平成2918日目
1997/01/03
この日のできごと(何の日)
【ナホトカ号重油流出事故】重油3700トン流出
島根県沖の日本海で2日、ロシア船籍のタンカー「ナホトカ」(13,157トン)が浸水した事故で、第八管区海上保安本部(京都府舞鶴市)は3日、同県・隠岐島の北北東約110キロなどの海上で、同船から流出したとみられる帯状の重油を複数確認した。
重油は3日午後、福井県三国町の福井港の北西約137キロの海上に達しており、第八管区海上保安本部は重油が漂着する恐れがあるとして、京都府と福井県に通知した。大量に流出した場合は、島根県から能登半島にかけての沿岸部に広く漂着する恐れもあり、金沢海上保安部は同日、監視を始めた。
第八管区海上保安本部によると、ナホトカは長さ約180メートルの船体が二つに折れて浸水したとみられる。同船には重油約1万9000トンが積まれており、その際に切断したタンクからドラム缶約2万555本分に相当する3700トンの重油が流出しているとみられる。重油流出事故では、昭和49年の三菱石油水島製油所事故の約7900トン流出に次ぐ大規模事故になりそう。
ナホトカは3日隠岐島の東北東約157キロの海上で漂流している船首部分が発見されている。第八管区海上保安本部は残る船体は隠岐島の北北東約113キロに水没したとみており、4日早朝から船体の発見と重油の回収に全力を挙げる。
金沢海上保安部は「重油が石川県内の沿岸部に漂着するかどうかは風や波、潮流などの関係から予測しにくいが、漂着するとすれば4日午後ということも考えられる」としている。一方、第八管区海上保安本部は巡視船3隻などを出して行方不明の船長(47)の捜索を続けているが、現場周辺の海域は大しけで、難航している。《北國新聞》
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2日午前、大しけの島根県隠岐島沖の日本海で浸水、沈没したとみられるロシア船籍タンカー「ナホトカ」から乗組員12人を救助した航空自衛隊小松基地小松救難隊の森橋陽司雄総括班長は3日、同基地で、「二次災害の危険性が五分五分の状況でも飛び立つのが私たちの仕事だ」と語り、限界すれすれの風速22メートルを超える強風を突いての出動だったことを明らかにした。
森橋総括班長の自宅に、基地の当直から「ナホトカ」の事故発生の電話連絡が入ったのは2日午前5時10分。同班長は小松基地に急行、17人の救難隊員も駆けつけ、同6時には出発準備が整った。
しかし、基地上空の風速は限界値45ノット(約22.5メートル)を大幅に上回る55ノット(約27.5メートル)。第八管区海上保安部から「乗組員は救命ボートで漂流中」との連絡が入る中、森橋班長は焦る気持ちで風が弱まるのを待った。午前10時、風速が45ノットとなり、同班長は隊員4人の乗った救助ヘリUH60の操縦かんを握り、捜索機MU2とともに出動した。
約1時間半後に到着した現場は、波の高さが約8メートルの大荒れ。過酷な状況下、小川和郎三曹がワイヤーに体をつってボートに降り立ち、ボイヤントと呼ばれる救助具でロシア人乗組員を一人ひとりヘリに送りこんだ。
小松基地まで運ばれた乗組員12人は、一人が肩を打った程度で全員無事。基地内で熱いふろに入った乗組員はロシア語で感謝の言葉を繰り返したという。森橋班長は「一番怖かったのは二次災害だったが、小川三曹らも冷静沈着に任務を遂行してくれた」と話した。《北國新聞》
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【第73回箱根駅伝】神奈川大が初の総合優勝
