平成5165日目
2003/02/28
この日のできごと(何の日)
【名古屋刑務所暴行事件】事務次官ら11人処分
名古屋刑務所の一連の受刑者死傷事件を受け、森山真弓法相は28日、現場の刑務所長らが真相究明を怠ったことの監督責任を問い、但木敬一事務次官を厳重注意に、法相への報告を怠ったとして中井憲治矯正局長を戒告にした。このほか前名古屋刑務所長(現名古屋矯正管区付)を停職3カ月の懲戒処分にするなど9人を処分した。
処分者は計11人に上り、刑務官の暴行で死者2人、重傷者1人を出した前代未聞の事件は、法務省幹部の大量処分に発展した。森山法相は「誠に申し訳なく、なんとおわび申し上げれば良いか分からない。法相としての責任を痛感している」と陳謝し、自らは閣僚給与を3カ月間、自主返納することを明らかにした。《共同通信》
昭和64年1月1日〜このサイトをご覧頂いている日の一週間前まで、すべての日の「何らかの」できごとを記しています。
情報量が少ない日は随時加筆中です。
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古い記事の多くは「書き写し」のため、誤字脱字が多数あります。見つけ次第修正しています。
【自民党】新ポスター公表
自民党は4月の統一地方選、衆参統一補選に備えて作成した3種類のポスターを28日、公表した。「元気を出そう、ニッポン」が共通のキャッチフレーズだ。小泉純一郎首相(党総裁)が居酒屋で談笑している写真の下に「夢を語りあおうじゃないか」と書かれたタイプ、「GENKI」という文字の横で腕組みする首相の全身写真を配したタイプ、大書されたキャッチフレーズの下で「逆風」を受けながら前進する首相のイラストが小さく描かれたタイプの3種類。それぞれ6万枚ずつ印刷し、都道府県連に配布する。「支持率低下の影響か、これまでより首相の写真が小さめになっている」(党関係者)との指摘も−。《共同通信》
【産業再生機構】初代社長に斉藤惇氏
政府は28日、今春の発足を目指す産業再生機構の初代社長に元野村証券副社長の斉藤惇氏(63)、再生機構の内部で企業再建の是非などを判断する産業再生委員会の委員長には弁護士の高木新二郎・独協大教授(67)を起用する人事を決定し、発表した。
機構、委員会のトップが決まり、再生のために債権を買い取る企業選定の作業が本格的に始まり、政府主導の産業再生が始動する。福井俊彦氏の就任が内定した日銀総裁の後継人事に続き、デフレからの脱却を期す小泉政権の経済政策を左右する重要人事が決着した。
谷垣禎一産業再生担当相は、28日の記者会見で「お二人とも最適の経験と能力を持った人物。わが国の産業再生を大きく進めることができる」と述べ、金融・企業再生の実務経験豊富な人材をトップに据えた意義を強調した。《共同通信》
【政界談話室】
○・・・民主党の岡田克也幹事長は28日の会見で、日韓間で問題となっている「日本海」の呼称について見解を問われ「日本では日本海という名前が常識として通用し、国際的にも通用している。あまり変える必要性は認められないが、政治的問題になってくると日韓関係にも影響するので…」と述べたところで、言葉に詰まりしばし沈黙。「難しい質問をしたねえ」とぼやきながら「問題を勉強したい」と締めくったが、自他ともに認める政策通も、微妙な国際問題だけに君子危うきに近寄らず?《共同通信》
【ジャンプ】
ノルディックスキーの世界選手権第11日は28日夜、イタリア・バルディフィエメでジャンプのノーマルヒルを行い、葛西紀明(土屋ホーム)が合計259.5点で3位に入り、ラージヒルの銅、団体の銀と合わせて今大会3個目のメダルを獲得した。
葛西は1回目に99メートルで7位だったが、2回目に104メートルをマークした。
宮平秀治(ミズノ)は1回目に101メートルで2位につけたが、2回目も101メートルと伸びず、葛西に0.5点差の4位で表彰台を逃した。《共同通信》
【この日の民主党】
[衆院本会議]民主党の公共事業改革構想を提起
衆議院本会議で28日、内閣提出の社会資本整備重点計画など2法案と民主党提出の公共事業基本法案の趣旨説明および質疑が行われた。
