平成6050日目
2005/08/01
【この日の小泉総理】
インド洋津波遺児の小泉総理表敬
平成17年8月1日、小泉総理は総理大臣官邸で、昨年末に発生したインド洋の津波遺児50人の表敬を受けました。
病気や自殺など交通事故以外で親を亡くした子どもを支援している「あしなが育英会」の招待で日本を訪問したもので、日本の災害遺児と交流し、心の傷を癒しあうつどいを東京・代々木の国立オリンピック記念青少年総合センターで開催しています。その開会式の後に小泉総理を表敬訪問しました。
津波遺児を代表してインドネシアのアチェ州バンダ・アチェ市在住で高校1年のスリ・ワユニさん(14歳)は、「私は津波によって、両親、姉、兄、妹が亡くなりました。私の希望は、今回のサマーキャンプに参加して、自分の悲しい気持ちを軽減することができるようになること。そして今、小泉首相がわざわざ時間を割いて、私たち津波遺児を迎えてくださったことは、大変幸せです。」と挨拶しました。その後津波遺児は、インドネシア・アチェ州の民族舞踊「アチェダンス」を披露しました。
小泉総理は挨拶で「去る4月に津波の被害を受けたアチェを訪問しました。その被害の大きさに改めて驚きました。と同時に、多くの子どもたちがめげず、明るく歓迎してくれて勇気づけられました。日本は、地震や津波、集中豪雨など災害が多い国です。その災害で家族を亡くしてつらい思いをしている子どもたちもたくさんおります。どうかみなさんも希望をもって、元気でがんばってください。」と挨拶しました。《首相官邸》
郵政民営化「小泉降ろしには屈しない」
小泉純一郎首相は1日夜、郵政民営化関連法案について「継続(審議)は、形を変えた否決だ。『小泉内閣退陣せよ』ということだ。政治家として政局の重みを分かってもらいたい」と述べ、継続審議でも衆院解散・総選挙に踏み切る意向を示唆し、反対派を強くけん制した。さらに、反対派の動きを「倒閣運動」と断じ「小泉降ろしには屈しない」と、今国会成立を期す決意を強調した。《共同通信》
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【MLB・ホワイトソックス】高津臣吾投手とのマイナー契約を解除
米大リーグ、ホワイトソックスは1日、高津臣吾投手(36)と結んでいたマイナー契約を解除したと発表した。球団によると、保有権の放棄を告知するウエーバーは既に終了しており、同日から自由契約となり他球団と交渉できるという。《共同通信》
【橋梁談合事件】道路公団現職理事逮捕
日本道路公団発注の鋼鉄製橋梁工事をめぐる談合事件で東京地検特捜部は1日、独占禁止法違反(不当な取引制限)幇助(ほうじょ)と背任の容疑で公団理事のK容疑者(57)を逮捕した。公団副総裁のU容疑者(60)も同容疑で逮捕されており、公団の現職役員2人が逮捕される異例の事態となった。
調べでは、高速道路担当理事のK容疑者は当時技師長だったU容疑者と共謀。橋梁メーカーの談合を知りながら、昨年五月、公団元理事のK被告(70)=独占禁止法違反罪で一日起訴=の依頼を受け、公団本社での「理事説明会」で静岡建設局職員に第二東名高速道路富士高架橋工事の分割発注を指示、談合を手助けした疑い。《産経新聞》
【日本・タイ】FTA基本合意
タイとの自由貿易協定(FTA)を軸とした経済連携協定をめぐり、中川昭一経産相は1日、バンコクでタクシン首相やソムキット副首相と会談、2日にわたる閣僚交渉で基本合意に達した。来年4月までに調印、締結する見通し。
タイの自動車部品や鉄鋼などの関税が段階的に撤廃されることになり、日本とタイ、東南アジア諸国連合(ASEAN)は、製造業での域内分業での経済連携をさらに深めることになる。《共同通信》
