平成5135日目

2003/01/29

この日のできごと(何の日)

【大相撲・朝青龍関】横綱昇進

日本相撲協会は29日午前、東京・両国国技館で大相撲春場所(3月9日初日・大阪府立体育会館)の番付編成会議と理事会を開き、大関朝青龍明徳=モンゴル出身、高砂部屋=の横綱昇進を正式に決めた。

横綱誕生は1999年夏場所後の武蔵丸以来で68人目。モンゴル出身では初の横綱で、外国出身では曙、武蔵丸に次ぎ3人目。春場所は東西とも外国出身横綱となる。高砂部屋からは59年春場所後の朝汐(のちの朝潮)以来。

協会はその後、東京都墨田区の高砂部屋に伊勢ノ海理事(元関脇藤ノ川)と谷川親方(元前頭白田山)を派遣し、朝青龍に昇進を伝達した。

紋付き羽織はかまの正装で使者を迎えた朝青龍は「謹んでお受けいたします。一層けいこに精進し、横綱として相撲道発展のために一生懸命頑張ります」と口上を述べた。土俵入りは雲龍型となる。

朝青龍は相撲留学した高知・明徳義塾高を経て、99年初場所初土俵。昨年名古屋場所後に大関に昇進し、同九州場所、今年初場所と連続優勝した。《共同通信》

「横綱として相撲道発展のため、一生懸命頑張ります」。第68代横綱に昇進した朝青龍は29日午前、東京都墨田区の高砂部屋で行われた伝達式で、口上に意気込みを表した。

日本相撲協会からの使者、伊勢ノ海親方(元関脇藤ノ川)と谷川親方(元幕内白田山)が午前9時50分に同部屋に到着。黒の羽織はかまに身を包んだ朝青龍は、昇進を伝えられると、よどみないしっかりした口調で口上を述べた。

伝達式後の記者会見では、前夜から口上の練習を繰り返したことを明かし、「ちょっとドキドキしたけど、思い通りやれた」とほっとした様子。「言葉で言えないくらいのうれしさ。でもこれで終わりではない。責任が重くなる分、ファンにいい相撲を見せられるよう頑張る」と誓った。

師匠の高砂親方は「夢がかなったという気持ちでいっぱい」と感無量の表情。貴乃花が土俵を去った後、新横綱への期待は高まるばかりで、「さらに責任が増した。師弟がお互いに努力していかないといけない」と気を引き締めた。

28日夜に来日した父のドルゴルスレンさんは「最高のブレゼントだ。感動して言葉が出ない」と感慨深げに話した。昨年暮れに結婚したタミル夫人は「うれしい気持ちでいっぱいです」と夫を頼もしそうに見つめた。《共同通信》

昭和64年1月1日〜このサイトをご覧頂いている日の一週間前まで、すべての日の「何らかの」できごとを記しています。

情報量が少ない日は随時加筆中です。

引用記事は名前、住所など一部修正の上、抜粋してあります。

外国の方のお名前、地名などは現時点で一般的に通じるものに書き換えています。(例・ロシアのプーチン氏はかつてプチン氏と表記されていました)

古い記事の多くは「書き写し」のため、誤字脱字が多数あります。見つけ次第修正しています。

このサイトについて

【宇多田ヒカルさん】シングル「COLORS」発売

【ペタジーニ外野手】巨人入団会見

ヤクルトから巨人に移籍し松井の抜けた穴を埋める大砲として期待がかかるロベルト・ペタジーニ外野手(31)が29日、オルガ夫人を伴って来日、東京都内のホテルで正式契約を交わした。2年契約で年俸600万ドル(約7億2000万円)プラス出来高で背番号は13。

昨季も41本塁打、94打点を記録するなどヤクルトでの4年間はすべて打率3割以上をマークし、本塁打も通算で160本塁打と安定した成績を残している。オルガ夫人と手をつないで会見場に現れた主砲は「チームが一丸となった結果が昨年の巨人の優勝だと思っている。その一員になれることを誇りに思っています。自分の目標は連覇に貢献するだけ」と活躍を誓った。《共同通信》

【日本人妻】家族と対面

朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)を脱出し、中国吉林省で公安当局に拘束された日本人妻(64)=東京都出身=が29日午前11時50分すぎ、瀋陽発の中国北方航空機で関西空港に到着し、44年ぶりに帰国。午後、全日空機で羽田空港に着き、家族と対面した。

