平成5911日目

2005/03/15

【竹ノ塚駅踏切事故】

15日午後4時50分ごろ、東京都足立区西竹の塚の東武伊勢崎線竹ノ塚駅そばの37号踏切で、踏切内にいた女性2人が太田発浅草行きの上り準急列車(6両編成)に次々とはねられ、2人は病院に運ばれたが死亡した。踏切周辺にいた女性2人も軽傷。踏切は係員が手動で遮断機の上げ下げを行っており、事故当時、遮断機は上がっていた。

警視庁捜査一課と竹の塚署は係員が誤って遮断機を上げたと話しており、業務上過失致死傷容疑で捜査している。現場は「開かずの踏切」として有名だった。《産経新聞》




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【小泉内閣】閣内不一致が露呈

郵政民営化に反対する自民党旧橋本派の綿貫民輔前衆院議長、亀井派の亀井静香会長らを中心とする勉強会が15日午後、都内のホテルで開かれ、衆参両院で2月23日の前回会合の59議員を上回る74議員が参加した。

小泉純一郎首相や党執行部は「反小泉」勉強会の動向が郵政民営化法案をめぐる党内調整に影響を与えるとして、切り崩し工作を強化。しかし前回の勉強会に参加し「政府高官としての自覚が足りない」と注意された森岡正宏厚生労働、能勢和子環境の両政務官が再び参加し「閣内不一致」が露呈する結果となった。《共同通信》

【この日の民主党】

国会内で常任幹事会開催 年金改革に関する三党協議など報告

15日午前、国会内において第329回常任幹事会が開催され、年金抜本改革に関する三党協議、各種課題への対応の報告、公認候補予定者の内定などが行われた。

冒頭、岡田克也代表が挨拶し、4週間後に行われる衆議院補欠選挙に向けての、全党挙げての対応が重要であること、年金改革についての三党協議は、問題を先送りしたい与党に対して言質を取りつつ、秋までに解決を迫るためのものであることを述べた。

会議ではまず報告事項が議題とされ、川端達夫幹事長が、マラッカ海峡での日本船舶襲撃・拉致に触れ、役員室危機管理監を窓口として、外務部門会議を中心に情報収集などの対応を行って行くことを報告した。次に年金改革に関する協議に関して報告を行い、9日の第1回協議においては与党側より、国会における議論と平行して政党間協議および実務者協議の場を設けることの提案があったが、国会における論議を優先させる立場から合意していないこと、協議を進めるという総理の答弁は与党の見解との確認がされたこと、が述べられた。11日の第2回協議においては、それぞれの見解を持ち帰るとともに、協議の進め方について国会対策委員長間協議で整理すること、与党文書における社会保障制度についての危機認識は、年金問題についてであること、年金論議を行うことの確認の形式は本会議決議も含むこと、秋までの改正を想定して進めていくこと等が確認されたこと、が報告された。

鉢呂吉雄国対委員長からは、国会情勢の報告と、予算審議中に証人喚問を実現させるために全力を挙げることが報告された。輿石東参議院幹事長からは、参院における予算審議状況の報告があるとともに、参院においては十分な審議時間を確保することが報告された。仙谷由人政策調査会長からは、NHK予算への対応等、法案審査状況についての報告が行われた。平野博文幹事長代理からは、スマトラ沖大地震・津波災害に関する政府への申し入れ、及びマスコミの支持率などの分析が報告された。

第二に報告・承認事項が議題とされ、川端幹事長より、特殊法人問題に取り組むための特殊法人改革本部の設置が提案され、承認された。玄葉光一郎選挙対策委員長からは、福田前栃木県知事の栃木2区での公認内定を含む衆議院候補予定者の公認内定、及び都議選・神奈川県議補選での公認決定の報告があり、承認された。また、平野幹事長代理より総支部の設置に関する報告があり、承認された。