【自民党】朝日新聞に取材制限
自民党の武部勤幹事長は1日、NHKの特集番組に絡む朝日新聞の社内資料が同日発売の「月刊現代」(9月号)に掲載された疑いがある問題で「党役員が当面、会見以外の朝日記者の取材に応じることを自粛する」として、事実上、取材拒否することを明らかにした。この日の役員会で了承した。また、党の「朝日新聞の問題報道に関する調査プロジェクトチーム」(佐田玄一郎座長)は同日、朝日の秋山耿太郎社長あてに、取材資料流出と月刊現代への記事掲載に関する事実関係が明らかになるまでの取材自粛を求める通知書を送った。
通知書は、月刊現代が松尾武元NHK放送総局長、中川昭一経済産業相、安倍晋三自民党幹事長代理と朝日記者との「証言記録」を入手したとしていることについて、朝日記者が深く関与していたことが濃厚と指摘した。そのうえで(1)取材記者は松尾氏をだまし、無断で記録し続けているようだが、無断記録で入手した取材資料を基にした新聞記事の作成は、報道機関としての存在価値も揺るぎかねない(2)先月29日に朝日が社内資料の流出の可能性を発表した会見では、謝罪もなく、逆に発行元の講談社から記事コピー配布の承諾を得るなど良好な関係が見て取れ、取材資料があることを強調したかっただけの「やらせ」であり、朝日自体が流出に関与している疑念を感じる–などと厳しく批判している。
佐田座長は会見で「朝日の担当記者や幹部、安倍、中川両氏の出席をお願いして公開の場で事実を追及していきたい」と述べた。《毎日新聞》
【自民・永岡洋二衆院議員】自殺
自民党の永岡洋治衆院議員(54)=茨城7区=が1日午前9時50分ごろ、東京都世田谷区上の自宅で、ネクタイで首をつってぐったりしているのを起床した妻(51)が発見し、娘が119番通報した。永岡議員は三鷹市内の病院に運ばれたが、午後0時15分ごろ死亡した。郵政民営化法案への対応で悩んでいたとの関係者の証言もあり、警視庁成城署は自殺とみて調べている。自宅からは遺書などは見つかっていない。永岡議員は7月31日、地元から自宅に戻ったという。議員事務所は「昨日は地元を回っていたが、事情が分からない」と話している。
永岡氏は東大法学部卒業後の75年、農林水産省に入省。03年の衆院補選で初当選を果たし、現在2期目。自民党亀井派で、7月5日に行われた焦点の郵政民営化関連法案の衆院本会議採決では直前まで反対の意向を示していたが、賛成票を投じた。反対派の多い同派内の一部から賛成議員に批判が出ていたといい、関係者によると、永岡氏は党議拘束されているために賛成票を投じたと説明したが、自身の対応に悩んでいたという。《毎日新聞》
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自民党の亀井静香元政調会長(亀井派会長)は1日午後、同派の永岡洋治衆院議員の自殺について「(郵政民営化関連法案への対応で)相当悩み苦しんだのが事実なんだろう。自殺をすべきようなことがほかに起きていたとは思えない」との見方を示した。
その上で「今も参院で(各議員に)強烈なプレッシャーがかかっているみたいだが、政治家は自分の政治信念で行動すべきだ。執行部といえども行き過ぎたことをしてはいけない」と強調した。
同派の平沼赳夫前経産相も「執行部からプレッシャーがかかって、政治信条を強引にねじ曲げられたことを相当悩んでいたと思う。今の強権的なやり方の犠牲者だったんだと思う。後に残るわれわれが無念の気持ちを果たすため一致団結して頑張りたい」と述べた。《共同通信》
【この日の民主党】
藤田国際局長、同時爆弾テロ事件を受けて、エジプト大使館を訪問
