平成2582日目
1996/02/02
この日のできごと(何の日)
【大和銀行】米国から撤退
ニューヨーク支店で起きた巨額損失隠ぺい事件で、米司法当局から業務閉鎖を命じられていた大和銀行は、撤退期限の2日、業務時間が終了した午後5時に米国内全拠点の業務を停止し、40年にわたった米国内での活動を停止した。
米国内17支店のうち、15支店と子会社ダイワ・バンク・トラストの信託業務は住友銀行が引き継いで5日から営業を再スタートするが、事件の舞台となったニューヨーク支店やロサンゼルス支店は閉鎖される。
大和銀行は先月末までに、閉鎖される支店の現地従業員のうち約120人に解雇を通知、残務整理のための法人を設立するなど撤退準備を進めていた。
巨額損失隠ぺい事件は大和銀行ニューヨーク支店のトレーダーが米国債の取引で11年間に総額11億ドルの損失を出しながらこれを隠し続け、大和銀行幹部が昨年夏に巨額損失の事実を知った後も米当局への届け出を怠ったことで米連邦準備制度理事会(FRB)が昨年11月2日に大和銀行に業務閉鎖を命令。
連邦大陪審も大和銀行を起訴するとともに、前ニューヨーク支店長を逮捕、起訴した。事件をめぐる裁判は3件がニューヨーク連邦地裁で係争中。《共同通信》
昭和64年1月1日〜このサイトをご覧頂いている日の一週間前まで、すべての日の「何らかの」できごとを記しています。
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【福井県敦賀市】一晩で68センチの降雪
第一級の寒波が居座っているため福井県地方は2日、嶺南や奥越を中心に大雪に見舞われた。敦賀市では前日朝から68センチの降雪があった。一日の降雪量としては21年ぶりの記録。このため北陸自動車道が上下線とも福井ー滋賀にかけて通行止めになったほか、国道8号も敦賀を中心に渋滞し完全にストップ。JR北陸線も終日ダイヤが乱れた。《福井新聞》
【石川県】氷漬け
強い寒波が居直り続ける2日の石川県内は、日中も気温が上がらず、最高気温が金沢で氷点下0.4度(平年5.5度)、輪島で氷点下0.2度(同4.9度)を記録し、金沢地方気象台が同市西念町の駅西合同庁舎に移設した平成3年以来、観測上初めての真冬日となった。鳥越村では除雪車が出動し、道路確保に追われる光景が終日、続いた。
日本列島も2日、午後になっても気温が上がらず、北海道など一部を除いて最高気温が今冬最低を記録した。
雪のため東海道・山陽新幹線は名古屋ー新大阪間で終日、速度制限。博多発東京行き「のぞみ6号」など239本が最高で約2時間半遅れ、東京ー新大阪間で約14万5000人の乗客に影響が出た。
北陸などの在来各線でも運休が相次ぎ、影響は約10万人以上に及んだ。道路では夜になっても北陸自動車道などで一部区間の通行止めが続き、空も、東京から東北や日本海側を結ぶ路線などで60便以上が欠航した。《北國新聞》
【オウム裁判】サリン製造は麻原被告の指示
山梨県上九一色村のオウム真理教施設でサリンや覚せい剤を密造したとして殺人予備と覚せい剤取締法違反の罪に問われた元信者M子被告(31)と、サリン製造の殺人予備罪に問われた同S子被告(29)の判決公判が2日、東京地裁で開かれ、山田利夫裁判長は一連のサリン事件の公判で初めて教祖麻原彰晃被告(40)=本名松本智津夫=が直接製造を指示していたことを認定した。
その上で山田裁判長は「つくったサリンが松本市内で噴霧され、無差別に多数の死傷者を出した。国民の心胆を寒からしめる凶悪な犯行だ」としてM子被告に懲役3年6月(求刑懲役5年)、S子被告に懲役1年6月(求刑懲役1年10月)を言い渡した。直接指示を認定されたことで、4月24日に初公判を迎える麻原被告は一層苦しい立場に追い込まれた。
サリンの製造・散布に関与したとして殺人予備罪や殺人罪などで同地裁に起訴された被告は計26人に上るが、判決は初めて。
判決理由で山田裁判長は「大量のサリンの使用目的は殺人以外に考え難い」とし「教団は松本(麻原被告)の独自の教義に従って武装化を図り、その一環としてサリンを密造した」と検察側主張を全面的に認めた。
また覚せい剤密造について「宗教儀式に覚せい剤を使用する教団の発想は、欺まんに満ちたまやかしとして厳しく非難されなければならない」と指摘した。
