平成5166日目

2003/03/01

この日のできごと(何の日)

【イラク】ミサイル4基の廃棄開始

イラク政府は1日午後、バグダッド北西のタージの施設で国連監視検証査察委員会(UNMOVIC)の監視下、国連安全保障理事会決議に違反するとされる弾道ミサイル「アッサムード2」の廃棄作業を開始した。

初日の廃棄対象は4基で、イラク当局者は同日夕、AP通信に対し、この日の廃棄作業が完了したと語った。

UNMOVICとイラク政府は1日午前の技術協議で、廃棄実施について合意。UNMOVICは1日をミサイル廃棄着手の最終期限に設定しており、イラク側は期限ぎりぎりで査察団の要求に応じたことになる。《共同通信》

国連査察団は同日、大量破壊兵器開発に関与したとみられるイラク人科学者2人に対し、2月28日に立会人なしで事情聴取したことも明らかにした。

これらのイラクの協力姿勢は、UNMOVICのブリクス委員長が7日に安保理で行う予定の査察追加報告に反映されるため、武力行使容認の新決議案をめぐる安保理協議でフランスなど査察継続・攻撃回避派の立場を強める狙いとみられる。《共同通信》

対イラク攻撃へ向けた軍事、外交両面での準備を進めるブッシュ米政権は、1日に始まったイラクの弾道ミサイル「アッサムード2」の廃棄にもかかわらず、開戦への強硬姿勢を緩める動きを見せていない。

米政権はイラクが国連査察団のミサイル廃棄要請を受け入れた先月27日前後から「ブッシュ大統領はイラクが欺まんのゲームの一環としてミサイルを廃棄すると予想していた」(フライシャー大統領報道官)と、イラクの決定を重視しない立場を打ち出していた。

ブッシュ大統領も同ミサイルは「(イラクの大量破壊兵器問題の)氷山の一角」と述べ、廃棄開始が米国の求める「即時かつ完全な武装解除」には程遠いとの見解を強調してきた。ミサイル廃棄で査察継続派のフランス、ドイツ、ロシア、中国などが勢いづくのが必至であることから、事前に“予防線”を張っていたと言える。

米国はミサイル廃棄の開始が国際社会のイラク問題への論議に与える影響をできるだけ限定したものにして、国連安保理での対イラク武力行使容認の決議採択へ向けた多数派工作に全力を挙げることにしている。《共同通信》

エジプト東部シナイ半島の保養地シャルムエルシェイクで1日、アラブ連盟(加盟22カ国・機構)の定例首脳会議が開かれ、アラブ首長国連邦(UAE)のザイド大統領は米英両国による対イラク武力行使を回避するため「イラク指導部の退陣と国外退去」を呼び掛ける書簡を提出した。

アラブ諸国の指導者がイラクのフセイン大統領の亡命を正面から呼び掛けたのは初めて。これまで「フセイン大統領が亡命するなら戦争回避は可能」と明言してきた米国のブッシュ政権の意向に沿った動きとみられる。

ザイド大統領は書簡の提案を首脳会議の決定として採択するよう求めている。イラク問題では、アラブ各国の思惑は大きく異なっており、首脳会議の議論では、曲折も予想される。《共同通信》

トルコ国会は1日夜、対イラク戦に向けた米軍の国内駐留の承認を求めた政府案を小差で否決した。賛成は264票で反対250票を上回ったが、承認に必要な出席議員数533人の過半数には、わずかに達しなかった。

与党、公正発展党(AKP)は2日、緊急に対応を協議。ギュル首相は「取るべき措置が取られるだろう。心配は要らない」と述べ、修正案提出の検討など事態打開を最優先する姿勢を見せたが、同党有力議員が党幹部の会議後「新たな提案は当分ない」と述べるなど、先行きは不透明だ。

国連安全保障理事会でイラク攻撃容認の新決議採択を急ぐ米政府にとっては、政治、外交的に大打撃。イスラム国としては積極的支援国とみられていたトルコの拒否が国際社会の反戦論を勢いづかせるのは間違いない。《共同通信》

昭和64年1月1日〜このサイトをご覧頂いている日の一週間前まで、すべての日の「何らかの」できごとを記しています。

情報量が少ない日は随時加筆中です。

引用記事は名前、住所など一部修正の上、抜粋してあります。

外国の方のお名前、地名などは現時点で一般的に通じるものに書き換えています。(例・ロシアのプーチン氏はかつてプチン氏と表記されていました)

