平成6031日目
2005/07/13
【民主党・江田五月参議院議員会長】郵政法案廃案・倒閣に向けて全力を
郵政民営化関連法案の審議が参議院で始まるにあたり、その本会議開会前、13日午前に国会内で参議院総会が開催された。
総会の冒頭で挨拶に立った江田五月参議院議員会長は、「全員野球で、郵政法案廃案に向けてがんばっていきたい」との決意を改めて述べるとともに、「ここから先、本当にどうなっていくか、全く分からない」と気を引き締めて審議に臨むよう訴え、「ひたすら廃案、そして倒閣に向けて」の一致結束した対応を改めて呼びかけた。
輿石東参議院幹事長からも、「シナリオはない、相手の票読みをしても仕方がない」として、「正々堂々と議論の場できちっと詰めていく」との決意を披露。「今日からいよいよ闘いが始まった」として、全議員の奮起を促した。
今泉昭参議院国会対策委員長からは、参議院に設置が決まった郵政民営化に関する特別委員会の筆頭理事に伊藤基隆参議院議員、理事に山下八洲夫・平野達男参院議員が決まったことなどを報告。審議に臨む計12名の委員に対して、全議員で全力でサポートするよう呼びかけた。また、総会で紹介された3名の理事を代表して、伊藤筆頭理事からも決意の挨拶が行われた。《民主党ニュース》
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【札幌市中央区】男に刺された警官が発砲、流れ弾で通行人負傷
13日午前1時20分ごろ、札幌市中央区で、車を盗み逃走中の男が北海道警本部刑事部の巡査(23)ともみ合いになり包丁で刺したため、巡査が拳銃2発を発砲。
1発が男と通行していた会社員Sさん(22)に当たった。男は弾が左肩を貫通、Sさんは左太ももを骨折し重傷、巡査も軽傷を負った。いずれも命に別条はないという。
中央署は殺人未遂の現行犯で住所職業不詳A容疑者(30)を逮捕した。
道警本部監察官室の木葉孝室長は「凶悪犯人を逮捕するために発砲したもので、 適正、妥当な使用と判断する。第三者がけがをされたことは大変残念」と話している。 《共同通信》
【障害者自立支援法】衆院厚生労働委で法案可決
障害者施策を見直す障害者自立支援法案が13日、衆院厚生労働委員会で政府案を一部修正の上、与党の賛成多数で可決された。身体、知的、精神の障害別の福祉サービスを一元化し、障害者が自立した生活をできるように支援する。財源を安定化するため、利用したサービス費用の原則1割の定率(応益)負担を障害者に求めるが、野党は「障害者の所得保障が先」などと反対している。低所得者への減免措置の内容などは未確定で、法案成立までさらに論議が続きそうだ。
現行の支援費制度は03年度にスタート。自治体がサービス内容を決めていた「措置制度」を改め、身体、知的障害者が自ら選択できるようにしたが、使い勝手がよくなり、利用者が急増した。このため04年度は国の補助分だけで274億円不足。今後も利用量の増加が予想され、財政的に破たんする恐れが出ていた。《毎日新聞》
【郵政民営化法案】参院審議入り
今国会最大の焦点の郵政民営化関連法案は13日、参院本会議で審議入りした。小泉純一郎首相は法案が否決された場合に衆院解散に踏み切る可能性に関して「法案成立を期待しており、否決は考えていない。解散する必要はない」と述べ、成立に自信を示した。《共同通信》
【この日の民主党】
[参院本会議]伊藤議員、郵政法案は慎重の上にも慎重に審議すべき
衆議院でわずか5票差で可決された郵政民営化関連六法案の審議が参議院でも13日午前に始まった。この日開かれた参議院本会議において、民主党・新緑風会を代表して、伊藤基隆参院議員(参院郵政民営化に関する特別委員会筆頭理事)がトップバッターとして質問に立ち、郵政法案の問題点を次々に明らかにした上で、慎重な審議を強く求めた。
伊藤議員はまず、「国政の最優先課題を郵政民営化問題のみと位置づけ、他の問題を放り投げて平然としている」小泉首相の姿勢を厳しく批判。民主党の姿勢として、「じっくりと議論を行い、問題点を明らかにし、本法案を断固として廃案に追い込んでいく決意だ」と述べた。また、「総理が国民の信を問うというのであれば、私たちはこれを正々堂々、受けて立つ」との決意も披露した。
その上で伊藤議員は、「日本郵政公社が発足後わずか2年目で、4年間の第一期中期経営計画の途中であるにも関わらず、その結果も見ないうちに本法案を提出し、日本郵政公社を廃止しようとするのか理解できない」とし、生田総裁の努力と公社の成果をどのように評価しているかを質した。小泉首相は、「その努力は高く評価されるべきもの」とし、「厳しい環境変化に適宜・適切に対応していくことが必要」、「経営の自由度を高めるため、郵政事業を速やかに民営化することが必要」などとした。
