平成4791日目
2002/02/19
この日のできごと(何の日)
【米・ブッシュ大統領】「日本の復活を確信」
初来日中のブッシュ米大統領は19日、参院本会議場で衆参両院議員を前に演説し、「大胆な行動によって日本はより改善された強い経済を復活させるだろう」と述べ、小泉純一郎首相の構造改革の加速を促すとともに、韓国、台湾などアジア太平洋地域の防衛に向けた米国の決意を表明した。米大統領の国会演説は、1983年のレーガン大統領、96年のクリントン大統領に続いて3人目。
大統領は、経済不振によって日本の指導力への疑問があるとしながらも「私は日本が再び偉大な時代を迎えると信じる」と述べ、日本経済復活を確信していると強調。「危険と沈滞の時には立ち止まらず改革と再構築による大胆に前に進むほうが得策だ」と改革加速に強い期待を表明した。
大統領は、福沢諭吉が「競走」という新語をつくって日本経済の近代化を助けたと指摘。明治維新に触れ、日本は「新たな維新」を迎えていると語りかけた。《共同通信》
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訪日を終えたブッシュ米大統領は19日午後、韓国の首都ソウルに到着、20日午前に青瓦台(大統領官邸)で金大中大統領との首脳会談に臨む。ブッシュ大統領は朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)に対する韓国の包容政策(太陽政策)を支持する意向を示しながらも、北朝鮮の大量破壊兵器拡散に強い懸念を表明。テロ対策や対北朝鮮政策に関連して米韓同盟の強化を確認する一方、北朝鮮との対話努力を継続することで一致する見通しだ。《時事通信》
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【天皇、皇后両陛下】ブッシュ大統領夫妻と会見
ブッシュ米大統領は19日、離日を前にローラ夫人とともに皇居・宮殿に天皇、皇后両陛下を訪ね、両陛下との会見や昼食会などの歓迎行事に出席した。
宮内庁によると、天皇陛下がブッシュ大統領に会われるのは初めて。父親のブッシュ元大統領は1992年に国賓として来日した際、両陛下が宮中晩さん会を開いてもてなしている。
大統領夫妻はこの日午前11時半、ベーカー駐日大使夫妻らとともに宮殿に到着、南車寄で出迎えた両陛下と握手を交わした。会見は正殿・竹の間で約30分間行われ、同庁によると、陛下が昨年9月の米中枢同時テロの犠牲者にお悔やみを述べたのに対し、大統領が「ありがとうございます」と感謝した。
さらに、大統領が「アフガニスタンに平和が戻って良かった」と話したのを受け、陛下は「カブールの人たちに笑顔が戻ったのが印象的でした」などとこたえたという。
大統領は音楽を愛好する両陛下に、木製の譜面台を記念に贈った。《共同通信》
【外務省】新旧事務次官が会見
外務省の竹内行夫、野上義二新旧事務次官が19日午後、そろって外務省で記者会見し、竹内氏は政治家からの圧力排除に関し「適切な意見は拝聴するが、不当な圧力には毅然たる態度をとるのは当然だ」と述べ、具体的な対応策を早急にまとめる考えを明らかにした。
更迭された野上氏は、在任中の田中真紀子前外相の仕事ぶりについて「できる限り政策を議論して外交をやりたかったが、残念ながらそういう状況でなかった」と暗に批判した。
竹内氏は外務省改革について「国民に奉仕する公務員という原点に立ち返って、日本の国益増進のために努力していくことが一番問われている」と述べ、不祥事再発防止のための制度改革だけでなく職員の意識改革に取り組む考えを表明した。《共同通信》
【東京株式市場】
19日の東京株式市場は日米首脳会談で不良債権処理への具体策が示されなかった失望感などから銀行株を中心にほぼ全面安の展開となり、日経平均株価(225種)は大幅反落、2月12日以来5営業日ぶりに9900円を割り込んだ。円、債券もやや売られ、ミニトリプル安になった。
市場関係者は「ブッシュ米大統領にデフレ対策や不良債権処理で日本当局への外圧を期待したが、期待外れに終わった」(大手証券)と指摘。公的資金注入に主要閣僚が消極的姿勢を見せていることも外国人投資家などの失望売りを誘った。
終値は、前日比246円9銭安の9847円6銭。東証株価指数(TOPIX)も21.72ポイント安の959.96と3日続落し、2月8日以来の960割れ。東証一部の値下がり銘柄は1000を超え、70%近くに達した。出来高は約6億8400万株。《共同通信》
【塩川正十郎財務相】減税前倒しに積極姿勢
塩川正十郎財務相は19日の閣議後会見で、経済活性化のための減税を来年度途中で実施すべきだとの与党内の意見について「必要ならやってもいいと思う」と述べ、年末の税制改正を前倒しすることに前向きな姿勢を示した。
