平成5542日目
2004/03/11
この日のできごと(何の日)
【スペイン・マドリード列車爆破テロ事件】
スペインの首都マドリードで11日朝(日本時間同日午後)、三つの駅の近くで通勤列車を狙った爆弾テロがほぼ同時に起きた。AFP通信などが当局者の話として伝えたところによると、少なくとも186人が死亡、1000人以上が負傷し、スペインでは過去最大級のテロとなった。犯行声明は出ていないが、スペイン政府は、バスク地方の独立を求める非合法組織「バスク祖国と自由」(ETA)による同時爆破テロと見て捜査している。
一方、ETAの政治部門とされるバタスナ党はETAの関与を否定している。地元テレビなどによると、最も被害が大きかった爆発は午前7時半過ぎ、マドリード市中心部のアトーチャ駅付近で同駅に向かっていた列車で起きた。プラド美術館にも近い同駅付近は逃げまどう人々などで一時パニック状態となった。 この爆発と前後して、同市郊外のエルポソ駅、サンタエウヘニア駅付近でも通勤列車が爆発した。三つの駅は同じ路線上にある。
アセベス内相によると、計13個の爆弾が列車や駅付近に仕掛けられ、うち10個が4、5分間隔で次々に爆発した。残りの3個は当局が発見し、爆破処理したという。報道によると、爆発物はダイナマイトを基に製造された爆弾で、ETAがこれまでテロに使ってきた爆発物と同種類のものだったという。爆弾はそれぞれリュックサックに入れられ、列車の車両などに置き去られていた。《読売新聞》
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マドリードで11日起きた同時爆破テロに対し、欧州連合(EU)加盟国首脳らは、相次いで犠牲者に哀悼の意を表するとともに、市民を巻き込んだテロに怒りをあらわにした。
英国のブレア首相は「われわれが依然として脅威に直面し、国際的に協力してテロを倒さなければならないことがはっきりした」と述べた。フランスのシラク大統領は「民主主義国は(テロと)戦うために固く団結しなければならない」と強調。ドイツのシュレーダー首相は「死傷者の多さに驚いている。遺族に哀悼の意を表する」との弔電をスペインのアスナール首相に送った。
EU議長国アイルランドのアハーン首相は「被害が最大になるよう周到に準備しており、正当化できない」との声明を発表、プローディ欧州委員長も「政治活動でも革命でもなく卑劣な犯罪だ」と非難した。
北大西洋条約機構(NATO)のデホープスへッフェル事務総長は「テ口との闘いを精力的に続けていくとの同盟国の決意は不変だ」と連帯を強調した。
ロシアのプーチン大統領は「終止符を打たなければならない。国際社会の力をまとめることがかってないほど重要だ」と語った。《共同通信》
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【長嶋茂雄さん】一歩一歩回復
脳梗塞で東京都新宿区の東京女子医大病院に入院中のプロ野球巨人、長嶋茂雄元監督(68)の病状について、主治医の内山真一郎教授(神経内科)らが11日、同病院内で会見し「大脳の血管が詰まっていた状況に変わりなく、決して軽くない症状であるが、最悪の事態は免れ、最も危険な状態はクリアできた。一部報道のような驚異的な回復ではないが、一歩一歩回復している」と述べた。
長嶋氏は4日の緊急入院から1週間が経過。右手には依然として強いまひが続いているものの、内山教授は「非常に元気。意識は覚せいしているし、表情は豊か。話しかけると笑顔を浮かべ、食欲も旺盛」と語り、前日はヨーグルトや七分がゆ、豆腐も食べたという。
心配された言語障害について、同教授は「短い文章をゆっくりではあるが、発音している」と説明した。長嶋氏が日本代表監督を務める8月のアテネ五輪について、内山教授は「リハビリの段階をみないといけない。長い目で温かく見守ってほしい」と、現段階での判断を避けた。《共同通信》
【三菱ふそう】タイヤ脱落でリコール
三菱自動車製の大型車でタイヤと車軸をつなぐ部品「ハブ」の破断によるタイヤ脱落が相次いだ問題で、三菱自動車から分社化された三菱ふそうトラック・バス(東京)は11日、ハブに欠陥があったとして、リコール(無料の回収・修理)を行うと発表した。近く国土交通省に届け出る。
同社によると、既に自主回収で部品を無償交換した7万4000台余りのほかに、約4万5000台がリコール対象になる。 横浜市で2002年、脱落したタイヤの直撃を受け母子が死傷する事故が発生し、同様の脱落も多数判明。会社側はこれまで「脱落はユーザー側の整備不良が原因」と説明し、自主回収で対応してきたが、今回のリコールで構造的な欠陥を認めた形になった。
