平成5133日目

2003/01/27

この日のできごと(何の日)

【名古屋高裁金沢支部】もんじゅ設置許可は「無効」

1995年にナトリウム漏れ事故を起こし、停止中の高速増殖炉原型炉もんじゅ(福井県敦賀市)をめぐり、住民ら32人が国に原子炉設置許可の無効確認を求めた行政訴訟の控訴審判決が27日、名古屋高裁金沢支部であり、川崎和夫裁判長は「ナトリウム漏れ事故対策の安全審査に重大な誤りがある」「もんじゅは炉心崩壊の恐れがある」として一審福井地裁判決を取り消し、設置許可を無効とした。

原発をめぐって設置許可の無効や取り消し、建設や運転の差し止めを求めた各種訴訟で、住民側が勝訴したのは初めて。安全審査の誤りを指摘した判決は、2000年12月の伊方原発2号機の松山地裁判決に次いで2例目となる。

事業者の核燃料サイクル開発機構は事故対策を盛り込んだもんじゅの改造工事に取り掛かる構え。しかし、判決は安全審査のやり直しを求めており、運転再開は極めて困難となった。

「核燃料サイクル政策の要」とされるもんじゅの安全性が根本から揺らぐ事態になり、プルサーマルや使用済み燃料再処理など国の計画にも深刻な打撃となるのは必至。

判決理由で、川崎裁判長は「原子炉に閉じこめられている放射性物質が周辺の環境に放出されるような事態の防止に関する安全審査に瑕疵があり、具体的危険性が否定できない」と述べた。

国が昨年末に許可したもんじゅの改造工事については「無効の結論を左右しない」として安全審査の全面的なやり直しを求めた。

住民が主張していた蒸気発生器伝熱管の同時大量破断事故は「可能性を排除できない」と判断。炉心崩壊事故は「重大事故の評価に直接かかわるもので、看過しがたい」とした。耐震設計の誤りは認めなかった。《北國新聞》

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【小泉純一郎首相】「大したことはない」発言を陳謝

小泉純一郎首相は27日の衆院予算委員会で、新規国債発行30兆円枠などの公約を守らなかったことを「大したことはない」とした23日の同委員会での発言について「確かにあの発言は不適切だったと反省している」と陳謝した。ただ、発言撤回要求に対しては「一回言ってしまったものは撤回してもしょうがない。今後は行動で、国民の信頼を得られるよう努力する」と応じなかった。

米軍の対イラク攻撃があった場合の日本経済への影響に関しては「非常に厳しい情勢になると認識しておかなければならない」と表明。米国に対する戦費などの政支援に関しては「まだしていないのだから、答える段階でない」と述べた。

首相は消費税率の引き上げ問題で「衆院議員が任期満了を迎える来年7月までは引き上げないか」と質問されたのに対して「引き上げません」と明言。その上で「9月の自民党総裁選で再選されれば、あと3年間ある。再選されなければそれまでだが、首相の任期は法定の理論では次の(衆院)解散までだ」と述べた。《共同通信》

【政界談話室】

○・・・福田康夫官房長官は27日の記者会見で、小泉純一郎首相が「(公約を守れなくても)大したことはない」とした発言を「不適切だったと反省している」と衆院予算委で釈明したことについて「私どもからああせい、こうせいと申し上げたわけじゃない。首相の気持ちとして申し上げたのだから、それでよろしい」と、一件落着との認識を示した。「首相の答弁は抑え気味だったが」との問いにも「そうですか。普通だと思いますよ」と淡々。失言ばかりの森喜朗前首相時代は自ら「釈明長官」と名乗っていただけに、失言には慣れていると言わんばかり。《共同通信》

【UNMOVIC・ブリクス委員長】対イラク査察報告

国連監視検証査察委員会(UNMOVIC)のブリクス委員長は27日に国連安全保障理事会で行った対イラク査察正式報告で、イラクが申告書の内容に反して神経ガスのVXを「兵器化した兆候がある」と指摘、イラクが事実に基づいた申告を行わなかったとの強い疑念を示した。

さらに炭疽菌が、申告された8500リットルよりも多量に製造されており「これが廃棄されたという確たる証拠はない」と述べた。

委員長は2月14日に安保理で追加報告を行うとし、少なくとも同日までは査察が続く見通しを明確にした。《共同通信》

パウエル米国務長官は27日、イラクの大量破壊兵器開発疑惑をめぐる国連査察団の正式報告を受け記者会見し、イラクが国連安全保障理事会決議1441を無視した「重大な違反」を継続していると明言、査察の長期継続を拒否する姿勢を表明した。

同決議に対する「重大な違反」は武力行使につながる意味を持ち、「継続違反」を強調することで、イラク攻撃を視野に入れる米政府がより強い姿勢を示した。

国務長官は「平和的解決を望むが、イラクが自らの手で武装解除する以外に平和的解決はない。時間はあまり残されていない」と述べ、フセイン政権が即座に大量破壊兵器の武装解除に踏み切るよう強く警告した。《共同通信》

【この日の民主党】

原口議員、小泉首相の実績を厳しく問う

衆議院予算委員会で27日、平成14年度補正予算に関する締めくくり質疑が行われ、民主党の原口一博議員が質問に立った。

原口議員はまず、小泉政権発足以降の名目GDP増減、国債発行額、完全失業率最悪値、株式時価総額増減などの実績をバブル崩壊後の歴代政権と比較し、「最悪だ」と指摘。その結果、地域経済は“火の車”であり、「小泉首相には早く辞めてもらいたい」という声が渦巻いているとして、首相の見解を質した。首相は、「経済状況が厳しいからこそ改革が必要」「即効薬はない」などと述べ、最終的には総選挙で国民の審判を問う、と居直った。

