藤氏の人事に関連し、川口順子外相は「最長3年の原則にのっとり、円滑なローテーショーンに努めたい。国会で指摘があったので事情を自ら聞いてみたい」と述べた。
首相は、「首相の判断は間違っている」とした田中氏の外相更迭批判に対して、「田中さんは田中さんの判断だ。私は実に適切だったと今も確信している」と強調した。
アフガニスタン復興支援会議へのNGO参加拒否問題について、田中氏は参考人質疑で「特定の議員の意見に従ったことはない」とする政府見解に「納得していない」と発言したが、首相は「外相当時は納得した。それを尊重するしかない」と言明。福田康夫官房長官も「これ以上調査する必要は全くない」と表明した。
北方四島人道支援事業で、鈴木氏が受注企業から多額の献金を受け取っているとの野党側指摘に首相は「政府関係の援助で不正が行われないような監視、調査をしっかりやっていかなければいけない」と述べ、外務省に調査を指示したことをあらためて指摘した。
野党4党は田中、鈴木両氏の証人問と野上義二前外務事務次官、飯島首相秘書官らの参考人招致を要求した。民主党・無所属クラブの長妻昭、共産党の佐々木憲昭、社民党の辻元清美各氏らが質問に立った。《共同通信》
◇
小泉純一郎首相は20日夜、田中真紀子前外相が参考人質疑で自らの更迭を「間違いだった」と批判したことについて「田中さんの判断だから私は正しいと思っている。あとになれば分かる」と反論した。
田中氏が首相を「抵抗勢力」と決めつけた点に関しては「それも田中さんの判断だ。とやかく言う問題ではない」と不快感をにじませた。飯島勲首相秘書官(政務担当)の参考人招致要求については「私自身が(国会に)毎日出ている。十分でしょ」と拒否する考えを示した。首相官邸で記者団の質問に答えた。《共同通信》
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【ケツメイシ】シングル「トモダチ」発売
【米・ブッシュ大統領】韓国・金大中大統領と会談
ブッシュ米大統領は20日、ソウルの青瓦台(大統領官邸)で金大中大統領と会談し、対朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)政策で金大統領の包容(太陽)政策への支持を表明。両首脳は北朝鮮の大量破壊兵器とミサイル開発・拡散問題は「対話によって早期に解決する」(金大統領)との認識で一致した。
しかしブッシュ大統領は会談後の共同会見で「(北朝鮮の)金正日体制が国民の飢餓を容認していることに困惑し、閉鎖的な政権であることを憂慮している」と述べ、金正日総書記に強い不信感を表明。先の一般教書演説で北朝鮮を「悪の枢軸」と名指ししたブッシュ大統領と金大統領の対北朝鮮政策での溝が浮き彫りになった。《共同通信》
◇
訪韓中のブッシュ米大統領は20日、金大中・韓国大統領とともに南北をつなぐ京義線の都羅山駅を訪問、駅構内での演説で「世界で最も危険な武器を持つ最も危険な政権がわれわれを脅すのを許してはならない」と述べ、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)を含む大量破壊兵器の開発疑惑国に強く警告した。
韓国と北朝鮮を隔てる非武装地帯近くの同駅での発言で、大統領は「悪の枢軸」と呼ぶ北朝鮮の「金正日体制」をあらためて厳しく批判したと受け止められている。
大統領は「いかなる国も自国民を囚人とする監獄になってはならない」と指摘、北朝鮮は「強力な軍隊を維持する一方で子供たちが飢餓に苦しんでいる」と非難した。
さらに「いつの日か、有刺鉄線で隔てられるのでなく、商業活動と協力によって統一された朝鮮半島が実現することを思い描いている」と述べ、朝鮮半島の統一を支援する考えを強調した。
金大統領も演説で「ここから北へ14キロだけ鉄道が延びれば南北の緊張は大きく緩和される」と述べ、統一への希望を表明。北朝鮮に「われわれの対話の呼び掛けに一日も早く応じるよう望む」と呼び掛けた。
ブッシュ大統領はこれに先立ち、板門店近くの在韓米軍基地を訪問。1976年に米軍将校2人が北朝鮮軍兵士に斧で殺害された「ポプラ事件」の説明を受け「わたしが彼らを『悪』と考えるのは当然のことだ」と述べた。また、北朝鮮軍と向き合う米軍の態勢について「われわれは準備ができている」とも語った。《共同通信》
【イスラエル軍】議長府攻撃