[衆院総務委]伊藤議員、中村議員、NHK改革の方向性を提示

NHKの2005年度予算案・事業計画に関する集中審議が衆議院総務委員会で15日行われ、午前中、民主党・無所属クラブの伊藤忠治・中村哲治両衆院議員が質問に立った。

伊藤議員は、一連の不祥事などによる受信料収入減で初めて前年度割れしたNHKの現状に対し「極めて厳しいとの認識に立つべき」と指摘し、初の国会説明に臨んだ橋本NHK会長に対し、重大な局面をどう乗り切るか、現状分析に基づく改革が必要との考えを示し、組織改革の必要性を指摘した。それに対し橋本会長は、「改革の視点としては視聴者の目線で考え、受信料を納得してお支払いいただく体制に変えていきたい。そのためにも、(風通しを良くするため)組織内でも声を聞く活動をしている」などと答弁した。

伊藤議員はそうした答弁を受けて、一連の不祥事の責任をとって引責辞任した海老沢前会長に対し、顧問就任を要請した橋本会長に対し「この言動はNHKの中だけで物事を判断する姿勢が抜けきっていない(表れ)」だと述べ、視聴者の目線に立つと答弁した橋本会長の改革姿勢とは程遠い、従来のNHK体質そのものだと指摘。「そういう発想では本当の改革はできない」と批判。橋本会長は「反省している」と述べ、改善の姿勢を改めて示した。

伊藤議員はNHK受信料の支払い拒否・留保が増大する状況を前に「未納額はこのままいけば130億円を超える。半年先になれば、もっと増えるかもしれない」との認識を示し、予算を組む上で的確な判断基準となるよう現行では年1回となっている決算を、中間でも行うよう提議。経営委員会の石原委員長から「検討する」との答弁を引き出した。

続いて質問に立った中村哲治衆院議員は、「海老沢前会長は、何に対する経営責任を取って辞任したか」と橋本会長に見解を求め、「未払い件数が増え、予算への影響が出たため」ではなく、その奥にある理由をどのように認識しているかが問題と指摘。海老沢前会長の辞任をどのように活かすかをはっきり発信し、目に見えるかたちでNHKが変わったと示す改革を橋本会長に求めた。

中村議員は、次に、海老沢前会長の退職金額と支払い時期について質問。橋本会長は、平成17年度予算での支払いは「現在のところ未定」とし、和崎理事は「人件費の中には役職員の退職費用は積んでいるが、額等については積算していない」と答弁した。これに対し、中村議員は、「視聴者が今の答弁で理解したと考えるのか」と批判。しかし、引当積算額についての中村議員の更なる質問にも、経営陣は、「経営委員会が決定するものである」「調査中」などと、明確な答弁を行わなかった。

中村議員はまた、前会長辞任後も残っている理事の任期終了後の扱いについて質問。「経営委員会の刷新の意向を尊重して、自分なりの体制を考えたい」と述べた橋本会長に対し、中村議員は「党の会議等ではすべて入れ替えると聞いていたが、かなり後退した印象を受ける」とし、「果たして質疑を聞いた視聴者がどのように考えるか」との疑問を呈した。

中村議員は最後に、3月末で約70万件に上る見込みとされる受信料支払い拒否件数について、どれだけの件数減で予算を回せるかを質問。和崎理事は、約70万件の未払いがすべて取り返せない場合は40億円のマイナスになること、その額が万一平成17年度に取り返せない場合は、経費節減で対応し、平成17年度予算内で厳しく施行管理したいと答弁した。

[衆院総務委]三議員がNHKの姿勢質し、NHK予算案を承認せず

午前中に引き続き、衆議院総務委員会において、NHKの2005年度予算案・事業計画に関する集中審議が開催された。民主党・無所属クラブからは、大出彰・山花郁夫・西村智奈美各衆院議員が質問に立ち、NHKをめぐる様々な問題についてNHK側の姿勢などを質した。