その後、都内の医療センターに入って健康チェックを受けており、「中国政府、日本政府に対して感謝する」と話しているという。

北朝鮮を脱出した脱北者について、政府はこれまで中国当局との交渉で日本人妻や在日朝鮮人ら数十人を秘密裏に帰国させている。しかし今回は、中国当局が「脱北ブローカー」による誘拐事件として捜査、政府が初めて公然と帰国させるケースとなった。

これを受け政府は、北朝鮮からの帰国者に対する生活保護の適用など現行法の活用による生活支援の検討に着手した。

外務省は同日「在韓国の日本大使館に『中国に逃れている』との情報があり、女性が第三者の管理下にあると分かった。彼らは『金銭を払わないと女性を北に送還する』と言った」などとし、犯罪として対処したことを明らかにした。

関係者によると、女性は昨年11月、以前から知り合いだったソウル在住の脱北者男性の勧めで、国境越えを決意。同月28日深夜、国境警備員の監視の網をくぐり、川幅約20メートルの豆満江を渡った。川には氷が張り始めており、女性は冷たい水の中をはだしで、浅いところを探し歩いた。

中国側では朝鮮族の男性が待っており、歩いて約30分の民家で夜明けを待ち、車で吉林省延吉市郊外に向かった。その後は朝鮮族の民家数カ所を転々としながら潜伏生活を送った。

外務省の説明によると、今年1月になって「邦人が巻き込まれた犯罪」として中国政府に保護を要請。中国公安当局が同月15日未明、この女性を誘拐し日本政府に身代金を要求したとして、ソウル在住の脱北者男性ら2人を拘束した。

女性は北朝鮮での生活について「1970年に中朝国境近くの集落に追放された後は、山中でたきを集めたり、自生のジャガイモや山菜を採って生活した。冬は氷点下30度の日が続く厳しい環境の中、六畳一間の粗末な小屋で必死に生きてきた」と、支援関係者に話したという。

拘束された2人について外務省は「中国政府が調べており、われわれには特定できない」と述べ、中国側の対応を「非常に好意的だった」としている。《共同通信》

【オウム裁判】中川被告に死刑求刑

地下鉄サリン事件のサリン製造役とされ、計11事件で殺人、殺人未遂などの罪に問われたオウム真理教元幹部中川智正被告(40)の東京地裁(岡田雄一裁判長)での論告求刑公判で、検察側は29日午後、死刑を求刑した。

検察側は「刑事責任は、松本智津夫被告(47)=教祖名麻原彰晃=に次ぎ比類なく重大。強固な殺意に基づいて実行行為に加担しており、極刑をもって臨むほかない」と厳しく指摘した。

一連のオウム事件で死刑求刑は12人目。これまでに、中川被告と同様にサリン製造役とされた遠藤誠一被告(42)ら9人が一審で死刑、2人が無期懲役の判決を受けている。5月12日に弁護側が最終弁論をして結審、判決は秋ごろの見通し。《共同通信》

【政界談話室】

○・・・社民党の土井たか子党首は29日の記者会見で、衆院予算委員会での小泉純一郎首相の答弁をやり玉に。公共事業受注企業の献金禁止を求めた同党の横光克彦氏に、首相は「法律をつくっても違反するのだから、どうしようもない」と答えたが、土井氏は「脱法(行為)を認めるようなもの。法治国家の否定にもつながる」と憤まんやる方ない様子。さらに首相の「(公約違反は)大したことではない」発言を引き合いに、「大したことがある、由々しい発言だ」と追い打ちをかけた。《共同通信》

【中村喜四郎衆院議員】失職

最高裁第二小法廷(福田博裁判長)は29日までに、ゼネコン汚職政界ルートであっせん収賄罪に問われ、最高裁で上告を退けられた元建設相の衆院議員中村喜四郎被告(53)の異議申し立てを棄却する決定をした。

懲役1年6月、追徴金1000万円の実刑判決が確定、国会法、公選法の規定に基づき議員を失職した。保釈中のため近く収監され、刑期を終えるまで立候補できない。実刑確定による国会議員の失職は戦後3人目。《共同通信》

【参院予算委員会】

参院予算委員会は29日午後、2002年度補正予算案の審議を続行した。30日午後に小泉純一郎首相と全閣僚が出席する締めくくり総括質疑を行い、採決。補正予算案は同日夜の参院本会議で成立の見通し。

森山真弓法相は継続審議となっている人権擁護法案について「さまざまな意見や知恵をいただいている。それらを含め今国会で成立できるようにお願いしたい」と述べ、野党との修正協議の上で成立に強い意欲を示した。