藤田幸久国際局長(衆議院議員)は1日午前、エジプト大使館を訪れ、エルサデック代理大使に、岡田克也代表からムバラク大統領宛の親書を手渡し、去る7月23日に起きたシャルム・エル・シェイクにおける爆弾テロ事件に対する弔問を行った。
岡田代表は親書の中で、犠牲者やそのご家族に対する深い哀悼の意を表するとともに「こうしたテロ行為は断じて許すことはできない。犯人の捜索や、犠牲者への対応には、全世界による取り組みが必要であり、民主党としても全面的な協力を惜しまない」などと述べた。
エルサデック大使は、弔問に対するお礼を述べるとともに、エジプトにおけるテロの犯人は外国人ではなく、国内による犯行であると述べた。また、最近イラクのバグダットで、エジプトの代理大使が殺害されるなど、各国の外交官がテロ行為のターゲットになっており、各国の警察当局間における全面的な連携が不可欠だとの見解を示した。
当面の政治情勢への見解と内政ビジョン骨格示す 岡田代表、講演で
1日昼、日本プレスセンターで行われた日本記者クラブの講演会において、岡田克也代表は、当面の政治情勢や作成中の内政ビジョンなど幅広いテーマについて語った。
岡田代表は、先般発表した「外交ビジョン」に続けて、「内政ビジョン」を作成中であり、そこでは小泉政権の検証をして今後の教訓としたいと前置きして、外交政策から話を始めた。外交政策については、戦後60年が経過し、東西冷戦が終結した現在、日米間の距離感の取り方が難しいとしつつ、日米同盟を維持しながら日本でできることはやっていくという自立の方向をめざすべきだと語った。また、アジアは21世紀において最も可能性の高い地域であり、アジア重視の外交が必要であるとしつつ、ナショナリズムを煽ることで政権の浮揚力とする傾向は問題であるとした。
続いて岡田代表は、国内問題に話を移し、「どこで日本が間違ったのか」と問題提起。1970年代初めのオイルショックとニクソンショックから変化の兆しがあったが、1980年代において行うべきだった方向転換が大きく遅れたと指摘した。そして、それがバブル経済を招き、その処理のためにその後の15年が必要だったとし、「失われた10年」ではなく「失われた25年」だなどと語った。
更に岡田代表は、高速道路や新幹線の全国的な建設のように、今日に至るまで右肩上がりで成長が続くという発想が、官を中心に残っていることが問題だと述べた。岡田代表は、若い人たちの抱く閉塞感は、多様な価値観を持った人たちがまだ物資的な豊かさを追い求めている社会の中で抵抗している姿だとの理解を示した。
以上の認識を踏まえて岡田代表は、日本のつくり直しが民主党政権の2期8年の役割だと抱負を述べた。その際のキーワードは分権であるとし、地域や国民一人ひとりの力を信じて任せることが必要だと語り、小泉政権の三位一体改革の中で各省庁が省益を守ることに汲々とした姿を嘆いた。また、喫緊の課題である子育て支援策は団塊ジュニアが子供をつくるかどうかを決める、ここ5年間が勝負であると指摘し、これらの政策を盛り込んだ「内政ビジョン」の提示を考えていると改めて語ったが、選挙の時期が早ければマニフェストのみとするとした。
岡田代表は講演の最後のテーマとして、政策を決めてもそれを実現するためには政治主導の手法が必要であるとし、そのためには人事が大事であると語った。そして、政府人事については民主党内には人材が揃っているので問題がないと語り、公務員の人事については課長なり指定職の段階で一旦退職してその後は政治任用することとし、省益から切り離して時の政府にロイヤリティーを持つようにすべきだとした。さらに、内閣府の全体的調整機能を強化し、内閣官房は首相府として総理のサポートに徹するような体制にすべきだとし、事務次官会議は副大臣会議への同席に改めるとともに、合意の取れないものについても閣議に上げるようにすべきだと語った。