大出議員はまず、番組内容の事前説明について、これを行うべきか否か、NHKの橋本会長を質した。橋本会長は、外部からの介入の余地があってはならないとし、伺いを立てるような姿勢は望ましくない、などとした。大出議員は更に、問題となった2001年1月30日に放送された「ETV2001」が放送に至る経緯について追及。特に、事前に説明を行ったか否か、編集に至る経緯などについて、詳しく質問を行った。大出議員は、事前説明は止めるべきであると主張するとともに、「真実を報道するのが報道の役目だ」と指摘して質問を締めくくった。

続いて山花議員が質問に立ち、昨年12月にNHK副会長が会長会見の場で、受信料の未払いについて、これくらいの額なら吸収できるとの発言があったことを指摘し、懸念を表明した。NHKの和崎理事は、誤解を与えたが申し訳ない、などとした。山花議員は続いて、商業主義との距離感をどう考えるかをテーマに質問。特別協賛金を集めてまで開催されたプロジェクトX展などの例も取り上げ、「イベントをやるのにあたって、NHKが主催者になるのは好ましくない」などとした。出田理事は、「NHKのイベントはあくまで文化事業だ」などと答弁。山花議員はさらに、ラグビー日本選手権の中継をめぐり、公正中立であるべき審判のジャージに広告が入っていたことなどを理由として、生中継を一時録画放送にしようとしたNHKの動きを例に挙げ、公共放送と広告をめぐる論点を挙げて見解を質した。

次に質問に立った西村議員は、まずNHKの「番組基準ハンドブック」について、英国のBBCではプロデューサーズガイドラインが全てホームページ上で公開されていることを挙げて、その公開を迫ったが、出田理事は、「あくまで部内用の資料として編集している」などとして公開を拒否した。西村議員は、視聴者の目に番組制作のガイドラインを明らかにするべきだ、と更に指摘した。西村議員はさらに、番組の事前説明については報告を義務づけるようルール化すべきと提案。宮下理事は、「事前説明は視聴者の皆さんにもやっていること」などとし、西村議員は、「NHKが視聴者の皆さんから信頼を得られるかどうか、今、本当に重要な岐路に立っている」として、「本当にやる気があるのか。NHKが視聴者の方を見ているのかどうか、皆さんは見ている。その数字が受信料の拒否に表れている」と厳しく指摘した。

質疑終了後に討論が行われ、民主党・無所属クラブから高井美穂衆院議員が、NHKの2005年度予算案・事業計画を不承認とする立場から発言。高井議員は、「視聴者からの信頼を、一連の不祥事と、それに対する経営陣の不誠実な対応により、NHKが自ら裏切ってしまった」と指摘するとともに、「番組改編問題においても、NHKは政治家への番組内容の事前説明を、通常業務の範囲内であると繰り返し述べ、公正中立な公共放送の存在に疑問符が付くような対応を行った」と断じた。そして民主党が、「NHKの信頼回復への取り組み姿勢をみきわめるため、賛否を白紙のまま本日の審議に臨んだ」ことを明らかにし、「しかし審議を振り返れば、経営改革への動きは全く鈍く曖昧であると言わざるを得ず、これで国民の信頼を勝ち得るとは到底思えない」と厳しく指摘。「民主党は、日本放送協会に対して、国民の立場に立ち、警鐘を鳴らすためにも、「放送法第37条第2項の規定に基づき、承認を求めるの件」に対して、敢えて不承認の立場をとる」と明言した。

討論後の採決では、与党の賛成多数でNHK予算案・事業計画は承認された。

[衆院本会議]脱・談合社会確立に程遠い政府提出独禁法改正案可決

衆議院本会議で15日、「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案」をめぐる審議が行われ、民主党・無所属クラブを代表して鈴木康友衆院議員が民主党案に賛成、政府案に反対する立場から、討論を行った。

