平成6114日目
2005/10/04
【民主党】前原氏の労組対応に異論
民主党の前原誠司代表が掲げる「労組との関係見直し」をめぐり、4日午後の同党常任幹事会で、連合に近い常任幹事から「衆院選敗北の責任が労組にあるというメッセージは遺憾だ」「連合との関係修復を図るべきだ」などの異論が相次いだ。
前原氏は「連合との関係が悪くなったとは思っていない」と突っぱね、川端達夫常任幹事会議長が「相手(政府、与党)の思うつぼだ」と議論を打ち切った。
議論の焦点となったのは、前原氏が連合に配慮して郵政民営化関連法案の対案を提出しなかったことが衆院選の大きな敗因と主張している点。
ある常任幹事は「対案を出さなかったのは(民主党側の)政局判断であり、労組の反対で出さなかったというのは事実と違う」と批判した。
これに対し前原氏は「私は『労組戦犯論』は一度も言ったことはない。郵政の対案を決定するかどうかについて組合から働き掛けがあったことは事実だ」と反論した。
前原氏はこれに先立つ連合加盟の官公労組で組織する「公務公共サービス労働組合協議会(公務労協)」との会談で、公務員制度改革に関し「労組に入る労働者は恵まれた層だ。パートや派遣で働いている人が多い。国民的視点で判断する」と給与水準引き下げの必要性を強調。丸山氏らは前原氏の主張に「小泉改革とどう違うのか」「『脱労組』とはどういうことか」などと反発した。《共同通信》
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【作家・下田治美さん】ストレスで執筆不能に
映画化された小説「愛を乞(こ)うひと」で知られる作家の下田治美さん(58)の長男(28)が、勤務先の社員らに暴行されたとして、下田さんと長男が、派遣会社2社とヨドバシカメラなどに対し総額3285万円余の損害賠償を求めた訴訟の判決が4日、東京地裁であった。加藤謙一裁判長は、職場や下田さんの自宅での計4回の暴行を認め、自宅での暴行を目の当たりにした下田さんが「ストレスから執筆不能になった」と認定。慰謝料など総額564万円余の支払いを命じる判決を言い渡した。
判決によると、長男は02年10月に人材派遣会社「トラスティ」(東京都渋谷区、休眠)に雇用され、ヨドバシカメラ上野店と同錦糸町店でPHSを販売していた。03年1月には「トラスティ」の休眠に伴い同業種の「イー・パーソンズ」(渋谷区、解散)に転籍し、引き続きヨドバシカメラで働いた。
長男は02年11月〜03年3月、遅刻などを理由に派遣会社社員やヨドバシカメラ上野店従業員から暴行を受けた。このうち03年3月14日には「イー・パーソンズ」社員が下田さんの自宅に押しかけ、欠勤していた長男に怒号を浴びせ、下田さんの制止を振り切って三十数回けるなどし、長男は肋骨を折るけがをした。
判決は、直接暴行されていない下田さんについて「急性ストレス反応などにより、収入のほとんどを得ている小説等の執筆が不能となった」と認定した。《毎日新聞》
【週刊金曜日】記事盗用発覚で謝罪
雑誌「週刊金曜日」が9月16日号の「自民党の驕りと戸惑い」と題した衆院選後の政局分析記事で、共同通信社の配信記事を部分的に盗用していたことが4日、分かった。「金曜日」は盗用を認めて謝罪し「社内処分も検討している」とする北村肇編集長名の文書を同社に送付した。
同じ記事と翌週号の別の記事で、時事通信の配信記事が盗用されていたことも判明。「金曜日」は、同社にも謝罪した。
盗用されたのは、共同通信が「民主、後継代表選び着手」との見出しで9月12日に配信した記事。衆院選で民主党が都市部で敗北した結果などをまとめた部分が、ほぼそのまま無断で掲載された。《共同通信》
【政府】国家公務員の合理化計画を決定
政府は4日午前の閣議で、「定員合理化計画」を決定した。
自衛官を除く国家公務員の定員について、2005年度から09年度までに10%以上削減するため、06年度からの4年間で省庁の定員を計2万7681人減らす目標を掲げた。