講演終了後質疑に移り、岡田代表による回答の概略は次のとおり。まず郵政民営化法案による選挙の可能性については、委員会での議論は尽きていないので今週中の採決は時期尚早としつつ、いずれにせよ法案が否決にならなければドラマは始まらないと語った。また、郵政民営化への対案については、民主党としては公社のままで金融のスリム化などの改革を進めるべきであると語った。更に、選挙の結果としての連立の可能性については、あくまで単独での過半数をめざすと語った。アスベスト問題については、迅速に法案を取りまとめるとし、少子化対策については生き方を変え、かつ経済的な支援を行うよう法案を取りまとめるとした。靖国神社への参拝については、自らが政権を担当した場合には行わないと語った。最後に、60年前の悲惨な戦争へ至る経過をきっちりと検討すべきだと語った。
[参院郵政特]峰崎・山根・藤本・藤末各議員、郵政法案の問題点指摘
参議院の郵政民営化に関する特別委員会で1日、民主党・新緑風会の峰崎直樹・山根隆治・藤本祐司・藤末健三の各議員が質問に立ち、それぞれの視点から郵政民営化法案の問題点を鋭く追及した。
峰崎直樹参院議員は、日本郵政公社から示された資料をもとに、「保険業界で一番重要になってくるのは3利源といわれる利益の源だ」と指摘したうえで、平成15年に利差損益で2兆100億円の赤字を計上し、結果的に逆ザヤになっている状況を明示。これだけの金額の逆ザヤの発生は民営化後も影響を及ぼし続けるのではないかとの危惧を示し、日本郵政公社の生田総裁に認識を質した。生田総裁は、「利差損については今後も残念ながら継続する」と述べた。峰崎議員は平成16年、17年ともキャピタルゲインで利益をかせぎ、運営にあてており、簡保の経営は株価に依存しているため株価に大きく左右される実態を指摘した。
「貯蓄型であるため低金利時代は経営は苦しくなる。保険金支払いに支障をきたした場合に備え責任準備金がある」といった生田総裁の答弁も踏まえて峰崎議員は、責任準備金の問題に言及。簡保の場合は民間保険にはない追加責任準備金9兆円が存在する現状を指摘した上で、民間へ移行する際、旧契約に属するか・新契約に属するかを質問した。竹中担当相は「旧勘定に属する」と述べ、同時に旧契約と新契約が並存することになることを明らかにした。峰崎議員は無税で積み立ててきた追加責任準備金が新会社の利益や経費に付け替えられることになった場合、他の民間会社とのイコールフッテイングの視点において法的に担保されているかはなはだ疑問である郵政民営化法案の実態を問題視した。
続いて質問に立った山根隆治参院議員は、郵政民営化法案成立をめざす小泉内閣の背後には、米国の強い影響力があるとされる問題を取り上げ、「日本とアメリカとの関係はきわめていびつ」との見方を示したうえで、米国依存体質を修正し、米国の影響力を払拭し、本当の意味での同盟関係の立場をとるよう、町村外相・細田官房長官に強く求めた。
山根議員はまた、民営化後の姿が見えないために、現在の郵便局職員等の不安を一層増幅される状況となっている点を指摘。同時に竹中郵政担当相が職員との意見交換、現場視察等の機会が著しく少ない点を批判。「多数の政省令に委ねるのでなく、法案内容を明確にするようすべき」と述べるとともに、視察や意見交換を行い、現場職員の実態把握につとめるよう釘をさした。
続いて質問に立った藤本祐司参院議員は、民営化の際の採算性試算、骨格経営試算のデータについて質問、計算根拠が合理的でないことを指摘、国際物流に関しての竹中担当相の答弁が不十分なため、この部分の質問は留保となった。