鈴木議員は冒頭、「規制改革の道筋を確立することとあわせ、独占禁止法を抜本改正し、官製談合に関して行政に対する強制調査権や業務改正命令権を付与することを提言してきた」と述べ、独占禁止法改正に向けた民主党の基本姿勢を示した上で、政府案を「ヌエ的な独禁法の歪みを是正しないまま、理念も哲学もなく、場当たり的な内容」と批判し、2004年度中に国会に独禁法改正案を提出するとした自民党公約を形式的に守るためだけの政府案提出にすぎない実態を指摘。脱・談合社会の確立、21世紀型「経済憲法」の制定を視野に入れ、提出に至った民主党案の理念等を提示した。

鈴木議員は民主党案の理念に基づく柱として、「制度の歪みの是正」「適正で透明な手続きの確立」「官製談合に対する抑止力の強化」の三項目を掲げた。

「制度の歪みの是正」に関しては、課徴金と罰金の関係について罰金の2分の1を課徴金から控除するという論理的根拠を欠く妥協的調整でお茶を濁そうとしている政府案に対し、民主党案では罰金の全額を課徴金から控除することとし、課徴金に罰金と同様の制裁的正確を認める「行政制裁権」を導入することとしている。

「適正で透明な手続きの確立」に向けては、民主党案では裁判官の定員を5名から必要に応じて最大20名まで増員できるものとし、過半数を法曹有資格者としている。

「官製談合に対する抑止力の強化」については、民間企業だけが悪者にされ、官側の利益が温存される「官尊民卑」の構造を正すべく、違反企業の官製談合構造の解明への協力にインセンティブを高める制度を導入するとしている。具体的には解明への協力者に対しては、他の軽減に加えて、行政制裁金を2割減算することとしている。

こうした三項目を示した上で鈴木議員は政府案について「大きな矛盾と欠陥が含まれている」と述べ、「あいまいで実効性の低い課徴金制度が温存されている点」「勧告制度を廃止する政府案はデュープロセスを軽視するもので、白紙撤回すべきものである点」「官製談合防止法の改正への道筋が欠落し、発注官庁職員の行為申告者の免除措置等も盛り込まれていない点」等の問題点を列挙。「政府の独禁法改正案では民間企業への制裁だけは強化されたが、談合にかかわる官の側への厳正な対処が見られない。自民党と官製談合は表裏一体」と断じ、改めて民主党案に賛成、政府案に反対すると表明し、討論を締めくくった。

討論後、採決が行われ、民主党案は賛成少数で否決。政府案は修正・可決された。

[衆院本会議]宇佐美議員、改革称し地方切り捨ての自民政権を批判

衆議院本会議で15日、地域再生法案(閣法)の趣旨説明と質疑が行われ、民主党・無所属クラブを代表して、宇佐美登衆院議員が質問に立った。

宇佐美議員は、この地域再生法案を「悪い意味で小泉政権らしい法案だ」とまず批判。「お題目は立派だが、中身が伴わない」として、本法案の様々な問題点を指摘した。宇佐美議員は第一に手続きの問題として、この地域再生法案が、全ての国民に関わる重要な法案で、十分な審議時間を確保すべきにも関わらず、「日切れ」扱いとなったことを厳しく批判し、国会軽視だとして政府の姿勢を質した。村上規制改革・産業再生機構担当相は、「本法案は地方の要望を踏まえて法案化されたもの」だとし、年度内に成立しないと「予定した事業の円滑な執行ができなくなる」などとした。

第二に、政府が繰り返して、景気回復とアナウンスメントしていることと地域の現実とが、あまりにかけ離れていることを宇佐美議員は指摘。「地方経済は現実には相当疲弊している」として、「働けど働けどわが暮らし楽にならず、が地域の実態だ」と述べた上で、なぜ地域再生が必要なのか、その分析が必要であるにも関わらず、本法案にそうした記述もないことを明らかにした。また宇佐美議員は、「景気対策と称したバラマキにより、地方を借金漬けにしておきながら、改革と称して地方を切り捨てている自民党政権が、地方を苦しめている」と厳しく指摘した。