財務相は、政府税制調査会などで進めている税制改革で「まず基本理念を確立するよう政府税調の石弘光会長に提案したい」と述べた。方向性としては(1)財政のバランス重視(2)減税先行で経済を刺激(3)税の不公平是正−の3つがあると説明。
その上で「僕の希望としては減税を強く出してもらいたい。恒久的な減税と臨時の減税を機動的に組み合わせてもらってもいい」と述べ、減税による経済活性化を優先議論するよう強く求めた。《共同通信》
【小泉純一郎首相】日銀総裁と会談
小泉純一郎首相は19日夕、官邸で速水優日銀総裁と会談した。首相は会談後、記者団に対し「デフレ対策を決めた通りしっかりやって行きましょうと(話した)」と述べ、デフレ総合対策をめぐり、速水総裁と認識をすり合わせ、一致協力して取り組む確認をしたことを明らかにした。
首相は、会談では具体的な金融政策の中身については話さなかったとしているが、日銀は会談を踏まえ今月28日の政策委員会・金融政策決定会合で、長期国債の買い切り増額による資金供給の拡充を含めた追加金融緩和策を検討する見通しとなった。
日銀は、金融市場への主要な資金供給手段の一つとして、長期国債買い入れを月8000億円ペースで実施しているが、塩川正十郎財務相は、これを1兆円程度に増額して、さらに円滑な資金供給を行うように求めている。《共同通信》
【Blu−ray Disc】発表
ソニーや松下電器産業、オランダのフィリップスなど日欧韓の電機9社は19日、DVDの次世代製品となる光ディスク「Blu−ray Disc(ブルーレイディスク)」を発表した。
世界の主要メーカーによる事実上の統一規格により、市場の拡大を狙う。商品化は2003年ごろの見込み。
新ディスクはCDやDVDと同じ直径12センチで、情報の読み取りに波長の短い青紫のレーザー光線を利用。記憶量は27ギガバイトとDVDの約6倍。
一般テレビ放送で13時間、高画質放送でも2時間以上の録画が可能。コンピューター用の記憶装置にも利用できる。
一方9社は、二層式で容量50ギガバイトと、一段と大容量の光ディスクの開発を目指す方針も明らかにした。
規格統一に参加したのは、ほかに日立製作所、シャープ、パイオニア、サムスン電子(韓国)、LG電子(同)、トムソン・マルチメディア(フランス)。《共同通信》
【NTTドコモ、日産自動車】車の「情報化」で提携
NTTドコモと日産自動車は19日、ドコモの第三世代携帯電話「FOMA(フォーマ)」を使った車載情報サービスの開発で提携すると発表した。同様のサービスはトヨタ自動車やホンダも実用化を進めているが、ドコモと日産は開発の主導権を握り、業界標準を目指す。
「自動車を動く家や会社並みの情報環境に」(日産のカルロス・ゴーン社長)という競争が激しくなりそうだ。
具体的には、動画などを送受信できるFOMAと、カーナビといった車載端末を組み合わせることで、車で走りながら周辺のレストランやガソリンスタンドなどの情報を入手したり、自動音声で受信したメールを読み上げるなどのシステムを構築。これらを来年以降、順次提供する方針だ。
また、2004年以降は、損害保険会社や警備会社と提携。例えば車載カメラで撮った事故時の映像を損保に送って交渉を効率化したり、盗難などを感知して警備員が現場に急行するサービスに乗り出す。
自動車の中にいながら好きな曲の配信を受けたり、ドライブスルーに入る前に端末で食事を注文するなどのサービスも可能になるという。
会見したゴーン社長は「今後、両社で合弁会社の設立もあり得る」と指摘。ドコモの立川敬二社長は「FOMAは世界標準。日本の他社や世界の自動車メーカーにも使ってもらう『全方位外交』」でいきたい」と述べた。《共同通信》
【あさま山荘事件】発生から30年
連合赤軍による「あさま山荘事件」発生から30年になる19日、山荘に立てこもった連合赤軍のメンバーに狙撃され、殉職した警察官2人の慰霊祭が長野県軽井沢町の同山荘近くにある顕彰碑「治安の礎」前で開かれ、遺族や警察関係者ら約30人が参列した。
黙とうした後、関一・長野県警本部長が「警察は犯罪多発など大きな課題を抱えている。両名の警察魂を胸に抱きつつ、治安の維持にまい進したい」と追悼の辞を述べ、参列者が献花した。《共同通信》
【香港・董建華行政長官】事実上再選
香港の董建華行政長官は19日、今年6月の任期満了に伴う第2期行政長官選挙への立候補を届け出た。立候補には行政長官を選ぶ選挙委員800人のうち100人以上の推薦が必要だが、董氏は700人以上の推薦を集めたとしており、他に立候補できる人がいなくなったことから、事実上、薫氏の再選が決まった。
1997年に中国へ返還され「一国二制度」を掲げる香港は、同年のアジア金融危機発生から経済が低迷し、中国経済への依存を日増しに強めている。親中色の強い董氏の再選が決まったことで、香港は中国政府の影響を今後さらに強く受けることになりそうだ。