この部分は、新規事業として国際物流に参入し、売り上げ4000億円、利益率5%と試算されている問題で、売り上げの根拠が国際物流の海外大手を参考し、利益率は国内大手を参考にしているというもの。藤本議員の試算根拠と、違うものを参考して試算するのは矛盾している、現実的でないとの質問に対して、竹中担当相が現実的とした上で「私どもに知恵をつけていただきたい」と、試算の根拠が薄弱なことを認めたもの。藤本議員は納得せず、バックデータを含めた資料の提出を求めた。
藤本議員は他に、人件費の算出根拠を明確にすること、職員の配置、労働条件の確定に関して労働法が適用されるよう監視するよう求めた。尾辻厚労相は、「労組法168条、169条しっかり守ってもらうべき」と答えた。
次に質問に立った藤末健三議員は、まず、7月21日の質疑で、試算について国民に自信を持って説明できるかとの大久保議員の質問に、竹中担当相が「イエス」と答えていることを指摘。その上で試算の根拠に関して、新規事業のうちのコンビニ事業ついて追及した。竹中担当相は「利益は大手コンビニを参考し、240億円」と答えたが、藤末議員がセブン・イレブンは約1万店舗、郵便局は1300局であること、しかも売り場面積も、担当人員数も明らかにでないなかで、どうして利益だけが計算できるのかを厳しく追及した。竹中担当相は何ら具体的には答えず、セブン・イレブンと他の中間を想定したとのみ答えた。
また藤末議員は、35兆円の信用リスク事業が展開できる根拠を質した。これに対しても、竹中担当相は10年間でGDPが1.5倍になること、資金需要がそれに伴って拡大することを挙げるだけで、具体的には答えず、単なる見通しに過ぎないことが明らかになった。特に1.5倍にGDPが成長する際に物価上昇率を年2%と見込んでいることを藤末議員は問題とし、その根拠を明らかにするよう求めた。これにも答えらないため、藤末議員は「試算はほとんどいい加減」と厳しく批判して質問を終えた。
鳩山ネクスト外相、北朝鮮の人権問題めぐる国際議連の総会で挨拶
鳩山由紀夫『次の内閣』ネクスト外務大臣(党拉致問題対策本部長)は1日、都内で開かれた「北朝鮮難民と人権に関する国際議員連盟」(IPCNKR)の第2回総会に出席し、開会の挨拶を行った。IPCNKRは、北東アジアにおける基本的人権の普遍的な保障及び北朝鮮難民の諸権利の保障を目的として設立され、第1回総会は2003年にソウルで開催されている。
鳩山ネクスト外相は挨拶の中で、先週、憲政史上初めて北朝鮮元工作員が拉致問題について国会で証言し、政府が認めた16名のほかにも拉致被害者がいる可能性に触れたことに言及。「北朝鮮が核を放棄したとしても、拉致問題が解決するまでは、国交正常化を急ぐべきでないというのが、多くの日本人の心情だ」などと鳩山ネクスト外相は指摘し、「全く進展がない場合、経済制裁などを含めた厳しい措置を取るべき」との考えを示した。また、「北朝鮮に係る人権侵害の救済に関する法律案」(北朝鮮人権侵害救済法案)を提出した民主党の取り組みを紹介し、現在行われている6者協議に大きな影響を与えるべく、総会で積極的な議論をと要請した。
総会には、党所属議員をはじめ、各国から約40名の国会議員が参加。「国益、党派、イデオロギーの違いを乗り越え、北朝鮮国民及び脱北難民の生命を守り、人権を保障するためあらゆる国際的な努力を行う」とする共同宣言、ならびに具体的な行動計画を採択した。具体的な行動計画の概要は、次のとおり。(1)拉致問題は日韓共通の深刻な課題と理解し、国会の論議を通じて、両国政府に十分な協力・連携を求める。また、北朝鮮政府に厳しく対峙することを求める。(2)北朝鮮の人権救済を目的とした法案を日韓で成立させるべく最大限努力する。(3)共同宣言に盛り込まれた趣旨を基礎に、それぞれの国会で北朝鮮の難民と人権に関する国会決議を提出する。(4)国際議員連盟による調査団を編成し、北朝鮮国内及び中国国境などで実態を調査し、国連による人権査察団の正式な派遣について国際機関・各国政府に強く要請する。
