平成5050日目

2002/11/05

この日のできごと(何の日)

【日・ASEAN首脳会議】

小泉純一郎首相と東南アジア諸国連合(ASEAN)10カ国首脳は5日午前、カンボジアの首都プノンペンで首脳会議を開いた。双方は経済関係緊密化のため、自由貿易協定(FTA)を含む包括的経済連携の枠組みを定める交渉を来年から始めることに合意。10年以内のできるだけ早い時期に経済連携を完成させることなどをうたった共同首脳宣言に署名した。

中国は4日のASEANとの首脳会議でFTAの枠組み協定に調印しており、今回の首脳宣言は東南アジアへの影響力を確保するため、日本が中国に対抗していく決意を公式に表明した形となった。

また、貿易自由化の交渉対象から農業を含む特定分野を除外しないことを明確化。ASEANの対日輸出のうち農林水産物の占める割合は15%を超えるため、実際の交渉が難航するのは必至だ。

首脳宣言はまず、小泉首相が1月の東南アジア歴訪で提案した包括的経済連携構想を具体化する決意を表明。双方の政府高官から成る委員会がFTAの方式や進め方の大枠を定める枠組み交渉を行い、来年の首脳会議に結果を報告することが盛り込まれた。

経済連携の具体化に当たってはASEAN全体を対象とするが、タイやフィリピンが日本との個別協議を始めている現状を踏まえ、二国間連携も可能とした。

ASEAN側が検疫を協議対象に含むよう強く要求して最後まで難航した貿易円滑化措置については「非関税的措置」との一般的表現で決着した。《共同通信》

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【プロ野球】

中村紀洋内野手、斎藤隆投手がFA宣言

パ・リーグを代表するスラッガー、近鉄の中村紀洋内野手(29)が5日、移籍を前提にフリーエージェント(FA)を宣言した。松井秀喜外野手がFAで抜ける巨人、大リーグのメッツなどが関心を寄せており、移籍は確実とみられる。

大阪市内のホテルで会見した中村は晴れやかな笑みを浮かべ、FA宣言に踏み切った理由を「自分がどう評価してもらっているのかを知りたい」と説明した。

中村のブレーンを務める関係者は、巨人との交渉に前向き姿勢を示している。また交渉解禁日の13日に近鉄が交渉に臨むが、ある球団幹部は“中村放出”の方針で固まっていることを明かし、永井充球団社長も他球団と金銭面で争う考えがないことを明言している。

中村は去就について白紙と前置きしながらも「近鉄で終わらせていいものか。いろいろな野球を経験するのもプラスになるんじゃないかと思う」と言い、報道陣の「移籍と聞こえるが」との質問にも「そういうふうに、取られても仕方ない」と話した。《共同通信》

横浜の斎藤隆投手が5日、フリーエージェント(FA)宣言し「国内外を問わず11年間やった評価を聞きたい」と米大リーグを視野に入れて球団を探すことを明らかにした。

斎藤はこの日午前に、代理人を務める水戸重之弁護士を通しFA権行使の申請書をコミッショナー事務局に提出。その後、横浜市内で「FA権を行使せずに野球人生を終えると(心に)わだかまりを持ったままになる。それにメジャー(リーグ)というものがなければここまで悩むことはなかったと思う」と、あこがれていた米大リーグへの思いを語った。

すでに横浜から残留を要請されているが、13日の交渉解禁日からは、獲得に名乗りを上げる球団とはすべて交渉を行い、移籍するかどうかを決める予定。《共同通信》

日本ハム次期監督にトレイ・ヒルマン氏

日本ハムは5日、来季監督に米大リーグ、レンジャーズのマイナー統括部長を努めていた、トレイ・ヒルマン氏(39)の就任を正式に発表した。2年契約で年俸は1億円、背番号は「88」。

米国出身の監督は、1995年にロッテを率いたボビー・バレンタイン監督以来。ヒルマン新監督は6日から千葉県鴨川での秋季キャンプに合流する。

東京都内のホテルで行われた会見でヒルマン新監督は「5年ほど前から日本で監督をするチャンスがないかと思っていた。日本人スタッフとともにアイデアを出しあいながら、ベストなチームづくりをしたい」と抱負を語った。《共同通信》

