平成5520日目

2004/02/18

この日のできごと(何の日)

【小泉純一郎首相】イラク戦争「大義あった」

通常国会初となる党首討論が18日開かれ、小泉純一郎首相はイラク戦争の大義となった大量破壊兵器が発見されていない問題に関し「私は大義名分があったと思っている。イラクは度重なる国連決議に従わず、廃棄したとの立証責任を果たしてこなかった」と述べ、対イラク戦争支持の正当性を重ねて主張した。

民主党の菅直人代表が「大義名分なき戦争を支持し、占領軍に加わる形で自衛隊派遣するのは大きな間違いだ」と追及したのに答えた。

首相は道路公団民営化について「まれに見る画期的な大改革だ。抜本的な改革案だと自負している」と述べ改革の意義を強調。菅氏は、意見が反映されていないとして辞任した民営化推進委員の言葉を引用し「一番悪いのは(改革に)失敗したのにそれを認めないことだ」と指摘。しかし首相は「民営化の議論が出てきたからこそ有料道路のコストも半減できた」と成果を強調した。

菅氏は、先の衆院選で一部の自民党公認候補が比例代表では公明党への投票を呼び掛けたことに対し「自民党は今や公明党と融合した状況だ」と批判。首相は「政党人として節度を持ってやった方が良い」と述べるにとどまった。

共産党の志位和夫委員長は年金改革関連法案を弱者切り捨てだと批判したが、首相は「(年金制度は)給付と負担さらに税金をどの程度投入するかをみないと一面的な議論になる」と反論。志位氏は「あなたは憲法9条だけでなく25条(生存権保障)も破棄しようとしている」と述べ、同法案の撤回を求めた。《共同通信》

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【サッカーW杯アジア予選】日本1−0オマーン

サッカーの2006年ワールドカップ(W杯)ドイツ大会アジア1次予選3組初戦、日本−オマーンは18日、6万207人の大観衆を集めた埼玉スタジアムで行われ、W杯3大会連続出場を目指す日本は終了間際の口スタイム中に久保竜彦(横浜M)が決勝点をけり込み、1−0の劇的勝利をもぎ取った。辛勝ながら1次予選突破へ向けてひとまず優位に立った。

日本は中村俊輔(レッジーナ)がPKを含む2度の絶好機を逃すなど苦しい展開だったが、終了寸前に相手ゴール前でフリーとなった久保が左足シュートを決めた。

1次予選3組は両国のほかインド、シンガポールが11月17日まで2回戦総当たりのリーグ戦を行い、1位が来年の最終予選に進出。8チームによる最終予選は来年8月まで行われ、まず4チームの本大会出場が決まる。残り1枠を争うプレーオフ終了は来年11月という長丁場となる。《共同通信》

【政界談話室】

○・・・民主党の菅直人代表は18日の党首討論後、記者団に「小泉純一郎首相の答弁が冗長。もう少し的確に答えてもらえばいろいろな切り口で質問できた」と不満をぶちまけた。「英国(議会)のクエスチョンタイムを見て、ちゃんとマスターしてもらいたい」と苦言も。一部週刊誌に英国ロンドン大での単位取得をめぐる疑惑を報じられた首相だけに、本当は「留学し直してこい」と言いたかった?《共同通信》

【イラン】列車爆発、180人死亡

イラン北東部ホラサン州ネイシャブール近郊で18日、ガソリンなどの可燃物を満載した貨物列車が爆発して炎上、同州当局者は共同通信に対して住民ら180人以上が死亡、約350人が負傷したと語った。

国営イラン通信は、家屋の下敷きになるなどして行方不明になった住民もおり、死者数は200人以上になる恐れがあると伝えた。

AP通信などによると、51両編成の貨物列車は硫黄や石油製品、化学肥料などを満載。停車中だった駅から同日未明、無人のまま動きだして脱線、火災が発生した。その数時間後、消火と復旧作業に当たっていた消防隊員らが作業中に爆発が起きた。