また伊藤議員は、国民的な関心が郵政問題になく、年金や医療の社会保障などにあることを指摘。今国会での成立にこだわらず、議論を尽くすべき、との多くの国民の声にどう答えるのかも質問した。首相は、「国民の関心は必ずしも低いとは考えていない」などと、答えにならない答え。
法案の内容についても伊藤議員は、中央省庁等改革基本法33条改正の必要性や、「資金の流れを民間に変えることにならない」事実などを指摘。「郵便局のコンビニ化は、具体性が乏しく、あまりに現実離れした乱暴な説明ではないか」と疑義を呈し、「なぜ郵政事業の民営化が必要なのか、正確な事実を国民に提供することがなければ、議論が深まることも、その是非が正当に判断されることもない」とし、小泉首相に対して「誠意ある答弁」を強く求めた。
郵便局設置の問題についても伊藤議員は、地域貢献基金・社会貢献基金について、「算出根拠、対象となる郵便局の数、場所、金額が分かっていない」ことを指摘。「どうしてこれで、郵便局はなくならない、と言えるのか」として、丁寧な答弁、資料提出を求めた。伊藤議員はこうした本法案の問題点を挙げた上で、「ごまかしと決めつけの甚だしい法案だ」と郵政法案を切って捨て、「郵便局ネットワークも貯金・保険のユニバーサルサービスも、国からは一切保証されるものではない」として、小泉首相の認識を問うた。首相は、「必要な郵便局ネットワークは維持される」、「基金の問題を含め丁寧な答弁に努める」などとした。
小泉首相の政治姿勢についても伊藤議員は指摘。「解散権行使の可能性について触れる発言を行ってきたが、こうした強権的な政治手法が大きな反発を招いたとは考えないか」として、「総理はこれまでの姿勢を改め、謙虚な気持ちで国民の声を代表する国会の議論に耳を傾けるべき」と厳しい指摘を行った。小泉首相は、「賛否両論ある難しい問題だ。こういうことから反対者・欠席者が出た」などと他人事のような答弁。
最後に伊藤議員は、「政治課題の選択を誤り、地方議会の声を無視」していると小泉首相を批判した上で、郵政法案について、「最大の問題は、郵政事業の持つ公的な役割と、民営化による自由経営という、相反する問題について長所と短所の調整が全く行われていないこと」であり、「政令・省令や経営判断への委任部分があまりに多く、具体的な将来像が見えないこと」だと改めて指摘。「仮に本法案が成立すれば、郵政事業の現場に多大な混乱が持ち込まれ、取り返しのつかない結果となることは必至だ」と厳しく警告し、「本法案は、慎重の上にも慎重に審議すべきものであることを、所属会派を問わず、本院の同僚議員の皆さんに訴える」と改めて強調して質問を終えた。
[衆院厚労委]藤田議員、法案関連資料の数字ミス問題を追及
13日午前、衆議院厚生労働委員会で、障害者自立支援法案および同法案の修正案の質疑が行われた。委員会審議に先立ち、尾辻厚労相が、社会保障審議会の障害者部会に提出した資料の数字に、誤りがあることを認めて謝罪した。障害者自立支援法案の関連資料にもなっており、8日の委員会で、藤田一枝議員らが誤りを指摘した経緯がある。
12日の障害者部会で、誤りの内容や原因などを説明したなどと述べた尾辻厚労相は、改めて委員会に対してもお詫びの言葉を述べて、「一層慎重に資料の作成を行いたい」などと語った。
これに対して藤田議員は「どのくらいの間違いがあったのか」の具体的説明に欠ける答弁であると厳しく追及。基本的な箇所で6項目、誤字脱字で9項目のミスがあったと数字を挙げて、「骨格部分に関わりがないと本当に言い切れるのか」と疑問を呈した。また、ミスが発生した原因は、実態を積み上げたきめ細かい法案の制度設計を行わず、結論が先にあって数字を当てはめたためではないかとの見解を示した。これに対して尾辻厚労相は、「資料の誤りは本当にまずいこと」、「決して一つの方向を導きだそうと意図的に改ざんしたものではない」などと答弁した。
藤田議員は、不信感を増幅させるミスであったと、きちんと認識するように求めるとともに、具体的な数字や進め方を政省令に委ね、これからの生活がどうなるか骨格部分を示すことができない法案の問題点を改めて指摘。「立法府に求められているのは、障害者施策の理念と実態がかい離している状態を埋め、自己選択と地域での生活を支援・保証する仕組みを作る責務を担うこと」だと表明し、「実態を見て把握して中身をつくり上げるよう」強く要請した。