イスラエル軍は20日未明、パレスチナ自治区ガザにある自治政府議長府や警察本部を沿岸の海軍艦艇や戦闘機から攻撃。議長府を襲撃しようとした軍の特殊部隊とアラファト議長警護隊フォース17との間で激しい銃撃戦となり、少なくとも警護隊の5人が死亡、約10人が負傷した。
また自治区からの情報によると、イスラエル軍は同日早朝、ヨルダン川西岸の自治区ラマラにある議長府に隣接する治安施設をミサイルで攻撃。事実上の軟禁状態にあったアラファト議長は議長府にいたが無事だった。
さらに西岸の自治区ナブルスでは同日早朝、イスラエル軍とパレスチナ警官が銃撃戦を展開し、警官5人が死亡した。
イスラエルが、自治政府の権威の象徴である議長府を直接攻撃したのは初めて。18日から3日間の死者は自爆犯を含め双方で32人に上り、パレスチナ情勢は全面的な戦闘に陥る恐れが出ている。
シャロン同国首相は20日朝、治安閣議を招集、激化するパレスチナ過激派のテロへの対応を協議する。
ラマラ近郊では19日夜、パレスチナ過激派の銃撃を受け、イスラエル兵とみられる6人が死亡、1人が重傷を負った。銃撃はパレスチナ解放機構(PLO)主流派ファタハ武装組織の犯行とみられる。
一方、西岸のユダヤ人入植地メホラ付近では同日、バスに乗り込もうとしたパレスチナ人の男が運転手に拒否された直後、自爆死した。乗客らにけがはなかった。イスラエルのペレス外相は20日に予定していた欧州連合(EU)議長国スペイン訪問を取りやめた。《共同通信》
◇
イスラエル放送によると、イスラエル軍は20日早朝、ヨルダン川西岸のパレスチナ自治区ラマラとナブルス、ジェニン、カルキリヤ、トルカレムの主要5都市の封鎖を強化、パレスチナ人の都市間の移動を認めない措置を取った。軍は検問所に配置する兵士を増員し、5都市ではパレスチナ人が検問所に近づくことを禁じている。
いずれもラマラ近郊で19日夜、イスラエル人6人が銃撃で死亡した事件への報復措置。軍は6人を兵士と確認した。
シャロン同国首相は20日午前、治安閣議を開催し、パレスチナ過激派によるテロ対策について協議。同放送によると、ラマラとナブルスを中心に軍事作戦の頻度と規模をさらに強化することで合意したもよう。《共同通信》
【政界談話室】
○・・・森喜朗前首相が20日昼、自民党支援の歌手や文化人のパーティーでのあいさつで「山崎さんのように無口な方でも、選挙区に行って歌わないと、演説だけでは後援会の会合がまとまらない」と同席した山崎拓幹事長にあてこすり。山崎氏は「無ロではなく、本当は音痴だと言おうとしたことはよく分かる。私は真心が出る歌いぶりでカバーしている。森先輩は自分が少し歌がうまいのを鼻に掛けている」とやんわり反発したが、自民党を取り巻く情勢は厳しいだけに外野席からは「歌よりも本業で勝負を」との声が聞こえてきそう。《共同通信》
【仙台高裁】PTSDに慰謝料認定
交際していた男性から度重なる暴力を受け、心的外傷後ストレス障害(PTSD)になったなどとして、山形県内の20代の女性が男性に慰謝料や治療費など約2000万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、仙台高裁の喜多村治雄裁判長は20日、請求を退けた昨年1月の山形地裁判決を変更、男性に約170万円の支払いを命じた。
判決は一審が否定した男性の暴行の事実を認め「女性がPTSDを発症し、通院治療している」として、PTSDに対する慰謝料70万円を認めたほか、けがの治療費や慰謝料などを約100万円と算定した。
女性側弁護士は「男性の暴行によるPTSDを認定し、慰謝料支払いを命じた判決は珍しい。暴力に悩む女性たちに救済の道を開く画期的な判断だ」と評価している。《共同通信》
【エジプト】列車火災で370人死亡
エジプト北部ギザ県で20日未明、同国南部に向けて走行中の夜行旅客列車から出火、治安当局者によると約370人が死亡し約70人が負傷した。約150年に及ぶ同国の鉄道史上、最大級の事故となった。
エジプト内務省などによると、列車はカイロ発アスワン行きで11両編成。20日午前2時ごろ、カイロ南方約80キロで車内から出火した。二、三等級の車両のみで、治安上の理由から外国人の搭乗は許されておらず、死傷者のほとんどは地元の工ジプト人旅行者だった。
カイロの日本大使館は現地に職員を派遣したが、邦人が巻き込まれたとの情報はない。
現場の治安当局者によると、列車内で乗客が使用していた調理用ガスボンベが爆発したとの情報や、車内の電気回線がショートしたとの情報がある。ムバラク大統領は出火原因の徹底究明を関係機関に命じた。
