平成5123日目
2003/01/17
この日のできごと(何の日)
【この日の小泉純一郎首相】
政府税制調査会
政府税制調査会(首相の諮問機関、会長・石弘光一橋大学長)は17日午前、小泉純一郎首相が出席して総会を開き、将来の消費税率引き上げを視野に入れた抜本的な税制改革の議論をスタートした。
配偶者特別控除の原則廃止など、税制のゆがみの解消に取り組んだ2003年度改正の考え方を継続。特に04年の年金改革が控えていることから、「社会保障と税」の関係が焦点になる。総会であいさつした小泉首相も「少子高齢化、社会保障など、税の負担なくしていかなる施策も実行できない」と指摘した。
一方で、増税路線を前面に出した03年度改正から間髪を入れない負担増の議論は、国民から猛反発を受ける可能性もあり、小泉首相は「私の在任中は消費税率は上げない」とあらためて表明。また「地方に税源を移譲する点をもっと考えて議論してほしい」と述べ、国から地方への税源移譲を重要テーマとして取り上げるよう要請した。
政府税調は、6月をめどにまとめる中期答申に討議の結果を反映し、可能な項目は04年度改正での実現を目指す。
アイスランド・オッドソン首相と会談
1月17日、小泉首相は官邸で、アイスランドのオッドソン首相と会談を行った。会談の中で小泉首相とオッドソン首相は、商業捕鯨に向け科学的調査が必要との認識で一致した。また、今後の二国間関係について意見交換を行い、両国関係をさらに強化していくことで一致した。《首相官邸》
ラジオ収録
小泉純一郎首相が毎月第3土曜日に出演する民放ラジオの政府広報番組「小泉総理 ラジオで語る」の第1回放送分の収録が17日夜、首相官邸で行われ、首相は「改革を実施することで経済再生ができるという自信と希望を持って取り組みたい」などと語った。18日午後、ビッポン放送系列の34局で全国放送される。《共同通信》
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【阪神淡路大震災】発生から8年
6433人の犠牲者を出した阪神大震災から17日で丸8年。発生時刻の午前5時46分には、兵庫県の各地で市民らが祈りや黙とうをささげ、被災地は厳粛な雰囲気に包まれた。当時の苦難を振り返った人々は震災を語り継ぐことを誓い、さらなる復興への決意を心に刻んだ。
午前5時46分。神戸市は市民団体と共催する追悼行事を東遊園地(神戸市中央区)で開催。約3300人が参加し、6433本のろうそくに灯をともし、犠牲者のめい福を祈った。
矢田立郎市長は「一日も早い完全復興が、亡くなられた方々に報いる唯一の道」と述べた。県庁では井戸敏三知事が職員らと黙とう。「災害への備えを尽くしていく決意を再確認してほしい」と訓示した。《共同通信》
【大相撲】
大相撲初場所6日目(17日・両国国技館)横綱貴乃花は平幕土佐ノ海を立ち合いの変化から送り出して4勝目。綱とりに挑戦する大関朝青龍は安美錦を豪快な右上手投げで下し、全勝をキープした。ほかの大関陣は、武双山が小結若の里に敗れて2勝4敗。栃東は左肩脱臼のためにこの日から休場した。若の里は4勝2敗。関脇は隆乃若、琴光喜がともに4勝目を挙げた。小結貴ノ浪は栃東に不戦勝で4勝目。全勝の朝青龍を1敗で平幕の出島ら4人が追う展開。十両は朝赤龍ら3人が1敗でトップ。《共同通信》
【水泳】
短水路(25メートルプール)で争う水泳のワールドカップ(W杯)パリ大会第1日は17日、パリで行われ、男子200メートル平泳ぎは北島康介(東京SC)が2分7秒48の短水路日本新で優勝した。
北島は長水路で200メートル平泳ぎの世界記録を樹立した昨年10月の釜山アジア大会以来の国際大会出場。自身が持つ短水路日本記録を0秒66更新した。50メートル平泳ぎは3位だった。
男子100メートル自由形ではピーター・ファンデンホーヘンバント(オランダ)が47秒41で優勝した。
男子400メートル個人メドレーの三木二郎(東京SC)は4分11秒29、同100メートル背泳ぎの錦織篤(ミキハウス茨城)は52秒93でともに2位。
女子100メートルバタフライは、矢野友理江(イトマンSS)が59秒41で3位。同50メートル背泳ぎの中村真衣(JSS長岡)、同200メートル背泳ぎの寺川綾(イトマンSS)も3位だった。《共同通信》
