平成6158日目

2005/11/17

【構造計算書偽装問題】発覚

東京都と千葉、神奈川両県内のマンション計20棟とホテル1棟について、千葉県市川市内の建築設計事務所が耐震強度などを示す「構造計算書」を偽造していたことが判明、国土交通省は17日、建築基準法の耐震基準を満たしていない恐れがあるとして、地元自治体と協力し、避難を含めた住民への説明を開始した。

2棟のマンションについては、同省などの強度計算で「『震度5強』の地震で倒壊などの危険がある」という結果が出ており、大規模な補修や立て替えが必要となる可能性が高いという。

計21棟のうち、マンション13棟(計471戸)とホテル1棟はすでに完成している。あとの7棟のうち4棟が工事中で、残る3棟はまだ着工していなかった。都県別の内訳は、東京11棟、千葉6棟、神奈川4棟。

構造計算書を偽造していたのは、A一級建築士(48)が経営する個人事務所の「A建築設計事務所」で、首都圏の中規模マンションの設計や、他の事務所の下請けとして、「構造計算」だけの業務などを請け負っていた。

国交省によると、同事務所は2003年2月〜05年10月の間、問題の21棟の柱や梁(はり)の構造計算をする際、建物にかかる外力の数値を実際の約半分にして入力していた。この結果、柱や梁が地震や台風などに耐えられない太さだったり、鉄筋が必要量より少なかったりしていた。《読売新聞》




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【大阪姉妹殺害事件】焼け跡から姉妹の他殺体見つかる

17日午前3時40分ごろ、大阪市浪速区の10階建てマンションの4階、飲食店従業員A子さん(27)方から出火。約67平方メートルの同室のうち約5平方メートルを焼いて消し止められたが、室内でA子さんと同居の妹、B子さん(19)が血を流して倒れており、間もなく死亡した。2人の胸などに刺し傷などが多数あったことから、大阪府警捜査1課は殺人事件として、浪速署に捜査本部を設置した。

調べでは、消防隊員が駆け付けた際、カードキー式の玄関ドアは施錠されていた。エンジンカッターでドアを破って部屋に入ったところ、室内には煙が充満。A子さんは、計2部屋のうち玄関側の部屋にあるベッドの上で、B子さんはその下の床上でそれぞれあおむけに倒れていた。《読売新聞》

【この日の民主党】

政府の金融政策を批判 訪米の意欲語る 前原代表が記者会見

17日昼、都内のホテルにおいて、前原誠司代表の記者会見が行われた。前原代表は、政府系金融機関の統合問題および日銀の量的緩和政策転換に対する政府の姿勢を批判するとともに、アメリカ訪問への意欲を語った。

冒頭前原代表は、昨日京都から帰ったばかりのシーファー駐日アメリカ大使と会談したことを明らかにし、そこでは日米首脳会談の内容についても触れられたが、主眼はアメリカ訪問のための実務的な打ち合わせであると述べた。

前原代表は、政府系金融機関の統合問題が大詰めに来ていることを踏まえ、「経済を制御するのは金融と財政であり、財政は政府、金融は民間でやるべきだ。また、民業補完という場合には直接融資と政府保証という方法があるが、政府保証が良いと思う」と語った。さらに代表は、この問題を考える場合に、なお中小企業に対する貸し渋りがあるということにも注意を払うべきだと語った。代表は現在議論されている8つの公的金融機関については、一つに統合すべきだと述べた。

次に前原代表は、金融の量的緩和策の転換についての政府与党内での議論、例えば中川政調会長などの日銀の独立性を否定するような発言を取り上げ、これらは日銀の独立性という現在の前提と相容れないと批判した。さらに、政府自身が景気は良いと言っている中での量的緩和論には他の意図を感じるとして、それがインフレ誘導や公的債務の希薄化につながるおそれを指摘した。そしてマニフェストの政策を引きつつ、「日銀の独立性の前提からしても、金融政策の手足を縛っているゼロ金利政策の見直しが必要である。家計部門から企業部門への付け替えが行われていることの見直しが必要である」と語った。

前原代表は定率減税見直しについての記者団の質問に答えて、政府の見直し方針は政府税調のサラリーマン増税は行わないとの自民党の公約違反であると指摘した。そして、全体像を示す中で論議されるべきであり、民主党は「行革なくして増税なし」との基本方針を貫いていくと語った。

[衆院拉致特]松木・松原・西村智・荒井各議員が質問行う

衆議院の北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会が17日午後に開かれ、松木謙公・松原仁・西村智奈美・荒井聰各衆議院議員が質問に立ち、拉致問題に関する政府側の見解を様々な観点から質した。

