平成7123日目
2008/07/09
【この日の福田総理】
北海道洞爺湖サミット(第3日)
平成20年7月9日、福田総理は北海道洞爺湖サミットの最終日を迎え、G8各国の首脳と引き続き議論を行いました。
午前、G8各国首脳のほか、ブラジル連邦共和国、中華人民共和国、インド、メキシコ合衆国、南アフリカ共和国の5カ国の首脳とともに拡大会合を行い、その後オーストラリア連邦、インドネシア共和国、大韓民国の首脳も参加して主要経済国会合を行い、地球温暖化問題などについて議論しました。午後にも拡大会合が引き続き行われ、3日間の討議が終了しました。
終了後、福田総理は国際メディアセンターで議長記者会見を開き、北海道洞爺湖サミットの議長総括を発表しました。
環境・気候変動について、2050年までに世界全体の排出量の少なくとも50%の削減を達成する目標を、国連気候変動枠組条約(UNFCCC)のすべての締約国と共有し採択を求めることで一致しました。
世界経済については、今後の成長に関しては強固であるという認識の一方で、原油および食料価格の上昇や世界的なインフレ圧力の高まり、金融市場の安定性などの問題に取り組むことが必要であることで合意しました。
開発問題について、ミレニアム開発目標達成に向けた中間年にあたり、開発途上国と協力をして目標達成する決意を新たにしたこと、またアフリカ諸国への支援について、TICAD IVの成果を踏まえ、経済成長とミレニアム開発目標達成のための具体的な取り組みについて合意しました。
政治問題について、不拡散を重点的に取り上げ、特に朝鮮半島の検証可能な非核化の達成に向けて引き続き取り組んでいくことと同時に、拉致問題などの日朝関係の進展の重要性について各国から協力の表明がされました。また、テロとの戦いや和平復興でG8各国が協力を進めていくことを確認し、ジンバブエ情勢についてはG8各国で深刻な懸念を共有し問題解決のための声明を発出しました。
福田総理は「今回のサミットは、最近開催されたサミットと比べ、きわめて重要なものであったと思います。なぜならば、地球温暖化の進行、原油や食料価格高騰の問題、金融市場の緊張といった、世界規模の課題が非常に切実な形で人々の生活に影響を与えている、そういう中で開かれたサミットだからであります。各国の首脳同士で言い合うこともありましたが、そのおかげで多くの成果を生み出すことができたと思っております。」と述べ、北海道洞爺湖サミットは3日間の日程を終え閉幕しました。
議長記者会見後、福田総理はG8サミット会場のホテルに戻り、各国の首脳とそれぞれ会談を行いました。
中国の胡錦濤国家主席との会談では、北朝鮮の核問題や拉致問題で意見交換を行ったほか、両国で先般合意した東シナ海における協力について合意を着実に進めてくことを確認しました。また、福田総理から四川省大地震の復旧・復興への協力についての提案を述べ、胡錦濤国家主席から日本の支援は日本国民の中国国民に対する友情の表れであると述べられました。
インドのマンモハン・シン首相との会談では、気候変動、エネルギー、食料安全保障の問題について意見交換を行い、特に気候変動問題については両国で緊密に協力していくことを確認しました。また、両国関係について、福田総理からアジアの地域協力や国連安保理改革、気候変動、WTOなどに関する協力を含め、戦略的グローバル・パートナーシップをさらに実質化させるべく協力していきたいと述べました。
メキシコのフェリペ・カルデロン・イノホサ大統領との会談では、気候変動問題について意見交換を行い、引き続き緊密に協議していくことを確認しました。
ブラジルのルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルヴァ大統領との会談では、両国関係について意見交換を行い、近年多くの分野で経済関係の緊密化が進んでいるという認識で一致しました。また、福田総理からブラジルとの友好協力関係を更に大きく前進させるため協力していきたいと述べました。
インドネシアのスシロ・バンバン・ユドヨノ大統領との会談では、福田総理から主要経済国会合におけるユドヨノ大統領の積極的な発言について大変に参考になりましたと述べました。
オーストラリアのケビン・ラッド首相との会談では、核不拡散・軍縮に関する国際委員会への参加や捕鯨問題などについて意見交換を行いました。また、両首脳は来年日本が主催する第5回太平洋・島サミット等を通じて、日豪間で協力を促進していくことで一致しました。《首相官邸》