正力松太郎賞に巨人・原辰徳監督

今年の「正力松太郎賞」の選考委員会が5日開かれ、巨人を2年ぶり20度目の日本一に導いた巨人の原辰徳監督の初受賞が決まった。同賞はプロ野球の発展に貢献した選手や監督が対象で、賞金500万円などが贈られる。

就任1年目の原監督はスター選手が並ぶチームをまとめ、故障の主力に代わって起用した選手が穴を埋めるなど、さい配だけではなく、選手の実力を見抜く眼力も認められた。《共同通信》

巨人、優勝祝賀会

球団史上初の4連勝で日本一になった巨人の日本シリーズ優勝祝賀会が5日、東京都千代田区のホテルで行われ、さながら米大リークへ挑戦する松井の壮行会となった。

冒頭であいさつに立った渡辺恒雄オーナーが「松井選手の壮行会を兼ねさせてもらいたい」と話すと、会場は割れんばかりの拍手に包まれた。さらに松井のために健康と野球に関する4冊の本を購入したことを明かし、「けがと病気だけはしないで欲しい。決断した以上は大陸に渡って巨人魂を見せてほしい」とエールを送った。原監督も「身を粉にして巨人のために働いた姿は忘れません」とこの日は、笑顔だった。

知っ買う

祝賀会の中で強い激励を受けた松井は「オーナーはじめ、みなさんからも温かい言葉をいただいて感激しています」と振り返った。

1日の米大リーグ挑戦表明から慌ただしく時が過ぎた。最初はファンやチームメートへの思いから表情が硬かった。それが4日の優勝パレードでのファンの声援、この日の会場での温かい反応。「幸せ者というか、そういう気持ちでいっぱいです」と自然と表情が緩んだ。《共同通信》

【新庄剛志外野手】帰国会見

日本人で史上初めてワールドシリーズに出場した米大リーグ、ジャイアンツの新庄剛志外野手が5日、東京都内のホテルで帰国会見を行い「今年はすごく楽しい1年だった」などとシーズンを振り返った。

ワールドシリーズ第1戦で中前打した時のバットとボールが1日に米野球殿堂入りしたという新庄は「ヒットは毎試合出場してのものじゃなかったから複雑な気持ち。でも、シリーズの盛り上がり方は、大リーガーが目標にしているのがよく分かるくらいすごかった」と、いまだに興奮が冷めていない表情を見せた。

来季の所属球団については「トレードも残留の可能性もある」と言い、15日までは未定であることを明かした。

その後は、大リーグ挑戦を宣言した松井(巨人)に関する質問が集中。移籍先の最有力候補とされるヤンキースについては「大リーガー全員が1度はプレーしてみたいと思う球団」。さらに、大リーグでの活躍予想は「球宴までにどのくらい打てるかを目標に置いた方がいい。30本塁打できたらすごい。外角のストライクゾーンが広いから。左翼方向に打てるかだね」とエールを送っていた。《共同通信》

【北朝鮮による日本人拉致事件】

蓮池さん夫妻「日本で子供と会いたい」

安倍晋三官房副長官と中山恭子内閣官房参与は5日午後、新潟県柏崎市を訪れ、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)による拉致被害者の蓮池薫さん(45)、祐木子さん(46)夫妻と会見した。

薫さんは「一日も早く子供たちと日本で会いたい。日本政府を信頼している。方針に従って見守るしかない。私は日本で待ちます」と述べ、北朝鮮に残された家族の早期帰国の実現を要請、永住帰国に含みを持たせた。同時に「(永住帰国問題は)家族と話し合った後、考えるのでそっとしておいてほしい」とも述べた。

第三国での家族との面会に関しては「自由な意思で話せる環境がつくれない。その場で別離が決まってしまう恐れがある」と難色を示した。安倍氏は検討していないことを伝えるとともに、家族の帰国を最優先の課題として取り組む決意を強調した。《共同通信》

