平成5389日目

2003/10/10

この日のできごと(何の日)

【マニフェスト解散】

衆院は10日午後1時開会の本会議で解散された。これを受けて政府は臨時閣議を開き「10月28日公示、11月9日投票」の総選挙日程を決定、各党は公示を待たず、事実上の選挙戦に突入した。総選挙は前回2000年6月以来、3年4カ月ぶり。小泉政権発足から2年6カ月で初めて。

政府は10日午前の定例閣議で解散を決定した。参院本会議では改正テロ対策特別措置法などが成立した。これを受け小泉純一郎首相(自民党総裁)は公明、保守新両党との党首会談を首相官邸で開き、11月9日の総選挙後も3党による連立政権の枠組み維持を確認した。この後、衆院本会議で同意人事案件の採決を経て、解散詔書が伝達され、衆院解散となった。

小泉首相は60%を超す高支持率を背景に「自民党の単独過半数」獲得で政局の主導権確保を狙う。旧自由党との合併で勢力を拡大した民主党をはじめ野党側は、与党3党を過半数割れに追い込み、政権交代を目指す。

首相は「小泉内閣の実績と構造改革路線の継続」を強調、郵政事業、道路関係4公団の民営化推進などを訴え国民に信を問う。民主党は「小泉内閣では何一つ改革は進まない」(菅直人代表)として、ひも付き補助金全廃などを掲げ、政策本位の「マニフェスト(政権公約)選挙」を挑む。

小泉首相と、拉致問題で国民的人気を高めた安倍晋三自民党幹事長。これに対し菅代表と小沢一郎氏というそれぞれの「二枚看板」を前面に押し出した「二大政党」対決も注目される。

解散により、10月14日告示、26日投票の予定だった衆院統一補選は行われず、総選挙に吸収された。2002年8月施行の改正公選法による「5増5減」の新たな小選挙区割りが今回の総選挙で初適用される。

今国会の最重要法案だったテロとの戦いを支援するため、アラビア海への自衛隊派遣を2年間延長する改正テロ対策特別措置法や、次期衆院選からマニフェスト(政権公約)の冊子配布を可能にする改正公選法など計9法が10日午前の参院本会議で成立した。

改正テロ特措法は与党の賛成多数、改正公選法は全会一致でそれぞれ可決。

これら2法のほかには、新型肺炎(SARS)対策のための関連法、人事院勧告の実施に伴い国家公務員の給与を引き下げる改正給与関連6法が成立。《共同通信》

衆院解散を受け、与野党の各党首は10日午後、街頭などで事実上の第一声を上げた。

小泉純一郎首相は自民党両院議員総会で「改革路線を定着させるためにも、安定勢力で改革を進めなければならない」と強調。最後は「頑張って必勝を目指す」と絶叫調で戦闘宣言した。

民主党の菅直人代表は千葉・津田沼で街頭演説。「(投票日の)11月9日はベルリンの壁が崩壊した日」と紹介。「日本のベルリンの壁は官僚と族議員の『権力の壁』として厳然と存在している。自民党政権ではこの壁は突き破れない。政権交代しかない」と訴えた。

公明党の神崎武法代表は東京・池袋での街頭演説で「(民主党公約の)高速道無料化は聞こえはいいが、絵に描いたモチ。政策がバラバラな民主党が、全く違う自由党と一緒になって、さらにバラバラになる」と民主党を強く批判し、対抗心をむき出しにした。

共産党の志位和夫委員長も東京・新宿で街頭演説し「イラク派兵は中止。社会保障と暮らしを予算の主役にすえよ」と要求。社民党の土井たか子党首は記者会見で「二大政党制の中に埋没せず、存在感を発揮し国民のニーズに応えたい」と強調。保守新党の熊谷弘代表も記者会見で「全員当選を目指して、火の玉になって頑張ろうと思う」と決意を新たにした。《共同通信》

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【ラグビー】

ラグビーの第5回ワールドカップ(W杯)は10日、20カ国・地域の代表チームが参加してシドニーのテルストラ・スタジアムで開幕した。開会式に続き、1次リーグA組で地元オーストラリアがアルゼンチンと対戦し、オーストラリアが24−8で開幕戦を制した。

2大会連続3度目の優勝を狙うオーストラリアはWTBセーラーの今天会初トライなどで前半を14−3とリード。後半にも1トライ、1PGで差を広げ、アルゼンチンの反撃を1トライに抑えた。

20チームは5チームずつ4組に分かれて1次リーグを行い、各組2以上が準々決勝に進出する。11月22日に同スタジアムで行われる決勝まで約1カ月半にわたり、ラグビー世界一の座を争う戦いが繰り広げられる。《共同通信》

【中坊公平氏】弁護士廃業を表明

日本弁護士連合会会長を務めた弁護士の中坊公平氏(74)=京都市在住=が10日午前、所属する大阪弁護士会に退会届と弁護士の登録取消届を出した。登録を取り消されれば、弁護士を廃業することになる。