古い記事の多くは「書き写し」のため、誤字脱字が多数あります。見つけ次第修正しています。

このサイトについて

【サッカー】

サッカーJリーグの開幕を告げるゼロックス・スーパーカップは1日、東京・国立競技場に22904人を集めて行われ、昨年のリーグ覇者の開ジュビロ磐田が天皇杯優勝の京都パープルサンガに3−0で快勝した。磐田は3年ぶり2度目の優勝で、賞金3000万円を獲得した。

磐田は後半17分に藤田が個人技を生かして先制。さらに、28分、41分とグラウが決めて2点を加えた。磐田は、2月のA3マツダ・チャンピオンズカップでは全3試合無得点だったが、開幕に向け好感触をつかんだ。

京都は前半途中までは互角だったが、後半は攻め手を欠いた。《共同通信》

【スノーボード】

スノーボードのワールドカップ(W杯)札幌真駒内大会第3日は1日、札幌市真駒内スキー場で男女のハーフパイプ(HP)第6戦を行い、男子の成田童夢(ムラサキク)が41.1点で3位に入った。成田は優勝した第4戦以来、W杯2度目の表彰台となった。

1月のジャパン・カップ優勝の14歳、国母和宏(北海道・花川中)が4位、ソルトレークシティー五輪5位の中井孝治(アメリカン)が6位、中山悠也(白馬ク)は9位。42.7点のマグヌス・ステルネル(スウェーデン)が今季2勝目、通算4勝目を挙げた。

女子の日本勢は成田の妹、成田夢露(ムラサキク)の6位が最高で、今季第2戦を制した山岡聡子(白馬ク)は7位。レスリー・マケナ(英国)がW杯初優勝した。《共同通信》

【フィギュア】

フィギュアスケートの世界ジュニア選手権最終日は1日、オストラバ(チェコ)で女子シングルの自由演技を行い、太田由希奈(京都醍醐ク)が逆転優勝し、安藤美姫(オリオンク)が銀メダルで、日本勢として同選手権初の1、2位を占めた。日本女子の優勝は佐藤有香、小岩井久美子に続き10季ぶり3人目。

初出場の浅田舞(クランプリ東海ク)も4位で、日本女子の層の厚さを示した。

ジュニア・クランプリ・ファイナルと合わせて今季のジュニア主要国際2大会を制した太田は表現力豊かな演技、全日本ジュニア選手権優勝の安藤は大きなジャンプを拔露。浅田も今大会1人だけ決めたトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)など切れのあるシャンプで、持ち味を発揮した。

フィギュアスケートのクランプリ(GP)ファイルナル最終日は1日、サンクトペテルブルク(ロシア)で各種目の第2自由演技を行い、女子シングルで、荒川静香(早大)が4位、村主章枝(早大)は6位となった。

荒川は第2自由演技だけなら3位となり、前日の5位から順位を上げた。ソルトレークシティー五輪4位のサーシャ・コーエン(米国)が前日の2位から逆転で初優勝し、大会4連覇を狙ったイリーナ・スルツカヤ(ロシア)は2位。

男子シングルはエフゲニー・プルシェンコ(ロシア)が前日のショートプログラム、第1自由演技に続き、この日も1位となり、2季ぶり3度目の優勝を飾った。《共同通信》

【東京航空交通管制部】システム故障

1日午前7時ごろ、埼玉県所沢市の国土交通省東京航空交通管制部(東京ACC)のコンピューターシステム2系統がダウンし、羽田や成田など全国の空港を出発する航空機が約20分間にわたり全く離陸できなくなった。約1時間後、システムの一部を立ち上げ、午前11時ごろに前面復旧したが、空のダイヤは最終便まで大幅に乱れ、遅れや欠航に伴い航空3社だけで計27万3000人が影響を受けた。

国交省のまとめでは計203便が欠航、約6時間50分を最長に1443便に30分以上の遅れが出た。

2系統がダウンしたのは1998年1月以来。この日は未明から管制システムプログラムを修正しており、国交省はこの作業が原因となった可能性が高いとみて調べている。《共同通信》

【安倍晋三官房副長官】「北朝鮮、テポドン発射も」

安倍晋三官房副長官は1日午後、愛知県田原町などで講演し、黒鉛減速実験炉の再稼働など核開発問題で強硬姿勢を示す北朝鮮について「この後、北朝鮮は(弾道ミサイルの)テポドンを海に向かって発射する可能性がある」と述べた。この発言が北朝鮮に関する政府部内の情報に基づくかどうかは不明だが、瀬戸際外交を一層強める北朝鮮への警戒感を強調する狙いがあるとみられる。