このため死亡者の多くは消防、救助隊員で、同州幹部も犠牲になった。線路沿いの5つの村を炎や爆風が襲い、家屋などが破壊されるなど大きな被害が出た。当局の災害対策の甘さを問う声が高まる可能性がある。

州当局や地元警察が調べているが、当時発生した小さな地震の揺れによる脱線事故が火災の原因とみられる。

国営イラン通信によると、同日午前10時ごろ、硫黄を積載した車両で最初の爆発が起き、別の車両に積んであったガソリンなどに次々と引火、大爆発につながった。

国営テレビは、黒煙を噴き上げながら燃える車両や、爆風で家屋が破壊された村落の映像を伝えた。

同州当局者は「救援チームが負傷者を救出し、マシャドとネイシャブールの病院に搬送した。爆発はすさまじく、死傷者数も考えていた以上に多かった」と語った。

現場は首都テヘランの東約700キロ。爆発音は70キロ離れた町でも聞こえたという。《共同通信》

【小泉純一郎首相】各国大使と懇談

平成16年2月18日、小泉総理は英国、カナダ、米国など12の国・地域の大使等を総理大臣官邸に招き、観光政策について懇談しました。

政府は、訪日外国人旅行者の飛躍的増大等により、我が国を観光立国へと導くことを最重要課題の一つとしています。この日の懇談会は、海外の観光大国の駐日大使等を招いて小泉総理自ら観光立国を目指すことをアピールするとともに、各国の観光政策、とりわけ外国人旅行者受け入れに関する経験・ノウハウ等を学ぶことを目的としています。

懇談会の冒頭、小泉総理は、「今日お招きしたのは、外国人観光客が訪れる観光大国ベスト5の国、日本への観光客が多い国ベスト10の国の大使の皆さんです。私は昨年の施政方針演説で、観光立国を目指して、2010年に海外からの観光客を現在の500万人から1000万人に倍増させるという目標をたてました。皆さんのご意見を参考にして、外国の皆さんに日本を訪れてもらい、経済活性化につなげていきたい。」と挨拶しました。

その後、日本の魅力を海外に発信するビジット・ジャパン・キャンペーンの一環として作成された小泉総理出演の外国人旅行者訪日促進ビデオ「ようこそ!ジャパン」が上映され、観光立国懇談会のメンバーを交えて、活発な意見交換が行われました。《首相官邸》

【この日の民主党】

[党首討論]菅代表、日本の方向性、イラク派遣で首相と論戦

今国会初めての党首討論が18日に行われ、民主党の菅直人代表は食の安全と農業再生プラン、大義なきイラク戦争と自衛隊派遣の違憲性、道路公団民営化、自公連立などについて40分にわたって小泉首相と激論した。主なやりとりは以下の通り。

菅代表 安心できる安全な食べ物を欲する国民の声が強くなっている。食料自給率は30年前、日本60%、英国46%、今は日本40%、英国74%と、同じ島国で工業国として発展してきた両国が逆転している。自民党農政は失敗したのではないか。

小泉首相 農家を考えての施策が思うように進んでいなかった。改善の余地がかなりあると思う。

菅 私も昨年から各地を視察して農家の皆さんの話を聞くと、自民党政府の農政を評価する声はなかった。多くはいろいろ問題がある、将来が不安だ、後継者がいないという声ばかりだった。次の参院選までに私自身の責任で民主党の農林業、農山村の再生プランをマニフェストとして国民に提示したい。総理も小泉マニフェストという形でプランを出して欲しい。

小泉 農業改革、食料政策は必要だと思うので、民主党の提案は歓迎するし、良い点はどんどん取り入れたい。

菅 青色発光ダイオードの発明で中村修二氏に200億円の特許料を支払うよう裁判所が会社に命じたことは大変結構なこと。子どもたちは何億円という高額報酬をもらうスポーツマンに憧れていたのが、今度のことで会社勤めの技術屋に対して子どもたちに夢を与えるのではないか。高校生の物理・数学離れも改善されるのではないか。