中坊氏は、初代社長を務めた住宅金融債権管理機構(現・整理回収機構=RCC)時代の不適切な債権回収業務をめぐり詐欺容疑で告発され、東京地検特捜部が捜査を進めていた。中坊氏は同日、大阪市で記者会見し、この問題で特捜部の取り調べを受けたことを認め、「私の責任として厳粛に受け止めなければなりません」と話した。《朝日新聞》

【りそなホールディングス】最終赤字1兆7600億円

りそなホールディングスの細谷英二会長は10日記者会見し、不良債権処理の大幅な拡大や繰り延べ税金資産の圧縮によって、9月中間決算は連結で1兆7600億円の最終赤字になると発表した。公的資金1兆9600億円を受け入れ12%台に高まっていた自己資本比率は6%台前半に低下する。

りそなは国から今年投入された資金の大半を、不良債権処理などに投入。細谷会長は「V字型の再生を目指す」と述べ、10月から来年3月までの下半期は黒字転換を目指す考えを表明した。

りそなグループの中間期の不良債権処理は1兆2600億円に上る。同グループの銀行出身者を送り込んでいた不動産会社などの「緊密取引先」は清算や売却に踏み切る。《共同通信》

【政界談話室】

○・・・民主党の岡田克也幹事長は10日、議員バッジを胸に着け忘れ、衆院解散時の本会職場に危うく入り損なうハプニングに。本会議と議員会館以外ではバッジを着けない主義の岡田氏だが、国会内の控室を捜しても見つからず、「こりゃ大変」と同党参院議員の議員バッジを着けて本会議場へ。議場内で再度捜すとポケット内に自分のバッジが見つかり、普段冷静な印象の岡田氏も「解散で気分が高揚していたのかも」と照れ隠し。《共同通信》

【ノーベル賞】平和賞にシリン・エバディ氏

ノルウェーのノーベル賞委員会は10日、2003年のノーベル平和賞を、イスラム体制下、非暴力と対話の重要性を唱えて人権擁護活動を続けてきたイランの女性弁護士、シリン・エバディさん(56)に授与すると発表した。女性の平和賞受賞者は11人目だが、イラン人、女性イスラム教徒の受賞はいずれも初めて。

エバディさんは、イラン保守派の弾圧を受けている知識人や学生の民主化運動を支援、たびたび投獄されてきた。同委員会は授賞理由で「イランで人権と民主主義のために闘っているすべての人々の励ましになることを望む」と述べ、民主化促進に期待を表明した。

エバディさんは同日、滞在先のパリで記者会見し「賞はイランの民主主義と平和のために闘うすべての人へのものだ」と述べ、投獄中の活動家の早期釈放を要求した。さらに国際社会の批判を振り切ってイラク戦争を行った米国を批判した。

イランでは1997年に改革派のハタミ政権が登場したが、保守派の抵抗により挫折感が強まっている。エバディさんの受賞は保守派に打撃を与え、改革派学生らの民主化運動を勢いづける可能性がある。

ロイター通信によると、イラン保守系紙レサーラトの編集者は「欧州がイランの人権問題に圧力をかける政治的な動きだ」と不快感を示した。《共同通信》

【MLB】

米大リーグ、ナ・リーグの優勝決定シリーズ(7回戦制)第3戦は10日、マイアミで行われ、カブス(中地区1位)が延長十一回の末、5−4でマーリンズ(ワイルドカード)を下して通算2勝1敗とした。4−4のまま今シリーズ2度目の延長戦となり、カブスが十一回に代打グランビルの適時三塁打で勝ち越した。《共同通信》

【この日の民主党】

[参院本会議]テロ特措法改正案が与党の賛成多数で可決・成立

テロ対策特別措置法を2年延長する政府提出の同法改正案は、10日午前に開かれた参議院本会議で与党の賛成多数により可決・成立した。民主党は、自衛隊が海外で活動するという重要な問題にもかかわらず、同法案が国会の事前承認によるシビリアンコントロールを欠いていることを理由に、反対した。

採決に先立ち反対討論に立った民主党の川橋幸子議員は、テロという卑劣かつ残虐な行為に国際社会が一致団結して毅然と取り組むこと、アフガン・イラク国民の生活復興のために国際社会が協調して取り組むべきことは当然だとしたうえで、(1)現行法による2年間の活動状況、今後活動を終了させる条件等について政府は国民に対する説明責任を放棄している(2)アフガニスタンでの主要な戦闘がすでに終息し、当初の目的が達成されたと見られ、現段階でも海上自衛隊派遣を継続することが適当か疑問である(3)2年間の特別措置法でありながら、活動の総括や終了条件の明示もないまま再延長、再々延長を繰り返せる仕組みであるなど、法律自体に欠陥を含んでいる–などを挙げ、「断固反対の意思を国民の前に訴える」と表明した。