「松木さん遺骨」鑑定不能

北朝鮮に拉致された熊本県出身の松木薫さん=失跡当時(26)=のものとみられる遺骨について、政府は5日、「重度の熱の影響を受け、鑑定不能」との結果を松木さんの家族に通知した。遺骨は北朝鮮で2度火葬されたといわれ、DNA鑑定は当初から難しいとみられていた。拉致被害者のうち「死亡」と伝えられた8人のうち1人だけ、遺骨が北朝鮮側から提供され、警察庁科学警察研究所などが鑑定していた。

松木さんは1980年6月、スペインで工作員に拉致された。北朝鮮で特殊機関内の学校で日本語を教えていたが、1996年に交通事故で死亡したとされる。遺体安置所が洪水で流されたが、北朝鮮の調査で発見され、再火葬され共同墓地に埋葬されたという。

松木さんの姉、斉藤文代さん(57)=熊本県菊陽町=は「薫は北朝鮮で生きていると信じているので、最初から遺骨は別人のものだと思っていた。2度火葬されたと聞いていたし、結果はこうなると予想していた。これからも、生存を前提に救出を目指すつもりだ」と話している。《共同通信》

【小泉純一郎首相】「平壌宣言履行を」

小泉純一郎首相は5日午後、プノンペンで内外記者会見し、北朝鮮がミサイル発射の中止延長見直しに言及したことについて「日朝平壌宣言の原則、精神を踏みにじるようなことは北朝鮮もしないと思う」と述べ、日朝平壌宣言の履行を求める考えを表明した。

首相は「日朝平壌宣言で盛られた約束を誠実に実行に移すことが国交正常化の前提だ。北朝鮮も、宣言を誠実に守っていただきたい。そういう前提以外の発言を受け取っていない」と強調した。

東南アジア諸国連合(ASEAN)や中国との自由貿易協定(FTA)締結問題については、「FTAを目指す前に、包括的経済連携構想を段階的に進めるのが大事だ。お互いの事情を考えながら、できるところから進めていく。中国とも全く同じだ」と述べ、各国の事情も勘案し、慎重に検討する考えを示した。

その一方で、首相は経済成長が続く中国に対し「脅威論」はとらないと指摘。ASEANとのFTA締結を目指す動きを市場経済の発展に向けた中国の前向きな姿勢と評価した上で「日本も前向きに受け止めて、新しい時代に向けて互いに共存共栄を図る」と強調した。《共同通信》

【政界談話室】

○・・・民主党の鳩山由紀夫代表は5日の常任幹事会で「最近は、物言えば唇寒しという状況かもしれない」とあいさつ。「選挙に勝つのがなんぼのもんだという思いを一人一人に植え付けるのが私の役目」とする3日の発言に釈明を重ねた。「自民党と違う政権をつくらないといけない。そのため私利私欲を捨てた政治をつくろうと。人間一番弱いのは、選挙に勝ちたい、政権の座にいたいという欲。それを捨てることに道筋がある」「開き直りと言われるが、そうではない」。話せば話すほど、開き直りの印象は強まるばかり。《共同通信》

【この日の民主党】

「総合経済対策を今週中に発表したい」鳩山代表

民主党の鳩山由紀夫代表は、5日の常任幹事会の冒頭あいさつで、先月末に政府がまとめた総合デフレ対策について「閣議決定も閣議了解もない一片の紙切れで現在の国民のギリギリの状況を克服できるとは到底思えない」とあらためて厳しく批判するとともに、民主党のネクストキャビネットと経済再生本部で検討を進めている「経済再生プラン」を今週中にもまとめ、発表する意向を表明した。

代表選挙制度検討委員会を設置

民主党は5日の常任幹事会で、先の代表選挙終了を受け、代表選挙制度の検証と検討を行うため、常任幹事会の下に「代表選挙制度検討委員会」を設置することを決めた。委員長に仙谷由人衆議院議員、事務局長に党総務局長の原口一博衆議院議員を任命、委員については調整中。

政権戦略委員会が今後の議論の論点示す

民主党・鳩山由紀夫代表の私的諮問機関として設置された政権戦略委員会(岡田克也委員長)は5日、会合を開き、今後の民主党の政権戦略建て直しのための党内議論の論点を整理し、公表した。有識者からのヒアリングを年内に3~4回行うことも決めた。

