平成5766日目
2004/10/21
【京都府舞鶴市】バスの屋根で乗客が恐怖の一夜
京都府舞鶴市志高付近の国道175号が冠水し、立ち往生していた兵庫県の観光バスの乗客と乗員計37人について、第8管区海上保安本部と海上自衛隊のヘリコプターが、21日午前6時10分すぎから救出を開始した。バスの屋上に避難していた乗客を救助隊員がロープでつり上げて次々にヘリに収容、同市内の公園などに着陸して近くの病院に搬送している。海上自衛隊のゴムボートもバスに近づき、乗客を救助した。
救助されたのは豊岡市職員OBらでつくる「兵庫県市町村職員年金者連盟豊岡支部」の一行。「トマトバス」(本社・兵庫県吉川町)の観光バスに乗り、福井県・芦原温泉から兵庫県豊岡市に帰る途中の20日午後9時すぎからバスが冠水して動けなくなっていた。《朝日新聞》
バスの周囲は近くを流れる由良川の水があふれて、海のようになっており、バスの天井ぎりぎりまで水が迫っていた。乗客らはバスの屋上で身を寄せ合うようにして座り込み、救助を待っていた。ほかにも民家の屋上やトラックの上で救助を待つ人がおり、ヘリやゴムボートによる救出活動を続けている。《朝日新聞》
暗黒の夜に渦をまく濁流が広がるなか、わずかばかりに浮かぶバスやトラックの屋根。舞鶴市・由良川の水位は刻々と水位を増す。取り残された高齢の乗客らは21日、観光バスの屋根の上で体半ばまで水につかり、救助を待った。
「上を向いて歩こう」を歌って恐怖と闘った。舞鶴市志高の冠水被害。夜が明けた午前6時すぎ、救助ヘリがバスの屋根で白い布を振る乗員乗客37人全員を発見、ロープで次々と助けあげた。9時間ぶりの奇跡的な救出の一方で、宮津市や加悦町などでは土砂崩れなどで少なくとも7人が犠牲、7人が行方不明となっている。バス乗客の救助活動に合わせたように風雨は午前8時ごろにやみ、同じ京都府北部に明と暗の結末を残して、台風23号は過ぎ去った。《京都新聞》
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【プロ野球日本シリーズ第4戦】中日8−2西武
中日が一発攻勢でタイに–。日本シリーズ第4戦は21日、西武ドームで行われ、中日がリナレス、アレックス、井上の3本塁打などで着々と加点。先発・山井も6回無失点の快投を演じ、2勝2敗の五分に戻した。西武は先発の張誌家の制球が甘かった。打線の反撃も遅く、八回二死満塁の好機ではフェルナンデスが岩瀬の前に見逃しの三振に倒れた。《読売新聞》
【小泉純一郎首相】企業から秘書運転手
小泉純一郎首相は21日の参院予算委員会で、首相の政策秘書が乗っている高級乗用車の運転手が民間企業から派遣されていることを明らかにした。首相は企業名については「何処に雇われているかは公表の必要はない」と述べた。
これらのケースは政治資金規正法の寄付にあたる可能性があるが、首相は政治資金収支報告書に寄付として記載しているかは言及しなかった。《共同通信》
【この日の民主党】
台風被害、地球環境問題、政治とカネの問題等を2議員が質問
21日、参議院予算委員会の総括質疑が前日に引き続いて行われ、まず前田武志参議院議員が質問に立った。
前田議員は冒頭、昨日来全国に大きな被害をもたらした台風23号に関し、亡くなられた方々に弔意を表するとともに、台風被害の状況などを確認。救出・救援活動の迅速化に向け、自衛隊の災害派遣要件を質した。
「大半は市町村長からの要請に基づき派遣している。また緊急を要するときは自主派遣している」との答弁を受けて前田議員は、「自衛隊のインフラ整備の初動出動は大きな役割を果たす」とし、国民の生命・財産を守るため迅速・的確な活動の実施を強く指摘した。
前田議員は続いて地球環境問題の議論に入り、京都議定書で定めた日本の温室効果ガスの削減目標(6%削減)が達成どころか目標値を14%オーバーする状況であることを小池環境大臣に確認した上で、環境省・経済産業省が連携して、削減目標達成に向け総合的に取り組む必要性を強く指摘。同時に小泉首相に対しては、地球環境改善という視点に立って京都議定書に批准するよう、米国のブッシュ大統領に強く働きかけるよう要請した。
前田議員はまた、荒廃が進んでいる山林の惨状を指摘。CO2吸収・保水・動植物の育成等の機能が失われていく現状を深刻に受け止め、国を挙げて、国の意志として森林の振興を進める必要性を指摘。解決の方向性として地球温暖化の防止や廃材の循環化や産業育成等に繋がる木質バイオマスのエネルギー利用推進に向けた国の支援を提示した。
覚せい剤・脱法ドラッグ、HIVやB型肝炎の問題等も取り上げ、国民の心身を蝕むこうした諸問題への早急な対応を、関係大臣に強く求めた。