「新しい内閣をつくる扉が開かれた」両院議員総会で菅代表が檄

民主党の両院議員総会が、衆議院の解散を受けて10日午後1時10分から院内で開かれ、菅直人代表は「この解散は、官僚主導の政治を根本から変えて、新しい日本の政治をつくることが出きる新しい内閣をつくる扉を開くもの。私も死力を尽くして頑張りぬく、皆さんも乾坤一擲、共に戦っていただきたい」と、総選挙の必勝、政権交代へ檄を飛ばした。

また、菅代表の誕生日に合わせて「政権交代ケーキ」と「勝利の花束」が菅代表に民主党の小泉俊明議員から、小泉純一郎総理からの政権交代に合わせて贈呈された。

総会では今期で引退する各衆議院議員が紹介され、それぞれ選挙必勝、民主党政権樹立へ期待、決意を語った。

連合と民主党が次期総選挙に向け政策協定

民主党の菅直人代表と連合(日本労働組合総連合)の笹森清会長らは10日夕、次期総選挙に向けた政策協定に調印した。

協定書では、「いま国民が政治に求めているのは、雇用とくらしの安定である。いち早く雇用不安、将来への不安、安全への不安を払拭し、安心して暮らせる日本を取り戻すことである。今こそ一刻も早く政権交代を実現し、早急な景気・雇用対策の策定・実施によって、国民生活に明るさと活力を取り戻さなければならない」とする状況認識を両者が共有。そのうえで、(1)連合は、連合が実現をめざす社会の方向性と民主党のマニフェストが合致するものと受け止め、その実現に向けて民主党に協力する。民主党は、連合と十分な連携をはかり、マニフェストに掲げた国民への5つの約束を着実に実施する(2)特に、失業改善、生活不安解消の雇用・経済対策を最優先させ、政府予算に反映させる–などの重点政策で合意した。

「政権交代という歴史的事業を実現させる」岡田幹事長会見

民主党の岡田克也幹事長は10日の定例記者会見で、衆院解散を受け、わずか19日間と短命だった第2次小泉内閣に対し、「内閣の考え方を国民に示し、国会で十分な議論をした上で解散を迫るのが本来の姿だが、今回は選挙向けの顔ぶれを揃えての解散だ」と断じ、国の制度まで党利党略に利用する小泉首相の姿勢を批判した。

「本格的な政権交代が起こり得る選挙になりつつあると実感している。小泉・自由民主党と正面からがっぷり四つに組んで、最後はみごとに上手投げで場外に投げ飛ばしたい」と岡田幹事長は語り、政権交代という歴史的事業の実現を表明した。

自民党マニフェストについては「(党首討論や予算委員会での議論を避け)解散の日に出してきたこと自体、自民党の自信のなさの現われ」と述べ、実現への道筋が示されていない、従来の公約集と変わりないマニフェストと言えない代物と指摘した。

枝野政調会長、静岡市で解散第一声

衆議院が解散した10日、民主党の枝野幸男政策調査会長は静岡市のJR清水駅前で行われた静岡4区公認予定候補の街頭演説会に駆けつけ、集まった聴衆に「日本を変える大運動にともに参加してほしい」と熱烈に訴えた。

枝野政調会長は、開口一番、「今回の選挙は、スローガンと看板だけの政権か、中身の政権か、を選択する選挙だ」と喝破。小泉政権の2年半を「痛みの話だけで、何が改革されたか、何か暮らしが良くなったか。今ごろ『芽が出た』? 冗談じゃない」と厳しく批判した。

その上で、「民主党が政権をとったら、皆さんの税金の使い方を変え、景気を良くする」と宣言。年金制度や子育てなど国民に将来不安をもたらしている問題を解決し、みんなが安心してお金を使えるようにすれば景気は良くなるとし、「民主党の若い力に任せてほしい」と力強く支持を呼びかけた。

演説会には、地元選出の榛葉賀津也参議院議員も参加した。

「国民の一票で『ベルリンの壁』崩そう」菅代表、津田沼で第一声

民主党は衆議院が解散した10日、千葉県の津田沼駅頭で街頭演説会を開いた。

民主党千葉県連の広中和歌子代表は「今度の総選挙は天下分け目の戦い。政権を変えるという勇気をもっていただきたい」と訴えた。また、野田佳彦国対委員長、永田寿康前衆議院議員もそれぞれ政権交代の意義を訴えた。

最後に登壇した菅直人代表は「官僚に頼らない内閣をつくる。11月9日は奇しくも、14年前ベルリンの壁が崩れた日。投票日のこの日、日本に存在するベルリンの壁ともいうべき、官僚がすべてをお膳立てする政治を変えよう。ここ千葉では堂本さんが、埼玉では上田さんが、長野では田中さんが一票の力で当選し、県政を大きく変えた。この日本の政治を変えて、21世紀の扉を開く、その日に11月9日をしよう」と、熱心に聞き入る約1000人の聴衆を前に力強く訴えた。《民主党ニュース》



10月10日 その日のできごと(何の日)