平沼赳夫経済産業相は高速増殖炉もんじゅの設置許可を無効とした名古屋高裁金沢支部判決について「関係省庁と連携をとりながら上告を含め精査している」と述べ、上告を検討していることを明らかにした。

京都議定書で定めた温室効果ガス削減のための環境税導入について鈴木俊一環境相は「対策を進めるのに効果的手法。05年以降、導入するとの方針に基づき、具体的な検討を進めたい」と積極的な姿勢を表明。塩川正十郎財務相は「国民の了解と納得と協力を得るのが前提だ」と述べた。民主党の福山哲郎、公明党の福本潤一、社民党の福島瑞穂の各氏への答弁。《共同通信》

【AOL】赤字約12兆円

米娯楽・メディア最大手のAOLタイムワーナーは29日、昨年1−12月期の最終損失が986億9600万ドル(約11兆7000億円)に上るとする決算を発表した。

旧アメリカ・オンライン(AOL)と旧タイム・ワーナーが合併した2001年以降に起きたバブル崩壊に伴う株安で、インターネット事業のAOL部門を中心に発生した巨額な資産評価損を償却したためで、赤字額は米産業史上最大規模となった。

同時にAOLはグループ企業、米CNNテレビの創業者でもあるテッド・ターナー副会長が5月に辞任すると発表。同じ時期の辞任を既に発表しているスティーブ・ケース会長と合わせ、新旧メディアの「世紀の合併」を実現した経営トップが相次ぎ去ることになる。《共同通信》

【イラク・フセイン大統領】「米の首折る」

イラクのフセイン大統領は29日、軍高官を集めて演説し「米国人の頭に悪が居座り続けるなら、われわれが首を折る」と述べ、米軍が攻撃すれば、甚大な被害を与えて撃退すると宣言した。演説の模様は国営テレビで放映された。

フセイン大統領は、イラク攻撃に強い決意を表明した28日のブッシュ米大統領の一般教書演説には直接言及しなかったが、米国の脅しに屈しない姿勢を示した事実上の回答といえる。

フセイン大統領は、米国が中東地域に戦闘部隊を集結して砂漠で演習を行い、メティアを通じて軍事圧力を強めていることに触れ「イラクはこれらすべてを計算に入れ、軍事演習や国民への対応に取り組んでいる」と述べ、防衛態勢を整えたことを強調した。

イラク軍は過去の戦争で経験を積み強化されているとし「米国はイラクを傷付けることはできるが、どこまで傷付けられるかはよく計算すべきだ。イラクが容易な相手だとの幻想は抱くべきではない」とけん制した。

大統領は、イラク軍の反撃で米軍が大きな被害を受ければ「米国の名声や経済を傷付けるばかりか、世界全体に害を及ぼし、米国の地位は低下するだろう」と警告した。《共同通信》

【この日の民主党】

「近く党の予算案を発表」枝野政調会長

民主党の枝野幸男政調会長は29日、定例の記者会見を行い、野党4党の実務者ベースで協議中の医療費自己負担3割化凍結について、凍結の範囲をどこにするか、分かりやすいかかたちで提示する方針を明らかにした。金曜日の野党4党政策責任者会議で最終的に内容を決める予定。

また、「もんじゅ判決」への対応について枝野政調会長は、原子力の安全性を第三者機関でしっかりチェックできるシステムの確立を求めるとともに、「もんじゅ」も含めた高速増殖炉のあり方について党としての姿勢を早期に明確にする方向を『次の内閣』閣議で確認した、と明らかにした。

NPO支援策の強化・拡充については「今回政府が提出したNPO法人認定の法改正案は、とてもこの程度の内容では前進したとは言えない。認定の基準を緩和させるものにし、NPOに対する税制優遇などについても整合性あるかたちで対象を拡大する」と述べ、具体策については今後『次の内閣』のワーキングチームで議論を深めていくことを明らかにした。

当面のマクロ金融政策については、量的緩和政策を継続・強化しデフレをストップするべきだが、ハイパーインフレを招くような調整インフレには与せず、株や土地の買入れなど何でもありの金融政策は行うべきではないとの従来の姿勢を改めて確認した、と『次の内閣』での議論を紹介した。

