平成5172日目

2003/03/07

この日のできごと(何の日)

【坂井隆憲衆院議員】逮捕

総額約1億2000万円に上る献金を政治資金収支報告書に記載しないよう政策秘書らに指示したとして、東京地検特捜部は7日、衆院の逮捕許諾を得て、政治資金規正法違反(虚偽記載)の疑いで衆院議員坂井隆憲容疑者(55)=自民党除名、佐賀1区=を逮捕した。

逮捕許諾を得た国会議員の逮捕は昨年6月の衆院議員鈴木宗男被告(55)=受託収賄罪などで公判中=以来。戦後16件、15人目で規制法違反では初めて。

献金のうち8000万円前後の使途が不明で、特捜部は資金の流れの解明を急ぐとともに、ほかにも記載していない献金があるとみて追及する。

坂井容疑者は「秘書が適正に処理していると思った」と容疑を否認しているもようだ。弁護人によると、逮捕前に「自ら辞職すべき状況ではない。辞職すれば容疑を認めたことになる」と議員辞職を否定。「献金の要求や証拠隠滅はしていない」と話したという。《共同通信》

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【卓球・福原愛選手】日本代表に選出

日本卓球協会は7日の常務理事会で、個人戦の世界選手権(5月19−25日・パリ)に青森山田中(青森)2年の福原愛(ミキハウスJSC)ら代表男女13人を正式に決めた。大会時に14歳6カ月の福原は、1987年大会に14歳9カ月で出場した吉田静子の最年少記録を塗り替えた。

協会は1月に女子の梅村礼(日本生命)ら6人、男子は7人の代表を選出。アジア選手権の結果次第で変更もあるとしていたが、福原は小西杏(ミキハウス)と組んだ女子ダブルスで銀メダルを獲得し、世界代表を手にした。《共同通信》

【東京株式市場】

7日の東京株式市場は、イラク情勢緊迫化を嫌気して輸出関連銘柄を中心に全面安となり、日経平均株価(225種)と全銘柄の値動きを示す東証株価指数(TOPIX)がともに続落、終値ベースのバブル後最安値をそれぞれ更新した。

平均株価は1983年3月以来20年ぶりの水準まで落ち込み、TOPIXは84年8月以来約18年半ぶりに節目の800を割り込んだ。

終値は、前日比235円03銭安の8144円12銭で昨年11月14日に付けたバブル後最安値(8303円39銭)を更新。TOPIXは20.05ポイント安の796.17で、昨年12月18日に付けたバブル後最安値(815.74)を更新した。またいずれも取引時間中のバブル後最安値も下回った。出来高は約8億9600万株。《共同通信》

【東京都知事選】石原知事が出馬表明

石原慎太郎東京都知事(70)は7日の都議会本会議で、4月13日の都知事選に再選を目指して出馬すると正式表明した。石原氏は本会議の最後に発言を求め「東京をてこに今日の国家的危機を打開することを自らの使命としたい」と述べた上で、都が主体となった新銀行を大手企業とともに創設する計画を進めていることを明らかにした。

石原氏は議会後の記者会見で、就任2年目から知事を2期やる必要があると考えていたとし、当面は都政の課題の解決に当たると強調した。

石原氏は出馬表明の中で4年間を振り返り「国の反応は鈍感で、その国を変えることは積み残した最大の課題だ」とした。具体的には、国の不作為が改善の障害となっていると批判してきた大気汚染対策や、金融機関の不良債権処理のために中小企業が必要な資金調達に苦しんでいる金融システムムの再生を挙げた。

自民党都連は石原氏を支持する方針。公明党都本部も7日支持を決めた。《共同通信》

【政界談話室】

○・・・共産党の志位和夫委員長は7日午後、坂井隆憲衆院議員の逮捕許諾議決を受け、記者団に「これで幕引きとはいかない。労働行政がどうゆがめられたか真相究明は引き続き重要だ」と、昨年の鈴木宗男衆院議員の追及に引き続き、今回も疑惑解明にまい進する意欲をアピール。しかし「これを機に政権交代を求めるか」との質問には「政権交代を否定しているわけではないが、まずは企業・団体献金にメスを入れる」と答え、現実路線を標ぼうするだけあって控えめ。《共同通信》

【政府】個人情報保護法案を閣議決定

政府は7日午前の閣議で、昨年の臨時国会で廃案となった個人情報保護法案を大幅修正した新たな法案など関連5法案を閣議決定した。8月下旬の住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)本格稼働を控え、その前提としていた個人情報保護法制整備の必要に迫られており、有事関連法案とともに最重要法案として今国会での成立を目指す。

