平成5765日目
2004/10/20
【この日の小泉総理】
平成16年10月20日、小泉総理は総理大臣官邸で、フィンランドのタルヤ・ハロネン大統領と首脳会談を行いました。
会談では、ハロネン大統領は、本年は両国の国交樹立から85周年に当たり、両国の友好関係がさらに深まることを希望する旨述べました。両首脳は、福祉、男女共同参画、少子高齢化等の両国が共に直面している課題について、双方の知見や経験を共有して協力していくことで一致しました。
また、同大統領は、経済面でも日本との関係強化を期待している旨、及びフィンランドが2006年に次回ASEM首脳会合(第6回)を主催することに言及し、両首脳はASEMの場でも協力していくことで一致しました。
また、国連改革に関して同大統領は、フィンランドは従来から日本の常任理事国入りを支持しており、国連改革の実現に向けて両国で協力していきたい旨を述べました。
両首脳は、イラク復興に関連して、来年1月末までに国民議会選挙が実施できるかどうかが鍵であり、そのため国際社会の協力が重要であるとの認識で一致しました。《首相官邸》
小泉首相は20日夜、フィンランドのハロネン大統領と首相官邸で会談し、国連改革を協力して進めることで一致した。大統領は日本の安全保障理事会常任理事国入りに関し、「従来、支持している」と述べた。
イラクの復興支援については、大統領が「過去には各国の立場があったが、今は未来に目を向けることが重要で、国際社会の協力が必要だ」と述べたのに対し、首相も「失敗は許されない」と応じた。《読売新聞》
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【台風23号】死者22人、不明31人
高知県に上陸した大型の台風23号は、四国沿岸を北東へ進み、20日午後6時前に大阪府泉佐野市付近に再上陸した。その後、勢力を弱めながら本州を横断、各地に防風や高波、大雨による被害をもたらした。読売新聞のまとめでは、20日午後11時半現在、11県で計22人が死亡、2府8県で計31人が行方不明となっている。
愛媛県では土砂崩れが相次ぎ、民家が倒壊して5人が死亡。岡山県玉野市でも民家7戸が土砂に埋まり、5人が全壊した民家に取り残されている模様だ。高知県室戸市では高波で住宅が壊れ、3人が死亡し、2人が負傷した。被害に伴い、京都、香川など6府県からの災害派遣要請を受け、現地の陸上自衛隊員が対応に当たった。《読売新聞》
【森喜朗前首相】小泉首相を批判
自民党の森喜朗前首相は20日午後、共同通信社のインタビューで、国・地方財政の三位一体改革に関し「歴史に残る悪政になる」と述べ、小泉純一郎首相の対応を厳しく批判した。
全国知事会など地方6団体がまとめた補助金削減案に義務教育費国庫負担金が盛り込まれたことについては「文部科学省は代替案を出さないと言うべきだ」と指摘した。森氏が政策内容で小泉首相を批判するのは異例。《共同通信》
【この日の民主党】
小川議員、裏献金・迂回献金問題を中心に小泉内閣の姿勢を質す
20日、参議院予算委員会で総括質疑が始まり、民主党のトップバッターとして小川勝也参議院議員が質問に立った。
小川議員はまず、昨年と今年の衆院選・参院選で、比例でいずれも民主党が第一党となった事実を挙げ、小泉内閣への「実績評価を国民が下した選挙だったが、率直な感想を」と小泉首相に問うた。しかし首相は「野党の議席を集めることによって(民主党は)躍進された」などと、早くも他人事のような答弁。
小川議員は、台風による倒木被害や地球環境問題にも触れた後、「政治とカネの問題に触れざるを得ない」として、まず1億円の裏献金事件を取り上げ、「この(政治の)世界の常識と外の世界の常識が合致しなくなってきている」と指摘。政治資金規正法について「透明性と公開性がこの法律の主旨」であり、今回の問題は「民主主義の根幹に関わる問題だ」とし、首相の認識を質したが、首相は「政治資金規正法を守らなければいけないのが前提だ」などと、はぐらかした。小川議員が、首相自ら自民党総裁として疑惑解明の調査の陣頭指揮をとるべきだと迫ったのに対しては、首相は「平成研の問題と自民党の問題と混同されているきらいがある」とし、「どういう問題なのかということを自民党としても調査する必要があるということで、幹事長に指示している」と、疑惑解明に積極的な姿勢は見られずじまい。小川議員は、「どうしても分からないということになったら、本人に来てもらうしかない」と断じ、橋本元首相や村岡元官房長官らの証人喚問を強く要求した。
