平成5358日目
2003/09/09
この日のできごと(何の日)
【自民党・野中広務元幹事長】政界引退を表明
自民党の野中広務元幹事長(72)は9日夕、党本部で記者会見し次期衆院選には出馬せず、今期限りで政界を引退する考えを明らかにした。野中氏は小泉政権の打倒に残された政治生命を懸ける決意を強調。総裁選で小泉首相支持を表明した橋本派の青木幹雄参院幹事長、村岡兼造元官房長官(同派会長代理)を厳しく批判。所属する橋本派の分裂も辞さない強い決意を示した。
野中氏の発言は総裁選情勢に少なからぬ影響を与えそうだ。現時点では野中氏の「単独行動」にとどまり同派が分裂に至るかはなお不透明だが、派内対立は決定的となった。
野中氏は記者会見で「自ら退路を断って『われ戦うべし』との決意を持ち、最後の情熱と志を、小泉政権を否定する戦いに燃焼し尽くしたい」と述べた。野中氏は村岡氏の総裁選対応には「目先のポストに惑わされているのではないか。政治家として許すことはできない」と批判。同日夜、記者団に「ポストを求めウロウロしている人を切り捨ててでもやっていかねばならない。小さくなったとしても心を許し、若い諸君の将来が開ける政治土壌をつくりたい」と述べ、派分裂も辞さぬ考えを明らかにした。
野中氏は「この総裁選は日本が生き残っていくことができるか、衰退国家になるかの分かれ道だ」と強調。青木氏については「竹中平蔵金融・経財相、山崎拓幹事長の交代を含む改造の(約束を首相から取り付け)文書にすると言っていたが、参院の選挙のために理念、哲学なく(首相を支持し)悲しく思う」と非難した。村岡氏については「橋本龍太郎会長に断りなく、小泉支持を打ち出した」と批判した。
村岡氏は「自分の発言や行動はよくて、人が言うのは悪いというのは賢明な野中氏のやり方ではない」と反論。青木氏は「急に聞いたことで驚いている。今はノーコメント」と述べた。
小泉純一郎首相は9日夜、自民党の野中広務元幹事長が今期限りでの引退を表明したことについて「政治家は自らの出処進退は自分で判断するものですからね。そう判断されたならば、それはご本人の判断だから尊重すべきですね」と述べた。自民党本部で記者団に答えた。
総裁選に与える影響については「小泉打倒に燃えて引退するというのは、どうみなさんが反応するかね。これはしばらくたたないと分からない」と述べ、今後の展開を見守る考えを示した。
野中氏が、青木幹雄自民党参院幹事長の首相支持表明を批判したことについては「自分と支持することが違うから人を批判するのは、あまりいいとは思っていません」と批判した。《共同通信》
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【大相撲】
大相撲秋場所3日目(9日・両国国技館)横綱朝青龍は人気者の平幕高見盛を一方的に寄り切り、先場所の雪辱を果たして土つかずの3連勝とした。高見盛は1勝2敗。大関陣は連続優勝を目指す魁皇が北勝力をはたき込み、栃乃洋を押し出した千代大海とともに3連勝。かど番の栃東は小結土佐ノ海を引き落として2勝目を挙げたが、武双山は琴龍にはたき込まれて3連敗となった。土佐ノ海は1勝2敗。関脇若の里は新小結闘牙に引き落とされて2敗目を喫し、闘牙は初日を出した。関脇雅山は2勝目を挙げた。《共同通信》
【プロ野球・中日】山田久志監督を事実上の解任
中日は9日、山田久志監督(55)の休養を発表した。事実上の解任で、今季の残り試合は佐々木恭介ヘッド兼打撃コーチ(53)が指揮を執る。来季の後任には、球団OBで平成4年から7年途中まで監督を務めた高木守道氏(62)、かつて4番として昭和63年の優勝にも貢献した落合博満氏(49)らの名前が挙がっている。
会見には西川球団社長と山田監督が出席。同社長は「ファンの失望感を感じ、再建を考えて決めた」と理由を説明し、山田監督は「こんな形でユニホームを脱がなくてはならないとは」と無念さを隠さなかった。
山田監督は現役時代に阪急(現オリックス)でプロ野球歴代7位の284勝をマーク。中日では平成11年からコーチを務め、昨年、監督に就任した。ことしは3年契約の2年目で、球団の白井オーナーは前半戦終了の段階で来季の続投を明言。しかし5位に後退するなど最近の成績不振で「抜本的な改革が必要だと思う」と方針を変えた。《産経新聞》