【仏・イラク大統領】対イラク査察続行訴え
フランスのシラク大統領は17日、大統領府で国連監視検証査察委員会(UNMOVIC)のブリクス委員長らとともに記者会見し「査察官がイラクで作業を完遂するために必要な時間を与えるべきだ」と強調、対イラク査察を27日の国連安全保障理事会への正式報告以降も続けるよう訴えた。
大統領は、ブリクス委員長、国際原子力機関(IAEA)のエルバラタイ事務局長と会談、イラク査察の報告を受けた後、3人で記者会見に臨んだ。
シラク大統領は会見で、「査察官らは(査察のための)補足的な時間を要求している。それに応えて必要な時間を与えることが賢明な道だ」と強調、27日をイラク攻撃の判断の節目とする米国をけん制した。
また「イラクに対する一方的な行動は国際法に違反する」と指摘し「フランスはこれを支持しない」とあらためて表明。国連安保理の新たな決議なしに米国が単独で対イラク戦争に突入しないようクギを刺した。《共同通信》
【イラク・フセイン大統領】米撃退に決意
イラクのフセイン大統領は17日、湾岸戦争開戦記念日の恒例の国民向けテレビ演説で「侵略者を自滅に追いやり、他の者たちの目を見開かせる」と述べ、米国の攻撃があっても撃退する強い決意を表明した。
大量破壊兵器の開発疑惑をめぐりイラク攻撃の準備を進める米国に対し、対決姿勢をあらためて鮮明に打ち出し、徹底抗戦に向け国内の引き締めを図ったとみられる。
大統領は、湾岸危機以来「13年に及ぶ制裁と侵略がこの日まで続いてきたが、国民の防衛と再建で国土は緑が茂っている」と自賛。「侵略者のもくろみは逆効果だった」と、イラク封じ込めを続ける米国を批判した。《共同通信》
【この日の民主党】
障害者支援費制度について緊急申し入れ
民主党の石毛えい子市民・子ども政策担当ネクスト大臣、山井和則厚生労働ネクスト総括副大臣、堀利和参議院議員、岡崎トミ子参議院議員の4議員は17日、厚生労働省を訪れ、障害者の支援費制度に関する緊急申し入れを行った。
申し入れでは、厚生労働省による「市町村障害者生活支援事業」および「障害児(者)地域療育等支援事業」への補助金の突然の廃止などが、関係団体や自治体の不信を招き、混乱を生んでいると指摘。今年4月からの支援費制度の実施を円滑に進める観点から、同省に適切な措置を求めた。
[次の内閣]経済財政に関する基本方針を決定
民主党の『次の内閣』(ネクストキャビネット)は、17日の会合で「経済財政に関する基本方針」をとりまとめ、発表した。基本方針は、20日から始まる通常国会の焦点の一つである経済論戦をにらみ、当面の経済財政運営についての民主党の基本的な考え方を「『予算の構造改革』で将来への期待と安心感を」「規制改革、NPO支援で民間の活力を」「適正な為替レートで公正な国際競争を」の3つの柱で示している。
記者団への説明のなかで枝野幸男政策調査会長は、「予算の中身を変えることこそが経済再生の一番の柱だ。これまでの自民党政権が利権政治から抜け出せず、投資効果や波及効果のないところに資源を配分して事業に巨額の税金がつぎ込まれてきたことが最大の問題だ」とその狙いを説明。基本方針では、予算の構造改革の重点項目として、(1)高度成長期から少子高齢化社会、成熟社会への時代の移り変わりに対応した新たな潜在的需要を掘り起こす、(2)年金・医療・介護などの施策への予算の重点配分、将来の増税につながる国債依存財政からの早期脱却など将来不安の解消を図る、(3)特に緊急な対応を要する雇用問題の解決に向け、多くの雇用につながる福祉サービス分野などに優先的に予算を配分し、仕事を生み出す、(4)紐付き補助金による集権的・統制的・画一的な対策でなく、一括交付金により地域の個性を生かすシステムを構築する、(5)新たなビジネスにつながりうる中小企業向け金融について、必要な資金を循環させるシステムを作ると同時に、経営責任の明確化を前提に、不良金融機関への公的資金の注入による一時国有化を断行し、金融システム全体の再生を急ぐ–の5点を挙げている。