一方で、各省庁は新たな行政ニーズなどを理由に定員増も要求している。これを差し引いた純減数は、経済財政諮問会議の民間議員が求める「5%以上の削減」には遠く及ばない見込みで、年末に向けた公務員の総人件費削減をめぐる調整は難航が予想される。
省庁が06年度予算概算要求時に行った増員数は計5952人。定員増がこのペースで続くと仮定すると、4年間で2万3808人になる。削減目標から差し引いた純減は3873人で、05年度の純減数を足しても、5年間の純減数は定員の2%にも満たない。
削減目標は、省庁の人事・給与部門の電子化で定員を減らしたり、毎年度の新規採用者数を退職者数より抑えたりして積み上げた。
政府は昨年12月に閣議決定した行政改革方針で、05年度からの5年間で、「定員10%以上削減」と明記した。これを実現するため、10%に相当する3万3230人から05年度の削減数5549人を引いて、4年間の目標数とした。《読売新聞》
【小泉純一郎首相】信書便法改正に意欲
小泉純一郎首相は4日の参院予算委員会で、郵政民営化問題に関連して、現行の信書便法がはがき、封書の郵便事業に新規参入する業者にポスト約10万本の設置を義務付けていることについて「見直していいと思う。できるだけ参入しやすい環境をつくるべきだ。10万本が固定される必要はない」と述べ、参入条件の緩和に向け同法改正を検討する姿勢を示した。民主党の浅尾慶一郎氏の質問に答えた。
同法は、全国で信書の引き受け・配達が確保できることを参入条件として定め、具体的には総務省令で人口密度などに応じたポストの設置基準を定めている。これに基づいて計算するとポストは全国に約10万本必要になり、現実的には対応不可能な条件として民間業者から批判が出ていた。昨年、閣議決定された「郵政民営化の基本方針」では、信書事業の参入規制について「当面は現行水準を維持」とする方針が示されていた。《毎日新聞》
【この日の民主党】
末松国際局長、バリ島爆弾テロをうけ駐日インドネシア大使館訪問
末松義規国際局長は4日午後、週末に発生したインドネシアのバリ島の同時爆弾テロ事件を受け、在京インドネシア大使館を訪問した。
末松局長はヘリンドラ参事官と面談し、前原誠司民主党代表からのスシロ・バンバン・ユドヨノ大統領宛のお見舞いの親書を渡すとともに、事件で犠牲になられた方々や負傷された方々へのお悔みとお見舞いの意を表した。
ヘリンドラ参事官は末松局長の訪問に感謝を示し、事件で亡くなられた邦人に対してお見舞いの意を表した。親書はユドヨノ大統領にしっかり渡すことを伝えると同時に、事件捜査の現状を説明した。現時点では、2002年にバリ島で起こった爆弾テロと関連している明確な証拠がないが、犯人グループの手口が似ていることから、同一犯の可能性が高いという考えを示した。
前原代表、公務労協と懇談 働く人々の視点での立案姿勢で一致
前原誠司代表は4日午前、党本部で自治労や郵政関連労組など連合加盟の官公労組で組織する「公務公共サービス労働組合協議会(公務労協)」の幹部と懇談した。
公労協側からは全国自治団体労働組合の岡部謙治委員長、日本教職員組合の森越康雄委員長、国公関連労働組合連合会の丸山建蔵委員長、全日本郵政労働組合の宮下彰委員長らが来党し、民主党からは渡辺周『次の内閣』ネクスト総務大臣、細野豪志役員室長が出席した。
前原代表は、脱労組という言葉は自らの言葉としては発言したことはないとの認識を示した上で、「政策については是々非々、意見が異なる場合もあると言っただけで、働く方々の目線で政策を推し進めていくという点では労働組合のみなさんとも一致できる」と語った。それに対して公務労協側からも緊密な協議を望む発言があり、今後も様々な政策決定に際して、協議を行うことで一致した。
目指すべき社会像についての公務労協側からの質問に、前原代表は「国民的な視点に立って政策を考えていく」と回答。特に、社会保障や教育費分野についてのセーフティネットの確立や、派遣労働者やパートに対する正社員との待遇格差や地域による格差などの是正に力を注いでいくとの考えが示された。