原口議員は、「総選挙で信を問うからそれまでは何をやってもいい、ということではない。ここまでマクロ経済政策を誤って、今すぐにできる政策も何もやっていないではないか」と批判。「歳出カットだけして歳入構造改革に踏み込まないから財政赤字が増える。国民を追いやっているから経済は悪化する。消費税は上げないと断言しているが、少子高齢化に向けて財政をどう立て直すつもりか」と追及したが、首相は答えられなかった。

また原口議員は、23日の予算委員会で、民主党の菅直人代表が首相の3つの公約(靖国神社参拝、国債発行30兆円、ペイオフ解禁)の不履行を追及したのに対し、「大した問題ではない」と言い放って国民の批判を受けていることついて、改めて見解を質した。首相は、「不適切な発言だった。反省している。大胆かつ柔軟に対応する場合も必要ということだ」などと“弁解”した。

さらに原口議員は、外交上の基本問題をめぐっても質問。北朝鮮問題では、日朝平壌宣言に至る交渉において、ミサイル発射および核開発に対する明確な中止要求を行わなかったことを厳しく批判した。また、イラク攻撃問題では、国連安保理の新たな決議がないまま米国が攻撃に踏み切った場合の政府の対応を質すとともに、米国の攻撃の背景にある「先制的自衛」を謳った新たな軍事ドクトリンへの評価なども問うた。しかし、首相は「米国に対しては国際協調を呼びかけ、イラクには査察への協力を求めるのが政府の立場」「米国は国際法上の権利と義務に従って行動すると思う」などと繰り返し、独自の外交ビジョンなどまったく持ち合わせていないことをさらけ出した。

最後に原口議員は、政府の金融政策にも言及。大手銀行の自己資本増強の動きに懸念を示しながら、「優良な中小企業が貸しはがしに遭い、日本経済は他国に売られていく。もはや元凶を取り除くには政権を変えるしかない」と強調して質問を終えた。

海江田議員、政府税収見積もりの失敗を追及

衆議院予算委員会で27日、02年度補正予算案に関する締め括り質疑が行われ、民主党・無所属クラブの海江田万里議員が質問に立った。

海江田議員は、昨年の経済運営をどう評価するか、小泉首相に対して「最高責任者として思うところを述べてほしい」と迫った。小泉首相は「厳しい経済状況のなかで、経済指標を見ると好ましい結果は出ていないが、やはり必要な措置・改革だったと思う」などと自己肯定する認識を示した。海江田議員は実質・名目成長率に基づき、当初の政府見積もりよりも経済状況がやや好転しているにもかかわらず、なぜ今補正予算なのか、首相の認識を質した。小泉首相は「不良債権処理の加速に伴って訴えが出てくる。それを和らげる意味で補正予算を組んだ」などと答弁。海江田議員は税収の落ち込みが補正予算を組まざるをえなくなった大きな要因だと指摘。首相も肯定した。

海江田議員はそこで「当初深刻に見ていた政府の見通しよりも経済がいくらか回復したのに、深刻な事態が予想されるなかで見積もった税収の不足が出るのはなぜか」と質問を重ねた。塩川財務相は「ひとつは2001年度の税収が大幅に(見積もりと)狂ったためだ。その要因のひとつは9・11米国同時多発テロのために世界的な大幅な減退があった」などと説明した。

これに対して海江田議員は、14年度の税収見積もりの誤りは国債発行額30兆円枠を早々と打ち出したことにも起因すると指摘。小泉首相は「枠をはめないと歳出の見直しはできないなと考え、敢えて行った。枠があったからこそ、歳出の見直しができたと思っている」などと反論。海江田議員は「今回補正予算を組んだことで、結果としてできなかったということではないか」と迫った。海江田議員はまた「税収の見積もりがたいへん甘くなっている」との見方を示し、所得税納税人員の推移、給与所得者の数値設定の甘さなどを指摘した。

海江田議員は消費税増税に対する首相の考え方も質し、「任期中は増税するつもりはない」との答弁を改めて引き出した。また、医療保険制度改悪に際して首相が発言した「三方一両損」との考え方の誤りを指摘した上で、厚相時代に明言した抜本改正を先送りしたままの医療負担増は納得できないと、厳しい口調で問題提起した。

細野議員、補正予算3案に反対討論

衆議院予算委員会は27日、02年度補正予算3案(一般会計・特別会計・政府関係機関予算)の締めくくり総括質疑を終え、討論ののち与党の賛成多数で3案を可決した。

民主党から討論に立った細野豪志議員は、「景気回復はおろか、経済・雇用状況を悪化させ、2.5兆円もの税収不足を招いておきながら、そのことについての謝罪もないまま国民に負担を押しつけて補正予算を編成したことは到底許されない。野党4党が共同で求めてきた雇用・中小企業対策は不十分で、旧態依然の公共事業など効果の疑わしい事業を計上する一方、健康保険料引き上げなどで国民に負担増を強要しようとしている」などと述べ、3案に反対する立場を表明した。

3案は、夜7時から開かれる予定の衆議院本会議で採決されたのち、明日から参議院予算委員会に審議の場を移す。《民主党ニュース》



1月27日 その日のできごと(何の日)