平成767日目
1991/02/13
この日のできごと(何の日)
【湾岸戦争】多国籍軍の空爆で民間人が多数犠牲に
多国籍軍による13日未明の空爆で多数の死者を出したイラクの首都バクタッド西部のアメリーヤ地区では13日、直撃を受けたコンクリート製防空ごうの周辺で、市民防衛隊員らによる捜索活動が深夜まで続けられた。行方不明となった肉親らの消息を求める多数の市民が、がれきの中で涙を流しながら捜索活動に加わる姿も見られた。
市民防衛隊当局によると、死者は同日夜までの段階で500人以上に達し、湾岸戦争開始以来、一回の空爆による死者数としては最悪のケースとなった。イラク側は、死者の大半が女性、子供であると主張。アジズ外相は同夜、デクエヤル国連事務総長に今回の空爆を非難するよう求める書簡を送った。
バグダッドからの報道によると、現場を訪れた西側記者団は破壊された防空ごうがイラク軍施設だったという証拠は得られなかったとそろって伝えている。
同日夜の国営イラク放送を通じて発表されたアジズ外相の国連事務総長あて書簡も、こうした現場からの報告を踏まえて、今回の空爆を「憎むべき犯罪」と表現。「イラク国民は、この犯罪を許し犯罪に関与した者すべての責任を追及する」と強い調子で非難した。
一方、多国籍軍のうちサウジアラビア、英国両国軍はいずれも、自国軍機は今回の防空ごう攻撃には参加していなかった点を強調し、防空ごうはイラク軍の指揮管制センターだったとする米中東軍見解と微妙なずれをみせている。
周辺諸国の受けた衝撃も大きく、隣国ヨルダンでは約1000人の市民がアンマン市内で米大使館に向け抗議デモを展開、警官隊に阻止されるシーンもあった。
ヨルダン政府は同日、国民に、14日から3日間の服喪を呼び掛け、チュニジア、アルジェリア両政府もそれぞれ非難声明を出した。《共同通信》
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【関西電力美浜原発2号機】破損は「健全」な配管
美浜原発2号機の蒸気発生器細管破損事故で、自己原因を究明している関西電力から13日、福井県に入った連絡によると、漏えい細管の確認作業を行った結果、事故を起こしたA蒸気発生器(SG)細管3260本のうち、破損細管は1本で、過去に損傷したことのない健全管だったことが判明した。
関電では他に漏えい個所がないか確認作業を行っている、昨年7月の定期点検でも全く異常が確認できなかっただけに、検査体制が改めて問われそうだ。《共同通信》
【政界メモ】審議止まっても余裕十分
◯…衆院予算委員会は13日午前、工藤内閣法制局長官の答弁をめぐって2時間近く遅れて始まったが、海部首相は記者団から「待たされていらいらしなかったか」と聞かれ、「しませんねえ。私も理事をやってました。国対委員長も議運もやりましたからいろいろ大変なことは分かっています」。
昼の休憩時も記者団から「予算委理事のころも審議はよく止まったのか」と尋ねられると「あったねえ」と懐かしそう。「官房副長官のころもだいぶ止まったことがあったなあ」と審議がストップしても大きな波乱もなく淡々と進む予算審議に余裕も。
◯…社会党の大出国対委員長はこの日の記者会見で、内閣法制局長官の「法人救出のために自衛隊機派遣も可能」などとした答弁を批判。
「本来、法制局長官は政治的判断を交えて判断する立場にない。法の番人でなければならない」「過去の国会答弁では法律改正が必要としている。これを飛び超えた特例政令を認めた見解だ。どこかで歯止めを掛けないと戦前の緊急勅令と同じで、何でもできることになる」などと大変なけんまく。もっとも、会見が終わるとうっぷんが晴れたのか「歯止めが必要だが、野党の足並みがそろわず、特効薬はないねえ」とぶつぶつ。《共同通信》
【ソ連・ゴルバチョフ大統領】北方領土解決に意欲
ゴルバチョフ・ソ連大統領は13日付の共産党機関紙プラウダで、日ソ関係発展とソ連の改革支持のため日本で委員会を創設したいとの中山素平経済同友会名誉顧問ら日本側有識者の手紙に対する回答を発表、この中で両国間の「歴史的残存物としての重荷を克服しつつ善隣関係の道を進む」との気持ちで訪日するとの意欲を表明した。
大統領のいう「重荷」は北方領土問題を指しているとみられ、北方領土問題の解決を図りながら、日ソ間の友好関係を築きたいとの抱負を示したものとみられる。
大統領は「両国が歩み寄りのため、真剣な努力をする時期が来た」と両国間の現状打開に日本側の前向きな対応を求めた。
大統領はまた、4月の訪日について「両国の相互関係の新しい段階の始まりと考える」と両国関係の転換点となることを強調した。《共同通信》
【世界ノルディック】日本、複合で初の銅メダル
ノルディックスキーの世界選手権第7日は13日、バルディフィエメ(イタリア)で複合団体の後半距離(30キロリレー)を行い、前半飛躍で2位につけた日本はリレーでも健闘し、トータルで3位に入った。五輪、世界選手権を通じ、複合で日本がメダルを獲得したのは史上初めて。
三ケ田礼一(リクルート)児玉和興(志賀山リフト)阿部雅司(東京美装)と走力のある選手をそろえた日本は、苦手の距離を克服し、快挙に結び付けた。
1982年から採用されたこの種目では、87年に7位に入ったことがある。1位は飛躍でもトップだったオーストリア。2位はフランス。
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「涙が出るほどうれしい」ー。
全日本ノルディニック選手権のため秋田県鹿角市に滞在中、団体銅メダルの知らせを聞いた全日本スキー連盟の池上複合部長は、喜びに一瞬声を詰まらせた。
今季、ワールドカップ第6戦で阿部が4位、児玉が9位に入るなど実力アップが数字に表れてはいた。しかしこの時、世界選手権の個人では3人とも苦手の距離で“失速”したことが頭をかすめ、団体は「6位に入ってくれれば…」が本音だった。それが五輪、世界選手権を通じて初の表彰台。
池上部長は「チームを組んで約6年。彼らを信じ、辛抱強く使ってきてよかった。阿部1人でなく、団体で3位というのもうれしい」と感慨深げに話し、早坂毅代司シニアコーチ(東京美装)ら強化スタッフの働きもたたえていた。《共同通信》