福田康夫首相は9日夕、主要国首脳会議(北海道洞爺湖サミット)会場の洞爺湖町のホテルで、中国の胡錦濤国家主席と会談した。首相は北朝鮮が拉致問題の再調査を実施しない限り経済制裁の一部解除は困難との認識を示し、中国側の働き掛けを要請。胡主席は首相に「適切な形」での協力を約束した。《共同通信》
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【洞爺湖サミット】閉幕
洞爺湖サミットは9日に閉幕した。開催地元の洞爺湖町はサミットが何事もなく無事に終わった安どと喜びのムードに包まれた。
期間中を中心に厳重な警備態勢と交通規制が敷かれた主会場ホテル周辺や温泉街。警備関係者、各国政府関係者らで埋まったホテル・旅館と、客でにぎわった飲食店、土産店。笑顔のもてなしを尽くした地元では「世界の洞爺湖をアピールして今後につなげたい」と観光客増に期待を込めた。《室蘭民報》
【イタリア世界遺産落書き問題】日本人学生が現地で謝罪
世界遺産に登録されているフィレンツェ市中心部にある「サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂」で岐阜市立女子短大の学生らによる落書きが見つかった問題で、同短大の松田之利学長が9日、フィレンツェ市庁舎を訪れ、大聖堂の関係者らに謝罪した。
落書きをした学生1人を伴って市庁舎を訪れた松田学長は大聖堂のアンナ・ミトラーノ館長らと面会後、記者会見し、「世界の宝である文化遺産に学生らが落書きをしたことをたいへん申し訳なく思う」と謝罪。大聖堂関係者側からは、「岐阜とフィレンツェの両市は友好関係にあり、この問題はもう水に流したい」 (エウジェニオ・ジャニ市会議員)といった発言があった。
同短大を運営する岐阜市は1978年から、フィレンツェと姉妹都市関係にあり、今年が30周年の節目。9日は両市の記念行事も、フィレンツェで催された。《読売新聞》
【この日の民主党】
G8サミットは再考されなければならない時期を迎えている 鳩山幹事長
鳩山由紀夫幹事長は9日夕、3日間の日程を終えた北海道洞爺湖サミット(主要国首脳会議)に関して記者団に語った。
「G8(主要8カ国)サミットがもう一度再考されなければならない時期を迎えているのではないか。ある意味で最後のG8サミットなのではないか」と語った鳩山幹事長は、言葉を続けて「つまりG8の首脳だけでは結局何事も決まらない。決めることができない時代になったということではないか」と指摘。すなわち、中国はじめ多くの国々の考えを無視しては物事を決められない世界情勢にあるとの見方を示した。
同時に「よくやった」「成功した」という印象が残るように各国間で取り計らうために失敗はないが、白熱した議論内容であればあるほどあいまいな表現になると分析し、「結論がみんなあいまいになっているのはそこによるものだ」と述べた。
また、地球温暖化防止問題などを協議する地球環境サミットとも呼ばれたが、評価に値するものはなかったとの見方を示した。温室効果ガスの削減目標の設定に関して、G8は国連での交渉に参加する全ての国と2050年までの50%削減で合意することを目指すとして採択された首脳宣言について鳩山幹事長は、「自分たちだけでもやるぞという強いメッセージを出すべきで、みんながやるように、その認識を共有しようということでは何のメッセージも出たことにならない」と批判。これまで地球環境問題に熱心に取り組んでこられた方々にとっては「情けないメッセージとして伝わったと思う」と語った。
中期目標に関してもなんら具体的な数値が盛り込めなかった点について「何をかいわんやだ」と切り捨てた。
原油高や食料品の高騰に関しても強い懸念が表明されただけであることについても、「強い懸念が表明されていったい何なのだ。具体的にどういうことをやろうかということが何一つ決まっていないように見受けられる」とも述べた。
福田首相の議長としてのリーダーシップに関しては「リーダーシップがあったとは誰一人認められなかったと思う。ある意味でもともと無理ではなかったか」と述べ、日本としての中期目標も提示できずに温室効果ガス削減の具体的な議論を主導できるわけがないと切り捨てた。《民主党ニュース》