平成2919日目

1997/01/04

この日のできごと(何の日)

【ナホトカ号重油流出事故】能登−福井に漂着の恐れ

島根県沖の日本海で起きたロシア船籍のタンカー「ナホトカ」(13,157トン)の重油流出事故は4日、流出した重油が対馬海流に乗って能登半島の西岸から福井県沿岸に漂着する恐れが出てきた。第八管区海上保安本部(京都府舞鶴市)はロシアの船主の了解が取れ次第、5日にも漂流している重油に対し、処理剤散布などを始めることを決めた。

関係する京都、石川、福井各府県は各漁協に警戒を呼び掛ける一方、関係各課の連絡会議を設置したり、若狭湾(福井県、京都府)に処理剤を散布する承諾を漁業関係者から得るなどの対応に追われた。

同保安本部によると、4日午後5時現在、ナホトカの船首部分は京都府・経ケ岬の北約88キロにあり、10メートル前後の北西風のため、時速約2キロで南東に流されている。

重油は船首部分を中心にした半径約9キロに点在、船首部分から南東4キロ付近に幅100−500メートルにわたって濃い部分があるほか、沈没場所との間の広い範囲で浮いている。

金沢海上保安部は流出油の拡散状況を調査するため、巡視船「くろべ」を県内の沿岸部に派遣したが、4日夕までに重油は確認できず、いったん帰港した。5日朝から改めて調査、警戒に当たる。八管本部によると、重油は4日午後5時現在で、金沢港の西約130キロ付近の海域に達している。

一方、石川県は4日、消防防災課に県庁内の総合調整窓口を設置し、第九管区海上保安本部(新潟市)などからの情報収集を急ぐ一方、県内40の漁協に流出油の厳重な警戒を呼びかけた。《北國新聞》

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【ペルー日本大使公邸人質事件】ゲリラ、対話解決を要求

ペルーの日本大使公邸人質事件で、74人の人質をとって邸内に立てこもる極左ゲリラ、トゥパク・アマル革命運動(MRTA)は4日未明(日本時間同日夕)、公邸屋上から垂れ幕を下げ、フジモリ大統領に対し対話による解決などを要求した。大統領は2日の演説であらためてゲリラ側に対する強硬姿勢を示しており、今回の行動は、同演説に対しMRTAが反発したものとみられる。

一方、ペルー政府と接触している複数の日本政府筋によると、フジモリ大統領は4日、交渉担当のパレルモ教育相らとの間で、MRTAに人質解放を促すため、ぎりぎりの妥協点を不格的に探っている。

事件解決に向けた動きは、2日、3日と新たな人質の解放もなく、仲介役のもないまま事件は4日で発生から19日目を迎えた。

日本政府筋は、フジモリ大統領が2日、MRTA側の要求に沿う可能性がある「司法改革の促進」を年頭演説で強調したことについて、政府側の譲歩をうかがわせるものと受け止め、注目している。また、サンティステバン国民擁護官が2日「無実の政治犯の釈放を審査する特別委員会の活動は停滞しない」と述べたことも、MRTAの軟化につながる可能性があると期待を寄せている。

ペルー政府は、MRTAが人質を少しずつ解放していることについて、平和的ポーズをとりながら政治宣伝のため内外の注目を集めようとしていると分析。公邸内の電気を再び止めるなどしてゲリラ側のペースに巻き込まれないようにしながらも、あえて早期解決を急がず、粘り強い対話を続ける姿勢を見せている。《共同通信》

【池田行彦外相】ウルグアイ・ラモス外相と会談

池田行彦外相とウルグアイのラモス外相が4日午後、外務省で会談し、ラモス外相はペルーの大使公邸人質事件で人質となった同国大使の解放にあたり、トゥパク・アマル革命運動(MRTA)とウルグアイ政府との間で裏取引があったのではないか、とする疑惑を否定した。また事件の早期解決のため、ペルー政府支援で認識が一致した。

ラモス外相は「ウルグアイはテロリストと交渉しないという長い伝統を持っており、今回もテロリストとは何ら接触もなかった」と説明する一方、大使の解放が事態の打開を困難にしたとされることには遺憾の意を表明した。

これに対し、池田外相は「結果としてペルー政府とテロリストとの交渉に複雑な影響を及ぼし、交渉が難しくなったのは否めない事実だ」と指摘。テロリズムに断固たる姿勢で臨むペルー政府の努力を国際社会が支援する重要性を強調した。ラモス外相は「できる限りの支援と協力を惜しまない」と同調した。

ウルグアイ大使の解放については橋本龍太郎首相が「事件の解決を非常に難しくした」と不快感を表明。外務省は駐ウルグアイ大使の離任日程を早めるなど「抗議」とも受け取れる措置を取った。このため、ウルグアイ側が急きょ、ラモス外相を派遣した。

橋本龍太郎首相は4日夜、ラモス・ウルグアイ外相が大使公邸人質事件に関連して池田行彦外相に対し、同国大使の解放が事態打開を困難にしたと遺感の意を表明したことについて「それ(遺感)は言うだろう。そうでないと国際社会から総スカンを食ってしまう」と述べた。その上で、ウルグアイ政府の対応などを挙げて「事態を困難にした」とあらためて不快感を表明した。首相公邸で記者団の質問に答えた。《共同通信》

