平成5101日目

2002/12/26

この日のできごと(何の日)

【京都中央信用金庫立てこもり事件】

26日午前10時ごろ、京都市下京区四条通烏丸西入函谷鉾町、京都中央信用金庫(布垣豊理事長)の本店で、拳銃のようなものを持った男が職員4人を人質に立てこもった。京都府警によると、男は京都市内の職業不詳、A容疑者(60)とみられる。同信金から3億−4億円の融資を受けているといい、府警はトラブルがなかったかどうか調べている。

人質は男性3人と女性1人。けが人はいないもよう。立てこもっているのは四条通りに面した本店6階の応接兼会議室。6階には融資の審査部門などがある。男は人質と女性警察官との交換を要求しているという。府警捜査一課と五条署の捜査員が応接兼会議室のドア越しに男の説得を続けている。

調べによると、男は1階受付から入り「理事長はいるか」「会わせろ」などと言っていたという。白髪交じりの中肉の体格で、灰色のジャケットに白いベストを着ていた。職員が対応中にいきなり拳銃ようのものを取り出したという。

6階には1階正面玄関の受付を通らないと入れず、受付では客の名前と用件を聞き、警備員数人が出入りをチェックしているという。職員らは本店ビルから避難した。

府警はビル内に捜査指揮の本部を設け、応接兼会議室の周辺に警察官を配備する一方、避難した関係者から話を聴き、発生当時の様子や現在の状況を調べている。また京都中央信金の融資状況など、動機につながる事情がなかったかどうか確認を急いでいる。

五条署によると、同信金職員から「拳銃のようなものを持った50歳ぐらいの男が立てこもってしている」との通報があった。

現場は京都市の中心部。国道367号の烏丸通りと東側の祇園の飲食店街に通じ、飲食店や観光商店街が続く四条通りの交差点。地下鉄四条駅と阪急烏丸駅に近く、デパートやオフィスビルが立ち並んでいる。《共同通信》

京都中央信用金庫本店(京都市下京区)の人質立てこもり事件で、男は26日午後、人質の女性職員と男性職員の計2人を相次いで解放した。しかし、27日未明になっても緊迫した状態が続き、京都府警捜査一課などは現場の本店6階応接兼会議室のドア越しに、残る男性職員2人の人質を解放するよう説得している。

府警によると、男は京都市下京区、元不動産会社役員、A容疑者(60)。役員をしていた京都市内の会社が1991年10月に倒産し、同信金からの融資残高が約9億1000万円あったため、A容疑者は約8億円の免除を申し入れたが、断られていたことなどが分かった。府警は融資をめぐるトラブルとみて人質強要処罰法違反容疑で捜査している。

A容疑者は犯行予告のビデオを作成。一方的に自分の主張を話し、拳銃のようのものを持った姿が写ったビデオはフジテレビ系列で放映された。応接兼会議室から大阪市内の報道機関にも電話をかけた。

また25日夕、同信金に電話で「あす10時ごろ話をしに行く」と告げていていたことも判明。府警は計画的な犯行とみている。

調べによると、A容疑者は午前10時ごろ、信金本店に入り「理事長はいるか」「会わせろ」などと言い、応接兼会議室で、対応した職員にいきなり拳銃のようなものを取り出した。

さらに債権管理部の部長(54)、次長(52)、課長(58)と女性職員(23)を人質にして応接兼会議室に立てこもった。

その後も「ドアに爆弾を掛けた」「拳銃を2丁持っている」などと言って脅し、理事長との面会要求を繰り返した。

女性警察官との人質交換を求め、食べ物の差し入れは拒否した。午後4時40分ごろに女性職員、同10時半すぎに次長を解放した。

26日夜には、A容疑者の元部下の女性3人が記者会見し「信金のせいで倒産した」と話した。その後、一時本店に入った。《共同通信》

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【ゴルフ・宮里優作選手】プロ転向を表明

男子アマチュアゴルフの実力者、宮里優作(22)は26日、母校の東北福祉大で会見し、プロ転向を表明した。推薦で出場する米ツアー、ソニーオープン(来年1月16ー19日・米ハワイ州)がプロ初戦となる。

沖縄県出身の宮里は大阪桐蔭高から東北福祉大に進み、日本学生選手権を3連覇したほか、日本オープン選手権で2年連続ベストアマ。22日に終了したアジア・ジャパン沖縄オープンでは2位となった。《共同通信》