まず質問に立った松木謙公衆院議員は、「先の6者協議、日朝協議で拉致問題に関し進展があったのか」を質した。外務省の齋木アジア大洋州審議官は、「残念ながらわれわれの満足する回答はなかった」と答えた。このため松木議員は、「次は何をめざすのか」と追及。齋木審議官が「対話の場に北朝鮮を引き留める」と答えたため、松木議員は、「対話だけでは仕様がない」として、経済制裁発動を発言していた安倍官房長官に「私も同感。経済発動が効かないという人もいるが、本気で日本が怒っている強い意思表示が必要」として、経済制裁発動を求めた。

安倍官房長官は、「対話や制裁が目的ではない。生存被害者の帰国、真相の究明が目的だ。厳しい決断をすることになると伝えた。どのタイミングかを熟慮している」と答弁。さらに松木議員が「対話や制裁が目的ではないのはそう。今度の交渉がダメなら、制裁と決め交渉に臨んではどうか」と提案した。安倍官房長官は「こうなれば、こうなると申し上げるのは適切ではない」と答えた。

二番手として質問に立った松原仁議員は冒頭、横田めぐみさんの「偽遺骨」問題に言及。遺骨が偽者だとわかった時点で当時の細田官房長官から誠意ある北朝鮮の対応が見られない場合は経済制裁の発動も辞さないとの認識が示された点を取り上げ、「この12月で1年になる。経済制裁を発動する時期が来ているのではないか」として、小泉首相から指示は出ているか、経済制裁発動をどう認識するか等を安倍官房長官に質した。

それに対して安倍官房長官は、従来通り対話と圧力路線を継承していく考えを示し、経済制裁に関しては「まず経済制裁ありきではなく、拉致問題解決することが肝要。総合的に判断するというのが総理の考えだ」などと答弁した。

松原議員は「細田官房長官は迅速かつ誠意ある対応が重要と発言した。迅速という意味からすればどんなにいっても一年だ」として早急な対応の必要性を重ねて指摘。日本国の官房長官の発言を軽視し続ける北朝鮮に対しては強い姿勢で対処すべきとの認識を示した。北朝鮮側に期限を設定して経済制裁の発動を提示することも必要だとの問題提起も行った。

同時に松原議員は拉致問題解決に向け、北朝鮮はもちろん諸外国に日本政府の姿勢を示すためにも調整室ではなく拉致問題対策室を内閣に設置するよう安倍官房長官に要請した。この指摘に対して安倍官房長官は「解決に向けてはそれぞれの省庁が自らの役割を果たしながら必要に応じて内閣官房が各省庁の調整を行う」と述べ、現在の体制が現状では望ましいとの認識を示すにとどまったが、松原議員は対策室設置の必要性を重ねて指摘した。

松原議員はまた、拉致問題の解決なくして支援は有り得ないとの認識を示し、政府の毅然とした対応を要請。この点については安倍官房長官からも「きちんと解決しない限り、支援が我が国から具体的に(提示される)ことは有り得ない」との答弁を引き出した。

続いて質問に立った西村智奈美衆院議員は、冒頭、新潟県選出の国会議員として、拉致問題の早期解決に取り組む決意を表明した上で、今後の協議の見通しを明確に示すよう政府に求めた。

西村議員は質問の中で、今後の協議には、拉致された疑いが濃厚な失踪事案も含まれるという認識でよいか質問。麻生外務相は、疑いが強い方々について情報を求めるのは当然であり、今後の交渉の中にその問題が含まれるとの考えを示した。西村議員はまた、日朝平壌宣言の「双方」の意味を確認し、麻生外務相は日本国と北朝鮮を指すと答弁した。

西村議員はさらに「日本にも高位の人権担当官の設置が必要ではないか」として、北朝鮮の人権問題を専門的に取り扱う役職を求める意見に対する政府の見解を求めた。安倍官房長官は、米国の活動状況を参考にしながら検討したいと慎重な姿勢を示した。これに対して西村議員は、具体的な方針を示し、後戻りしない決意で取り組むよう強く求めて質問を終えた。

最後に質問に立った荒井聰衆院議員は、拉致被害者家族の横田さん夫妻の思いとして、「政府が頼りにならない」という心情を持っており、「今でも(その思いが)あまり変わっていないのではないか」などとして、安倍官房長官の所見を質した。安倍官房長官は、「何としてもご家族の思いに応えたい」などとした。

荒井議員は更に、政治の使命は「国民の生命と財産を守る」ことだとして、北朝鮮による拉致問題への外務省の対応について質した。佐々江アジア大洋州局長は、「北朝鮮がやったものだと断定するまでに相当な時間がかかったのは事実だ」などとし、荒井議員は、「国会の基本に関わる問題だという思いが少なかったのではないか」などと指摘した。

また荒井議員は、北朝鮮との外交を行う際の多国間外交の必要性を強調。周辺各国の協力が不可欠だと指摘するとともに、人権問題に関心の高い欧米各国など国際世論に訴えかけるための広報戦略の必要性も訴えかけた。《民主党ニュース》



11月17日 その日のできごと(何の日)