平成5129日目

2003/01/23

この日のできごと(何の日)

【小泉純一郎首相】国債30兆円枠突破「大したことではない」

衆院予算委員会は23日午前、小泉純一郎首相と全閣僚が出席し、2002年度補正予算案の基本的質疑を行った。首相は補正予算案編成に伴う新規国債30兆円枠突破などについて「首相としては、もっと大きなことを考えなければならない。大きな問題を処理するにはこの程度の約束を守れなかったのは大したことではない」と述べた。民主党の菅直人代表が、30兆円枠突破やペイオフ解禁延期、靖国神社参拝の期日変更について「公約違反」と追及したのに対し答えた。

首相は補正予算に関連して「はっきり言うが、政策転換なんか全然していない」と述べ、構造改革を推進する方針を強調。「公的部門にメスを入れて税金の無駄をなくす方針は一貫して変えていない」と述べた。

デフレ対策に関連しては「(物価上昇率を)ゼロ以上に、いかに早期に物価状況を持っていくかということは政府が日銀と一体となって考えていく必要がある」と強調した。

首相は朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の核開発問題について「瀬戸際外交とか挑発的な発言をしているが、(北朝鮮の)本音と建前を見極めながら、いかに日朝平壌宣言を履行させるか努力が必要だ」と述べ、平和的解決に向け外交努力を続ける考えを示した。

有事関連法案の早期成立に向け「できるだけ民主党の意見も尊重していくべきだと言っている」と述べ、民主党の協力に期待感を示した。《共同通信》

衆院予算委員会は23日午後、2002年度補正予算案に関する基本的質疑を続けた。小泉純一郎首相は特殊法人改革に関し、巨額の運用損失を抱える「年金資金運用基金」(旧年金福祉事業団)について「今のものを壊して新しいものをつくるか真剣に考えなければならない」と述べ、廃止する意向を表明した。上田清司氏(民主)への答弁。

これに関連し、坂口力厚生労働相は「今年中に結論を出すことで石原伸晃行革担当相と合意している」と述べ、年内廃止で決着を図る方針を示した。01年12月に策定された政府の特殊法人整理合理化計画では「廃止を含め組織の在り方を検討する」との表現にとどまっていた。

自民党長崎県連の違法献金事件に関連し、首相は仙谷由人氏(民主)への答弁で、「あっせん利得処罰法の改正、官製談合防止法の成立で(規制を)強化したが、さらに政治改革に向け、どういうものがいいか検討しなければならない」と述べ、引き続き政治献金の規制強化を検討する考えを表明した。

ただ、横光克彦氏(社民)が公共事業受注企業からの献金を禁止する法的措置を求めたのに対し、首相は「法律をいくつ作っても(網の)目をくぐって違反が行われ、どうしようもない。どの程度の制約が好ましいか政党間で調整すべきだ」と慎重な姿勢を示した。《共同通信》

小泉純一郎首相は23日夜、同日の衆院予算委員会で、民主党の菅直人代表が国債発行30兆円枠をめぐって「公約違反」と追及したのに対し「大したことではない」と答弁したことについて「(理解は)得られると思いますね。全体をみてもらえれば」と述べ、公約違反との批判は当たらないと強調した。

さらに首相は、菅氏が「首相に黒星が付いた」と指摘したことについては「勝ち負けはどっちでもいいですよ」と無関心を装ったが「一方的な質問に答えるだけだからね」と、押され気味だった論戦を不機嫌そうに振り返った。《共同通信》

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【大相撲】

大相撲初場所12日目(23日・両国国技館)1敗で並んでいた2人のうち、平幕の出島が敗れたため、大関朝青龍が単独トップに立った。横綱昇進を目指す朝青龍は霜鳥に押し出しで圧勝し11勝目。出島は新入幕の隆の鶴の左上手投げに敗れ2敗に後退した。小結若の里は高見盛を寄り切り、2敗をキープした。大関武双山は関脇隆乃若との取り直しになった一番を制し、6勝6敗の五分に戻した。隆乃若は3敗目。関脇琴光喜は勝ち越した。小結貴ノ浪は6勝目を挙げた。1敗の朝青龍を2敗で若の里と出島が追う展開。《共同通信》