【スピードスケート】

スピードスケートの全日本スプリント選手権最終日は26日、札幌市の真駒内屋外競技場で行われ、2日間4レースの得点で争う総合の男子は清水宏保(NEC)が2大会ぶり6度目の優勝、女子は外ノ池亜希(アルピコ)が2連覇を果たした。清水は4レースすべてを制す完全優勝だった。

男子の完全優勝は1983−84年シーズンの黒岩彰以来、2人目。清水はこの日の500メートルを36秒35で、1000メートルは1分13秒72で制し、147.035点の圧勝。加藤条治(山形・山形中央高)が総合2位、小原唯志(明大)が3位だった。

女子の外ノ池は最後の1000メートルを1分21秒03で勝ち、162.750点で、大菅小百合(三協精機)を逆転。大菅小が162.760点で総合2位となり、新谷志保美(竹村製作所)が3位だった。《共同通信》

【明石歩道橋事故】警官ら5人を起訴

昨年7月、死者11人、負傷者247人を出した兵庫県明石市の歩道橋事故で、神戸地検は26日、K前明石署地域官(53)ら5人を業務上過失致死傷罪で在宅起訴した。 《読売新聞》

【保守新党】結党あいさつ

保守新党の熊谷弘代表ら役員は26日午後、与野党各党や連合を回り、結党のあいさつをした。しかし、古巣の民主党は訪問を拒否し、熊谷氏らは事務局に名刺を置いただけ。自由党の小沢一郎、社民党の土井たか子両党首も公務などを理由に姿を見せず、保守新党への風当たりの強さを再確認する、ほろ苦い「お披露目」となった。

公明党役員との会談では、熊谷氏がこれまでの公明党、創価学会批判について「暴言を吐いたことについて反省し、今後前向きにやらせてほしい」と陳謝。草川昭三公明党副代表は「政党同士批判するのは当然だが、支持団体への批判があった。気持ちよくスタートするため、あえて申し上げる」と、苦言で追い打ちをかけたが、二階俊博保守新党幹事長が割って入り、「折を見て名誉回復というか、おわびというかの機会があるだろう」と引き取った。

共産党の志位和夫委員長は「ちょっと複雑な心境だな」と皮肉り、連合の笹森清会長も「政治家の信条だからこちらからどうこう言うことはないが、距離感が難しい」と指摘した。《共同通信》

【政界談話室】

○・・・民主党の岡田克也幹事長は26日、民主党を飛び出した熊谷弘・保守新党代表らの就任あいさつを拒否したことについて、記者団に「『感情的』という記事も出ていたが、そうではない。ああいう形で出られた方が、すぐにあいさつに来るのは常識的に奇異に映る」と説明した。今後の対応を聞かれても「新党に厳しく当たるつもりはない」「与党全体が攻撃対象だ。ターゲットは間違えないようにしたい」と大人の答えに終始。めったに感情を表に出さない「持ち味」をいかんなく発揮していた。《共同通信》

【小泉純一郎首相】与党党首と会談

小泉純一郎首相(自民党総裁)、公明党の神崎武法代表、保守新党の熊谷弘代表は26日午後、国会内で党首会談を行い、連立政権合意の文書に署名、新たな連立体制が発足した。

合意文書では、自民、公明、旧保守党によるこれまでの合意のすべてを尊重する方針を確認。重要政策課題について「景気回復とデフレ不況の克服に真剣に取り組む」ことを掲げ、その一環として「金融政策の強化充実に務める」と明記した。《共同通信》

【この日の民主党】

「来年に5割の確率で民主党中心政権」菅代表

民主党の菅直人代表は26日、代表就任後初で本年最後となる定例記者会見を行った。このなかで、来年の政治状況のキーワードを問われた菅代表は、「まず1月から『反転攻勢』。統一地方選挙をへて、いよいよ『政権選択』が次のキーワードになってくる。民主党を中心とした勢力と、自己保身勢力とでくっきり分かれて総選挙を迎え、大変分かりやすくなってくる。来年末までには、少なくとも5割の確率で民主党中心の政権ができている」との見方を示した。

菅代表は、その前段で、民主党を25日までに党除籍となった熊谷議員らと保守党の一部が同日「保守新党」を結成したことにも触れ、「どう略すのか知らないが、『保新党』なら『保身党』と聞こえるし、『自・公・保新党』と言えば、『自己保身党』みたいに聞こえる。比例で民主党に投票した人の票で当選した人が他党に移ることは法律上認められておらず、明らかな脱法行為。その目的は自己保身のためであり、『自己保身党』という名前がぴったりだ。通常なら新党にはエールを送るものだが、残念ながらこのような新党にエールを送ることはできない」と強い調子で保守新党を批判した。