【東京株式市場】
9日の東京株式市場は、景気回復期待が一段と強まっていることを背景に、全面高の展開となり、日経平均株価(225種)は大幅続伸し、終値で昨年7月以来約1年2カ月ぶりに1万900円台を回復した。
終値は前日比238円28銭高の1万922円04銭、全銘柄の値動きを示す東証株価指数(TOPIX)も17.77ポイント高の1045.71と続伸した。《共同通信》
【自民党総裁選】立会演説会
自民党は9日午後、総裁選立候補者の立会演説会を党本部で行い、小泉純一郎首相、藤井孝男元運輸相、亀井静香前政調会長、高村正彦元外相の4氏が党所属議員を前に、景気・経済対策や外交政策について見解を明らかにし、支持を訴えた。景気対策をめぐり、藤井、亀井、高村の3氏は首相との対決色をさらに鮮明にし、積極財政への転換が必要と主張。藤井氏は「税収が減ってきたのは誰の責任か」と首相の「経済失政」を追及し「大胆なデフレ対策を実施しなければならない」と指摘した。
亀井氏は「民間が駄目な時は政府が前に出て行くしかない。なぜ地方や中小企業が苦しむ政策をやるのか」と批判。高村氏も「首相が積極財政をやろうとしないのは単年度財政均衡主義に縛られているからだ。1年だけの税収と歳出で考えてはいけない」と表明した。
首相は、緊縮財政との批判を受けていることについて「税収が42兆円しかない中で今年度は36兆円もの国債を発行している。どこを見てこれが緊縮路線なのか」と反論、不良債権処理や規制改革など構造改革路線が成果を挙げていると強調した。
◇
自民党総裁選に出馬した小泉純一郎首相、藤井孝男元運輸相、亀井静香前政調会長、高村正彦元外相の4人は9日有、東京・新宿駅西口で初の街頭演説に臨み、約5000人の聴衆を前に持論を展開、支持を訴えた。
首相は身ぶり手ぶりを交え「日本は駄目だ、駄目だと悲観してはいけない」と力説。「今後3年間、仮に再選されれば大きな税金を使わなくとも民間のやる気、地方の意欲を引き出すような改革をし、力強い日本をつくる」と、構造改革路線に自信を示した。
これに対し、藤井氏は「年金が必ずもらえるようにするため消費税の増税問題を真正面から考えていく。首相は逃げの答弁をしている」と批判。亀井氏は「皆さんのふるさとでは就職がなく、工場が閉鎖している。小泉失政の成果だ。小泉政権を終わりにして私に任せてください」と攻撃した。
高村氏も経済問題を取り上げ「経済が縮小している。小泉さんが間違っていることを変えないと言うから、われわれが小泉さんを代えようと立候補した」と訴えた。《共同通信》
【北朝鮮】閲兵式
朝鮮中央通信によると、北朝鮮の建国55周年を記念する閲兵式と市民パレードが9日午前、金正日総書記も出席し、平壌の金日成広場で行われた。閲兵式で「核保有宣言」は行われず、ミサイルなどを動員した大規模軍事パレードもなかった。
閲兵式では朝鮮人民軍の金永春・総参謀長が演説。米国が敵視政策放棄の意思を全く示さない状況では「核抑止力を引き続き強化する」と言明、金総書体制への団結を訴え「米国の圧殺策動には超強硬で対応する」と主張した。
北朝鮮で閲兵式が実施されたのは2000年4月以来。金総書記は終了後、ひな壇から手を振って参加者の歓声に応じたが、肉声は伝えられなかった。
北朝鮮は今回、核問題をめぐる米国との対決姿勢を維持しながら、対外的な強硬姿勢の誇示より、内部の体制引き締めを優先させたとみられる。《共同通信》
【イスラエル・パレスチナ情勢】
エルサレム市内のカフェで9日深夜、自爆テロがあり、警察当局によると、6人が死亡、自爆犯1人も死亡した。ほかに約50人が負傷した。
これに先立つ9日夕に商業都市テルアビブ郊外のイスラエル軍基地近くで起きた自爆テロの死者は、同軍兵士7人となった。イスラム原理主義組織ハマスはカタールの衛星テレビ、アルジャジーラに対し二つのテロについて犯行を認めた。最高幹部ランティシ氏は「テロは今後も続く」と警告した。