同時に「そういう視点は持ちつつも、無駄は徹底的に省いていく」と前原代表は述べ、公務員の人件費や待遇についても「見直しが必要であれば対処していく」旨を語った。
懇談では、公務員制度改革に関連する議論がなされ、前原代表は、「給与水準そのものは見直す一方で、労働3権については認めていくべき」とする従来からの持論を展開。公務労協側からは政・労・使の三者が関わって給与水準を決めるEUの制度を例に、「給与水準の決定システムに関して、民主党としても研究してみてほしい」との要請がなされた。
この問題に関連しては、人事院勧告を含めた公務員人件費のあり方について民主党は、渡辺ネクスト総務大臣のもと議論していくこととなっており、法整備も視野に入れた議論を今国会中に行っていくことになる。
特別会計は徹底的に追及 対案路線を貫く 会見で前原代表
前原誠司代表は4日午後、党本部で定例の記者会見を行い、インドネシアでのテロ事件とその対応、日本政府の情報収集能力強化、テロ特措法延長問題、公務労協との意見交換の内容などについてコメントした。
前原代表はまず、インドネシアのバリ島で自爆テロが起こり、日本人を含む多くの死傷者が出たことについて、亡くなられた方々へ「心からご冥福をお祈り申し上げる」とし、負傷された方々にも「1日も早い回復をお祈り申し上げる」と表明。「卑劣なテロというものは絶対に許してはならないという思いを新たにした」と厳しく指摘した。
これに絡めて前原代表は、わが国の情報収集体制の貧弱さに懸念を示し、民主党が、イギリスにあるJIC(統合情報委員会)の日本版の組織を早急に立ち上げるべきだと主張していることを紹介。各省庁などが、「ばらばらに情報を持っていて、お互いの連携ができていない」状況を変え、「それぞれの情報コミュニティが持っている情報を、一つの機関が吸い上げて、お互いに共有する」ことにより、分析、政策立案、危機回避に活かすべきだとした。この提案については、新体制の対案路線の柱の一つにしたいとの意向も示した。
テロ特措法の延長問題について前原代表は、イラク特措法と一体的に考えるべきだとして、その整理をどうするかという点、洋上給油が「どういう実績を挙げて、なぜこれからも必要なのか、どういう評価を関係諸国から受けているのか」などについて、国民に説明責任を果たしているかという点、「特別措置法の繰り返し再延長」は好ましくなく、「総合的なテロ対策の恒久法」への考え方という点の、三点を軸に考えるとした。前原代表はこの二点目の、政府による説明責任について、特に重要視していく意向も示した。
また前原代表は、本会議や予算委員会での小泉首相との議論を踏まえ、「真の改革競争を行うために、今のおかしなところは徹底的に追及する」が、「対案路線は貫いていく」と改めて表明。郵政改革法案を民主党の対案として提出したことについても、「今までの民主党の考え方を、更に踏み込んだ形で具体像をお示しした」ものだと説明した。
特別会計の問題についても、「一回でそれを終わらせず、しつこく徹底追及していく」とし、それぞれの特別会計を徹底的に追及する担当者を決めて、「伏魔殿と言われている内容の分からないものについて、徹底的に追及をしていく」との強い意向を明らかにした。前原代表は、特別会計の「ゼロベースの見直しと、一般会計と特別会計を一緒に国民に示せるような仕組み」を、民主党として今後も提案をしていくという考えも改めて述べた。
また本日午後、代表自身が公務労協と意見交換を行ったことについても触れ、応援をしていただく方々については有り難いことで、「こちらから切るようなことはしない」とする一方で、「政党・政治家としての自己否定につながる」として、「考え方が合わない中で、その方々の意見を鵜呑みにすることもしない」とも表明。密接に協議し、「意見は聞くという姿勢は貫いていく」とともに、「政策をまとめるのは、あくまで党だ」との考えを示した。