董氏は昨年12月、再選に向け出馬を宣言。中国の江沢民国家主席も董氏の再選支持を表明し、再選は早くから確実視されていた。
董氏は届け出後「700人を超える推薦を得ることができうれしい。当選したらみなさんと団結し直面する困難を克服していきたい」と述べた。董氏は96年12月、中国政府から事実上、初代行政長官に選任され、97年7月1日に就任した。
【この日の民主党】
中川議員、小泉内閣の経済失政の責任を問う
衆議院本会議が19日開かれ、租税特別措置法案と公債発行特例法案の趣旨説明に対して、民主党から中川正春議員が代表質問に立った。
中川議員は「マーケットは金融機関の不良債権を120兆と読んでいる。金融庁は32兆だとしてきたが、今回行っている特別検査はその間違いを認めたものか。マーケットは、深刻な実態をおし隠し“大丈夫”と繰り返してきた柳沢大臣の無策の責任を問うている」と金融担当相の退陣を求めた。柳沢金融担当相は「今回の調査はタイムラグを解消するもの。公平かつ透明な市場を構築していくことが任務」と答え、退陣を拒否した。
さらに、中川議員は「内需拡大型経済になっているのか。国民は本当の豊かさを実感しているのか。15年前と比較してどうなのか。現在はルールなしの弱肉強食で、精神まで萎縮させている。今こそ国のあるべき姿を論じるベき」と質した。竹中経済財政相は「7年前と比較して、『生活に満足』が11%減って61.5%、『不満』が12%増の36.3%となった。閉塞感が広がっていることを認めざるを得ない」とし、力強い展望については何も語れなかった。
4野党、予算組み替え要求を21日に提案
19日、野党4党(民主、自由、共産、社民)は国会対策委員長会談を開き、予算組み替え要求、およびBSE緊急措置法案の共同提出に向けたスケジュールなどを確認した。
会談では、以下の4項目が合意された。
1)平成14年度予算の組み替え要求を、21日に政府に共同で提案し、25日までに回答するよう求める。
2)BSE緊急措置法案については、与党にも法案づくりへの参加を呼びかけてきたが応じないため、22日に野党4党で提出する。
3)ブッシュ米大統領の初訪日を受けて行われた日米首脳会談について、本会議での報告と審議を要求する。
4)会計検査院長が、予算審議の山場に、野党の参考人招致要求にもかかわらずニュージーランドへ出張していた問題については、いかなる理由があろうとあってはならないことであり、今後こうした行動は慎むよう求める。
「公共事業の構造改革を」シンクネット21がシンポ開催
19日、シンクネット・センター21主催のシンポジウム「小泉構造改革と公共事業の実態」が衆議院議員会館内で行われ、民主党からはパネリストとして参加した菅直人幹事長はじめ、多くの議員が出席。小泉構造改革の問題点を探る活発な議論に、100人あまりの参加者の熱い視線が注がれた。
シンポジウム前半では、生態系を破壊し、住民の生活基盤を揺るがし、自治体や受益者に多大な負担を強いる公共事業の実態を明らかにする観点から、「吉野川第十堰を世界遺産にしよう」(吉野川第十堰住民投票の会・愛知大学法学部助教授 武田真一郎氏)、「川辺ダムに“緑のダム”をつくろう」(ルポライター 高橋ユリカ氏)、「長良川から“脱ダム”へ」(公共事業チェックを求めるNGO会代表・脱ダムネット・ジャパン代表 天野礼子氏)の3つの報告が続いた。
この中で、国土交通省には、利水・治水には川の整備が不可欠とする旧態依然とした認識が前提にあり、その公共事業政策が何ら科学的分析に基づかないことが浮き彫りになった。また、「公共事業ありき」でつながる政官業癒着の構造が地方にもはびこっている実態が明らかにされた。
後半では「公共事業のあり方を考える」として、原科幸彦東京工業大学大学院教授、五十嵐敬喜法政大学教授、福岡賢正毎日新聞編集委員、そして菅幹事長をパネリストに、3人の報告者を交えてパネルディスカッションが行われた。
菅幹事長は「いろいろな現場を見てきたが、公共事業が環境悪化を生み出しているのは明らか。そもそもマイナスを生み出すものはやめ、逆にプラスの富をもたらすものは税を投入しても行うべき」との考えを示した。
また、小泉構造改革について「供給能力があるのに需要を減らすことばかりを考えていてもデフレは解消できない」と批判し、自然環境の回復、子どもやお年寄りをめぐる環境整備など、21世紀型社会が求める需要を引き出す新しい構造をつくり出さなければならないと指摘。「政官業癒着構造にどっぷりつかった自民党政権では、新しい経済構造を生み出すことはなし得ない」として、政権交代による真のニーズに見合った公共事業の推進という、民主党の主張を提起した。《民主党ニュース》