第73回東京箱根間往復大学駅伝最終日は3日、神奈川県箱根町の芦ノ湖駐車場から東京・大手町までの復路5区間107.5キロで行われ、往路トップの神奈川大が逃げ切り、通算11時間14分2秒で初の総合優勝を果たした。山梨学院大が11時間22分20秒で総合2位に入り、昨年の大会で途中棄権した両校が上位を占めた。
前回大会でシード権(現行は上位9校まで予選免除)が取れず、予選会から出場して総合優勝したのは神奈川大が初めて。往路で2位に2分8秒差をつけた神奈川大は、復路でもアンカー今泉が区間賞を奪うなど安定した走りで差を広げて快勝した。
前回優勝の中大は総合4位、早大は同5位に終わった。往路9位の駒大が、大会新記録の5時間27分8秒で復路を初めて制し、総合6位に入った。《共同通信》
【ライスボウル】リクルートが優勝
アメリカンフットボールの日本選手権(ライスボウル)は3日、東京ドームに5万2000人の観客を集めて行われ、社会人代表のリクルートが学生代表の京大を19−16で下し、初の日本一に輝いた。対戦成績は学生の8勝6敗。
史上最多の5度目の優勝を狙う京大に対し、ライスボウル初出場のリクルートは第1クオーター2分54秒にゴール前1ヤードからRB亀山が飛び込んで先制のTDを決めた。2TDを加えて19−10で前半を折り返し、後半は京大の反撃を試合終了直前の1TDだけに抑え、逃げ切った。最優秀選手には、ランプレーでリクルートの攻撃の軸となったRB中野が選ばれた。《共同通信》
【中西啓介衆院議員】羽田空港で襲われる
3日午後3時40分ごろ、東京・羽田空港ターミナルビルで、車から降り全日空VIP用の出入り口の1階エレベーターホールに入った元防衛庁長官の中西啓介衆院議員(55)(新進党)が、男にゴルフクラブで顔や足を殴られた。
同議員は病院で治療を受けたが、左ひざの打撲や鼻を切り全治1週間の軽傷。
男は、もう1人の男がビル玄関前に止めてあった乗用車に乗り込んで逃走。警視庁東京空港署は緊急配備して行方を追っていたが、同日夜、同庁に出頭してきた暴力団幹部ら2人を傷害容疑で逮捕した。《読売新聞》
【橋本龍太郎首相】剣道の初げいこ
橋本龍太郎首相は3日午前、東京・三田の母校慶大で、剣道部員やOBらと剣道の初げいこ。首相は三が日も、ペルーの大使公邸人質事件の対応のため、元日の皇居での「新年祝賀の儀」に出席した以外は、恒例の首相公邸の新年会などの行事を中止。滞在先の都内のホテルと外務省の往復に終始していただけに、後輩たちと約一時間汗をかき、久々に晴れ晴れとした表情を見せた。
首相は「(剣道を)やっているうちは夢中で(事件を)忘れていたけど、終わったらすぐ思い出した」と記者団に述べ、道場を出ると厳しい顔に逆戻り。午後はいつものように外務省オペレーションルームに出向き、ペルーから帰国したばかりの兼元俊徳警察庁国際部長らから報告を受けるなど、情勢把握と陣頭指揮に当たった。《共同通信》
【スピードスケートW杯カルガリー大会】第1日
スピードスケートのワールドカップ(W杯)カルガリー大会第1日は3日、カルガリーの室内リンク「五輪オーバル」で男女計4種目を行い、男子500メートルは世界記録35秒39を持つ清水宏保(三協精機)が、35秒50の今季世界最高で優勝した。清水はW杯今季2勝目で、通算12勝目。日本勢は今季のW杯男子500メートルで、開幕から負けなしの5連勝となった。
2位は35秒83のセルゲイ・クレフシェニア(ロシア)で、井上純一(西武鉄道)が35秒93で4位。今季のW杯500メートルで3勝の堀井学(王子製紙)は35秒95で5位だった。1000メートルの井上は1分12秒37で2位。両種目とも自己ベストを更新する健闘だった。
女子500メートルでは岡崎朋美(富士急)が39秒25で2位。フランツィスカ・シェンク(ドイツ)が39秒13で優勝し、日本勢の4連勝を阻んだ。W杯初出場の清水知美(北海道・白樺学園高)は39秒85の高校新で7位に入った。《共同通信》