最後に枝野政調会長は、民主党予算編成の基本方針について『次の内閣』で議論を進め、2月5日に党の予算案を発表することを明らかにした。

辻議員、失業者対策の充実など求める

参議院予算委員会で29日、02年度補正予算に関する質疑が行われ、民主党・新緑風会のトップバッターとして、辻泰弘議員が質問に立った。

辻議員はまず、補正予算への都市基盤整備公団補給金の計上について質問。予算手当の必要があらかじめはっきりしているにもかかわらず、過去20年にわたって本予算に計上してこなかったのは予算措置のあり方として問題だ、と追及した。扇国土交通相は「決算までの間に公団の経営努力による縮減が期待できた」などとしたが、辻議員は「当初予算で組めるものを補正に回すことの理由が示されていない。財政のありのままの姿を示す上で問題だ」とさらに批判。小林財務副大臣は「不充分だったと言えばそうかもしれない」と認めた。辻議員はさらに、同公団の独立行政法人への移行に伴い、赤字国債による平成13、14年度分の補給金を16年度以降5年間で予算から返済するという財務省の方針について、「負担のつけ回し、隠れ借金になる」と指摘し、どのように財政措置するかを法律ではっきり示すよう求めた。

次に辻議員は、政府のセーフティネットの具体策をめぐって質問。まず、昨年11月に連合が実施したアンケートの結果を引用しながら、国民健康保険法77条に規定された国民健康保険料の免除措置が失業者に対して十分に適用されていない現状を指摘し、対応を求めた。坂口厚労相も対応の必要を認め、市町村に働きかけを行うことを約束した。また、退職者などに適用される任意継続被保険者制度については、保険料の納付が期限を1日でも過ぎると自動的に資格がなくなるなど「冷たい」制度になっているのではないか、と問題提起。厚労相は「多少のことは考えてもいいのではないかと思っている」と述べ、制度の改善を検討する意向を示した。加えて辻議員は、未払い賃金の立替払制度についても、立替払いの対象の拡充や処理の迅速化を求めた。

福山議員、政府のおざなりな人権対策を批判

民主党の福山哲郎参議院議員は1月29日、予算委員会で質問に立ち、ハンセン病の非入所患者と厚生労働省との協議、国連への人権関連報告書提出問題、補正予算の雇用対策実態などについて質した。

福山議員はまず、ハンセン病非入所者(患者・元患者で療養所に入っていない人)に対する支援問題を取り上げ、「ハンセン病問題対策協議会の座長である副大臣が患者と会わないのか」を質した。木村副厚労相は「事務方が実態を把握すること、十分につめることが必要」との答弁を繰り返した。福山議員は「そうした対応は小泉首相が控訴を断念した時の判断と全く異なる」と政府の対応を批判した。

また、人権擁護法案に関連して福山議員は、国連人種差別撤廃委員会への報告書提出の見通しについて「1月までに間に合うのか」と質したが、川口外相は「言い訳にしかならないが、物理的な理由でパンクしている。できるだけ早くする」と作業の遅れを認めた。また、森山法相も「残念ながらできない」と報告書の提出が期限までに間に合わないことを明確に認めた。

福山議員は、補正予算の雇用対策に関連して、昨年の総合対策の中での退職前長期休業助成金、建設業労働移動支援助成金の利用見込みと実態について質した。坂口厚労相は「退職が見込み2500人、実績11人、建設が見込み1万人、実績29人」と全くの見込み違いであったことを認めた。

さらに福山議員は、補正予算における法務省関連の構造改革推進型公共投資予算のうち、環境問題等緊急対策費298億円が、実は刑務所の増築費となっていることを指摘。「これがなぜ環境問題対策なのか」と鋭く質した。森山法相は「治安対策のうちの環境で、施設の増改築を行う」、塩川財務相も「ものの考え方の違い。地域の安全を確保することで、環境も良くなる」と苦しい答弁に終始。政府の対策がここでも名目だけとなっていることが明らかになった。

櫻井議員、国内中小向け金融の基準弾力化提案

参議院予算委員会で29日、02年度補正予算の一般的質疑が行われ、民主党・新緑風会から辻泰弘議員に続いて櫻井充議員が質問に立った。

このなかで櫻井議員は、政府の進める不良債権処理加速策に伴って中小企業に対する貸し渋り・貸し剥がしが強まっている状況について、「バブル期の貸し込み分の回収が進んでいるという話ではなく、むしろ実態に合わない過大な規制があるために、貸したくても貸し出せないのではないか」と述べ、国内中小企業向け貸し出し分について、金融機関の資産査定上のリスクウェイトを引き下げるべきだと提案した。