これを受けて与党は、2003年度予算成立後の4月から審議入りする方針。「政治とカネ」の問題が再燃するなど国会が波乱含みの中、確実な成立を期すため衆参両院に与党が委員長を務める特別委員会を設ける考え。しかし、野党4党は対案を示すとともに特別委設置にも反対する構えで、与野党攻防が今後激しくなりそうだ。《共同通信》

小泉純一郎は7日昼、新たな個人情報保護法案について「昨年の審議を踏まえ、理解を得られるよう出し直したわけだから、ぜひ成立させたい」と首相官邸で記者団に述べ、今国会での成立に期待を表明した。

福田康夫官房長官も午前の記者会見で「これからは情報技術(IT)社会だ。その基盤を整備しないとIT社会は実現しない。国際的にも立ち遅れることを考えると、新法案を早期に成立させてほしい」と法整備の必要性を強調。細田博之IT担当相は記者会見で野党が法案のさらなる修正を要求していることについて「法案に即して対応したい」と述べ、基本的に応じない姿勢を示した。《共同通信》

【参院予算委員会】

石破茂防衛庁長官は7日の参院予算委員会で、北朝鮮の核開発疑惑に関連し「核兵器開発が現実に進んでいることについては認識し、強い懸念を持っている。その可能性は決して排除できないというのが今の政府の立場だ」と表明した。

福田康夫官房長官は坂井隆憲衆院議員の逮捕について「同期でよく知っている国会議員が逮捕の事態となって極めて残念だ。政治とカネをめぐりさまざまな問題が生じている。政治家として十分気を引き締めていかなくてはならない」と述べた。

竹中平蔵金融・経済財政担当相は、国の財政状況について「日本はサラ金地獄になりかねない危機にひんしている」とし、「(国債発行による)借金の利子を支払うために借金をしなくてはならなくなると借金残高は無限大まで拡大して収拾がつかなくなる」と指摘した。

川口順子外相は、茂木敏充外務副大臣のイラク訪問について「残念ながら、最後の翻意という確証は得られなかった。イラクは時間が迫っているとの意識に欠け、武装解除も今までの小出しのやり方を変える感じがなかったのは残念だ」と述べた。《共同通信》

【黒岩重吾さん】死去

古代王朝を舞台にした歴史小説などで知られる直木賞作家の黒岩重吾さんが7日午後、肝不全のため兵庫県西宮市の病院で死去した。79歳だった。大阪市出身。

同志社大学在学中に応召、旧ソ連国境近い旧満州(中国東北部)で敗戦を迎えた。

1960年に司馬遼太郎らの「近代説話」同人となり、61年、「背徳のメス」で直木賞を受賞。社会派推理作家の地位を築く。その後、卑弥呼、推古天皇、中大兄皇子らが登場する古代史を題材とした作品を次々と発表。80年、壬申の乱を扱った「天の川の太陽」で吉川英治文学賞を受賞した。代表作に「さらば星座」「落日の王子」「聖徳太子」など。《共同通信》

【この日の民主党】

自由党との政権構想協議会でフリーディスカッション

民主党と自由党との合流問題、選挙協力、政権政策などを協議するために設置された「政権構想協議会」の第1回会合が7日、国会内で開かれた。

会合後にそろって記者会見した民主党の岡田克也幹事長と自由党の藤井裕久幹事長の話によれば、今回の会合は、全体的な情勢認識などを一致させるためのフリーディスカッション。「相当熱のこもった議論が交わされた」が、「次の選挙は政権交代への最大のチャンスであり、そのために両党がより協力を強める必要がある」との認識では完全に一致したという。

今後、両党の合流の可否などについて議論を深めるとしているが、岡田幹事長は、合流のメリット・デメリットとして(1)比例区・小選挙区のそれぞれについて、合流した場合としない場合とで、どちらがより多くの票を獲得できるか(2)合流によって新しい党ができることについて、期待感がどの程度高まるのか(3)両党の政党文化に違いがあるとすれば、それをどう乗り越えていくのか(4)合流したとしても融合に時間がかかることから、どのタイミングで合流するのか──などを検討課題として提起したことを明らかにした。