公共事業基本法案の趣旨説明に立った鉢呂吉雄議員は、官僚主導の公共事業長期計画に基づいて続けられている無用の事業の数々が環境や地域生活を破壊している実態を厳しく批判。その上で、国および特殊法人が実施する公共事業の計画を公共事業中期総合計画に一本化すること、計画を国会承認事項とすること、事業内容を公益的事業に限定すること、目的を失った事業などについては継続の適否を判断するための再評価を行うことなどを盛り込んだ法案内容を提起し、党派を超えた支持を訴えた。
質疑では、阿久津幸彦議員が両提出者に対して質問。民主党がすでに一昨年に包括的な公共事業改革の構想を法案として提起(公共事業基本法案、公共事業総量削減法案、公共事業一括交付金法案、緑のダム法案)していることを紹介した上で、(1)あるべき公共事業の理念(2)政府の事業一本化(3)公共事業の地域への移管(4)道路特定財源見直し(5)計画の国会承認(6)事業の再評価・事後評価──の6つのポイントについて質した。
公共事業の理念について小泉首相は、「重点化・効率化を進める」という政策論を述べるのみ。これに対して民主党の法案提出者として答弁に立った大谷信盛議員は、地方分権の理念を徹底させるべきだとし、それに基づいて、国有林野、ヒトケタ国道、拠点空港・港湾など限定された公益事業以外は地方に移管するという考え方を説明した。
政府全体での事業の一本化については、首相が「事業間の連携」の問題にすりかえてごまかしたのに対し、民主党の法案提出者の佐藤謙一郎議員は、縦割り行政の弊害を打破するために政府全体の16本の計画を一本化した、と明快に述べた。
道路特定財源の見直しをめぐっては、首相が「受益と負担の観点から、暫定税率延長と使途の多様化を図る」などとして抜本的に見直す考えのないことを示唆したのに対し、佐藤議員は「道路特定財源を廃止し、縦割り行政の弊害を徹底的に排除する」とした。
計画の国会承認について首相は、予算の国会承認によって公共事業に対する国会の関与も担保されているなどと答弁。公共事業改革にまともに取り組む意思のないことをさらけ出した。大谷議員は、公共事業基本法案においては実施計画の国会承認を盛り込むとともに、目的を失った事業などの再評価および継続にあたっての国会承認を義務付けていることを説明した。
都知事候補擁立「来週には具体的な名前を」岡田幹事長
民主党の岡田克也幹事長は、28日の定例記者会見で都知事選候補擁立に触れ、「海江田万里都連会長から都連としての意見集約が4者協議に報告された。来週金曜日(7日)には名前が挙げられるよう」に人選を進めると語った。
国会情勢では昨日4党の幹事長・国対委員長会談で、大島農水相、森山法相、健保3割負担凍結、日銀総裁内定者から話を聞くことの4点で「さらに共闘を進めることで合意」したことを報告した。
また、自由党との合流、政権交代への国民運動の構築では「3日に藤井幹事長と会い、協議の枠組みを決める予定」と報告。党内の意見集約について「2か月かけてていねいに進めていく」と述べた。
連合「パート・有期契約労働者の集い」で菅代表が挨拶
2003春季生活闘争の一環としてパート労働者の処遇改善に取組んでいる連合は28日、東京・日比谷公会堂で「2・28 パート・有期契約労働者の集い」を開催。民主党から菅直人代表が出席し、連帯挨拶した。
挨拶に立った菅代表は、27日に都内の百貨店と千葉県浦安市内のスーパーでパート労働の実態視察を行ったことを紹介し、「正社員と同じように、7時間、8時間働き、10年以上働く方もいた。そして均等待遇という大きな目標の前では、正社員のみなさんとは相当に差があることもわかった」と報告。その上で、格差を是正し、欧米なみの均等待遇を実現するために、民主党として「短時間労働者の均等待遇及び適正な就業条件の確保に関する法律案(仮)」の骨子をまとめたことを明らかにし、今後もパート労働者の処遇改善のために党を挙げて前向きに取組む決意を述べた。
閉会後、参加者は銀座方面に向けてパレード。参加した民主党の国会議員も「すすめよう パートの仲間づくり!」「つくろう パートの均等待遇!」と書かれた黄色い風船を手に行進し、待遇の改善を訴えた。