宇佐美議員は更に、補助金の大胆な廃止と一括交付金の創設などを柱とする民主党の地方分権政策を明快に説明し、補助金バラマキ政策を継続する今回の地域再生法案を批判。陳情し補助金をもらうという、現在と全く変わらない仕組みが残ることを指摘し、これを変えるのかどうか、中央省庁全体の仕事は減るのか、などを質した。村上担当相は、「地域からの声を踏まえつつ支援措置の充実を図る」、「現行の態勢で対応することとしている」などとした。

最後に宇佐美議員は、「地域再生法の議論の前に、必要なのは国会の再生だ」と指摘。「私たちは国民から未来を託されている。国民の皆さんの苦労をしっかりと見つめて、痛みを伴う改革はまず政治家と役人から」などと呼びかけて、質問を締めくくった。

[衆院本会議]日米同盟のあるべき方向性を示せ 前原議員が迫る

15日、衆議院本会議で大野防衛庁長官より「新防衛計画大綱」及び「新中期防衛力整備計画」について報告があり、これに対して民主党・無所属クラブを代表して前原誠司衆院議員(『次の内閣』ネクスト防衛庁長官)が質疑を行った。

前原議員は冒頭、マラッカ海峡で日本船籍のタグボートから日本人を含む3名が連れ去られた事件を取り上げ、一刻も早い3人の救出を政府に要望するとともに、再発防止のための関係各国との連携を政府に求めた。

次に前原議員は、「およそ国の安全保障ほど、中長期の見通し、戦略に基づいて政策を立案し、遂行しなければならない分野はない」と指摘した上で、今回の防衛大綱改定は「コンセプトが不明瞭だ」とした。また、今回の大綱見直しをなぜ同盟のトランスフォーメーションに合わせなかったのか、などについても政府の見解を質した。小泉首相は、新防衛大綱について、「米国との協議のために策定したものではない」などとした。

また防衛大綱見直しの真の理由として前原議員は、ミサイル防衛システムの導入を指摘。ミサイル防衛について必要性は認識しつつも、飛来するミサイルの全てを撃ち落とすことは不可能だと認めるべきで、少なくとも何を守ろうとしているのかを明らかにすべきだ、などとして答弁を求めた。首相は、「どのような兵器システムも百発百中を保証することは難しい」、「必要な法整備等を着実に推進する」などとした。

中国の軍事力増強に関しても前原議員は触れ、日本の領土・領空・領海・排他的経済水域を実行支配し続ける意思があるか、仮に中国が主権侵害した場合に毅然とした対応をとる意思があるか、などについても政府の姿勢を質した。首相は、「国際法に従って、毅然とした対応をしていく考えだ」などと答弁した。

前原議員は更に、日米同盟関係についてその必要性を強調しつつ、「自国の安全保障を他国に過度に頼ること」に懸念を示し、今回の新防衛大綱が、ほとんど現状追認になってしまっているとして、小泉首相に「自らの言葉で、自衛と同盟関係のあり方に対する考え方、あるべき方向性を語っていただきたい」と厳しく迫った。しかし首相は、棒読みの答弁に終始し、直接答えることを避けた。

最後に前原議員は、米国産牛肉輸入再開問題に触れて、「政府が、いかに国民に説明責任を果たすか」が重要だとし、国民が抱いている様々な疑問に科学的根拠を示して答えよと要求した。首相は、「科学的知見に基づき、適切に対処する」と述べるにとどまった。

[参院予算委]公聴会を開催 公述人に大塚・榛葉・鈴木議員が質問

参議院予算委員会で15日、公聴会が開催された。午前中、公述人として三菱証券理事・チーフエコノミストの水野和夫氏らが、「財政・税制、財政・経済」をテーマに、特に景気の現状と見通しについて、詳細な資料をもとにした分析を踏まえて発言した。