鉢呂国対委員長、郵政法案の審議一本やりの与党の姿勢を批判
鉢呂吉雄国会対策委員長は13日午後、国会内で記者会見し、副大臣・政務官の空席問題などについて語った。
鉢呂国対委員長は冒頭、5日の郵政民営化関連法案の衆議院本会議採決前に、小泉内閣の4名の副大臣・政務官が辞任を申し出た上で反対票を投じて罷免された問題に言及。内閣府設置法に照らしても後任を補充すべきだと要請してきたが、未だ空席であることについて、「副大臣・政務官の地位に関わる小泉内閣の考え方の軽さ」の表れではないかとの見解を示した。
また、12日の衆院法務委員会で、南野法務相の答弁がたびたび中断し、大臣としての当事者責任が全くない形が見られたと鉢呂国対委員長は指摘し、「内閣の姿勢について、速やかな補充がなければ、重大に考えざるを得ない」と、委員会で審議が続けられなくなる可能性を示唆した。
鉢呂国対委員長はまた、日本道路公団の橋梁談合などに関する税金のムダ遣いの問題や、衆院における小泉首相のサミット報告、その他の外交課題も含めて、予算委員会で審議する必要があるとの考えを示した。さらに、旧橋本派の政治団体である平成研究会が、昨年度の政治資金収支報告書で、繰越金のうち15億円を使途不明金として処理したのに対して、総務省が説明を求めているとの報道に言及。政治資金規正法31条の条文に沿って、総務大臣は報告書の訂正命令を出すべきだとの見解を示した。
鉢呂国対委員長は、郵政民営化関連法案以外にも審議すべき課題が様々に存在する中で、与党側が全ての委員会にくちばしを入れて論議から逃げ、郵政法案一本やりの対応を取っていると指摘。「国民の期待する立法府の活動ではない。わが党としてこの点を打ち破っていきたい」として、活発な論戦論議を望む姿勢を改めて表明した。
[衆院厚労委]障害者自立支援法案可決 石毛・五島議員が質問
障害者自立支援法案が、13日の衆議院厚生労働委員会で障害者団体のなどの傍聴者、野党の反対の怒号の中、与党修正され可決された。この法案は、障害者が受けるサービスを応能負担とするもので、党は修正協議を続けていたが、与党が基本的な部分での修正に応ぜず、協議は中止となり反対した。なお、「障害者の範囲の拡大、すべての障害者がサービスの提供を受けられるように普遍化すること」などを内容とする付帯決議が全会一致で採択された。
採決に先立ち、石毛えい子衆院議員が政府案に対して、五島正規議員が与党修正案に対して質問し、反対討論には園田康博議員が立った。
石毛議員はまず、新しい法律には新しい哲学・理念が必要だとして、「新しい哲学・理念をもとに新しい制度つくろうとしているとは思えない」と根本的な批判を展開。また、「障害者が不安を覚え、反対行動をしている人が延べ2万人を超えている」ことを紹介し、「若年期からの障害者の皆さんは、所得確保の機会を奪われ、与えられなかった人。所得機会を保障する政策をとってこなかったことに対する反省がない。全ての障害者を平等と考えてはいけない。なぜ定率1割負担なのか。対等・平等になっていないにも関わらず、なったかのような前提の法律だ」と重ねて批判した。これに対して尾辻厚労相は、「いきなり理想的なものはできないので、一歩一歩進めていきたい」などと答えた。
石毛議員は続いて、福祉サービスの利用者負担での減免措置の拡大、障害程度区分などについて質問し、尾辻厚労相は検討するなどと答えた。特に石毛議員は、移動の権利について、障害者が社会参加するために必要不可欠だとして、そのための長時間サービス・パーソナルサービスなどに関して後退することないよう求め、「請求権に基づく個別のものとして保障を」と訴えた。西副大臣は、「柔軟に対応したい」と答えたものの明言を避けた。また石毛議員は、「この法律で、地域から家庭・施設に単身の障害者が戻ることはないのか」などと質問した。これに対して厚労省の塩田障害保健福祉部長が、「都市部と地方ではばらつきがある」などと答えたため、石毛議員は大臣に答弁の確認を求め、尾辻大臣は「家族・施設に戻らないように単身も含めて」と答えた。
こうした応答に限らず、他の質問に対しても「検討する」や「これから実態を調査する」などとする答弁が多く見られたため、最後に石毛議員は、「なぜ答えを躊躇するのか。予算に合わせた抑制的な法律だ。何を躊躇してこんな法律をつくったのか」と、財政当局に遠慮し、障害者の社会参加・自立を促す基本精神を失った法案に対して厳しく批判を加えて質問を終えた。