小泉 喜ばしいことだ。本人の才能を会社としては過小評価していたのではないか。才能を開花させるような会社側の対応も必要だ。

菅 日本が行き詰まった今の状況を打開していくためには、第1次産業と技術革新の分野が両輪となって行かなければいけない。今までの自民党政治は両輪の劣化を招いてきたのではないか。

満州事変から終戦にいたる日本外交を検証した外務省報告書『日本外交の過誤』を基に前フランス大使の小倉和夫氏が著した『吉田茂の自問』で、柳条湖事件、盧溝橋事件などでっち上げの事件を大義名分に戦線拡大していった日本軍に対して当時の政治家、マスコミ、世論がここまで行ったら仕方がない、行け行けどんどんで、米国と戦争して勝てると誰も思わないけれども既成事実の積み重ねの中で開戦まで進んで行ったことが述べられている。今回のイラク自衛隊派遣に関して、米国民すらイラク戦争の大義名分がないのではないかと言う中で、戦争を支持して占領軍に加わる形で自衛隊を派遣することは歴史の流れの中で大きな間違いの第一歩を踏み出したのではないか。

小泉 大義名分があったと信じている。重なる国連決議にイラクは従わなかった、査察に対して妨害した、自ら大量破壊兵器を持っていないという立証責任を果たしていないことなど、日本は総合的に判断してこれを支持した。自衛隊派遣も菅さんの言うように憲法違反だと思っていない。自衛隊は武力行使に行くわけではない。イラクの復興支援、人道支援に行くのだ。

菅 総理はイラクの戦争が始まった時点では大量破壊兵器が存在しており、それが他の独裁国やテロリストに渡ると9・11を超える惨劇が繰り返される怖れがあるから、それを防ぐために先制攻撃を支持すると言った。その時は大量破壊兵器の存在を前提としていたのが、今や大量破壊兵器を破棄したことをイラクが証明しなかったからだと、総理は根本から違う論理を組み立てている。

総理は武力行使はしない、非戦闘地域にしか自衛隊を派遣しないと言っているが、今イラクに非戦闘地域がどこにあるのか。非戦闘地域であるからという論理が崩れた途端に憲法違反になる。

小泉 自衛隊は武力行使に行くのではない、戦争に行くのでもない。復興支援に、人道支援に行くのだ。戦争に行くのなら、憲法違反だが。現に非戦闘地域だからこそ現地で歓迎されている。戦闘地域だったら自衛隊を派遣することはない。

菅 この説明を聞いて、なるほどサマワは、バクダッド空港は非戦闘地域だから自衛隊が派遣されたのだと受け止める国民が果たしてどれだけいるだろう。私どもは復興支援や人道支援が必要ないと言っているのではない。しかし、あの戦争は正しかったから行くのだという論理は間違っている。あの戦争は正しくなかったが、現状がこうなった以上は人道支援を行う、というのが民主党の考え方である。

道路公団民営化について、「政府は推進委の答申の核心部分を抜き取って、今の道路公団以上に悪いスキームを選んでしまった。ところが困ったことに、当の小泉総理は改革が成功したと思い込んでいます」。これは誰の言葉か分かるか。

小泉 誰の言葉だか分からないが、私は稀に見る画期的な大改革だと思っている。野党だから批判する。自分たちの意見が正しいと思うのなら、それで結構。しかし、私は抜本的な大胆な改革案だと自負している。

菅 総理自身が任命した道路公団民営化推進委員会の田中一昭元委員長代理が「文藝春秋」今月号で述べているものだ。「一番悪いのは、失敗したのにそれを認めないことです。失敗なら早くやり直さなくてはならない。しかし、失敗を認めず、改革は進んでいます、と言い続けていれば、真の改革はますます遅れ、事態は悪化する一方です」。今の総理の言葉がまさにそれに当たる。これも推進委員の松田昌士JR東日本会長の言葉だ。つまり、総理はマニフェストで推進委の意見を尊重するとしておきながら、推進委のメンバーは総理が全く尊重しなかったと明確に言っている。総理はマニフェストに反している。