総会後に開かれた記者会見で、IPCNKR共同議長として司会を務めた中川正春衆議院議員(拉致問題対策本部事務総長)は、日本だけの問題と考えられがちな拉致問題のイメージを乗り越えるため「個人の人権を回復する運動」という原点に戻って総会に臨んだと報告。政権によって異なる取り組み方法を取ってきた韓国側からも「勇気のある発言」と「連携への意思表示」があったと特筆し、周辺国が協力して問題解決にあたるという、連携の枠組み作りに対する手ごたえを語った。中川議員はまた、行動計画に盛り込まれた国際調査団の編成について「(人権侵害の)実態を世界に知らしめる目的のもとで、活動していきたい」などと、取り組みを進める姿勢を表明した。
独立性ある人権侵害救済機関確立へ 人権侵害救済法案衆院に提出
民主党は1日、「人権侵害による被害の救済及び予防等に関する法律案」を衆議院に提出。仙谷由人政策調査会長、人権侵害救済法に関するプロジェクトチーム座長の江田五月参議院議員(参議院議員会長)、同事務局長の堀込征雄衆議院議員、法案提出者の高木義明衆院議員が国会内で記者会見した。与党は法務委員会の審議が滞っているなどとして、今国会での法案提出を見送った。
仙谷政調会長は会見の冒頭、法案提出を見送った与党の姿勢について「はなはだ理解しがたい」と批判した上で、「差別は人を殺す」と主張。1993年に国連総会で政府から独立した人権侵害救済機関をつくることを定めた「国内人権機関の地位に関する原則(パリ原則)」が採択されながら、日本国内につくられないままに経過した状況を「ゆゆしき問題」と指摘。グローバルスタンダードの人権侵害救済手続き確立の必要性を改めて強調した。
江田参院議員も、「日本には人権侵害を救済する基本的手続き法制ができていない」と述べた上で、日本の人権侵害救済の局面で一番の欠陥であったとする見方を示した。独立性・実効性のある人権侵害救済機関を早急に設立していくことを主張した。
同法案の特徴は以下の通り。(1)パリ原則に基づき、新たな人権侵害救済機関「中央人権委員会」を法務省ではなく、内閣府の外局として設置する、(2)都道府県ごとに地方人権委員会を設置する、(3)報道の自由を保障するために、報道機関による人権侵害事案は特別救済の対象とせず、自主的な解決に向けた取り組みを行うことを努力義務として規定する。
この夏全力投球を 岡田代表が新人研修会で講話行い、奮起促す
民主党の新人候補研修会が1日と2日の日程で党本部で開かれ、衆議院・参議院の公認候補内定者とスタッフ約200人が参加した。1日の研修会では、地方・都会別の実践型の経験談や、クラスごとに分かれて必勝に向けてのノウハウを学んだ。
その後、岡田克也代表の講話と質疑のプログラムがあり、岡田代表はこの中で、「事態は切迫している。われわれは郵政法案の否決をめざす。否決されれば内閣総辞職が筋だが、解散総選挙になる可能性がある。いずれにしろ13日までには結論が出る。皆さんには大いにダッシュをしていただきたい。この夏をどう過ごすかで総選挙の結果につながる。全力投球をしていただきたい。今までの活動の最後の集約の時だとの思いで、がんばっていただきたい」などと挨拶した。
その後、次期総選挙に関して、民主党が政権を担ったらこうするとの選択肢を示す、小泉改革の正体を問う選挙になる、などとの考えを岡田代表は明らかにした。また、質疑では、分かりやすい政策、インパクトあるスローガンを、などの意見が出された。《民主党ニュース》