櫻井・辻議員が一般質問

03年度政府予算を審議する参院予算委員会で7日、民主党・新緑風会の櫻井充、辻泰弘両議員が一般質疑に立った。

この中で櫻井議員は、経済・金融問題から、医療・社会保障まで幅広く取り上げたが、この中で、JR西日本の居眠り運転事件の原因と判明した「睡眠時無呼吸症候群」について、国内に100~200万人の患者がおり、放置すれば居眠り運転による交通事故など大きな社会・経済的損失になると指摘し、米国で国家的に取り組まれている調査・対策事業「Wake Up America」にならい、政府が調査・対策に積極的に乗り出すべきだと提案した。

1月に退任した小野元之・前文部科学事務次官が翌月から特殊法人日本学術振興会の理事長に天下りしたうえで、「民間人」と称して中央教育審議会委員に就任した問題では、「今まで諮問していた側が審議する側になるというのは、きわめて変なこと。辞めさせるべきだ」と主張。福田官房長官は、「官僚出身者の審議会委員登用は慎重でなければならず、国民に疑念を持たれないようにしなくてはならない」としつつも、本件については「文科相は人格・識見などを総合的に勘案して判断したのではないか」と答え、遠山文科相も「辞めていただくつもりはない」と開き直りの姿勢を見せた。櫻井議員は、「そんなことで多くの国民が信認すると思うのか」と吐き捨てた。

東京女子医大で2年前、心臓手術時の人工心肺装置の操作ミスで12歳の患者が死亡した事件も取り上げ、この人口心肺装置が医大側によって改造されたものである事実を指摘、個々のパーツが承認を得たものであれば、それをどう組み合わせるかを使用者の自由裁量に委ねている現行薬事法の承認制度の欠陥を突いた。坂口厚労相も、「少し納得しかねる部分があるので、見直すべきだと思う」とこれに応えた。

鎌田議員、教育軽視の文部科学予算削減を追及

衆院本会議で7日、坂井隆憲衆議院議員の資金管理団体をめぐる政治資金規正法違反事件について、内閣が決定した坂井議員の逮捕許諾を全会一致で議決。続いて内閣提出の「義務教育費国庫負担法及び公立養護学校整備特別措置法の一部を改正する法律案」をめぐる質疑が行われ、民主党の鎌田さゆり衆議院議員が質問に立った。

鎌田議員は冒頭、「またしても政治とお金の問題で不祥事が露見した。自民党はいつまでこんなことを放置し続けるのか。しかも今回は小泉総理が派閥の長をつとめていたときの身内の議員によるもの。自民党と小泉総理に猛省を促す」ときびしい口調で断じたあと、本題に入った。

鎌田議員は今回の法改正の意義について、地方分権改革推進会議報告を受け、地方分権改革推進や国と地方の構造改革を目指すものと言われながら、税源移譲への道筋がまったく示されていない点を問題視し、「国庫補助金を交付金に付け替えただけで、どうして地方分権推進となるのか理解できない」と指弾。そもそも塩川財務相が経済財政諮問会議に提出した「国庫補助負担金の廃止・縮減及びこれに伴う税源移譲の考え方」を見れば、税源移譲できないことは明らかだと指摘。地方分権改革推進会議報告を受けて「国庫補助金、交付税交付金、税源移譲を三位一体で、地方の自主性、創造性、個性をいかにかくほするか考えてほしい」とした小泉首相の見解と矛盾するのではないかと指摘した。税源移譲の見通しについて塩川財務相に質した。

塩川財務相は「地方における受益と負担の関係を明確にし、地方が自助努力・自己責任において効率的な財政運営を行っていくという観点から検討を行う必要がある。ただ単に税源移譲すれば自治体が独立するというものではない」などと答弁。財源調整の必要性を認めるとしながらも、地方交付税によるところの財源保障機能を温存し、自治体の自立性を確保するのはむずかしいとの見方を示した。

鎌田議員は遠山文部科学相に対しては「国の関与を小さくした方がよい教育ができる」とした経済財政諮問会議での委員の発言を踏まえ、税源移譲もしない交付金の付回しでは国の関与が小さくなり得ないと指弾。教育を重視するという遠山文部科学相の言葉に偽りがないのあれば、それに相応しい予算措置がなされるべきだと問題提起した。また20兆円もある国庫補助負担金のなかで、3兆円の義務教育費国庫負担金のみがターゲットとなったこの改正案には違和感があると遠山文部科学相自身が指摘したとおり、教育がターゲットとなった改正案は国民の理解が得られないと指弾。遠山文部科学相に答弁を求めた。