続いての質疑では、民主党・新緑風会から大塚耕平参院議員が質問に立った。大塚議員は冒頭、プライマリー・バランスがどの時点で均衡するかの問題に触れ、金利と成長率の関係に言及。2008年から09年に、成長率より金利が高くなるという内閣府の見通しに対して感想を求められた水野公述人は、「非常に難しいと思っている」とした。大塚議員も、人為的にではなく、「自立的にそういう状況が起きると(政府が)言っているところに問題がある」と指摘した。また、大塚議員の歳出に関する指摘に対して水野公述人は、「マクロ経済政策、総合経済対策は、従来に比べると非常に効果がなくなっている」と大塚議員の見方にほぼ同意する見解を示した。最後に大塚議員は、定率減税縮減と低金利政策に整合性がないことを指摘して質問を締めくくった。

午後、続行された公聴会では、村田晃嗣同志社大学法学部助教授らが「外交・防衛」をテーマに見解を述べた。村田公述人は、主に日米外交について見解を述べ、従来から指摘されている経済力と軍事力のギャップよりも、経済力と文化・情報発信力の間のギャップが大きいのではないかという考え方を示した。

村田公述人らへの質疑には、民主党・新緑風会からは、榛葉賀津也参院議員が立った。榛葉議員は質疑の冒頭、村田公述人が米外交のキーワードとしてあげた「おごりと不安」について、「日米同盟ということばが多用されるが、おごりをいましめ不安を取り除く、それが真の同盟国」だとコメントし、主としてイラク情勢について、公述人に見解を質した。

イラク戦争について、米国との関連で、20世紀冒頭の米西戦争を思い起こすとした村田公述人は、フィリピンでの反乱鎮圧に、米国は14年を要したと説明。イラクの安定・復興には、まだ日を要するとの見解を示した。榛葉議員が更に「米国がイラクについて政策の柔軟性を取り戻すにはどうすればよいか」などと、イラク問題への対応を質問したのに対し、村田公述人は、「米国外交は時として大きく変わる可能性を秘めるが、日本外交は過去、対応しきれないことがあった」と指摘。ソフトパワー(文化・情報発信力、魅力)を高めることは長期的に外交にとって大事だとして、地域専門家を日本で育成し、文化外交に配慮する重要性を語った。

続いて、「教育・子育て・青少年問題、環境」をテーマに質疑が行われ、杉並区和田中学校長の藤原和博氏らが公述人として発言した。

藤原氏はまず、公立中学校を活性化する二つの策として自らが和田中学校で実践してきた「世の中科」と「地域本部」の二つの取り組みを提示。「世の中科」ではハンバーガーショップの店長、市長の立場での街づくり計画、少年犯罪裁判での弁護士といったロールプレイを繰り返すなかで、学校で学んだ知識をどう活かせば世の中で役立つ知恵と技術になるかを習得する機会となっている。また、区長や区議会議員を呼んで「自転車放置問題」等を議論する機会も設定。藤原氏は「身近な経済、身近な政治、身近な現代社会の諸問題を学ぶことになる」と述べ、それによって知識を活かす方法を習得すると同時に、世の中に積極的に関わる子どもたちの育成につながるとの見方を示した。

また、藤原氏は「地域に学校を開いて地域の人のエネルギーを学校に入れてくれば、いろんな問題が解決する」として、「地域本部」の取り組みを紹介した。元PTAの役員が司書代わりをつとめる図書室、地域の若手を中心とするコンピュータ指導、教職員になりたい大学生が先生をつとめる土曜寺子屋などが実践されている。