集会・パレードには、民主党の総合雇用政策特命担当ネクスト大臣で、総合雇用対策特別政策会議座長の城島正光衆議院議員、同副座長の水島広子衆議院議員のほか、肥田美代子男女共同参画委員長、岡崎トミ子、神本美恵子、小宮山洋子、谷博之、羽田雄一郎の各参議院議員が駆けつけた。
河村、山花議員らが府中刑務所を視察
民主党の河村たかし、山花郁夫の両議員は28日夕、野党4党の法務委員会理事・委員らで東京・府中市にある府中刑務所を訪れ、同所で保護房収監中に死亡した2人の受刑者の詳しい死因、死亡当時の状況などを調査した。両議員以外の参加者は、自由党の石原健太郎、共産党の木島日出夫、社民党の保坂展人の各議員。
一行はまず管理棟内の会議室で所長らから説明を聞いた。所長の説明では、死亡した2人のうち1人は99年8月、奇声・大声を発したため12回目の保護房入りとなった翌日早朝、呼吸微弱の状態で発見され、まもなく心不全で死亡。もう1人は、奇声・大声を発したため約1か月前から保護房入りが続いていた02年4月、自発呼吸がない状態でいるところを発見され、急性心不全による死亡が確認された。いずれも革手錠の使用はなく、検死でも外傷等は見られなかったという。
続いて一行は受刑者を収監するエリアに案内され、実際に独居房や保護房、治療施設、監視カメラシステムなどを順次視察した。ここからは写真撮影はもちろん、携帯電話やたばこの持ち込みも禁止される。同エリアに入って最初に目に入った柱上トランスの載っている電柱は、感電による自殺を防止するためか、よじ登れないよう、途中にぐるりと柵が設けてあった。
施設内は清掃が行き届いており、予想以上に衛生的な状態だ。独居房は満室に近い状況で、房の扉が並ぶ廊下を歩くと、各房に受刑者の姿が監視窓を通して見える。各房は3畳ほどの広さで4分の3ほどが畳敷き。17時30分に就寝時間となるため、房内の受刑者の多くはすでに寝具をかけて横たわっているが、起きている者もいる。途中、ある房からは吠え声のような奇声が繰り返し聞こえていた。
続いて案内された保護房は、実際に中に入ることができた。広さは独居房よりも若干広く、4畳程度か。全面板張りの壁にリノリューム張りの床。窓は、天井近い高さに一応明かり取りがある。設備は床にぽっかり四角い穴があいたような陶器製の便器、床の高さにある洗面台だけ。夜間も定期的に中の様子を監視するために蛍光灯の照明は消灯しない。壁を引っ掻いて書いた「○○参上」などの落書きが目につく。見学した房の両側には、受刑者を収監中らしき保護房があり、ドアに収監日を「2/26」などと記した紙片が張られている。独居房と異なり、監視窓は蓋が閉じてあるため、中の様子は分からない。保護房は15室あるという。
保護房などを天井のカメラで24時間監視しているというモニターは計23台。うち18台は7秒ごとに画面が切り換わり、他の5台は手動で切り換える。また、「集中治療室」ということで案内された病室は、普通の病院のICUのような高度な医療機器は見当たらず、学校の保健室のような雰囲気。2人がベッドに寝ていた。人工透析を受けているのだそうだ。
再度会議室に戻り、革手錠を見せてもらった。参加議員の1人が「名古屋刑務所で見たのは、ずいぶん使い込まれたようだったが、ここのは新品同様だね」と言うと、「実際、あまり使っていませんので」との説明。牛革を重ねて厚さ8ミリほどになっているが、かつて、これを道具を使わずに切って取り外してしまった猛者もいるという。府中刑務所では、各種の革手錠を合わせて34組保有する。
見学を終えての意見交換。「保護房に入れることで、いったいどういう効果があるのか。精神疾患が原因で奇声を発する場合、さらに病気が進行しないか」「名古屋刑務所の事件も、最初は『病死』とされていた。府中の2件は本当に大丈夫か」「名古屋の事件についてどういう感想を持つか」などの質問が続く。「名古屋の事件については、一言で言えば残念だ」と所長。「犯行には多数の刑務官が関与していた。組織の体質が一般社会とは違うのではないか」との質問には「指揮が悪かったのだと思う」。「名古屋の噂は聞いていたか」「聞いていない」。