大量破壊兵器廃棄を求める国際社会のイラク対応に関しては「北朝鮮が見ている。これに失敗すると自分たちもやっても平気だ、国際社会は対応できない、と考える」と述べ、イラクと北朝鮮の情勢が連動しているとの見方を示した。

イラクが大量破壊兵器を廃棄しなかった場合には「北朝鮮は決して武装解除しない。核を持つだろう」とも指摘、イラク問題で米国と同一歩調をとる必要性を強調した。

北朝鮮のミサイル問題では「ミサイル攻撃された場合、そのミサイル基地を攻撃するのは米軍だ。これが日米同盟だ」と述べ、北朝鮮に強く自制を促した。その上で「北朝鮮でも、イラクでも、しっかり抑止力を働かせるため(日米)同盟は確固たるものにしないといけない」と述べた。《共同通信》

【茂木敏充外務副大臣】イラクへ出発

首相特使としてイラクを訪問する茂木敏充外務副大臣は1日午後、成田発の日航機で出発した。茂木氏は成田空港内でイラクのシャーキル駐日臨時代理大使と会談し、バグダッドでのフセイン大統領との会談の実現を重ねて要請した。

茂木氏は出発前に「最後の最後まで外交的努力を続ける。イラクが変わらなければ大変な事態になることを訴えたい」と述べた。茂木氏は2日にヨルダンのアブドラ国王らと会談。同日夜、バグダッド入りし、3、4両日にイラク政府要人との会談を予定。フセイン大統領、サブリ外相との会談を求め、国連査察への全面協力を求める小泉首相の親書を手渡す構えだ。《共同通信》

【韓国】3.1独立運動記念日

韓国のソウルで、3.1独立運動の記念日に当たる1日、北朝鮮の核開発阻止などを求める保守派の大規模集会と、北朝鮮代表を招いた進歩派による集会がそれぞれ開かれ、北朝鮮に対する韓国社会の葛藤が浮き彫りになった。

ソウル市庁前広場では約800の保守的な団体に所属する市民約5万人が参加し、「反核、反金正日」を掲げた国民大会を開催。韓国と米国の国旗を振り、「在韓米軍削減反対」や「北韓(北朝鮮)核開発阻止」などと叫んだ。《共同通信》

【自民党・古賀誠前幹事長】首相をけん制

自民党の古賀誠前幹事長は1日午後、福岡県大牟田市で講演し「われわれの21世紀の国家像に(小泉純一郎首相の理解が得られないとするならば、9月の総裁選では私たちの旗を掲げるということも必要だ」と述べ、首相が大胆な政策転換を進めなければ、対立候補を擁立することもあり得るとの考えを示した。

ただ「いたずらに、足を引っ張るような政治手法は許されるものではない。首相に政策転換をお願いし、一体となって政治に取り組むことが最も大事だ」とも述べた。

解散・総選挙については、深刻な経済、国際情勢を踏まえ「政治の空白をつくるべきではない」と重ねて強調。さらに「解散をやった方が、総裁選で自分の再選に得をするという個利個略に使うべきではない」と、首相をけん制した。《共同通信》

【アメリカ同時多発テロ事件】主犯格を拘束

パキスタンの治安当局は1日、2001年9月の米中枢同時テロの主犯格容疑者の一人として米連邦捜査局(FBI)が指名手配、米大陪審が起訴していたテロ組織アルカイダの幹部ハリド・シェイク・モハメド被告を拘束した。

パキスタン政府高官は同被告の身柄が既に米国に引き渡され、出国したと語ったが、ハヤト内相は2日、ロイター通信に対し、引き渡しを否定、同被告がパキスタン国内で拘束されていると述べた。

同被告はウサマ・ビンラディン氏、アイマン・ザワヒリ氏に次ぐナンバー3とされ、FBIの「最重要テロリスト」22人のうちの一人。米国の対テロ戦で、02年3月のアブ・ズベイダ上級幹部(作戦担当)拘束と並ぶ最大級の成果となった。

モハメド被告は1994年12月、日本人男性1人が死亡、数人が負傷した成田行きフィリピン航空機内爆発事件にも関与したとされる。95年に起きた米旅客機12機に対する爆破未遂事件で、96年1月、米大陪審が起訴していた。