イスラエル側はハマスへの攻撃を強化するとともに、パレスチナ自治政府の次期首相への就任を原則受諾したクレイ氏を交渉相手とせず、ヨルダン川西岸ラマラの議長府に軟禁中のアラファト議長を追放する強硬手段に出る可能性もある。《共同通信》
【エドワード・テラー氏】死去
トルーマン政権に水爆開発を進言して以来、歴代米政権の核政策に発言力を持ち続けた物理学者エドワード・テラー氏が9日、米カリフォルニア州のスタンフォード大構内にある自宅で、脳卒中のため死去した。95歳だった。
第二次大戦中、原爆開発の中心だったロスアラモス研究所のオッペンハイマー博士の部下としてマンハッタン計画に参加。戦後、1949年にソ連が原爆実験に成功すると、米ソ冷戦を意識して水爆開発の必要性をトルーマン大統領らに進言。52年にソ連より半年早く水爆実験を成功させ、「水爆の父」と呼ばれた。
米歴代政権の核戦略、防衛政策に影響力を行使し続け、80年代のレーガン政権時代には現在のミサイル防衛(MD)の原形ともいえる戦略防衛構想(SDI、スター・ウォーズ)を推し進めた。
ハンガリー出身でナチスの支配を逃れて米国に移住。こうした生い立ちが、強力な防衛政策の信奉者としての素地となった。《共同通信》
【この日の民主党】
[両院議員懇]合併基本方針、大会日程など確認
民主党の両院議員懇談会が9日、民主党本部で開かれ、「自由党との合併について」「次期衆議院総選挙対策」「マニフェストについて」の各報告と意見交換が行われた。各報告は19日13時からの両院議員総会で確認・了承される見込み。
懇談会の冒頭挨拶した菅直人代表は「基幹政党になるために、自由党との合併を決めた。自由党の皆さんを単に迎えるのではなく、しっかりした政策をつくる。より良いもの、より強いものにしていくよう努力していく。それが選挙へのエネルギーになるようにお願いする」と挨拶した。
「小泉政権は守旧派政権そのもの」菅代表
民主党の菅直人代表は9日、定例の記者会見を開き、自民党総裁選挙で再選を図る小泉首相の推薦人に橋本派の抵抗勢力議員が名を連ねていることに触れて、「小泉政権が守旧派政権以外の何ものでもないことがはっきりした」と指摘した。
また菅代表は、4人の総裁候補が政見において、政治とカネ、あるいは政治改革についてまったく触れていないことについて「残念だ」と批判。さらに、小泉首相が自らの公約として税金のムダ使いをなくすことを挙げたとされることについては、「自分が総理になってからどれだけムダ使いしたかを、まず検証し総括すべきだ」と述べ、民主党の主張の安易な“パクリ”にクギを刺した。
テロ対策特別措置法改正問題に対しては、「(自衛隊派遣によって)どういう成果があがり、現在どういう意味があるのか、などをまず検証すべきだ」と述べた。
[常任幹事会]臨時国会前に合併届出等の手続きを完了へ
民主党は9日、第262回常任幹事会を開き、今月下旬と見られる臨時国会の召集前に政党の合併、国会内会派などについての届け出手続きを完了したいとする岡田克也幹事長の報告を了承した。10日に開く自由党との合併準備委員会で正式に両党間で確認する。
また、来年行われる参議院選挙の比例区候補を全国展開型と全国8ブロックの地域重点型に区分して擁立するという既定の方針のうち、地域重点型については、自由党との合併に伴い、北海道・東北、北関東・北信越ブロックをそれぞれ分割して全国10ブロックとすることを了承した。
枝野幸男政調会長からは、現在作成中の政権公約(マニフェスト)を3部構成とし、まず16日の「次の内閣」で各論部分をとりまとめ、10月5日の合併大会で総論部分を、さらに総選挙公示段階で主要政治争点を数本の柱に絞り込んで発表する方針が示され、これを了承した。
衆議院選挙候補者については、新たに公認3人、推薦1人の予定候補者を決め、これまでに公認201人、推薦32人となり、社民党候補の推薦を合意している10選挙区を加え、合計243選挙区での擁立が固まった。赤松広隆選対委員長からは、「残された自由党との候補者調整などに連動してほぼ自動的に決まるのがあと33選挙区、さらに20選挙区程度が視野に入っている」との報告があった。《民主党ニュース》