平成8107日目
2011/03/20
防衛大卒業式で訓示
防衛大学校(横須賀市走水)の卒業式が20日、同校で開かれた。式に先立ち、出席者全員で東日本大震災の犠牲者に黙とう。訓示に立った菅直人首相は、大震災や福島第1原発事故への自衛隊の出動を踏まえ、「自衛隊は過去にない規模で救援活動を続けている。孤立した人たちを救出し、原子力発電所に命懸けで放水するなど、危険を顧みず死力を尽くして活動を続ける自衛隊諸君を誇りに思う」と述べた。
また、首相は卒業生に対し「戦後最大ともいえる試練の真っただ中で卒業を迎えた諸君には、大きな期待と責任が課せられている。献身的な活動を通じ国民の信頼を得られる自衛官を目指してほしい」と期待を寄せた。
さらに「すべての国民に、この試練の先に日本の明るい未来を築くべく、力を合わせてこの国難を克服しようと呼び掛けたい」と強調。訓示後、会場から自然と拍手が湧いた。
卒業生は恒例の「帽子投げ」を自粛した。防衛大は今年、本科生409人(うち女子37人、留学生12人)が卒業し、自衛官任命者は385人(陸上188人、海上103人、航空94人)。中途退校者は79人で、前年より15人増えた。民間会社への就職などを理由にした任官辞退者は12人だった。《神奈川新聞》
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【東日本大震災】13カ国から救援物資
東日本大震災は20日で発生から10日目を迎えた。厳しい寒さの中、1都14県に拡大した避難所では依然として約36万人の厳しい生活が続いている。国内からの支援に加え、これまでにカナダなど13カ国から毛布や水などの援助物資が届けられている。海外ではカナダから毛布2万5千枚、韓国からレトルトチャーハン3万食、水のペットボトル23万本、台湾から発電機500台などが日本に届いた。各国からの毛布は計11万枚に上り、現地の気候をおもんばかってか、防寒対策の物資が目立った。
警察庁の20日午前9時のまとめでは、死亡は7700人、行方不明は1万1651人で、合わせると1万9351人に上った。これまでに約2万6千人を助け出した自衛隊や警察、消防は、12万人態勢で救援活動を続けている。《共同通信》
【宮城県石巻市】80歳の女性と16歳の少年救出
20日午後4時ごろ、宮城県石巻市門脇町の倒壊した自宅に閉じ込められていたA子さん(80)と、孫のBさん(16)を石巻署員が救助した。東日本大震災から9日ぶり。2人は津波で大破した家屋の中で、毛布にくるまって寒さに耐え、冷蔵庫の食料でしのいでいた。石巻日赤病院にヘリコプターで搬送された2人に大きな外傷はなかった。
同署によると、署員4人が行方不明者を捜索中、倒壊した家屋の屋根で助けを求めているBさんを発見。「中におばあちゃんがいる」と話したため、中を捜したところ、押しつぶされた台所の倒れた家具の付近で布団にくるまり、座っていたA子さんを発見した。その際、A子さんは「良かった。足が悪くて動けない」などと涙を流したという。《共同通信》