小泉 全然反してはいない。私は推進委の意見を基本的に尊重し、これからも必要な道路は作る。大胆で画期的な改革案だと将来評価されると確信している。

菅 基本的に尊重したとは総理の思い込みであって、客観的には誰も、当事者すらも思っていない。こんなメチャクチャナ話はない。これでは本当の改革は進まない。

昨年の総選挙で自民党公認候補の多くが「比例は公明党に投票を」と訴え、その中では重複候補で自民党の比例で当選した者もいる。国民を欺く行為だ。

小泉 確かにいたことは承知している。できれば政党公認の候補者は選挙区は自らに、比例は所属政党に投票してくれと言うことが望ましい。しかし、候補者の立場があり、腐心の立場を現していると思う。政党人として節度を持ってやった方がいい。結果的にはそういう行為がどう判断されるか投票の結果に出てくる。候補者自身が問われてくる。

菅 その投票の結果が比例ではわが党が第1党の自民党より多くの票を得るという形で現れた。自民党が公明党と連立を組むことは結構だが、政策にまで公明党の顔色をうかがって自民党は自立した政党でなくなっている。中曽根元総理もそのことを心配している。自民党は公明党と連立ではなくて、「自民・公明融合新党」になっている。

小泉 自民党は自由で民主的な政党だ。国を考えて連立しているわけだから、お互い尊重し合い、協力し合い、言うべきときは言う。公明党とは安定した関係であり、この安定勢力を基盤に日本にとって必要な政策を推進していかなければいけない。

菅 正当なる政党の連立とは異なっている。国民的政党とは言えない。

「首相は歴史に学ぶ姿勢がない」菅代表

民主党の菅直人代表は18日、党首討論後に国会内で記者団の質問に答え、「イラク戦争について、小倉(和夫)さんの本を題材に議論したが、従来と変わらない答弁。首相には歴史から学ぶという姿勢がない」と批判した。また、「正しい、正しいと言っているだけで、実りある議論にならなかった」と首相の資質を批判した。

[衆院予算委]年金改革、BSE対策などで政府を追及

衆議院予算委員会の18日の質疑で、民主党から小林憲司、五十嵐文彦、古川元久、松原仁、小宮山洋子、山田正彦の各議員が質問に立った。

まず小林議員は、新生銀行の再上場問題について質問。参考人として招致した東京証券取引所の吉野専務に対し、新生銀行の上場承認後、イ・アイ・イーインターナショナルの破産管財人が損害賠償請求の準備を進めている事実を新生銀行が有価証券届出書に追加した経緯等に基づき、「(上場に際して東証が)しっかり審査したか疑問」と指弾。吉野専務は「審査基準に基づいて慎重に検査した」などとした。

また小林議員は、問題とされた損害賠償請求以外にも別の訴訟がある事実を示し、一般投資家へのリスク開示の不充分さを指摘したが、吉野専務は「審査の際に確認しているが、被告は銀行ではなく、従業員」などと弁解した。小林議員は、事実解明まで上場を見送るぐらいの姿勢で調査するよう要求した。

五十嵐議員は「上場の歴史のなかで巨額の損害賠償請求訴訟を抱えたまま上場を認めたことはあるか」と吉野専務を重ねて追及。そうした例はないとの答弁を受けて、「まず上場ありきでことが進んでいる」と厳しく指摘した。また五十嵐議員はUFJ銀行の金融検査忌避疑惑も取り上げ、同銀の検査実態を示した金融庁内部資料の開示を求めたが、竹中金融担当相は「個別の金融機関の検査への言及は差し控える」と繰り返し答弁。五十嵐議員は「公的資金が注入されたUFJに対しわれわれは問い質す立場にある」として、資料開示を強く求めた。