また記者団から、明後日から始まる参議院神奈川選挙区の補欠選挙について問われ、前原代表は補選での訴えのポイントとしてまず、衆院選大敗についての「反省に立ってのスタートだということを、神奈川県民の皆さんを通じて全国民の皆さんにお伝えをしなければならない」と述べた。その上で、「真の改革政党は民主党である」として、もう一度その旗を取り戻させてもらいたいとして、様々な税金のムダづかいなどについて指摘し、対案路線を貫いていくことについても改めて言及。
サラリーマン増税はしないと自民党が公約をしておきながら、先日の予算委員会での谷垣財務相の答弁の内容もぶれており、定率減税の廃止はサラリーマン増税ではないなどとする考えにも苦言を呈した前原代表は、「だまし討ちと受け取った国民の皆さんは多いのではないか」として、国民の懸念を受け止め、「与党の暴走独走を許していいのか」という点についても、しっかり訴えていきたいなどとした。
前原代表が対案路線強調、幹事長が党内日程提示
10月4日午後、国会内で第347回常任幹事会が開催され、前原代表が総選挙の結果を踏まえた対案提示路線を強調し、鳩山幹事長が党機構改革および総選挙総括の日程を提示した。
川端達夫常任幹事会議長の司会下に、冒頭前原誠司代表が挨拶に立った。代表は、岡田克也前代表が東海ブロック選出の常任幹事として常幹に参加することを紹介した後、明後日からの参議院神奈川補欠選挙の闘い方について次のように語った。
第一に、総選挙における国民の審判を受け止めて、郵政の対案が出せなかったこと、および政権を担うという意識が欠けていたことを反省し、対案路線に転じた。第二に、谷垣財務相の選挙後の発言のように水ぶくれした政府をそのままにして増税するのか、われわれのように徹底して無駄を省いて安易な増税路線をとらないのか、財政問題を争点として訴えていく。自民党がマニフェストでサラリーマン増税を行わないと言いながら、それをやろうとしている点も問題だ。最後に、川口前外相がどのような外相であったかについても厳しく問っていく。
続いて鳩山幹事長が報告を行った。幹事長は、ブロック選出常任幹事を中心にブロック国会議員団会議を定期的に開催すべきこと、シンクタンク設立準備委員会が仙谷委員長および松井事務局長の構成で決定したこと、参院神奈川補選対策本部が鳩山本部長、玄葉事務総長、笠事務局長その他の役員構成で決定したこと、を報告した。
野田佳彦国対委員長は、衆議院の予算委員会では代表を先頭に特別会計の問題を取り上げたこと、今後の各委員会の一般質問においてもこの問題を取り上げていく方針を述べた。また、6日には郵政法案に関する代表質問が、7日からは郵政特別委員会が始まるなどの国会日程を報告した。
輿石参院幹事長は、今後の参院役員の選挙については、会長及び幹事長の選挙から会長のみの選挙への移行を検討すると語り、また参院からの選挙対策委員会への代表者を選考中であること、参院独自での選挙対策が必要であることなどを報告した。
平田健二参院国対委員長は、今後の参院の国会運営について報告した。松本剛明政調会長は、次の内閣における民主党の議員立法および政府・与党提出法案についての審議状況を報告した。
次に、報告・承認事項に移り、幹事長が12月17および18日に行われる党大会の実行委員会の委員長に山岡賢次副代表、事務局長に平野博文総務局長を任命したこと、党改革案は10月26日までに取りまとめ11月15日に決定すること、総選挙総括は11月4日予定の全国幹事長会議を経て、11月8日に取りまとめることを報告し、承認された。
武正公一選対委員長代理は、宮城県議補選候補者での公認および候補予定者が岡山市長選に出馬するために参院岡山選挙区における公認内定を取り消すことを報告し、了承された。
大畠章宏組織委員長は、新たな総支部の設立について報告し、了承された。
会議では、党としての政策決定のあり方と支援団体との関係について、活発な論議が行われ、友好関係を尊重しつつ、政策決定においては独自性を保つという原則が確認された。