櫻井議員は、米国で地域再投資法によって地域中小企業や住宅向けの貸し付けが増えていることも紹介し、これをモデルとした民主党提案の地域金融円滑化法案をすみやかに成立させることを訴えた。竹中金融経済財政担当相も、「民主党の提案については勉強させていただいた。金融機関の社会性、公共性という視点から幅広く検討させたい。経営の自主性とどう調整させるかが課題だ」とこれに理解を示した。

櫻井議員はまた、4月からサラリーマンの医療費3割負担が実施されることについて「景気がこれだけ悪いなかで、そのまま導入するのか。同時に保険料も引き上げられる中小企業のサラリーマンが一番大変だ。これではますます経済が悪化する」と述べ、坂口厚生労働相に見直しを決断するよう迫った。厚生労働相は、「悩んでいるのも事実。しかしギリギリのところで辛抱していただいて、(皆保険)制度を守っていくことが必要だ。心を鬼にして申し上げている」と苦しい心境を吐露した。

「もんじゅ」行政訴訟控訴審判決に対する談話 2003/01/29

民主党経済産業部門会議
「原子力の安全性に関する検討委員会」
座長 大畠章宏

核燃料サイクル開発機構(旧・動燃)の高速増殖炉「もんじゅ」(95年12月のナトリウム漏れ事故で運転停止中)の安全性をめぐり、周辺住民らが国を相手に原子炉設置許可の無効確認を求めた行政訴訟の控訴審で、名古屋高裁金沢支部は27日、請求棄却をした一審判決を取り消し、許可処分を無効とする判決を言い渡した。

民主党は、京都議定書における我が国の国際公約を達成するため、エネルギ-供給の太宗を担いうる代替エネルギ-の開発・実用化までの橋渡し(過渡的エネルギ-)として、原子力発電を重要なエネルギ-源と位置付け、その開発・利用にあたっては、安全確保と国民の信頼と安心を最優先に、慎重に推進されるべきと主張してきた。

こうした中、今回の判決は、商業炉とは異なる研究開発施設に対する判決とは言え、原子力施設の建設・運転を巡る訴訟において住民側の主張が初めて受け入れられ、原子炉設置許可に係る国の安全審査に看過しがたい過誤、欠落があったとして、国の安全審査のあり方そのものに警鐘を鳴らすとともに、核燃料サイクル政策をはじめとする我が国の原子力政策に大きな影響を与えるものであり、極めて重く受け止める。今後国民の立場に立ち、裁判経緯を含め事実関係の調査を行う。

もとより原子力施設の建設・運転は、国の責任のもとに許認可が行われるものであり、これまで推進機関と規制機関を明確に区分せず、緊張感無き原子力行政を放置してきた国の責任は重い。政府は、今回の判決に対して、国民に対して十分なる説明責任を果たすとともに、原子力の安全性に対する国民の信頼回復が急務となっている今こそ、民主党がかねてより提唱してきた独立した安全規制機関の設置に早急に取り組むべきである。

民主党は、国民の立場に立ち責任ある原子力安全行政を実行するため、先の臨時国会において、「原子力安全規制委員会設置法案」を再提出した。この法案は内閣府の外局として原子力安全規制を司るための独立した委員会を設置するものである。政府は早急に民主党提出法案の成立を図り、安心・安全を最優先した、国民から信頼される原子力安全規制体制の確立を図るべきである。

当面のマクロ金融政策について 2003/01/29

民主党「次の内閣」

○ 国民生活はまさに破綻の危機に直面している。このままデフレがさらに深化することになれば、単に経済の問題にとどまらず、既に顕在化している自殺や犯罪の増加、ヤミ金融の跋扈などの形で国民生活そのものが破滅しかねない。民主党は、デフレと正面から戦う。

○ このためには、マクロ的な金融政策も重要である。日銀は、すでに大規模な量的緩和を実施しているが、こうした政策を継続・強化し、デフレをストップさせ、国民生活を守ることに全力を傾注すべきである。具体的には国債買いオペの増額、適格担保の範囲拡大などを積極的に検討すべきである。

○ ただし、現在政府与党の一部で意図されていると伝えられるような、ハイパーインフレをも招きかねないような調整インフレ論には与しない。日本銀行による株式・土地の買い入れなど「何でもあり」の金融政策は、日本銀行やその発行する通貨への信頼を大きく損なうものである。

○ 民主党は、適切かつ強力なマクロの金融政策と、ミクロの金融仲介機能の回復によって中小企業やNPO等の事業への融資を進め、「予算の構造改革」とデフレをもたらす根本問題の解決によって、デフレ阻止と経済再生を実現していく。《民主党ニュース》



1月29日 その日のできごと(何の日)