さらに五十嵐議員は、肉骨粉の投与を全面禁止したにも関わらずBSE感染牛が発見された原因について「動物に投与するカルシウム剤に肉骨粉が使用されている可能性あるとの見方がある」として、カルシウム添加剤の徹底調査の必要性を指摘した。

古川議員は年金改革について、5年ごとの負担増・給付減を20年も繰り返し、その都度これで大丈夫としてきたことが国民の年金への信頼を失わせたと指摘。「今回も同じ。これが抜本改革なのか」と政府の改革案を批判した。坂口厚労相は「今回明確に、2017年まで給付減、負担増とした。反対があっても誰かが言わなければならなかった」と答弁、個人単位給付などは枝葉の問題とした。古川議員は「それなら、いままで間違っていたことを謝罪すべき」と糾弾した。

松原議員は「拉致問題は国家主権への侵害であり、被害者にとっては人権侵害、人間の尊厳に対する侵害である。一刻の猶予もなく解決すべきだ」と前置きした上で、「万全を期して取り組むために、この問題に特化した統括的な部署を閣内に設けるべきだ」「拉致された最後の一人まで帰国しなければ解決とは認められない」と力説。また、先の平壌での日朝政府間協議は「全く成果は得られず、北朝鮮の時間稼ぎ、6カ国協議を有利に運ぶためのアリバイ作りだ」と断じ、「6カ国協議では拉致問題が置き去りにされて合意した場合はサインするべきではない」と強い決意で臨むよう求めた。

さらに松原議員は「不誠実な態度に終始する北朝鮮に対し、改正外為法を施行の26日と同時に発動すべきだ」と強く主張した。

小宮山議員は、司法への国民参加をめざした裁判員制度の導入について質問。政府案における裁判官3名、裁判員6名という裁判体構成に対して「裁判員が裁判官と対応に論議するためには、3倍くらいの人数が必要。10名くらいが適当」と提起した。しかし司法制度改革推進本部の山崎事務局長は「合議体としては10名に至らないのが適当」などとして裁判員数を限定する姿勢を示した。小宮山議員はさらに民主党案に基づきながら、選任される国民に過度な負担をかけないため、裁判員休暇制度、延期制度、託児所・託老所の設置などを検討するよう求めた。

また小宮山議員は、選択的夫婦別姓など民法改正について政府が取り組みを怠り、国連女性差別撤廃委員会からも批判されている問題を取り上げ、対応を要請。さらに、一昨年の石井紘基代議士刺殺事件の全容が少しも明らかになっていないとして、捜査状況などを質した。

山田議員は米国におけるBSE感染牛の発生に関して質問。平成13年に日本で感染牛が発見された際、米国、カナダなど計66カ国に送った質問書の内容・結果等を質したのに対して、亀井農水相は「相手国の了解が必要」と繰り返し、開示を拒否した。山田議員は「その段階のステータス評価は、おそらく相当程度BSE発生状況下にあることを示していたはず」と断じた。また、国産牛肉には徹底した検査を課しているにもかかわらず輸入牛肉の検査は甘いことを指摘した上で、「米国は正常国だ」と主張した農水省の判断の誤りを厳しく批判。輸入牛に関する質問項目があったことを山田議員は明らかにし、「1990年以前に500頭以上の生きた牛をEUから輸入していた事実を米国は回答していたはず」として、食の安全確保を怠った政府の姿勢を批判した。

[衆イラク特]復興の展望、派遣隊員のケアなど質す

衆議院イラク支援特別委員会で18日質疑が行われ、民主党から前原誠司、松本剛明、木下厚、伴野豊の各議員が質問に立った。

前原議員はまず、イラクに派遣されている自衛隊員の勤務の状況について、ローテーションや休暇をとっているかを確認。石破防衛庁長官は「現在はとっていない。実オペレーションに入ってみないと状況がわからない」などとしたが、前原議員は、隊員がストレスや疲労を回復できるようなメンタル・ヘルスケアが必要であることを訴えた。