こうした発言に対し、民主党・新緑風会から鈴木寛参院議員が質問に立ち、「中学生とはどこまで伸びうるものか」として、世の中科を通じた和田中学校の学生の変化について質した。藤原氏は「人間の社会ではなぜ差別が起こるかといった卒論がてらに出す質問にも、45人のうち3分の2以上が自分の考えを書けるようになる。リアルなことを教え、大人といっしょに考えさせるなかで一皮向ける」と述べ、4年間の実績がそれを証明していると発言した。

また、藤原氏が重視する情報編集力の育成を通じての成果として「学力を含めて生きる力がついているか」と鈴木議員が質問したのに対して藤原氏は基礎学力の底割れを防ぐことに繋がっている現状を示すと同時に、「情報編集力に関するチャレンジを通じて、学力的にきびしい子どもたちにも自己肯定感を持たせる機会となっている」とした。

岡田代表、駐日ロシア大使の表敬訪問受け、意見交換行う

岡田克也代表は15日、ロシュコフ駐日ロシア大使の表敬訪問を受け、意見交換をを行った。

この中で岡田代表は、「私がロシアを訪問した13年前と比べると、ロシアは大きく変わった。民主党も日ロ関係を重視しており、率直な意見交換ができる関係を進めていきたい」と述べた。それに対しロシュコフ大使は、「ロシアを大事なパートナーとして扱ってもらえていることは大変嬉しい」と応じた。

また大使は、北方領土・平和条約問題について、「現在、双方の主張が平行線で交渉が行き詰まっている」との認識を示し、プーチン大統領の来日に関しては、「きちんとした成果を挙げるための準備ができなければ、訪日は難しい」と述べた。これに対し岡田代表は、「日本側の考えはある。しかし領土問題・平和条約の問題を解決しようという総理の強い政治的な意思が示されなくてはいけない。プーチン大統領というリーダーシップのあるトップがいるチャンスを活かすべきだと考えている。国民は大統領の訪日に期待している。また私たちが次の総選挙で政権交代すれば、大きな進展のきっかけにもなるだろう」などとした。

また、同席した鳩山由紀夫『次の内閣』ネクスト外務大臣は、「来年は日ソ共同宣言から50年になる。民主党が政権を獲り、日ロ関係の進展を図っていく」と述べた。

なお、今回の会談には、島聡役員室長代理、近藤昭一国際局長代理も同席した。

マラッカ海峡で誘拐された3名の無事救出を期待 岡田代表が会見で

岡田克也代表は15日、党本部で定例の記者会見を開いた。

岡田代表は冒頭、マラッカ海峡での海賊による日本船舶襲撃事件について、「党としても重大な関心を持って見守っている」と述べ、日本人2名を含む誘拐された3名の無事救出を心から期待し、党としても、でき得ることは政府に対して協力していきたいとした。更に岡田代表は、海峡の安全な通行確保のため、国際社会が協力する仕組みの必要性を、今回の事件は認識させたとの見解を示した。

次に岡田代表は、衆院総務委員会で同日実施されている平成17年度NHK予算案の審議に関連して、「(予算案への)賛成はかなり難しい」と述べ、受信料の不払いが続く現状について、「しっかり改革して信頼を取り戻す努力が足りないと、かなりの国民がみなしている」ことの現われだと指摘した。一視聴者として一部の番組の内容に一定の評価をしていると語った岡田代表は、政治との関係についても、「一定の独立性が確保されるような自己改革を求めたい」と語った。

岡田代表はまた、15日午前中に、ロシュコフ駐日ロシア大使の表敬訪問を受けて、意見交換を行った際、「交渉にまったくならない」状態と大使から発言があったと述べた。岡田代表は、小泉首相の意思が外務省に対して示されなければ動きようがないという趣旨だと大使の発言を分析したうえで、平和条約の問題・領土問題について、日ロ間で具体的な話し合いが持たれていないという印象を受けたと語り、リーダーシップのあるプーチン大統領がトップにいるチャンスを活かすべきだとの見解を示した。《民主党ニュース》



3月15日 その日のできごと(何の日)