[参院予算委]浅尾議員、公務員制度や国連改革などで首相ら質す
4日開かれた参議院予算委員会で、民主党・新緑風会のトップバッターとして、浅尾慶一郎議員が質問に立った。
浅尾議員はまず、公務員制度に関して質問を行った。第一に、国家公務員の給与改定に言及した2005年の人事院勧告を取り上げ、勤務成績判定における「良好」の定義を近藤人事院総裁に確認。改定後は査定昇給について、有給休暇を除いて年40日以上欠勤がないと見なさないのかと問い、近藤総裁は、抽象的だった昇給基準について明確化し、一号俸を4等分して、実績に応じて昇給するなどと解釈していると答弁した。
浅尾議員は、国家公務員の年金・退職金に関連して、厚生年金と違いがある共済年金の職域加算にも言及した上で、公務員に労働基本権を付与する意思があるかを小泉首相の考えを質した。首相は「解決が難しい。国民世論をよく調整して、(スト権に)反対の考えが根強いことも含めて考えなければならない」と見解の表明を避けた。谷垣財務相は財政上の削減効果を認めたが「公務員の身分は給与水準だけでは考えられない。論点を詰めるべき」などと慎重な姿勢を示した。
また公務員の勤務時間にある休憩時間と休息時間に関して、国家公務員のほとんどが昼休みに休息時間をとっている実態を浅尾議員は指摘。これに対して首相は、運用について改善の余地があるとの考えを示した。
浅尾議員は次に、国連改革について質問。日本の国連常任理事国入りに関するG4の枠組み決議案の不採択と、国内での国連分担金の削減を求める議論を切り離しているかと追及した上で、米国議会が予算執行を許可しない例を挙げ、日本において同様の法案が出た場合、自民党総裁としてどのように判断するか首相に質した。小泉首相は、日本の分担率について公平性の観点から議論を続ける必要があるとの見解を示したが、法案に対する考え方や賛否については言及を避けた。
6カ国協議について、浅尾議員は、拉致問題の根本的な解決が軽水炉提供の先にあるべきで、国民感情が納得しないと指摘した。また、協議終了後の北朝鮮による談話は受け入れられないとして、政府の「流れに従って決める姿勢」を批判。申し入れを行わないまでも、遺憾の声明を出すなど、「政府として主体的な行動が必要」との見解を示した。
浅尾議員はまた、財政再建と民営化に関して、NTTの通信通話料金やJRの運賃が民営化後、他社と競合する部分で引き下げられた例に言及。郵政民営化に伴い、差出箱(ポスト)の設置数などを定める信書便法について、参入を促進するために改定する考えはあるか質した。小泉首相は「見直してよい。参入しやすい環境を作るべきだ」と改定に前向きな姿勢を示した。
[参院予算委]若林議員、東シナ海ガス田開発問題など質問
4日開かれた参議院予算委員会の午前の質疑で、浅尾慶一郎参院議員に引き続いて若林秀樹参院議員(『次の内閣』ネクスト経済産業大臣)が質問に立ち、衆院解散の正当性、民主党郵政改革法案、財政改革と税制の問題、原油高とエネルギー問題、東シナ海ガス田開発問題などについて、小泉首相をはじめとする関係閣僚を質した。
若林議員は冒頭、今回の衆議院解散に疑義を呈し、小泉首相の国会軽視の姿勢を質したのに対し、首相は「何ら問題ない」と回答。若林議員は、道義上あるいは民主主義の理念から見ても問題だと更に指摘を重ねた。
昨日、民主党が衆議院に提出した郵政改革法案の内容についても若林議員は言及し、民主党案は「国民の暮らし安心法案」であり、政府案は「官業焼け太り民業圧迫法案」だと厳しく指摘。首相の反論にも、「基本的に民主党の考え方は変わっていない」とした。
財政改革の問題について若林議員は、税収が3割下がり、一般歳出が2割上がる状況では赤字が続くのは当たり前だとして、小泉政権下で「なぜ借金が増えているのか」について繰り返し小泉首相を質した。首相は、「経済は生き物だ」などとして直接の言及を避けた。