また前原議員は、6月に予定されているイラク人への政権移譲以降に設置される暫定行政機構のあり方について展望を質した。川口外相は、「日本の立場でこうあるべきと言うのは意味がない」などと答えたが、前原議員は「他人事でなく、日本も主体的にコミットする意識を持つべきだ」と求めた。

松本議員は、自衛隊派遣が必要だと判断した根拠について、「日米同盟関係に基づくものか」と質した。石破防衛庁長官は「派遣はイラク特措法に基づくものだが、同盟関係は互いの信頼を高めていくことが大事」などと答弁。これに対して松本議員は、「信頼性を高めるためには世界中のどこにでも派遣できるのか」と疑問を呈し、日米同盟関係を最優先する政府の立場では自衛隊派遣に歯止めがなくなることを指摘した。

木下議員は、殉職した奥大使の任務、身分について改めて質問。とりわけ、奥大使がイギリス大使館からの長期出張扱いだったことを取り上げ、「ORHAの一員だったから、正式の辞令がなかったのでは」と質した。川口外相は「私の指揮下であり、ORHAの指揮下ではない。あくまで日本とORHA、CPAとの連絡調整が任務だった」と答えた。

伴野議員は、イラクに本当に必要な援助について、「これからのODAは人間の安全保障という考え方が重要ではないか」と指摘。川口外相は「多くのところで、国境を越え避難民がでている。国が国民を守るのが当然とは言えなくなっている。そうした考えは重要。わが国も国連の人間の安全保障基金に大きな金額を支出している」と答えた。

[衆拉致小委]成果なき日朝協議のあり方質す

衆議院外務委員会の「北朝鮮による拉致・核開発等に関する小委員会」が18日開かれ、平壌での日朝政府間協議について細田官房副長官と外務省の薮中アジア大洋州局長から説明を受けたあと、民主党の松原仁、渡辺周、中野譲の各議員が質問した。

松原議員は協議の意義や全容を詳細に問い質し、「政府間交渉が行われたということだけで具体的な成果はなかった。次回協議の日程も決めておらず、北朝鮮側がイニシアチブをとっての時間稼ぎだったのではないか」「改正外為法の発動を食い止め、特定船舶入港禁止法成立を阻止するための日本へのアピールであるとともに、25日から北京で開かれる6カ国協議で拉致問題を取り上げさせないアリバイ作りだったのではないか」と迫った。

渡辺議員も「6カ国協議で政府は日本の立場を強く主張し、他の参加国も同じ問題意識を持つよう取り組むべきだ」と力説するとともに、「進展がなく、終わりなき『対話』が継続するようなら、対話の期限を限って国の強い意志として『圧力』も考えるべきだ」と主張。また、「北朝鮮は平壌宣言での謝罪で拉致問題は解決済みだとしている。政府は拉致被害者5人の家族全員の帰国と5人以外の安否問題以外に、拉致認定されていないその他の特定失踪者の真相究明も求めるべきだ」と強調した。さらに鳩山民主党拉致問題対策本部長らが訪韓し面会した3人の韓国人拉致被害者と元北朝鮮労働党書記の黄長ヨプ(ファン・ジャンヨプ)氏の来日および国会証言を実現するため、政府の配慮を求めた。

中野議員は「一連の流れを熟知し、今回の協議にも出席した田中審議官がこの場にいないのはおかしい」と追及。また、昨日の読売新聞の記事中の「内閣官房職員の訪朝」について細田副長官は「事実として承知していない」と答弁したが、中野議員は「仮に事実としたら、二重外交の可能性がある」と迫った。

なお、各議員とも外務省の田中審議官の参考人招致を求めた。《民主党ニュース》



2月18日 その日のできごと(何の日)