【台湾新幹線】日本連合、大半を受注

2005年10月の開業を目指す台湾高速鉄道(台湾新幹線)事業で、三菱重工業、川崎重工業、三井物産などでつくる日本企業連合は北部の約150キロの区間の軌道建設を受注、23日に都内で正式調印した。

今回の受注額は約1000億円だが、受注総額5400億円近くの大型プロジェクトとなる。

日本連合はこれまでに約180キロの南部区間や車両などの中核システムも受注。今回の受注で台湾新幹線事業の大半を手掛けることになり、ライバルの欧州などの企業連合に「圧勝」した形だ。

関係者は「今後の対外進出に弾みとしたい」と2008年の北京五輪をにらんだ中国の高速鉄道受注に向け、働き掛けを強める構え。

台湾新幹線は台北−高雄間の約345キロを最高時速300キロ、90分で結ぶ計画で、総工費は土地を除き約1兆6000億円。日本の新幹線が初めて海外輸出されるケースとなる。

新幹線の海外輸出では、日本は韓国の高速鉄道を後発のフランス・TGVに取られるなど出遅れている。それだけに、中国の高速鉄道受注は次の焦点で、日本側は「長年無事故の(新幹線)技術を評価してほしい」(青山俊樹国土交通省事務次官)と実績を強調していく方針だ。

中国の高速鉄道は、北京−上海の1300キロを鉄道の場合時速350キロで結ぶ計画で、事業費は約1兆5000億円。中国政府は鉄道にするかリニアモーターカーにするか、まだ決めておらず、決定は今春の新指導部発足以降になるとみられる。ただ、鉄道に決まっても、巻き返しを図るフランスなどとの競争が再び始まる。

中国は台湾と異なり、合弁での車両製造を求めており、日本企業の間には中核技術を流出させることに懸念の声もある。《共同通信》

【この日の民主党】

菅代表、小泉首相との初の頂上対決制す

衆議院予算委員会で23日、小泉首相ら全閣僚が出席して、2002年度補正予算の質疑が始まった。民主党からはまず菅直人代表が質問に立ち、激しい論戦の口火を切った。

昼前に1時間にわたって質問に立った菅代表は、小泉首相に「今日は、はぐらかさないで真正面から答えて欲しい」と前置きしたうえで、イラク攻撃問題などでの対米追従姿勢、総裁就任時の三つの公約の破綻、デフレを加速させ続けている経済無策ぶり、自民党長崎県連幹事長逮捕に象徴される自民党の政官業癒着体質などを次々と小泉首相に問いただした。

イラク攻撃問題について菅代表は、「国連中心の査察が行われているなかで、その結果も待たずに、新たな国連決議もないまま、米国が一方的にイラクに軍事攻撃を行うことには断固反対だ」と党の立場を表明した上で、小泉首相の見解を質した。小泉首相は、米国の攻撃に正面から言及しようとせず、「最初からはぐらかされた」と批判されると、「現在査察中であり、仮定の質問に答える必要はない。これがはっきりした答弁だ」と開き直った。

北朝鮮のNPT離脱問題では、「小泉首相が訪朝して拉致被害者を連れ戻したことは率直に評価するが、ピョンヤン宣言に盛り込まれた、核開発をやらないという約束が北朝鮮のNPT脱退という行動によって反故にされたことをどう見るか」との問いに、「宣言が誠実に履行されない限り、国交正常化はない。最終的には宣言を守るように韓・米など各国と協力して働きかけるべき。そんなにあせらなくていい」と正面から答えることを避けた。菅代表は、「あいかわらずはぐらかしている。韓国の金大統領、盧次期大統領が太陽政策の継続を表明し、米国にも働きかけた結果、米朝間対話につながりうる流れがでてきている。しかし、小泉首相の対応はまったくわからない」と批判した。

小泉首相が総裁就任時に掲げた8月15日の靖国神社参拝、ペイオフ完全実施、国債発行枠30兆円という3つの公約が何一つ守れていないとの菅代表の追及に、小泉首相が「その通りにやっていないということでは守れていない。しかし、もっと大きな問題を処理するためには、この程度の約束を守れなかったということはたいした問題ではない」と開き直ると、委員会室は騒然。菅代表は、「よく国民に分かっていただけたと思う。総理になるときの選挙で言うことは、『この程度』の約束は、あとでいくらでも反故にしていいのだと自ら認められた。これから言うことはすべて『この程度』なのだろう」と小泉首相に厳しく詰め寄った。