また、2002年1月に誘拐された米紙ウォールストリート・ジャーナルのダニエル・パール記者を殺した実行犯の一人ともされ、アルカイダが関与したとみられるテロで中心的な役割を果たした疑いが強い。

米政府は1日「米、パキスタン両政府の共同作戦で逮捕されたのは称賛すべきことだ」との声明を発表した。

モハメド被告は、首都イスラマバード近郊のアジトに、アラブ人、パキスタン人の2人と潜んでいたところを共に拘束された。《共同通信》

【ボクシング】

世界ボクシング協会(WBA)同評議会(WBC)ライトヘビー級チャンピオンのロイ・ジョーンズ(米国)が、WBAヘビー級王者のジョン・ルイス(米国)に挑戦したタイトルマッチ12回戦は1日、ラスベガスのトーマス・アンド・マックセンターで行われ、ジョーンズが3−0の判定で快勝した。

元国際ボクシング連盟(IBF)ミドル級、スーパーミドル級王者のジョーンズは4階級制覇を達成。戦績を49戦48勝(38KO)1敗とした。元世界ミドル級王者が体重無制限のヘビー級チャンピオンとなったのは、1897年のボブ・フィッツシモンズ(英国)以来106年ぶり2人目の快挙。

また、世界ライトヘビー級王座を保持したままヘビー級タイトルを奪取したのは、1985年にマイケル・スピンクスがラリー・ホームズ(ともに米国)を破って以来史上2人目。

3度目の防衛に失敗したルイスの戦績は、44戦38勝(27KO)5敗1分け。《共同通信》

【この日の民主党】

菅代表、連合3.1総決起集会で生活防衛と国際平和訴える

民主党の菅直人代表は1日、東京・明治公園で開かれた連合の「国民生活と世界の平和を守る3.1総決起集会」で政党代表として激励の挨拶を行い、「日本の社会も経済も崩壊しつつあり、連合の皆さんと連帯して1日も早く野党の政権を樹立しよう」と訴えた。

集会には関東近県を中心とする連合傘下の組合員2万人余が「イラク攻撃反対」のプラカードなどを手に参加。笹森清連合会長は、「小泉内閣になって良くなったことは一つもない。絶望的な失業率、国民の生活をいためつける雇用保険料・医療費・介護保険料・年金保険料など公的負担引き上げの目白押し、こんな日本に誰がしたのだ。連合は、生活不安解消のための政策転換をただちに求める。今こそ総力戦で日本再生に立ち向かおう」と春季生活闘争の意義を訴えるとともに、イラク・北朝鮮問題など緊張高まる国際情勢について、「日本をいつか来た道にしてはならない。不戦の憲法を持つ国として、日本が世界平和へのメッセージを送り続けることが重要だ」と述べ、連合が世界平和の闘いの先頭に立つ決意を表明した。

ICFTU国際自由労連のガイ・ライダー書記長からも「国際自由労連傘下の1億5800万人の労働者が、すべての政府に対して平和的解決への努力を訴えよう。平和のためにまだ時間はある。今はまだ戦争をすべきときではない。平和の選択はまだ使い果たされてはいない」とするメッセージが寄せられた。

民主党全国幹事長・選対責任者会議開く

民主党は1日午後、衆院予算委で大詰めを迎えている03年度予算審議をめぐる国会情勢、野党結集の取り組みの現状、統一地方自治体選挙対策などについて意見交換を行うため、党本部で全国幹事長・選対責任者会議を開いた。

冒頭、菅直人代表は、「前回の全国幹事長会議から2か月半経過したが、幸い、全員野球で小泉内閣に反転攻勢をかけることができていると報告できることをうれしく思う。予算審議でも『政府案はおかしい』と言うだけではなく、新たな雇用100万人、個別補助金を一括交付金に改めることなどを盛り込んだ民主党予算案を提案している。私は『7対3』と言いたいところだが、明らかに野党の攻勢が続いている。統一自治体選挙を目の前に迎え、民主党がさらにその後にくる総選挙で政権交代を果たせるか、前哨戦としての統一自治体選挙に勝利していけるかということが本日の会議の課題だ。マイナスを少なくともゼロに回復することはできたので、これからプラスに転じることをめざし、十分に議論していただきたい」と挨拶した。《民主党ニュース》



3月1日 その日のできごと(何の日)