平成7177日目
2008/09/01
【福田康夫首相】「あなたと違うんです」
福田康夫首相(72)は1日午後9時半から、首相官邸で緊急記者会見を行い、退陣する意向を明らかにした。
首相は、8月1日に内閣改造に踏み切ったが、内閣支持率の低迷から抜け出せず、政権浮揚の展望が開けなかった。自民党は近く総裁選を行い、後継総裁を選出する。麻生幹事長は2日未明、立候補の意向を党幹部に伝えた。党内には小池百合子・元防衛相らを推す声もある。与党は、新内閣の支持率などをみながら衆院解散・総選挙の時期を探ると見られ、今後の政局は解散含みの緊迫した展開となる。
首相は記者会見で、辞任を決断した理由について、「新しい布陣のもとに政策の実現を図っていかなければならないと判断し、辞任を決断した」と述べた。
この時期に辞任を表明した理由については、次期臨時国会召集を間近に控えていることを指摘し、「今が政治空白を作らない一番いい時期と判断した。臨時国会が順調にいくためには、私がやるより、ほかの方がやっていた方がよりよくなるのではないか」と説明した。
辞任の意向を固めた時期については「先週末に最終的な決断をした」と明かした。
記者会見に先立ち、首相は1日夕、首相官邸に自民党の麻生幹事長を呼び、約1時間にわたって会談した。会談には、途中から町村官房長官も加わった。首相は、席上、麻生、町村両氏に辞意を伝えた。
首相は8月29日に総合経済対策をまとめ、9月12日に臨時国会を召集し、補正予算案を提出する構えを見せていた。
臨時国会では、新テロ対策特別措置法改正案や消費者庁の設置法案を成立させることに意欲を見せるとともに、衆院解散・総選挙の時期については、できるだけ先延ばしする意向を示していた。
しかし、来年夏の東京都議選に集中したい公明党・創価学会からは、年明けの衆院解散・総選挙を求める圧力が強まっていた。このため、与党内では年明け以降の「1月解散」が有力との見方や、支持率の低い首相のもとで衆院選を戦うのは難しいとの声が広がっていた。
衆院解散・総選挙の時期について、与党側には、新首相の誕生後、早期の実施が有利だとの見方が出ている。一方、安倍前政権に続いて「政権を投げ出した」とのイメージを有権者にもたれれば、早期選挙は得策でないとの意見もある。民主党は、同党にとって早期の衆院解散が有利とみて、早期の実施を迫る構えだ。
首相は安倍前首相の退陣を受け、昨年9月25日に第91代首相に指名された。《読売新聞》
◇
記者「一般に、総理の会見が国民には他人事のように聞こえるというふうな話がよく聞かれておりました。今日の退陣会見を聞いても、やはり率直にそのように印象を持つのです。安倍総理に引き続く、こういう形での辞め方になったことについて、自民党を中心とする現在の政権に与える影響というものをどんなふうにお考えでしょうか」
福田総理「現在の政権。自民党・公明党政権ですか」
記者「はい」
福田総理「それは、順調にいけばいいですよ。これに越したことはないこしたことはない。しかし、私のこの先を見通す、この目の中には、決して順調ではない可能性がある。また、その状況の中で不測の事態に陥ってはいけない。そういうことも考えました。他人事のようにというふうにあなたはおっしゃったけれども、私は自分自身を客観的に見ることはできるんです。あなたと違うんです。そういうことも併せ考えていただきたいと思います、、、どうもお世話になりました」《首相官邸》
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【全米テニス】錦織圭選手、8強ならず
テニスの全米オープン第8日は1日、ニューヨークのビリー・ジーン・キング・ナショナル・テニスセンターで男女シングルスの4回戦などを行い、男子で18歳の錦織圭(ソニー)は第17シードのフアンマルティン・デルポトロ(アルゼンチン)に3−6、4−6、3−6で完敗し、全米で日本男子としては1922年の清水善造以来、86年ぶりの8強入りはならなかった。《共同通信》
【大相撲・把瑠都関】小結昇進