続いて質問に立った福山哲郎参議院議員は、台風23号により全国で大きな被害が出ていることを踏まえ、関係閣僚に迅速な対応を求めた。また、Winnyの開発者が著作権法違反のほう助容疑で逮捕された事件について、ソフトウェア開発技術者の間で支援の動きが拡がっていること、同法違反ほう助で立件された前例がないと見られることなどにも触れながら、同ほう助罪の構成要件などを質すとともに、開発者の抱える不安感を改めて指摘した。
続いて福山議員は政治とカネの問題に議論の焦点を移し、南野法相に対して、日本看護連盟から南野後援会に、幾ら献金があり幾ら支出があったかなどを、まず質した。南野法相は、平成14年度に「2億円の寄付を受けていたと聞いている」と答弁した上で、「支出総額等については承知していない」「後援会は私の資金管理団体ではない」「運営や会計に口を出す立場にない」などと繰り返したあげく、「では、なぜ収入は答えられたのか」と福山議員が問い詰めると、「報道もされているし、その部分については知ることができた」と答弁するなどして、審議はたびたび中断。
「こういう業界丸抱えと自民党の関係は日本の政治の構造改革のうえで一番問題だ」と断じた福山議員は、小泉首相の後援会事務所費の問題についても追及。首相が500万円の事務所費を「切手代と電話代」としたことについて、政治活動費として領収書があり、つじつまが合わない点を指摘した。首相は「必要な事項を記載し、必要でない事項は記載しなくていい」と答えにならない答えを繰り返した。福山議員はさらに、首相の「政策秘書の使っている車の運転手はどちらで雇われている人か」を質したところ、首相は「民間会社の非常勤役員」であることを認め、「どこに雇われているかは公表する必要はない」とした。福山議員は、政治資金収支報告書に寄附として記載されていなければ虚偽記載の疑いがあると指摘し、「これでは疑惑が明らかにならないので、委員会等でさらに継続して調査をしていくことをお願いしたい」として質問を締めくくった。
ダイエー再建、南野法相、三位一体改革などを3議員が質す
参議院予算委員会が21日午後も開かれ、民主党から直嶋正行(規制改革担当ネクスト大臣)、簗瀬進(ネクスト法務大臣)、辻泰弘の各参議院議員が質問に立った。
直嶋議員はダイエーの再建策に関して、「国民負担が出ないように」求め、村上規制改革担当相は「気持ちは委員と同じ。極力小さくなるよう努力したい」答弁。谷垣財務相も「産業再生機構法の真価が問われる。最小限になるよう祈るような気持ちでいる」と答弁した。さらに直嶋議員は、「産業再生機構法の趣旨を生かし、雇用の確保を」と求めた。直嶋議員は、この間のダイエー再建策めぐる経過で金融機関が有利になるような産業再生機構を利用した再建策になったのではないか、産業再生機構から抗議の書簡がきたのではないか、などを中川経済産業相、細田官房長官に質した。
簗瀬議員は、南野知惠子後援会に日本看護連盟から総額10億円を超える寄付がなされていること取り上げ、「公正、厳正な法相の職務と相容れない」と批判。南野法相は、「私の政治資金団体ではない」「看護の仕事だけでなく、DVや福祉など女性、弱者の地位向上ための仕事もしている」と答弁。簗瀬議員は「選挙の年に寄付が大幅に増えている。当選以来32回国会質問し、そのうち78項目が看護の関係」と迫った。これに対しては「私の政治管理団体ではないので分からない」との答弁を繰り返した。さらに簗瀬議員が「あなたと看護連盟との関係」を質したのに対して、法相は「顧問であったことはあるが、関係はない」と答弁。簗瀬議員が「いつ顧問だったのか」とたたみかけると「政務官であった時と、現在は顧問ではない」と答弁。大半の期間が顧問であったことを認めた。簗瀬議員は社団法人として日本看護連盟、政治団体として日本看護連盟、個人の後援会の三つの団体を経由することは「マネーロンダリングでなないか。行政としてチェックすべき」と、所管の尾辻厚労相に質した。厚労相は「峻別を指導していく」と答えた。簗瀬議員は他に、日本歯科医師連盟からの1億円ヤミ献金事件での起訴猶予と不起訴処分の違い、司法制度改革についても質した。
辻議員は冒頭、台風23号の被害に関して「場合によっては補正予算を組み、対処を」と質問。谷垣財務相は「現段階では当初予算で十分。補正は考えていない」と答弁。辻議員は三位一体改革に関して「義務教育と生活保護は憲法上の規定もある。さらに閣議決定もある」として、財政的な視点だけではない議論を求めた。これに対して細田官房長官は「経過を踏まえるが、これからの議論。必要なら閣議決定の見直しもある」と答弁。尾辻厚労相も「自立がキーワード。避けて通れないのが生活保護」と答え、見直しを示唆した。辻議員は他に厚生労働省のプール裏資金、兵庫県労働局、広島労働局の不正などの問題を質した。《民主党ニュース》