平成5134日目

2003/01/28

この日のできごと(何の日)

【参院予算委員会】

参院予算委員会は28日午後、2002年度補正予算案の審議を続行した。小泉純一郎首相は、靖国神社への参拝について「首相である限りは、時期にはこだわらないが、毎年参拝する気持ちに変わりはない」と述べ、来年以降も続ける考えを明らかにした。

中韓両国が問題視しているA級戦犯合祀に関しては「死者に対して最後まで生前の罪まで着せて、死んでも許さないという気持ちは日本人にはなじまないのではないか」と説明。自らの参拝にも理解を求めた。

石破茂防衛庁長官は「北朝鮮がウラン濃縮計画を認めたことは、核兵器の保有、開発の可能性を排除できない」と表明。

坂口力厚生労働相は公的年金制度での保険料と税との負担をめぐり「半々の原則を保ちながらこれからの少子化の進み具合によっては、税に傾かなければいけないのではないか」と述べ、消費税の増税などで負担増分を賄う可能性を指摘した。

デノミをデフレ対策の一環として実施する考えに対し日銀の速水優総裁は「インフレにつながりやすいということも一般化できない。04年度には銀行券を改札する準備を進めており、現実的選択として考えにくい」と述べた。《共同通信》

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【サッカー・北澤豪選手】現役引退を表明

サッカーのJリーグ1部(J1)東京ヴェルディの元日本代表MF北澤豪(34)が28日、東京都稲城市のクラブハウスで現役引退を発表した。

北沢は時折言葉に詰まりながら「やるべきことはやってきた。山あり谷ありのサッカー人生だったが満足している」とすっきりした様子で話した。《共同通信》

【政界談話室】

○・・・民主党の山下八洲夫参院議員は28日の参院予算委で「『ポスト小泉』は小泉純一郎首相だと思っているが、首相在任中は消費税率をアップしないと言ってよいか」と質問。首相から「わたしの後は菅さんかもしれませんよ」「民主党なんですから、民主党党首が次の総理になるという気持ちでもいいのでは」と切り返された。山下氏は「民主党も早急に政権を取れるように頑張りますが…」と反論するのが精いっぱい。自民党総裁の余裕と貫禄にしてやられたり。《共同通信》

【自民党・亀井静香前政調会長】「天地がひっくり返っても小泉再選はない」

自民党の亀井静香前政調会長は28日夕、都内で講演し、9月の自民党総裁選について「9月以降、小泉純一郎首相が続投することは、天地がひっくり返ってもあり得ない」との見通しをあらためて示した。理由として「地方(経済)が惨憺たる状況で、小泉支持の声はでない」などと指摘した。《共同通信》

【この日の民主党】

山下議員、補正・景気への首相の政治姿勢質す

参議院予算委員会で28日、02年度補正予算について小泉首相ら全閣僚出席での基本的質疑が行われた。最初に質問に立った民主党・新緑風会の山下八洲夫議員は、補正予算における雇用対策などのセーフティーネット面での効果、消費税増税問題への認識、毎年の税収の過大見積もりの原因、円安誘導政策の是非などについて小泉首相、塩川財務相、速水日銀総裁らと議論をたたかわせた。

このなかで、補正予算がGDPで年換算0.7%の引き上げ、9万人程度の雇用創出効果を持つと説明する竹中金融経済財政担当相の説明に対して、山下議員が「仮に9万人拡大したとして、350万人の失業者は若干でも減るのか。完全失業率が5.3%から5.6%に上昇するとの年間経済見通しを示しているが、この数字は下がるのか」と質すと、「不良債権処理加速に伴う雇用情勢の悪化の部分にはかなりの効果がある」(竹中金融経済財政担当相)、「(9万人は)補正予算の中の話で、15年度予算は別」(坂口厚労相)など、閣僚席からの答弁は歯切れの悪さが目立った。

山下議員はまた、年金国庫負担の引き上げ問題に関連して経済財政諮問会議内や経済界のなかに消費税率引き上げの議論があることについて、あらためて小泉首相の見解を質した。小泉首相は「私の首相在任中は消費税率を引き上げない」と言明した。山下議員は、来年度の税制改正のなかに盛り込まれている消費税の「総額明示方式」にも言及し、「最近は外税方式が一般的だ。総額明示方式は、消費税の負担額を見えにくするもので、税率アップの布石なのではないか」とさらに質したが、塩川財務相は、「消費者保護の観点と、預かった消費税が確実に国庫に入るようにするため」と目的を説明し、増税の布石との懸念を否定した。

山下議員はさらに、来年度の税制改正で盛り込まれた発泡酒やたばこの増税について、「1日も早いデフレからの脱却を国民が求めているなかで、庶民に痛みをもたらすもの。減税も実施すると言うが、そういう庶民にはどういう減税があるのか」と質した。塩川財務相は、「(発泡酒やたばこは)生活必需品ではない。一般向けにも、いろいろ減税をする」としてあれこれと項目を列挙したが、山下議員に「ほとんどが企業向けのもの。一般国民には何かあるのか」と重ねて問い質されると、「企業活動を活性化すれば個人の所得も潤うという経済の原則に従って考えた減税だ」と、増税は一般庶民向け、減税は企業向け中心との山下議員の見方を認めた。

山下議員は、最後に、高速道路利用料金問題、「政治とカネ」の問題にも駆け足で言及した。ハイウェイカードが廃止されることについて利用者から苦情が出ていることから、今後はETC利用者について5万円カード並の割引を全国で適用してはどうかとの山下議員の提案に、扇国土交通相は、ETCで料金収受コストの削減や環境対策を図れることから、前向きに検討する意向を表明した。「政治とカネ」問題では、すでに野党が共同で法案を提出している公共事業受注企業からの寄付制限を考えるべきではないかとの問いに、小泉首相も「与党とも相談し、一歩でも前進するような措置を講じたい」と表明した。