判決などによると、M子被告は平成5年10月ごろ、麻原被告から「危険なワークをやってくれるか」と指示され、元幹部中川智正被告(33)に呼ばれたS子被告とともに幹部土谷正実被告(31)の実験棟に配属。同12月ごろまでにはノートの記載や文献などから毒ガスのサリンをつくっていると認識した上で、同月から94年2月ごろにかけて、サリン混合液約30キロの製造を手伝った。《共同通信》
【政界談話室】
○・・・橋本龍太郎首相は2日、記者団から「金融システムの信頼回復」の意味を問われ「信組や信金の問題が起こり『危ないぞ、危ないぞ』と言われてきたことが現実になっている。住専問題を解決しないと、他の不良債権処理が進まない」と官邸の玄関先で立ち止まって説明。「続きは後で」と言い残して国会へ。再び「個々の金融機関の問題なら破産法などで解決できるが、住専問題は『串刺し』と言われるように何百の金融機関が集中しているから、そうはいかない」と丁寧に解説。衆院予算委が空転、答弁できない不満がたまっているよう。
○・・・社民党の佐藤観樹幹事長はこの日、竹下登元首相が住専関連予算の執行留保を示唆したことについて「与党として遺憾であり、加藤紘一自民党幹事長に抗議した」と緊急の記者会見。新党さきがけの一部に出ている住専予算の減額案についても「村山内閣で予算案を決めて株価が上がり、日本経済の国際的評価も上がっている。余計なことを言えば国際的な影響が出てくる」と村山富市前首相の「功績」をたたえながら、凍結・修正論をけん制してみせた。佐藤氏は新党結成の推進派で、慎重派の村山党首とは一線を画していたが、社民党に衣替えしての幹事長就任で二人三脚ぶりをアピール。《共同通信》
【衆院予算委員会】新進出席し5日再開
新進党の審議拒否で不正常な状態が続いていた衆院予算委員会(上原康助委員長)は2日、断続的に開いた理事会で、5日午後1時から新進党も出席して総括質疑を再開することで合意した。
住宅金融専門会社(住専)処理問題に関連した新進党の10項目要求に対し、政府が5日正午に文書回答することを新進党も了承、審議に応じることになった。1月30日の総括質疑初日に同党が途中退席して以来、新進党欠席のまま審議が続く事態は解消され、委員会が正常化する。
一方、政府は5日朝の臨時閣議で、予算委が請求を議決した「大蔵省の住専への立ち入り調査結果」などの関連資料の提出を決定、衆院議長を通じ、午前9時からの予算委理事会に提出する。政府側はプライバシー保護や債権回収への影響に配慮することを求めるため、理事会で秘密会形式にするかなどの資料の公開方法を協議する。
新進党は2日午後の理事会で住専処理に投入される6850億円の積算根拠など10項目の資料を要求、対応次第で週明けからの審議に応じるとの柔軟姿勢に転じた。
このため与野党間で事態打開に向けた折衝を重ねた結果①政府は積算根拠や税金投入以外に方法がなかった理由など5項目は5日正午に文書で回答②不良債権のうち暴力団絡みの貸付件数と紹介融資の実態の2項目は議院証言法による請求を議決する方向で理事会で協議③立ち入り調査の結果など3項目は政府が5、7両日提出する資料に含まれる―との回答を新進党が受け入れ、決着した。
5日からの審議入りについて新進党の西岡武夫国対委員長は記者会見で「きちんとしたものが出るという政党間の信義を重んじてもらえるとの前提だ」と指摘した。
また同予算委は2日午後、議院証言法に基づいて請求議決した住専の融資先実名リストなど関連資料について、橋本龍太郎首相に大蔵省が資料提出することを承認するよう求める議決をした。与党3党と共産党などが出席、新進党は欠席した。《共同通信》
【米・クリントン大統領】再選に向け始動
クリントン米大統領は2日、共和党の大統領選候補が予備選序盤のヤマ場としてしのぎを削るニューハンプシャー州を遊説、11月の大統領選に向けて事実上の再選キャンペーンを開始した。大統領が1月23日の一般教書演説で再選への意欲を鮮明にして以降、遊説するのは初めて。
民主党内に有力な対抗馬がいないため、大統領は20日の同州予備選をにらんで激烈な争いを繰り広げる共和党の候補をしり目に、余裕のスタートとなった。
大統領は同州コンコード市で教職員らを前に、一般教書で示した教育問題への取り組みや、経済を改善させた実績など政策課題を中心に訴えた。
同州は大統領選の展開に大きな影響を与えることで知られる。クリントン大統領は、1992年の前回予備選では女性問題暴露で苦境に立ちながらも、善戦して2位に食い込み「カムバック・キッド(再起した若者)」の評判を取り、以後の選挙戦を有利にした。《共同通信》