続いて質問に立った五島議員はまず、障害者の苦難の歴史に触れ、「砒素汚染地帯には戸籍に載ってない人もいた。学校に行けない子どももいた。兵庫・大阪・和歌山で不幸な子を産まない運動もあった。措置の時代があり、障害者基本法ができ、障害者も社会の重要な一員として、権利となった」として、与党の修正で根本が変わったのかを質した。八代英太修正案提出者(自民党衆院議員)は、「私も障害者。水の冷たさは触ってみないと分からない。私も体験して知った。完全参加と平等、21世紀は万人のための社会にしなければならない。そのために障害者基本法の理念を目的の項に掲げた」と答弁。しかし五島議員は、「その思いに応え得る法案か。政省令に委ねる、これから検討する、との答弁ばかりだ。(先ほどの与党修正にかかわる)大臣確認答弁も、ファジーなものばかりだ。財政と協議が整っていないのか、説得できる自信がないのか。この法案には障害者の明日の生活の不安に関わるものだ」と厳しく批判した。
反対討論に立った園田康博議員は、「施設と家族への責任転嫁だ。国の役割は障害者基本法の流れを加速すること。支援費制度が財政的に破綻しようしているとして、家族と本人に負担を押し付けようとしている。本来は所得補償を構築し、普遍化すべきもの。社会参加を営むことができるようなサービスが不明なのに、対価を要求している。障害者8団体の意見を何のために聞いたのか。与党による4項目の修正は形式的で不十分なもの。この法律の対象者は誰か。生命と尊厳を考えていない。当事者の立場に立ちこの法案を認めるわけにはいかない」と民主党の立場を鮮明に訴えた。
鳩山ネクスト外相、パキスタン列車事故を受け、駐日大使公邸を訪問
鳩山由紀夫『次の内閣』ネクスト外務大臣(元代表)は13日午後、この日の早朝にパキスタン南部の町ゴトキ近郊の駅で発生した列車事故を受けて、在京パキスタン大使公邸を訪問した。
鳩山ネクスト外相はカムラン・ニアズ大使と面談し、岡田克也代表からのアジズ首相宛のお見舞いの親書を渡すとともに、記帳を行った。大使からは、事故後すぐに民主党が弔問に訪れたことへの感謝の意が表された。また大使は、8月にアジズ首相が来日する際に、岡田代表らとの会談を希望しているとも述べた。
また、英国政府がロンドンでの同時多発テロの実行犯について、パキスタン系の人物と発表したことに関連して、同行した藤田幸久国際局長が質問したところ、大使は、「先祖がパキスタン出身であるが、実行犯とされた人物は英国生まれの英国人である」と説明した。更に、「実行犯は警察が約半年前に逮捕し、証拠不十分で釈放した経緯がある」と指摘し、英国公安当局が監視していたにも関わらず、事件が発生したことに遺憾の意が示された。
最後に大使が、「ブレア首相が強調するように、テロの根源への対応が必要である」と述べたのに対し、鳩山ネクスト外相も、テロの根本原因に対処することが肝要であるなどと語った。
公益法人制度改革問題連絡会と意見交換会を実施
党NPO局は13日、都内で公益法人制度改革問題連絡会との意見交換を行った。同連絡会は「公益法人制度改革」に関する世論喚起と社会的提言を行うことを目的に、財団法人や社団法人を中心として発足したネットワークで、32団体が参加している。今回の意見交換会にはその中から14団体が出席し、民主党からは樽床伸二団体交流委員長、松井孝治同委員長代理、若井康彦NPO局長、石毛えい子党NPO・公益法人改革プロジェクトチーム座長、中村哲治同PT事務局長、福山哲郎政策調査会副会長、辻恵衆議院議員らが出席した。
会議では冒頭、樽床団体交流委員長が、「官主導の呪縛を断ち切り、皆さん自らの創意工夫が地域や文化の発展につながるよう取り組んでいきたい」と挨拶。続いて中村議員より、現在党内で検討が進められている「公益法人制度改革案」(2005年中間報告)について説明が行われた。民主党案は、民法34条以下の公益法人制度を抜本的に改革し、「非営利法人法」(仮称)という別の法典をつくる点、「税制支援非営利法人」(仮称)の要件を検討している点などが特色。
これに対して連絡会側からは、(財)公益法人協会理事長の太田達男氏より昨年12月に閣議決定された「公益法人制度改革の基本的枠組み」の問題点や、あるべき改革のポイントなど制度改革全般について見解が示され、法人制度や法人税制、寄付金税制といった個別課題についても他の出席者よりそれぞれ見解が示された。
民主党の「改革案」について中村議員は、「皆さんからの意見も含め、今後幅広くパブリックコメントを求め、年末をめどに最終案をまとめたい。また、党のマニフェストにも盛り込みたい」との考えを示した。《民主党ニュース》