神奈川県警は、横浜市の事故について業務上過失致死傷容疑で三菱ふそうなどを家宅捜索。当時の幹部らが安全対策を放置した疑いがあるとみて、立件に向け詰めの捜査を進めている。国交省で記者会見した三菱ふそうトラック・バスのヴィルフリート・ポート社長は、リコールが必要と判断したのは先週末で、02年には(リコールが必要との)知見はなかったと述べた。《共同通信》
【韓国・盧武鉉大統領】不正資金で謝罪
韓国の盧武鉉大統領は11日午前、ソウルで記者会見し、2002年大統領選挙の不正資金に関する検察捜査結果や親族の不正問題について謝罪し、再発防止を約束した。さらに「総選挙の結果を尊重し、国民の意思を審判として政治的決断を行う」と述べ、4月の総選挙を事実上の信任投票と位置付け、結果次第で進退判断を行う可能性も示唆。野党が国会に提出した盧大統領に対する弾劾訴追案については「弾劾は憲政の中断である、政治発展のため正しくない」と批判した。
盧大統領の発言は、総選挙を控え、国民に対し公式な謝罪を行うことで世論の沈静化を図り、弾劾訴追案の採決回避を狙ったものとされる。
会見ではまた、総選挙前に与党ウリ党の事前選挙運動とも取れる発言を繰り返し、中央選管から「中立性義務の順守」を求められたことについても釈明する見通し。
弾劾訴追案は11日にも採決に持ち込まれる見通しが強まり、ウリ党所属議員は採決を実力で阻止するため国会本会議場でろう城。野党側は実力阻止を防ぐため、国会議長に対し衛視を動員して採決を強行するよう要請するなど、緊張が高まっている。《共同通信》
【政界談話室】
○・・・公明党の神崎武法代表は11日の中央幹事会で、菅直人民主党代表が「小泉純一郎首相は公明に魂を売った」と題する批判を月刊誌に寄せたことについて「参院選に向けた自公分断の意図が見える。根拠のないレッテル張りをしている」と憤った。佐藤観樹前衆院議員の秘書給与詐欺事件に言及し「民主党は政治倫理問題が噴出している。人のことを批判するより自分の足元を固めた方がいい」と反撃。1月の民主党大会に端を発した両代表による舌戦が再燃しそうな気配。《共同通信》
【トヨタ自動車】ロボット開発
トヨタ自動車の張富士夫社長は11日、都内で記者会見し、人間の柔らかい唇の動きを再現できる「人工唇」を備え、トランペットも吹奏するロボット2体を初公開した。
二足歩行型と二輪走行型で、人型の二足歩行ロボットは身長120センチ、重さ35キロ。トランペットを右手にステージ上に立つと、「星に願いを」を見事な音色で奏で、後から登場した二輪走行型との重奏も披露した。
トヨタは、人を乗せて歩く搭乗歩行型ロボットと合わせた3タイプを、人間の活動を手助けする。「パートナーロボット」として開発中。2005年の日本国際博覧会(愛知万博)で成果を披露する予定だ。
張社長は「2年半前に本格的な開発に着手した。将来的には工場の無人化などいろいろなことに役立つ」と述べ、事業化に意欲を表明。ロボット開発の専門組織の創設も検討している。《共同通信》
【この日の民主党】
[衆院本会議]金融再生ファイナルプラン関連法案で趣旨説明
衆議院本会議で11日、金融機関への公的資金投入を可能にする政府提出の「金融機能の強化のための特別措置に関する法律案」および「預金保険法の一部を改正する法律案」と、民主党の金融再生ファイナルプラン関連2法案(「金融機能の再生のための緊急措置に関する法律等の一部を改正する等の法律案」「金融再生委員会設置法案」)の趣旨説明が行われた。
民主党法案の趣旨説明には五十嵐文彦ネクスト経済財政・金融担当大臣が立った。五十嵐議員は「金融の再生とは中小企業に銀行が融資できるようにすること」だとし、政府のやり方は「この間、100兆円も中小向け融資が減っている。根本的に間違っている。国家的粉飾をやめさせ、自己資本を充実させることが必要」と断じた。そのうえで「経営、株主責任を明確にし、ディスクロージャーを徹底する民主党案が粉飾と欺瞞の金融行政から脱却する唯一の道」と強調した。
質疑には永田寿康議員が立ち、自殺者が年間3万人となっていることを挙げ「1人でも減るように最善を尽くすのが政治家の本当の心がけ」として、「今回の法律を用意しなければならなくなるほど、地域経済が弱体化した原因」を質した。また、小渕・森・小泉の3人の総理を見ていると「全く情けなくなる」「今すぐに心を入れ替えて『総理の職務は高度で、しかも尊く、重要で意義深いものなのだ』と私たちが感じられるような仕事をしてほしい」を首相に要望した。首相は政府法案について「金融安定、地域経済の活性化に効果がある」と一般的に答えるだけで、自らの政治責任・姿勢には触れなかった。