川橋議員、政府補正案の実効性を問う

参議院予算委員会で28日、02年度補正予算に関する質疑が行われ、民主党・新緑風会の川橋幸子議員が質問に立った。

川橋議員はまず、政府補正予算案の組み方の問題を追及。社会保障・福祉関係の負担金などに支出される義務的経費の追加補正が毎年8千億円以上も計上されるのはなぜか、と問い質した。塩川財務相は、「不況が深刻化し、雇用が厳しくなったということ」「各自治体の見積もりが甘くなっている。むしろ政府は(その誤差を)素早く手当した」などと居直った。川橋議員は、「そもそもセーフティネットの整備は政府の国民に対する義務なのに、いつまで見積もりの誤りを続けるのか」と厳しく批判し、「来年度は大丈夫か」と確認を求めたが、塩川財務相は「経済動向次第」などと言葉を濁した。

関連して川橋議員は、決算審査重視による予算編成の必要性を指摘。参議院改革協議会がまとめた決算の早期審査のための提言について見解を質した。小泉首相は「評価する」とのみ答えた。

続いて川橋議員は、補正予算における雇用対策について質問。まず、今回の補正予算で初めて計上された早期再就職者支援対策費(2500億円)の実効性に疑問を提起し、「一般会計による国庫負担を時限的に講じるべきではないか」と指摘した。しかし、坂口厚労相は「一般財源と同じ効果がある」とつっぱねた。また川橋議員は、奨励金による雇用創出策には実効性がなく、むしろ構造改革を遅らせるものだと補正予算案の発想を批判した。

最後に川橋議員は、若年失業の深刻さについて問題提起。「均等原則を守りながら、雇用を分かち合っていくことが重要」と訴えた。

「イラクに対してはさらなる査察が必要」菅代表

民主党の菅直人代表は28日の定例記者会見で、同日、国連監視検証査察委員会と国際原子力機関が行ったイラクに対する査察状況の報告に言及。イラク側の査察への協力が不十分だったとされている点について、きちんと協力させるよう働きかけていくことが重要だとの考えを示した。

その上で菅代表は、「決定的な核開発の証拠が出てきていないからには、さらなる徹底した査察が必要と思う」と述べた。菅代表はまた、この問題に関してあいまいな発言に終始している小泉首相について、「日本の総理としての意思表示がない。当事者的な発想をもたない単なる第三者的な言葉になっている。(この問題にとどまらず、)あらゆる問題に対して、総理の発言がそうした方向に変わってきている」と断じた。

また、加藤駐米大使が米国が武力行使に踏み切った場合は支持表明をすべきだと発言した問題については、「仮定の問題に答えられないとはぐらかしの逃げを繰り返す総理に対し、駐米大使の方はいい悪いはともかく、よりはっきりした意見を言っている」と指摘。「日本外交は結局、外務省にシナリオを書いてもらわなければ何も言えない外交だということがこの問題でも明らかになった」と語った。

菅代表は、小泉首相が公共事業受注企業の政治献金を禁じる政治資金規正法改正に前向きな発言をしたとされる報道についても触れ、「民主党はじめ野党4党はすでに、昨年の通常国会で公共事業受注企業の政治献金を禁じる政治資金規正法改正案を提出し、今国会でも継続審議となっている」と説明。小泉首相が前向きに取り組むとするからには、最優先課題の一つとして審議すべきだと問題提起し、「口先だけで前向きなことを言って済ませることのないよう、強く求めていく」と語った。

26日に投開票が行われた青森県知事選挙をめぐっては「わが党推薦の横山北斗氏は善戦したと思う。特に青森県における二大都市、青森、八戸両市で現職を抑えて、第一位の票を獲得したことは大きなことだ」との見方を示し、現知事の政治を変えなければならないという県民の思いの表れだと分析した。「同じように民主党が自民党と対峙するもうひとつの選択肢を有権者に示すことができれば、青森県知事選挙と同じような票の流れが期待できる。民主党にとってはこれまでむずかしい地域とされてきた青森で、ひとつの光明が見えてきた」と述べた。

さらに菅代表は2月9・10日の日程で韓国を訪れ、昨年の韓国大統領選挙で次期大統領に選出された盧武鉉氏と会談する予定であることも明らかにした。

国連の対イラク査察報告を受けて(談話) 2003/01/28

民主党外務ネクスト大臣
伊藤英成

本日、国連監視検証査察委員会(UNMOVIC)と国際原子力機関(IAEA)は、イラクに対する査察状況の報告を行った。報告書によると、イラク側の査察への協力が不十分なため、化学兵器搭載用弾頭やウラン濃縮技術に関する文書への疑問について、説得力のある説明もない。査察は十分な成果を上げるに至っておらず、極めて残念である。

イラクは同報告の趣旨を重く受け止め、単に査察を積極的に妨害しないという姿勢を超えて、査察に全面協力するなど、国際社会が憂慮する大量破壊兵器の脅威を、イラク自ら払拭すべきである。わが国は、引き続きイラクに対して厳格な査察を継続し、イラクの大量破壊兵器の廃棄を求める。

アメリカは国際社会と協調し、問題の平和的解決に向け、あらゆる外交努力を払うべきである。万一、イラクへ武力を行使する場合でも、国際社会への脅威となる具体的な根拠を示すとともに、新たな国連安保理決議の採択を求めるべきである。《民主党ニュース》



1月28日 その日のできごと(何の日)