日本相撲協会は1日、大相撲秋場所(14日初日・両国国技館)の新番付を発表し、小兵の豊ノ島が新関脇、エストニア出身の把瑠都が新小結となった。先場所は小結で10勝を挙げた豊ノ島は、体の小さな入門希望者を対象とした第2新弟子検査出身では初めての関脇。《共同通信》
【民主党・小沢一郎代表】代表戦出馬を表明
民主党の小沢一郎代表は1日午前、党本部で記者会見し、代表戦への対応について「同志の皆さんからのご支援をいただきながら代表選に立候補し、三たび党員、サポーターの判断を仰ぐことにした」と述べ、出馬を正式表明した。
同時に「生活感もなく、対応力にも欠ける自公政権は一日も早く終わらせなければならない」と強調、政権交代の実現に強い決意を表明した。《共同通信》
【この日の民主党】
松浦大悟参議院議員の入党を了承 常任幹事会
党本部で1日午後、常任幹事会が開かれ、幹事長から秋田県選出の松浦大悟参議院議員の入党が報告され、了承された。
また、2009年夏に予定されている東京都議会議員選挙における候補者の公認についても協議し、現職1名と新人1の公認を追加し、公認決定は計41名となった。
自民党による2度目の政権投げ出しは国民無視の手法 首相の辞意表明に幹事長憤り表明
鳩山由紀夫幹事長は1日、福田首相の突然の辞任表明を受けて党本部で記者団の質問に答えた。
「1年間の間に2度も自民党が政権を投げ出した。信じられない思いだ」と厳しい表情で切り出した鳩山幹事長は、密約説があったとも言われる1カ月前の内閣改造は何だったのか、12日の国会召集を決定したばかりであるなかでの辞意表明は何なのか、「あまりにも国会軽視、国民無視の手法に強い憤りを禁じえない」と批判。直ちに解散・総選挙を行うべきで、それが国民の声だと強調した。
あわせて鳩山幹事長は、経済的にも社会的にも厳しい状況下に置かれている方々が多いなか、何の対策も打ち出せなかったから辞めるとする福田首相の辞意理由について「あまりにも無責任だ」と語気を強めて批判。何ら打開策を見出せないならばなおのこと、解散をして信を問い、国民の皆さんに期待される政権を作り上げるべきだとして、「直ちに解散・総選挙に入ってもらいたいという思いだ」と重ねて語った。
また、野党の審議引き延ばし・審議拒否によって国会運営が上手くいかなかったことも辞意理由のひとつに挙げている点については「野党に責任をなすりつけられても困る」と幹事長は苦言を呈し、国会のねじれは、世界中のどこにでもある状況で、そのなかで民主党は重要な政治課題に関して、対案を出しながら真摯に議論してきたと改めて説明。「自分たちの考え方が正しい。野党の考え方は正しくない。だから(法案が)通らなかったからけしからんと言われても困る」と、首相の言いがかりともいえる誤認識を問題視し、「私どもに責任を押し付けるのは、完全に筋違いだ」と指摘した。
さらに、「新しい体制の下で政策の実現を図って欲しい」と安倍前首相と奇しくも同じ辞意コメントを福田首相が表明した点については、「新しい内閣をつくれば何かことが上手く運ぶのではないかという錯覚なのではないか」と断じるとともに、しかし、根底の自公政権の姿がまるで変わっていないのでは、政治課題が解決できるとはとても思えないと批判した。
首相辞任を受けて自民党の総裁選が行われることになると、去年の臨時国会同様、国会がしばらく空転するのではないかとの記者の問いには「当然ある」との見方を示したうえで、もし辞任、あるいは新しい布陣を望むのであれば、なぜ1カ月前に内閣改造をしたのかと鳩山幹事長は怒りを表明し、「内閣改造するときに解散・総選挙をしていれば、今新しい政治がスタートできた。それをしないで、国会の召集日まで事実上決めておきながら、それを投げ出すのは極めて無責任だ」と、重ねてその無責任ぶりを問題視した。
鳩山幹事長はまた、公明党に引きずられて思うような政権運営をできなくなったことが辞任の理由ではないかとの見方についても言及し、「責任を民主党に向けたが、実際は公明党と自民党との間がギクシャクして、国会召集日も、会期も決められない、妥協せざるを得ない。そして福田首相が忌み嫌っていた定額減税までさせられてしまう。政策も国会日程まで公明党に支配されている。こういうことに対して、行き詰まりを感じたのではないか」とも分析した。《民主党ニュース》