運転士は火災発生に気付かず、数分間走り続けたため火災が11両中7両に広がり、車窓などから飛び降りた乗客多数が死傷した。車内は金属性の骨組み部分を残し完全に焼け落ちており、遺体の損傷が激しいため、原因や身元の確認は相当期間かかる見通し。《共同通信》
【ソルトレークシティー五輪】第13日
ソルトレークシティー冬季五輪第13日の20日、スケルトン男子で越和宏(ホクト産業)は1分43秒02で8位に入った。稲田勝(松田産業)は18位。ジム・シェイ(米国)が1分41秒96で優勝した。女子はトリスタン・ゲール(米国)が1分45秒11で制した。中山英子(信濃毎日新聞)は12位。スビードスケート女子1500メートルはアンニ・フリージンガー(ドイツ)が1分54秒02の世界新で優勝、田畑真紀(富士急)は9位、外ノ池亜希(アルピコ)は14位だった。
バイアスロン男子30キロリレーはノルウェーが初優勝した。アンカーを務めたオーレアイナル・ビョルンダーレンは4冠を達成。日本は13位。スキー女子回転はヤニツァ・コステリッツ(クロアチア)がアルベン複合に続く金メダル。広井法代(神立高原ク)は14位、柏木久美子(SW苗場アカデミー)は16位だった。
アイスホッケー男子準々決勝で、長野五輪銀メダルのロシアは同金メダルのチェコに1−0で勝ち、準決勝に進出。スウェーデンはベラルーシに敗れた。《共同通信》
【この日の民主党】
野田議員、田中前外相に更迭の経緯を質す
20日、衆院予算委員会で行われたNGO排除問題に関する集中審議で、参考人として出席した田中真紀子前外相に対し、民主党の野田佳彦議員が質問に立った。野田議員は、鈴木議員の関与疑惑、野上前事務次官の発言の真偽、外務省人事の実態、小泉首相の政治姿勢への見解などを質した。
野田議員はまず、NGO排除への鈴木議員の関与を野上前事務次官が明言したとする田中氏の外相当時の答弁について、現在でも同じ見解か、鈴木議員・野上前事務次官の虚偽発言か、と改めて質した。田中前外相は「前事務次官は残念ながらそうだ」とした。
また、「田中前外相の言い分を基本的に否定した政府見解について、前外相も認めたとされているが」と質問。田中前外相は「国会の空転が指摘されるなか、一国会議員としては懊悩したが、総理への恩と深刻な経済情勢のなかで予算審議を先行させなければならないという閣僚としての責任のもと、棒を飲む思いでしたギリギリの選択をした」と胸の内を明らかにした。
続いて、野上前事務次官や田中前外相就任当時に秘書官を務めた上村司氏の就任の経緯について質したのに対し、前外相は「外務大臣は官邸にいるのかと思ったくらい」と説明。外務省人事への官邸の関与の実態を明らかにし、これを改善しない限り外務省改革はなしえないとまで発言した。
野田議員は次に、田中前外相は更迭か依願退職か、と質した。前外相は、「小泉総理が更迭とおっしゃったので更迭」と答弁。さらに、当時「事務次官の人事は、(外相である自分に)任せてもらえないか」と小泉首相に要請したが拒否されたことを明かし、「相打ち」という首相の処置は「まちがっている」との考えを示した。
また、NGO排除の決定についても「事務次官だけで判断し、大臣に上げていないことがそもそも問題」と言葉を強めて指摘。それに官邸がお墨付きを与えている点も極めて問題だと指弾し、「ピンチのときに判断がつかなかったのは総理のためにも残念」ときっぱり批判した。
さらに前外相は、外交機密費の官邸への上納問題・プール金問題について、会計検査院の報告にすべてがあると指摘。報告の是正項目に挙がっている「内閣官房と外務省における事務および経費分担の明確化」、「報償費執行体制の整備・内部確認・監査体制の構築」「第三者によるチェック体制・情報公開・説明責任」が実現されるかにかかっている、と発言した。
最後に川口外相に対して、「新大臣が官僚のペーパーを読んで発言なさり、それで国会が運んでいる。この事実に対し、これが国益なのか、後でほぞを噛むようなことがないよう、われわれ国会議員はしっかりと見ていく義務がある」とまで言い切った。
原口議員、鈴木宗男氏による外交私物化の実態を暴く
衆議院予算委員会は20日、アフガニスタン復興支援会議におけるNGO排除問題をめぐって、田中真紀子前外相に続き、自民党の鈴木宗男議員を参考人として招致し、集中審議を実施。民主党から質問に立った原口一博議員は、鈴木議員による外交の私物化の実態を様々な問題から浮き彫りにした。