基本方針はまた、国民、NPO、地域、民間企業等の自由な活動を最大限に保障し、その能力を最大限に発揮できる環境・システムを整備するため、大胆な規制改革を速やかに実行すると同時に、税制を中心とする重点的なNPO支援制度を確立するとしている。為替レートに関しては、「適正な為替レートの実現」という抽象的な表現にとどめているが、枝野政調会長は「特に対(中国人民)元レートが高すぎる」との見方を示した。
民主党『次の内閣』は、これらを踏まえ、各論についても早急に整理し、民主党としての予算案の策定につなげていく方針。
「中村議員失職は自民党政治を象徴」岡田幹事長
民主党の岡田克也幹事長は17日、定例の記者会見で、小泉首相の靖国参拝について「時期的に問題があるのではないか。今後の訪中、訪韓においては政府のしっかりした対応を求める」と述べた。
また、中村喜四郎衆議院議員があっせん収賄罪の有罪実刑判決が確定し失職することについて、「自民党政治がいかに裏金にまみれた体質であるかを象徴しているものであり、小泉首相の責任は免れない」と厳しい口調で批判した。
両院議員懇談会で大会議案を確認
民主党は17日、両院議員懇談会を開き、党定期大会に提案する議案の説明と意見交換を行うとともに、大会を成功させ20日からの通常国会に向けて一丸となって取り組む意志をうち固めた。
冒頭、挨拶に立った菅直人代表は「国民の期待に応える活動を皆さんとともに繰り広げたい」と決意表明。小泉内閣に対しては「改革の先に明るい展望があるのか。全く国民に与えていない。これ以上この内閣が続くことの是非を明らかにする。自民党内閣である限り、構造改革はできないし、デフレ克服も不況からの脱却も進まない。景気回復もできない。一日も早い退陣、政権交代を求めていく」と政権交代を強く求めた。また、翌日の定期大会では経済再生のプランを明らかにすると語った。
次に岡田克也幹事長が報告を行い、7議員離党の事実経過、自由党との協力をめぐる協議、大会議案(活動方針案─総論)の内容骨子、党会計の情報開示について説明した。自由党との協力の進め方をめぐっては、国会や選挙への取り組みにおいて協力を進めることで一致した同日の菅代表と自由党・小沢党首との党首会談を受けて、来週早々にも両党の幹事長および政策、国会対策、選挙対策の各責任者が協議を行うことが報告された。
さらに、枝野幸男政調会長から通常国会への取り組みの決意表明、樽床伸二国会対策委員長代理から予算審議をめぐる与野党折衝の現状報告がなされ、その後、若干の質疑応答を行って閉会した。
菅代表、自由党・小沢党首と会談
民主党の菅直人代表は17日昼、都内で自由党の小沢一郎党首と会談し、今後の両党の協力のあり方について話し合った。会談には、民主党の岡田克也、自由党の藤井裕久の両幹事長も同席した。
会談後、菅代表は記者団に対し、「私の方から、戦後政治史上、画期的だった93年の政権交代を次の選挙で再現するために、ともに努力していくことをお願いした。現時点で党を一つにすることについては民主党内で結論が出ていないので、国会の取り組みや選挙を含めてできるところから協力を進めていくことで一致した」と会談の内容を説明。また、総選挙に向けた候補者調整など協力の具体的な中身については、今後、両党の幹事長、選挙対策委員長を軸に協議を進めていくことを明らかにした。
「改革・リベラル合同なくして政権交代なし」石井野党結集準備委員長
民主党は野党結集準備委員会を17日午後、党本部で開き、小選挙区で野党統一候補を立てた場合の勝率、統一名簿の原則(同一順位)などについて意見交換した。次回は野党結集に向けた総括的な議論を行う。委員会後、石井一委員長は記者団に対して「55年保守合同のように、2003年改革・リベラルの合同がなければ政権交代はない」と語り、野党の本格的結集の必要性を改めて強調した。
経済財政に関する基本方針~「予算の構造改革」で経済再生を~ 2003/01/17
●「予算の構造改革」で将来への期待と安心感を
自民党政権が繰り返してきた、財政による需給ギャップの穴埋めは、効果の継続性に乏しい上に、将来不安を拡大させて消費をさらに落ち込ませるという悪循環を生んでいる。また、日本銀行は、すでに長期間にわたって、ゼロ金利という異常な状態を継続し、強力な金融緩和策を採り続けてきているが、こうした金融緩和政策をさらに当面継続するとしても、金融政策のみに過度に期待することは、デフレ克服に名を借りた調整インフレによって、国民の財産を簒奪するという破局的な道につながりかねない。