続いて菅代表は、経済問題に移り、不況時にデフレ政策を強行し世界恐慌を招いた米国のフーバー大統領や日本の井上準之助蔵相の例を挙げて、現在の日本が1930年代の状況と共通しているのではないかと指摘。小泉首相が「当時の恐慌では物価やGDPが3割も下がった。今とはまったく違う」とかわそうとすると、「こんな程度の認識の総理のもとで経済運営をやったら、本当に恐慌が起きる」「本当にあきれる。能天気とはこのことだ」と畳みかけた。

補正予算について、菅代表は「最も重視されるべきは、5兆円の国債追加発行の問題よりも、2.5兆円の税収減の問題だ。来年度当初予算では、税収と国債発行額の間に5兆円しか隙間がなく、もし来年度再び2.5兆円税収が落ちたら、両者は一致し、再来年度以降はクロスしてしまう」と述べ、これを小泉首相の経済失政の無策の結果だと指摘。「見通しが違ってくることはある」と答える小泉首相に「天気予報とは違う。失政の結果だ」と批判した。

菅代表は、昨年暮れに視察した大阪城公園のホームレス労働者の状況も紹介。「1200円の簡易宿泊所に泊まれるだけの仕事もなく、1個1円になるアルミ缶を集め、NPOの炊き出しで食事している。これが雇用の失われたときの実態だ。350万人の失業者が、ぎりぎりの生活のなかで、人間の命、人間の尊厳すら失われかねない」と指摘したうえで、18日の党大会で自ら発表した雇用創出に力点を置く経済再生プランをくわしく紹介した。小泉首相は、このプランに盛られている良質な賃貸住宅の建設、緑の雇用、NPO税制などを挙げながら「良い提案は受け入れていきたい」と表明した。

「手ごたえはあった」首相との論戦で菅代表

衆議院予算委員会で23日、小泉首相との最初の“大将戦”を終えた民主党の菅直人代表は、記者団に「(今日の論戦は)まちがいなく1勝できた。総理に黒星がついたと思う」と自信を持って語った。

菅代表は「(質疑を通じて)小泉政権の政策のいい加減さが浮き彫りにできたし、民主党が考える経済再生プランを具体的に議論できた。かなり手ごたえがあった」とコメント。とりわけ首相が、国債発行30兆円枠など自らの公約を破ったことについて「その程度のこと、大したことはない」と発言したことを取り上げ、「これでは総理の発言を誰も信用しなくなる。(公約を否定する行為は)自ら政治家であることを放棄した発言だ」と厳しく批判。このような首相に日本経済を任せていては、この国はおかしくなるということが答弁から明らかになった、とした。

菅代表は同時に「政権交代を前提に、国民のみなさんに対して(政府とは別の)選択肢を示していくことが野党第一党としての責任であり、義務だと考えている。また野党第一党党首は次の総理たりうるかということが常に試されている立場だと思っている」と語り、さらに首相との直接対決・論戦を果敢に挑んでいく決意を示した。

仙谷議員、政府のデフレ対策失敗を明快に追及

民主党の経済財政担当ネクスト大臣の仙谷由人衆議院議員は23日の予算委員会で、政府のデフレ対策の失敗を追及し、インフレターゲット論に釘をさすとともに、中小企業対策として民主党が提案している地域金融円滑化法の制定を求めた。

仙谷議員は冒頭、小泉首相に「総理は野党第一党とは責任の重さが違うのだから、そこをわきまえて答弁を」と注文し、言い逃れ、はぐらかしが目立つ首相の答弁姿勢を正した。その上で、昨年から3回にわたって実施された政府・与党のデフレ対策の結果を踏まえ「現状をどう認識しているか」と質問。竹中平蔵経済財政担当相は「実物経済は予想より良くなっているが、物価の下落は予測より上回っている」と対策が効果を挙げていないことを認めた。さらに仙谷議員は「深刻な危機がわれわれの目の前にある」との認識が首相にあるのかどうかを質した。首相は「認識は変わらない。倒産企業も、失業者も出た。これは危機。仙谷議員と共通では」と答え、間接的ながら対策の失敗を認めた。