原口議員はまず、鈴木議員が、コンゴ大使館の通商代表機関の一員と自称するジョン・ムウェテ・ムルアカ氏を私設秘書として雇っている問題を追及。「他国の外交官を私設秘書にしているなら大問題だし、正式の外交官でないなら官名詐称だ」と指摘した。鈴木議員は「民間人という認識だった」などと弁解。事実関係を理事会で調査することになった。
次に、鈴木議員が頻繁にPRしているタンザニアの「鈴木ホール」建設の経緯について質問。鈴木氏が800万円の建設費用を寄付したとされることに関して「個人の政治団体から他国への寄付は許されるのか」と質した。鈴木氏は「外国から受けることはできないが、出す分についてはどこにも書いていない」などと居直った。
また、2000年12月に鈴木議員が森首相の親書を携えて訪露し、ロシアのセルゲイ・イワノフ安全保障会議書記(当時)と会談を行った際の問題についても質問。外務省の欧州局長らも同行していたにもかかわらず、イワノフ氏と2人だけで会談したことなどを指摘し、「公と私の区別が不明確だ」と批判した。鈴木議員は、「(訪露は)個人の資格といいながら、政府と一体の立場で」などと曖昧にしか答えられなかった。
同様に、98年から実施されている政府の日露青年交流プロジェクトを取り仕切り、ロシア側訪問団が来るたびに自らに表敬訪問させ、「金をとるのに尽力したのはオレだ」「オレに話を持ってこい」などと話していることも暴露。鈴木議員による外交私物化の異常な実態が明らかになった。
さらに、外務省の佐藤主任分析官を37回の海外出張のうち18回も同行させ、秘書同様に使っていたことも指摘。そうした活動の中で、北方領土の4島一括返還論への批判を展開するなどしてきたことを明らかにし、「日本の外交姿勢を歪めてきたと言わざるをえない」と厳しく指弾した。
NGOへの恫喝問題では、ピースウィンズ・ジャパンの大西代表らに「こいつらの援助はストップする」「もっと早く挨拶に来い」「NGOにはとんでもないのがいる」などとどなったというNGO側の議事録について質したが、鈴木議員は「言っていない。5の話を10にしている」などと言い逃れに終始した。
妻議員、外務省問題の責任を徹底追及
20日午後の衆議院予算委員会で質問に立った民主党の長妻昭議員は、午前の鈴木宗男議員と、田中真紀子前外相の参考人答弁でさらに疑問が深まったとして、先の内閣答弁書の回答内容のうち、田中外相の更迭理由(国会混乱)、特定の議員に従ったことはない、の2点の再調査を求めた。
これに対して小泉首相は「“言った、言わない”は切りがない」と調査を拒否した。また、福田官房長官は「外務省の8人の職員に事実確認した。政府答弁書は田中議員も了承したもの」と答弁。この答弁に、長妻議員は「田中議員は午前中の答弁で納得していない、としている。田中前外相が嘘を言っているのか」と追及。首相は「嘘とかの問題ではない」とまともな答弁を避けた。
次に、長妻議員は、アフガニスタン支援会議から排除したNGOに謝罪したのかと質問。川口外相は「当事者ではないので、謝罪すべき立場にあると思っていない」と無責任答弁。再質問に対して「これからアフガンの復興に一緒に取り組めることが重要」と謝罪はあくまで拒否した。
長妻議員は「(答弁書で)外務省は、NGOの出席拒否の件について大臣に上げなかったことを反省している、としているが、事務方の責任はどうなっているのか」と質した。外相は「責任はあるが、処分の対象にはならない」と事務方を擁護した答弁。この答弁を受けて、長妻議員は田中外相の更迭の理由を「事務方の責任をとった、排除の責任をとったということか」と質した。首相は「総合的判断によるものだ」と政府答弁書と食い違う答弁。長妻議員は納得せず、しばしば審議は中断した。
さらに長妻議員は、鈴木議員のODA疑惑も含めて、速やかな調査とその結果の公表を要求。首相は「できるだけ早く」と回答した。長妻議員は期限を切ることを要求したが。首相は明言を避けた。
「小泉内閣の政官業癒着体質は明白」鳩山代表会見
鳩山由紀夫代表は、20日の定例会見で衆院予算委員会の集中審議について言及。田中前外相が「首相は一見新しいことを言っているが、自分自身が『抵抗勢力』であることに踏み切った」などと発言したことについて、「小泉内閣をつくった張本人が首相との完全な決別宣言をした」と語った。さらに、田中氏の政府批判について、民主党の主張そのものであるとし、「政官業の癒着、族議員と官僚任せの体質が明らかになった」と指摘した。《民主党ニュース》