遠山文部科学相は「義務教育費国庫負担制度については必要な見直しを行いつつも、義務教育の水準を確保するために、国としての責任を果たしていく」と苦しい弁明を行った。

鎌田議員はさらに予算面で将来の発展につながる分野には重点配分すると明記されていながら、文部科学は対前年比3.5%削減となっている点を指摘。「教育軽視を教育重視と偽り、地方への付回しを地方自主性促進と言いくるめる本改正案には民主党は到底賛成できない」と述べた。また、国庫補助金・交付金・税源移譲の三位一体の国、地方の構造改革、教育科学立国の実現は民主党を中心とする政権への政権交代無くしてはありえないと主張し、質問を締め括った。

坂井議員の辞職勧告決議案を週明けに提出

民主党など野党4党の国会対策委員長は7日午前、国会内で会談し、1億2000万円余の不正献金を受け取っていたとされる自民党の坂井隆憲議員について、同日の衆院議運委と同本会議で逮捕許諾に賛成することを確認するとともに、「きわめて悪質な事例」だとして、週明け早々に4党で議員辞職勧告決議案ことで合意した。

「他の自民党議員は大丈夫なのか」坂井議員逮捕で岡田幹事長

民主党の岡田克也幹事長は7日、党本部で拡大の定例記者会見を開き、同日、自民党の坂井隆憲衆議院議員が衆議院での逮捕許諾議決を受けて政治資金規正法違反容疑で逮捕されたことに触れて「他の自民党議員は大丈夫なのか。小泉総裁は国民への説明責任を果たすべきだ」と語った。

岡田幹事長は、坂井議員の不正献金処理疑惑について「国民の信頼を決定的に裏切っている。いま政治資金のあり方をめぐる議論がなされているが、その前提は、きちんと収支報告に記載され、届け出がなされているということだ。今回の場合は記載もされていない裏金であり、論外だ」と厳しく指摘。同時に、「他の自民党議員は大丈夫なのか」として、自民党総裁である小泉首相が国民に事情を説明するべきだと求めた。

さらに岡田幹事長は、同日に行われた自由党との第1回の政権構想協議会についても報告。両党の合流問題を中心に、総選挙に向けた選挙区調整、国民の“応援団”づくりなどについても並行して議論していくことを確認した、と明らかにした。また、岡田幹事長から合流の可否を検討する4つの視点──1)議席が増えるか、2)国民の期待感が高まるか、3)政党文化の違いをいかに乗り越えるか、4)合流のタイミング──を提起し、自由党の藤井幹事長の同意を得たことも紹介した。

最後に岡田幹事長は、健康保険の窓口負担引き上げに反対する運動を党として大々的に展開する、と発表。すでに開設したホームページを活用して広く国民からの意見を募りながら、同時に地方議会での決議を求める活動も開始していることを明らかにした。

個人情報保護法案関連5法案閣議決定について(談話) 2003/03/07

民主党・政策調査会 会長 枝野幸男
民主党・個人情報保護法案WT 座長 細野豪志

昨年12月廃案となった個人情報保護法案は、本日、新たに閣議決定された。廃案となった旧案からの変更点は、基本原則を削除するとともに、報道機関への情報提供者に対して主務大臣が関与しないこと、報道の定義、適用除外となる情報機関に個人も含むこと、および著述業を適用除外とすることを明記することである。

行政機関保有する個人情報の保護に関する法律案の変更点は、行政機関の職員等に処罰規定を設ける点である。

民主党は、これまで自己情報コントロール権が不明確かつ不十分であり、主務大臣の権限が増大であるため、民間への公権力の不当介入のおそれがあることを指摘してきた。さらに、義務規定の適用除外による報道の範囲があいまいな上、基本原則が適用されることで取材・報道活動が萎縮し、表現の自由の侵害するおそれがある点を指摘してきた。

本日閣議決定された修正案は、相変わらず個人情報を取扱う側の立場からの主張であり、旧法同様の包括法である。主務大臣には、事業内容やその規模・事業目的、一定量以上の個人情報を取扱うすべての事業者に報告を求め勧告・命令する権限がある。

行政機関等の個人情報保護法案は、職員が個人的動機に基づき、個人情報を不正に利用した場合の罰則であり、昨年発覚した防衛庁の情報公開者請求リスト問題のような職場や官庁内の不正な行為について対処したのものではない。

以上、新たに閣議決定された法案は何ら以前と変わるものではなく、政府与党は、廃案となった法案を取り繕ったものであると我々は認識している。《民主党ニュース》



3月7日 その日のできごと(何の日)