「政権戦略の総論として外部有識者を交えて議論すべき論点」と題する資料には、「民主党が未だ政権を取れない理由はどこにあり、党として何が問題なのか」「自民党への幻滅が、民主党への支持に移らないのはなぜか」「組織改革の前提として、民主党の政党としてのあるべき形をどのようにイメージするのか」など12項目の論点が並ぶ。

同委員会はまた、年内の答申に向けて、組織・人事、財務・経理、選挙戦略などの各面について検討課題を示した。「意思決定は原則として多数決によることを明確にすべきではないか」「現職議員および新人候補者の定年制を導入すべきではないか」「年齢よりも当選回数の方が問題ではないか」「広報・宣伝予算を増額、より効果的な活用方法を検討すべきではないか」などの論点が示されている。

拉致問題・日朝交渉対策本部、第1回会合開く

民主党の拉致問題・日朝交渉対策本部は5日、第1回の会合を開き、10月29、30の両日に行われた日朝国交正常化交渉の本会議に関して外務省からのヒアリングを実施するとともに、今後の取り組みについて議論した。

冒頭、挨拶に立った鳩山由紀夫本部長は、「対策本部の設置の意味は、運動体として、党がどのような行動をとるべきかを検討し、運動を起こすことにある。拉致問題では被害者および家族の永住帰国までまだ道遠しだし、核問題でも埒が開いていない。野党第1党としての対応が問われている」と述べ、活発な議論を呼びかけた。

続いて、外務省アジア大洋州局の藪中審議官から日朝国交正常化交渉第12回本会議についての報告を受け、質疑が行われた。日本側が拉致・核問題を中心に議論を主導したが具体的成果は得られなかった、とした報告に対して、「なぜクアラルンプールでやったのか。東京・平壌でやるのが筋だ」「第2次調査団の派遣を要求するというが、独自に事実を確かめる手だてはあるのか」などの質問・批判が出された。

次に、党北朝鮮問題プロジェクトチームの前原誠司事務局長が、ネクストキャビネットで了承された「現時点での北朝鮮問題に関する考え方」を提起。状況の変化を踏まえながら、さらに議論を継続したい、とした。

今後の取り組みをめぐる議論では、拉致・難民問題についての国際的な議員外交の展開、KEDOの協議の場としての積極的活用などをめぐって意見が交わされた。また、党内の北朝鮮問題をめぐる活動や経験の蓄積を再度洗い直すことの必要性も提起された。

最後に、海江田万里政調会長が発言し、「北朝鮮問題は、政府・与党の一番のウィークポイントだという指摘もある。きちっと取り組んで、民主党の存在感を示そう」と呼びかけて会合を締めくくった。

中国共産党青年幹部訪日団を受け入れ

民主党は5日の常任幹事会で、日中国交正常化30周年記念事業の一環として、「中国共産党青年幹部代表団」の訪日を受け入れることを決めた。訪日の日程は、12月4日から10日までの7日間。

今回の訪日団は、6月に鳩山代表を団長とする「民主党日中国交正常化30周年記念訪中団」125人が中国共産党の招待で北京・上海・蘇州を訪れた際に民主党側から招待したもの。訪日団は18人で、東京では党本部を訪れ鳩山代表や若手議員と懇談するほか、国会見学・都内視察を行う。その後、3班に分かれて北海道の農業、愛知の企業、九州の産学連携の実情などを視察し、再び全員で京都・大阪を視察する予定。

【女優・范文雀さん】死去

テレビドラマ「サインはV」などで人気を集めた女優の范文雀さんが、5日午後1時38分、心不全のため東京都千代田区の病院で死去した。54歳だった。東京都出身。

1968年にテレビドラマ「特別機動捜査隊」でデビュー。69年から70年にかけて放送された「サインはV」で、悲劇のバレーボール選手ジュン・サンダース役で人気を呼んだ。このほか、代表作にドラマ「アテンションプリーズ」、映画「野良猫ロック」シリーズなどがある。《時事通信》



11月5日 その日のできごと(何の日)