また、大銀行の貸しはがしが01年9月から02年9月までで7兆5000億円にも上り、優良な中小企業を倒産に追い込んでいる実態を示し、政府系金融機関の活用、さらには民主党提案の地域金融円滑化法の制定を求め「銀行の貸し出し基準を担保ではなく、事業にすべき。また、評価機関、中小企業の駆込み先を設けるべき」と迫った。竹中金融担当相は「ゼロベースで議論する」と答えた。

仙谷議員は質問の最後に、自民党長崎県連幹事長の公職選挙法違反による逮捕事件に関連して、債務放棄、債務免除を受けているゼネコン7社が同県連に裏金で献金していることを明らかにし、各社支店長の参考人招致を要求。理事会で協議することとなった。

上田議員、小泉行財政改革の虚実を衝く

衆議院予算委員会で23日、民主党の3番手として平成14年度補正予算案に対する質問に立った上田清司議員は、年金の株式運用、特殊法人改革の現状、国家公務員の異動保障制度の各問題を具体的に追及し、小泉内閣が国民に税負担増を押しつける他方で放漫な財政運営を放置している実態を浮き彫りにした。

上田議員はまず、年金資金運用基金(平成13年4月より年金福祉事業団が改組)による年金の株式運用をめぐって質問。平成13年度に6600億円、14年度半期ですでに2兆円もの運用損失を出していることを指摘し、「このような巨額の損失を出した原因は何か」と質した。所管の坂口厚生労働相は「株式が低下したから。経済動向が影響している」などと答えたが、上田議員は「そもそも、国民からの預かりものを株で運用するのは危険ではないか」と批判。「安全かつ効率的な運用」を定めた厚生年金保険法の規定も引きながら、株式運用はやめるべきだと迫った。これに対しては塩川財務相も「デフレ時代にリスクの大きい運用を行うのはどうか。高度成長時代のしきたりに沿っている。根本的に考えるべきだ」と述べた。

上田議員はさらに、この年金資金運用基金が厚労省の大きな天下り先になっているために潰すことができずにきたことを暴き出し、「ぶっ潰すべきだ」と迫った。小泉首相は「特殊法人改革の一環として真剣に考える」と答えた。

次に上田議員は、特殊法人改革の実態について追及。政府が「廃止か民営化」を打ち出した77の特殊法人のうち、検討中のものが30、独立行政法人に横滑りさせるものが25など、ほとんど成果が上がっていないことを指摘し、見解を質した。小泉首相は「本格的にやるためには時間がかかる。1、2年でできっこない」などと声を荒げたが、上田議員はさらに独立行政法人への移行の内実に切り込み、多数の官僚OBが役員に天下ることによって人員数や役員報酬の総額が旧組織よりも増加している実態を暴露。「増税などで2兆円もの国民負担増をやろうとしているが、これでは何の意味もない」と厳しく指弾するとともに、株式運用で巨額の損失を生んでいる年金資金運用基金はこの3月にも廃止すべきだ、と再度迫った。坂口厚労相は、今年中に廃止を含めて検討し、来年に制度を改変する、と確認した。

国家公務員の異動保障の問題については、僻地への転勤に伴う激変緩和措置としての調整手当が悪用されている実例を挙げながら、地域間の移動に対して手当を支給するという現行制度自体の問題を指摘。各省大臣からも「仕組みに問題がある」との答弁を引き出した上で、「制度は必要」と繰り返す人事院の中島総裁を追及し、さらなる実態調査を確約させた。同時に上田議員は、異動保障制度の廃止法案(給与法改正案)を準備していることも明らかにし、「ぜひ超党派で成立させたい」と呼びかけて質問を終えた。

東京・新橋で有権者に国会論戦を報告

通常国会で本格的な審議が始まった23日、民主党は東京・新橋駅前で街頭演説会を行った。

マイクを握った菅直人代表は、冷たい雨が降る中を足を止めて聞き入る聴衆に、同日の衆議院予算委員会における小泉首相との論戦について報告。首相が、国債発行30兆円枠、ペイオフ解禁などの公約を破ったことについて「大したことではない」などと居直ったことを取り上げ、「国民との約束を平気で破るような総理は何一つ信用できない」と厳しく批判した。

この日の演説会には、羽田孜最高顧問、岡崎トミ子国民運動委員長、榛葉賀津也、鈴木寛両参議院議員らも参加した。《民主党ニュース》



1月23日 その日のできごと(何の日)