永田議員の質問に対して、民主党側からは中塚一宏、津村啓介両議員が答弁した。中塚議員は「この間、損失の穴埋めに18兆円、資本注入に12兆円、不良債権の買取に11兆円、合計42兆円も使った。今回の政府案は役に立たず、税金を無駄に使う案」として、民主党案の優位性を強調した。津村議員も「政府案では中小企業向けの融資額の数値目標がない。これでは資本注入を受けた銀行の食い逃げを許す。民主党政権なら、新生銀行の売却、上場でも、国民負担を軽減できた」として政府案を批判した。
菅代表、中国共産党中央対外連絡部副部長と会談
民主党の菅直人代表は11日、中国共産党中央対外連絡部の劉洪才副部長を団長とする訪日団と会談し、日中関係、朝鮮半島問題、北東アジア情勢、党間交流などについて活発に意見交換した。
北朝鮮の核問題をめぐる6カ国協議の結果について劉副部長は、「大きな前進だが、解決への道のりは遠い。朝米間の信頼関係を深めないと問題の解決は難しい」との見通しを示した。米朝関係の改善には「周辺諸国が北朝鮮との関係改善に向けて努力することが寄与する」と指摘した。
菅代表は北朝鮮の核問題について「国民の関心が高く、北朝鮮を軍事的な脅威と考える人が多い」と日本人の国民感情を説明。拉致問題など日朝間の問題については「打開策がない中で、外為法改正案、特定船舶入港禁止法案など北朝鮮に圧力をかける北風政策にシフトしている」と国会論議の方向性に理解を求めた。
中国共産党と民主党との今後の交流について劉副部長は「実務的で中身の濃い交流をしてきた。今後ともこの関係を継続していきたい。菅直人代表、若い人の訪中を歓迎いたします」と述べた。これに対し菅代表は「ぜひ訪問させていただきたい」と応えた。
会談には、枝野幸男政調会長、荒井聡役員室長、藤田幸久国際局長、末松義規「次の内閣」外務総括副大臣、近藤昭一国際局長代理が同席した。
[衆イラク特]イラク基本法成立後の支援活動について議論
衆議院イラク支援特別委員会が11日開かれ、民主党から細野豪志、岡島一正、横路孝弘の各議員が質問に立った。
細野議員は8日にイラク統治評議会全議員の署名によって調印されたイラク基本法の評価を川口外相に質した上で、「民主的政治プロセスの枠組みができたが、民主的の中身についてどういう形がいいのか日本も分析し方針を出していくべきだ」と要望。また、「イラク特措法はCPA(米英暫定占領当局)の統治を前提とする国連決議1483、1511を根拠にしているが、6月末に暫定政権に主権移譲されることでCPAの役割は終了する」と指摘し、7月以降の特措法による支援の根拠を質した。
さらに細野議員は、在イラク日本大使館の警備問題をめぐる政府の対応の遅さを指摘。「警備は自衛隊方式よりも警察方式の方がいい。警察法では必要性があれば海外に出せる規定があり、政治判断でできるのではないか」と石破防衛庁長官に質した。
岡島議員はサマワ市評議会の存在をめぐって、外務省と防衛庁の事実認識に不一致があった点を重視し、情報の一元化の必要性を指摘。情報の共有・一元化に向けたシステムの改善点を質した。石破防衛庁長官は衛星を使った情報収集の迅速化と、外務省との情報・認識の共有化をはかったと説明した。
岡島議員はまた、イラク統治評議会が8日、暫定憲法となる基本法に署名したことについて、諸宗派が自分たちの意見が受け入れられないと判断した場合、宗教的な立場の違いによる対立を生み出す危険性があると指摘。石破防衛庁長官に対し、サマワでの人道支援活動に際して新たなテロに配慮するよう求めた。
横路議員は、米英のイラク攻撃、日本の支持表明の根拠を改めて追及。政府が国連安保理決議1441を支持表明の根拠としていることについて、「1441は停戦失効を言っていない。武力行使を自動的に容認はしていないことはアメリカも認めている」と批判した。
また、この決議も以前の687決議も、イラクが停戦決議に違反しているか否か、それに対してどのような行動をとるかは安保理が決めるという立場に立っているとして、政府の決議解釈を質した。川口外相は「1441は最後の警告。決議678に戻る」と答えたが、横路議員は「678はクウェートからの撤退を求めるもの。根拠にはならない」と批判。国際社会、多国間主義、地域安全保障が大切だとして「ルール無視の行動はアメリカと言えど許されない」と質問を結んだ。《民主党ニュース》