続いて若林議員は、政府税調の考え方はとらないとする自民党のマニフェストの意味を質し、谷垣財務相は、「サラリーマンを狙い打ちにした増税はしない」とした。これに対して若林議員は、早くも増税の議論が出てきている政府・与党の議論に釘を刺した。
原油高とエネルギー問題についても若林議員は言及。1バレルが100ドルにもなりかねない原油市場の現況に強い懸念を表明した。東シナ海でのガス田開発についての日中間の話し合いについても若林議員は、政府の立場を支持しつつ、冷静な議論を呼びかけた。共同開発に向けた現実的な対応についても若林議員は質問し、中川経産相は「ボールは中国側にある」として、話し合いの経緯を説明した。
若林議員は、民間企業に認めた試掘を実際に行った際の妨害の可能性や、ガス田開発にあたっての採算の問題などについても中川経産相と議論を展開。日中の良好な関係を展望する意味では「小さな問題だ」としつつ、その扱い方には慎重を期すべきだとして、首脳レベルで解決を図るかについて小泉首相の考えも質した。
その上で若林議員は、しっかりとしたパッケージとしての対応の重要性を指摘しつつ、日中首脳の相互訪問の必要性についても言及。重ねて慎重な対応を、中川経産相らに求めて質問を終えた。
[参院予算委]池口議員、首相の選挙姿勢・郵政への取組み等確認
参院予算委員会で4日、総括質疑が行われ、民主党・新緑風会の3番手として池口修次議員が質問に立った。
池口議員は総選挙についてまず取り上げ、そもそも国民に何を問うための選挙だったのかについて小泉首相に改めて質した。首相は国会では郵政民営化法案否決を受け、国民は本当に郵政民営化法案を不要と思っているのか、同時に首相就任後に進めてきた改革の実績を問うための選挙だったとしたうえで、「異例中の異例であることは承知している」などと述べた。
それに対して池口議員は、日本における最高権力者が異例中の異例だとしながら、解散を強行することに疑念を呈した。
続いて池口議員は、小泉首相の所信表明演説にかなりの時間を割いた国家公務員の人員の問題を取り上げ、そのこだわりを質すと首相は「なぜ郵便局の仕事は国家公務員でなければできないのか。公務員の人数を減らせというのであれば郵便局を減らせば一番公務員を減らすことになる」などと主張。
その点をめぐり池口議員は、郵便局員は郵政公社に属し、公務員という認識とは明らかに異なることを指摘したうえで、「意図的に情報をごまかしている」として、総選挙期間中からの一貫した首相の姿勢を批判した。しかし、首相は「国家の事業収入で給料を支払っている。税金で補填している」などと繰り返し強弁。「細かく言えば有権者は聞いてくれない。いかにわかりやすいかだ」などとして、目先だけのまやかし演説に終始する自らの姿勢を露呈するような発言を続けた。
池口議員はさらに、衆院選の選挙結果をうけて「国民の信託を得た」とする考えを主張し続ける首相に対し、小選挙区制度の前で衆議院議員の議席数獲得には繋がらなかったが、「郵政民営化反対票」の方が、賛成票を上回っていた実態をふまえ、郵政民営化反対の国民の声も厳粛に受け止めるよう要請した。
同時に、年金法案のときはまさしく国民無視の強行採決に出ながら、今回の郵政民営化法案のときは「国民の意思を問う」として解散を断行した首相の政治姿勢を、「明らかに使い分けでしかない」と批判した。
次に池口議員は民主党が従来から主張し続けてきた道路特定財源の一般財源化に向けた議論を政府もようやく始めた問題を取り上げ、「大いに議論すべき」として、前向きな検討の必要性を首相に指摘した。
池口議員のこうした指摘に対して首相は、「衆議院予算委員会で民主党議員からも問題を提起されたし、私どもも見直そうということである。内閣としても秋から暮れにかけての税制改正・予算編成の議論のなかで見直しについて見当していく」として、前向きな姿勢を示した。
最後に池口議員は政治とカネをめぐる問題の集中審議の開催を首相に強く求め、質問を締めくくった。《民主党ニュース》