私たちは、デフレを克服し、経済を再生するために、以下のとおり、間違った税金の使い方を改め、限られた貴重な税金を、将来不安を解消しつつ、眠っている需要とこれに対応する供給力とを覚醒させることに集中投資する。歳入面も含めた抜本的な「予算の構造改革」によって、国民の不安感、閉塞感を払拭し、将来への期待と安心感を醸成していく以外に、日本を再生させる道はない。1 『潜在的需要』を掘り起こす
国民が求めているサービスや財は、数限りなくあるが、その内容は、まだ貧しかった高度成長期から、少子高齢社会、成熟社会へと時代が移り変わるにつれて、大きく変化している。
ところが、社会全体としての供給が、こうした需要の変化に対応しきれていないために、こうした需要を掘り起こすことができないでいる。このギャップを埋めることこそが、経済を再生するためポイントである。
民主党は、税金の使いみちを、こうした潜在的需要に対応した供給を育てる部分に大きく移し変えることで、その顕在化を図る。2 『将来不安の解消』を図る
日々高まっている「将来の不安」は、国民の財布の紐をさらに固く閉ざし、潜在的な需要を消費に結び付けていく上での最大の障害となっている。
民主党は、年金・医療・介護など将来不安を小さくするための施策に、予算を重点配分するとともに、将来の増税につながる国債依存から可能な限り早期に脱却するため、最大限の努力を続ける。3 『仕事を生み出す』
将来不安の中でも、特に、緊急な対応を要するのは、雇用問題である。職を失い、職を得ることができないことは、生活の基盤を崩壊させ、さらには、人間としての尊厳をも失わせかない。
幸い「潜在的需要」に対応する供給は、多くの雇用につながるサービス分野が中心である。民主党は、特に、仕事を生み出す分野に優先的に予算を配分する。
また、就職、再就職支援のための職業訓練や職業紹介システムの充実などで、人材の能力を最大限に引き出すことにより、雇用需給のミスマッチを解消し、雇用不安の一刻も早い解消を図る。4 『地域の個性を生かす』
成熟社会を迎え、価値観が多様化している中では、潜在的需要そのものも、地域によって大きく異なっている。政府が、集権的・統制的・画一的に対策を打っても、こうした需要を顕在化させ、新たなビジネスを生み育てていくことはできない。
民主党は、紐付きの補助金を、自由に使える一括交付金に振り替え、地方の個性と意欲が生かせるシステムを構築する。5 『必要な資金を循環させる』
潜在的需要に対応した新しいビジネスを生み出すためには、こうした分野に必要な資金が供給される必要がある。不良債権問題の一義的な課題は、借り手企業の整理ではなく、貸し渋りや貸し剥しを阻止し、こうした資金供給が可能な金融システムを回復させることである。
民主党は、バブル大企業に対する金融と、新たなビジネスにつながりうる中小企業金融とを二分して、特に後者に対して、必要な資金が流れやすいシステムを作る。同時に、経営責任の明確化を前提に、公的資金の注入による一時国有化を断行して、金融システム全体の再生を急ぐ。●規制改革、NPO支援で民間の活力を
「予算の構造改革」と同時に重要なのが、国民、NPO、地域、民間企業等の自由な活動を最大限に保障し、その能力を最大限に発揮できる環境、システムを整備することである。価値観が多様化した現代社会においては、国民の潜在的需要を政府が一元的に把握し、対応することは不可能かつ非効率である。国民の知恵と意欲を最大限に発揮してもらうことによってのみ、経済の再生、活性化は可能となる。
そのために、不要となった規制を全廃するなど大胆な規制改革を速やかに実現すると同時に、税制を中心とする重点的なNPO支援制度などを確立する。●適正な為替レートで公正な国際競争を
実力以上に評価されている現在の円レートは、わが国の産業空洞化を進め、また深刻なデフレ不況を招いた大きな要因のひとつとなっている。この影響を緩和し、また公正な国際競争を実現するためにも、適正な為替レートの実現を目指して、最大限の努力を図る。《民主党ニュース》