また小川議員は、「最大の問題は迂回献金だ」として、「迂回献金は自民党、国民政治協会の中であるのか」を質した。首相は、「迂回献金は、あってはならないことであり、幹事長からの報告でも、そのようなことはないと報告を受けている」とし、「迂回献金がなかったのではなく、法的に立件されるまでのものはなかったということではないのか」と迫った小川議員に対しては、「個別事案のことで私には分からない」と逃げの答弁。政治資金規正法の改正について、首相の指示を質した小川議員の質問には、「どういう点を正していけばいいか、各党間それぞれの立場があるだろう」「よく協議して改善案の成案を得て、今国会中に成立にこぎつけて欲しい、という指示をした」として自らの考えを全く示そうとしなかった。
小川議員は最後に、「今国会でしっかりとした政治資金規正法の改正を行うこと」を要請しつつ、「透明性・公開性を確保し、国民に信頼される土俵をつくりながら、政権交代を目指して民主党も頑張ってまいりたい」との決意を述べて質問を締めくくった。
平野議員、地方にツケまわす三位一体改革の問題点を指摘
参議院予算委員会で20日、民主党・新緑風会の平野達男議員が小川勝也議員に続き質問に立ち、三位一体改革を中心に小泉首相はじめ関係大臣に質した。
平野議員は冒頭、三位一体改革が進められるなかで廃止される懸念のある義務教育費国庫負担金について「予算の枠組みで議論すべきものではない」と断じ、義務教育については国家と地方の役割を十分な時間をかけて議論する必要性を指摘。地方裁量の部分もあるが、国が基本方針を示した上で、国が最終的な責任をもつよう求めた。首相は「さまざまな議論があるのでこれから調整する」などと的外れな答弁をした上、しっかりとした見解を示すよう再度求められると「私はきちんと方針を出している。担当大臣がいるので、よく調整してくれという指示を出している」などとする答弁に終始した。
平野議員は「税源移譲」「地方裁量権の拡大」といったバラ色の改革のようにいう謳い文句とは裏腹に、補助金削減と地方交付税の圧縮などによって財政力のない地方自治体にこそしわ寄せが行くしくみになっていることを繰り返し指摘した。それに対して谷垣財務大臣は「そういう面が出てくるのはある程度やむを得ない」との認識を示した。
平野議員は「改革は4兆円の補助金が削減され、3兆円税源移譲し、かつ地方交付税が1兆円減るということ。地方に行く財源が減るのは重要な問題」と指摘した。この指摘に谷垣財務大臣は「全体の額が縮小されるが、国の立場としては財源を見つけてきて調整しろというのはむずかしい。全体の交付税改革を進めるなかで解決するしかない」と答弁。一方、麻生総務大臣は「減る分は地方交付税で埋めるなど、万全の処置を取るのが当然のこと」として何らかの財源手当てをするとの方針を示し、認識の違いが浮き彫りになった。平野議員は2大臣の方針の違いを調整するよう小泉首相に求めたが、「官房長官のもとで地方の意見を聞きながら進めている」などと答弁し、無責任ぶりを露呈しただけだった。
年金計算など実務部分の改革質す 大塚議員
20日の参議院予算委員会で、平野議員に続き大塚耕平参議院議員が質問に立った。
大塚議員は年金計算の事務量、計算法などを質し、きちんと行われているかどうか、検証が必要だとし、「この分野にも、国会、政治の関与が必要。検証チームを与野党超えて作ってはどうか」と提案。小泉首相は「いい提案。直ちに調査し、正しい方向にもっていくことだ」と応じた。大塚議員は、事務量が膨大、複雑であり、コンピューターのバグなどが生じるのは当然で、昨年6月以降で年金の過多払いが7ケース、1万6900人、34億5000万円、過少払いが4ケース3万8400人、250億3000万円にも上ること、また、出生率隠しなどの実態を踏まえ、提案したもの。
また、社会保険庁職員の監修料について大塚議員は、国会公務員倫理法を厚生省審議官に読み上げさせ、「職務に関する副業をやめさせよ」と迫った。首相は「趣旨を理解し、正すべきは正す」と答弁。尾辻厚労相も「省全体の調査を行っている。今週中、遅くとも来週にはまとめ、報告を出す。法律に基づいてやらせていただく。1000万円の仕事で100万円というキックバックの形のものは今後一切やらない」と明言した。《民主党ニュース》