菅代表はまた、自民党長崎県連が26日、公共事業受注企業からの献金について地検の家宅捜索を受けたことにふれ、「諫早湾干拓でも同県連が毎年数千万円の献金を受けていたことが公開の資料で明らかになっている。国民に何のプラスにもならず、投資効果がゼロかマイナスの事業が続いているのは、献金や天下りのためだということが明らかになった。年明けの通常国会で、税金のムダ使いによる景気・財政の破綻を大々的に訴えていきたい」と述べた。

菅代表、田中長野県知事と会談

菅直人代表は26日、東京都内で田中康夫長野県知事と会談した。

田中知事は、優れた文化財である豊郷小学校校舎の存続をめぐって揺れる滋賀県豊郷町の問題を引き合いに出しながら、「補助金行政のあり方を見なおさなければならない。さらに、自由党の小沢党首と手を結び、小沢党首のハードランディング、菅代表のソフトテイクオフの2本立てで日本経済を立て直して欲しい」と要望した。

菅代表は、「小泉総理のように問題を丸投げはするが、それに対し方針を示し、さらに法律を作らないような改革は偽物だ」とし、「これから1年が正念場。国を改革するにはとにかく1度は過半数を獲らなくてはならない。いっしょにチームを組んでやりましょう」と水を向けた。

菅代表ら、新橋駅頭で初の訴え

26日、民主党は新橋駅前で街頭宣伝を行った。

新代表就任後、街頭宣伝車の上で初めてマイクを握った菅直人代表は、寒い中足を止めて聞き入るおよそ300人の聴衆らを前に、「日本の経済がなぜこんなに悪くなったのか、それは、税金の使われ方に問題があるからだ。必要、不必要を考えて使いさえすれば、30兆円の赤字国債もよい効果を生む。しかし、小泉総理はそこを全然判っていない」と来年度の政府予算案を一喝。

同じく演説に立った岡田克也幹事長は、「家計を守る減税ではなく、企業減税をするために安易にたばこや発泡酒に課税する大衆増税をしてはいけない」と政府・自民党の税制改革を批判した。

また、岡崎トミ子国民運動委員長、山根隆治参議院議員もそれぞれの言葉で訴えた。

北朝鮮のNPTからの脱退について(談話) 2002/12/26

民主党 政策調査会長 枝野幸男

本日、北朝鮮は、核不拡散条約(NPT)から脱退し、国際原子力機関(IAEA)との保障措置(核査察)協定の拘束から完全に脱することを明らかにした。北東アジアのみならず、世界の平和と安定を危険に晒す行動に強く抗議する。

民主党は、北朝鮮が、一刻も早く本日の宣言を撤回し、孤立から国際協調の道に戻ることを訴える。北朝鮮は、平和的手段での問題解決を呼びかける国際社会の声に耳を傾け、責任ある態度を示すべきである。

また、政府は、米国や韓国、中国等と緊密な連携を図るとともに、現在、ロシア訪問中である小泉総理は、プーチン大統領に対し、積極的に働きかけ、北朝鮮問題の解決につなげるべきである。

北朝鮮の燃料棒の移動など一連の行動について(談話) 2002/12/26

民主党『次の内閣』外務ネクスト大臣 伊藤英成

国際原子力機関(IAEA)は、北朝鮮が黒鉛実験炉施設内で、凍結されていた400本の核燃料棒を、原子炉付近に移動させたことを明らかにした。北朝鮮は実験炉の封印撤去後、原子炉の再稼働作業を進めているが、この一連の動きは、米朝枠組み合意や日朝平壌宣言を踏みにじり、ますますエスカレートする危険な瀬戸際外交に踏み出す行為であり、深く憂慮する。

日朝国交正常化交渉の再開には、北朝鮮が無益な非難を止め、拉致事件や安全保障上の問題解決に向け、具体的かつ誠実な行動を実行に移すことが前提である。

民主党は、東アジアの安全保障の根幹にかかわる核問題や、日本の主権と日本人の人権にかかわる拉致事件など重大な問題に対して、十分な準備もなく日朝交渉に臨み、今日の膠着事態を招来した政府の外交能力の欠如を非難する。政府は、早期に米国や韓国に総理特使を派遣するのを手始めに、日米韓が密接に協議し、国連安保理での協議を働きかけるなど、中国、ロシアを含めた関係諸国と緊密に連携して事態を打開すべきである。《民主党ニュース》



12月26日 その日のできごと(何の日)