あれだけの国会審議の後ということもあるが、調査には非常に協力的な印象で、話を聞いている限りでは、特に重大な問題を隠蔽しているようでもない。その府中刑務所でも、昨年1年間に法相等に処遇改善を訴える情願が計316件、人権擁護局への申し立てが18件あったという。最後に、人員増の希望を問われると、「刑務官(現在470人)をあと100人、医官(現在10人)をあと5人増やしてもらいたい」と率直な回答。議員たちは、「何とか実現できるよう努力する」と約束した。
視察を終え、管理棟前のゲートを出た正面には立派な武道場があり、おそらく刑務官たちであろう人々が剣道の稽古に励んでいる様子が見えた。敷地内には幾棟もの官舎が並ぶ。敷地を出たところでは、学校帰りなのだろうか、友人たちと別れて官舎の方向に向かう中学生たちとすれ違った。
「議運委員長職権による本会議開催決定は許されない」野党4党
03年度予算の衆院採決日程をめぐる与野党の攻防が続くなか、予算委員長と議院運営委員長が28日、予算委員会と本会議の開催をあいついで職権で決めたことに、野党4党は一斉に反発。民主党の野田佳彦国対委員長は緊急に記者会見を開き、朝の定例記者会見で表明した「3日の予算委の午前の集中審議と午後の締めくくり総括質疑には出席して論陣を張る」という方針を撤回し、集中審議には出席するものの、締めくくり総括質疑以降の委員会・本会議については、3日朝の4野党国対委員長会談で協議するとしている。
「法制局問題のけじめなしの日程協議には応じない」野田国対委員長
民主党など野党4党の国会対策委員長は28日午前、衆議院で大詰めを迎えた03年度予算審議への対応を協議した。この結果、大島農水相の金銭スキャンダルについての想定問答を衆院法制局が作成していた問題について、三権分立の根本にかかわること、今後の立法・調査活動にも支障をきたすことなど、「衆議院全体の問題になった」として、この問題についての「けじめ」をつけるまでは、衆議院本会議の日程協議には応じないことで合意した。
昨日昼から開かれた衆院予算委理事会では、窪田衆院法制局長が大島農水相の答弁書作成に関する事実関係を説明。しかし、その内容は26日の委員会での答弁の域を出るものではなく、「以前から答弁書を作成していたのではないか」などの野党側理事の質問にも守秘義務を楯に返答を拒んだため、野党側は猛反発。野党側は大島答弁に法制局が関わっていた問題の集中審議を要求したが、与党側はこれを拒否。最終的に藤井予算委員長が「3日午前に総理も出席し外交問題で3時間の集中審議、午後は5時間の締めくくり総括質疑をすべて野党の質問時間とする」との委員長案を提示し、各党がこれを持ち帰った。
野党4党国対委員長会談では、法制局問題を積み残したまま3日の締めくくり総括質疑を行うことには「強い不満がある」とし、採決での委員会開催となれば反対するが、審議には参加することを確認した。野田国対委員長は、会談後の定例記者会見で、この方針について「イラク・北朝鮮情勢が緊迫化していることから集中審議には参加し、民主党としては米国・イラク訪問の成果も発揮できるようにしたい。締めくくり総括質疑についても、小泉首相の弟の経営する企業の問題など宿題があるので、審議に出て論陣を張るというスタンスでいきたい。初心を貫いて徹底して審議を尽くす」と説明した。
一方、法制局問題については、倉田参議院議長から「やってはいけない『禁断の実』に手をつけた。三権分立に触れるのではないか。参院では、個人的な問題についての相談は一切断っている」とのコメントも出るなど、「衆議院全体としての沽券(こけん)に関わる問題になっている」(野田国対委員長)ため、衆院議運委に場を移したうえで、引き続き厳しく追及し、明確なけじめを求めることとなった。
「『けじめ』とは具体的に何か」との記者の問いに対し野田国対委員長は、「法制局長、法制次長を含め、答弁の作成経緯についてしっかり事実解明して、責任があるならば責任をとってもらう」ことだと説明。また、「法制局のいろいろな問題が吹き出しており、三権分立という大事な問題をどう整理するのか、野党の議員立法などの立法・調査活動にも支障を来す状況にある。法制局は議長直轄の組織なので、議長の判断も求められる」と述べ、一歩も引かぬ強い決意で法制局問題の決着を迫る考えを表明した。《民主党ニュース》