【橋本龍太郎首相】伊勢神宮参拝

橋本龍太郎首相は4日、首相就任後初めて三重県伊勢市の伊勢神宮を参拝した。三塚博蔵相、梶山静六官房長官、小泉純一郎厚相ら10閣僚が同行した。首相らは神職の案内で外宮、内宮の順に訪れ、神楽を奉納。参拝後、神宮司庁で記者会見し、ペルーの大使公邸人質事件への政府の対応や、近く政府が設置する「財政再建会議」の方針などについて見解を明らかにする。

首相は昨年末の大使公邸人質事件発生以来、年末年始も連日外務省を訪れて指揮に当たっており、東京を離れるのは初めて。《共同通信》

橋本龍太郎首相は4日午後、三重県・伊勢神宮を参拝後、神宮司庁内で記者会見し、7日から出発する東南アジア諸国連合(ASEAN)5カ国訪問について「アジア太平洋地域の中核として日本と手を結んできたが、それをより深いものにしたい」と述べるとともに、その一歩として「ASEANと日本の首脳が定期的にひざをつき合わす場があっていい」と述べ、首脳同士による定期協議の場を設置するよう提唱する意向を示した。

ペルーの大使公邸人質事件については「だんだん人質が解放されているのは喜ばしいことだ」としながらも「テロリスト・グループがコントロールしやすい数に減っており、事態は楽観していない」と述べ、今後の推移を厳しく見守っていく考えを表明した。

首相は、昨年末に太陽党が結成されるなど政界再々編の動きに関連して「(政権として)だれと手を組むとか決めてかかっていない。だれとでも協力しながら、より良い明日をつくるために全力を尽くしたい」と述べ、政策面での他党との連携に含みを残した。

財政構造改革に取り組むため設置する「財政再建会議」については「無理なく目標を設定し、議論を集約する場所」との認識を示し、設置時期については「ASEANから帰ってきて、できるだけ早くスタートさせたい」と述べた。《共同通信》

【民主党・菅直人代表】改革実現へ連立も

民主党の菅直人代表は4日、都内の渋谷、新宿両駅前で街頭演説を行い、橋本内閣との関係について「この政権で(行政)改革はできないとなった時、場合によってはわれわれも加わって政権をつくり直し本当に改革ができる政権にすべきだという選択に迫られるかもしれない」と述べ、自民党との連立も含めた新たな行革政権に参加する可能性もあり得るとの考えを示した。

菅氏は昨年末の予算編成の在り方をめぐって同党の「建設的野党」という姿勢を見直す考えを示唆していたが、新たな政権への参加を視野に入れた発言は初めて。これに関連し、菅氏は「1月、2月、3月と平成9年度予算成立までが橋本政権の行革を見極める期間だ」と述べた。

一連の演説で「昨年暮れの予算編成を見ると、首相が行革でいく、と言っても自民党はすべて地元の利益誘導に向かった」と批判。「10年、20年先を見た行革ができない場合、政権交代を求める」とした上で「自民党に政権から降りろと言ってもそうはいかないだろう。新進党と組んで政権に入るとしても信頼関係はないし、野党の準備もできていない」として自民党との連立の可能性に言及した。

予算案に対しては「借金が増えるばかりで、飲んだくれ亭主のやり方だ。賛成できないと思っている。組み替えか、修正か今後議論する」と述べた。《共同通信》

【巨人・松井秀喜外野手】「日本一目指し努力精進」

「ジャイアンツ松井秀喜選手と新春町民の集い」は4日、同選手の地元である根上町総合文化会館で開かれ、野球少年や町民ら約700人が郷土が生んだスーパースターとゲームなどで交流し、同選手は「初心に戻り、ゼロからのスタートのつもりで努力精進し、日本一を目指したい」と力強く今季の抱負を語った。

最初に松井秀喜後援会長の大窪昭二町長が「5年目の今年は心に秘めた大きな目標があるはず。目標達成を心から期待したい」とあいさつし、松井選手は会場を埋めたファンとビンゴゲームなどを楽しんだ。同選手は森喜朗自民党総務会長の激励を受けた後、後輩の児童、生徒に打撃指導も行った。

松井選手は地元ファンからの「野球をいつまで続けるか」の質問に「40歳、50歳になっても続けたい」、「結婚はいつ」との問い掛けには「予定はありません」と答え、会場を沸かせた。最後に根上中野球部主将の中村尚良君(二年)が花束を贈り、今季の活躍を祈った。

松井選手はこの後、実家がある根上町山口町の山口町会館で開かれた地元後援会のファンの集いに出席したほか、同町下ノ江町の八松苑で行われた同町野球協会創立50周年記念式典で、「栄冠は君に輝く」の作詞者で故人の加賀大介氏とともに特別表彰を受けた。同選手は6日に帰京する。《北國新聞》

【スピードスケートW杯カルガリー大会】最終日

スピードスケートのワールドカップ(W杯)カルガリー大会最終日は4日、カルガリーの室内リンク「五輪オーバル」で男女計4種目を行い、500メートルの男子は清水宏保(三協精機)、女子は岡崎朋美(富士急)が優勝した。男子では堀井学(王子製紙)も2位に続き、日本勢が1、2位を独占した。

清水は前日に続く勝利でW杯今季3勝目(通算13勝)岡崎は今季2勝目(通算6勝)をそれぞれマーク。今季のW杯男子500メートルでの日本選手の連勝は、開幕から負けなしの「6」となった。

1000メートルの男子では宮部保範(王子製紙)が1分12秒22の自己ベストで3位。ケーシー・フィッツランドルフ(米国)が、堀井の世界記録に0秒08と迫る1分11秒75の世界歴代2位のタイムを出し2連勝した。女子はザビーネ・フェルカー(ドイツ)が1分18秒90の好記録で優勝。《共同通信》



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