平成5049日目
2002/11/04
この日のできごと(何の日)
【日中韓首脳会談】
小泉純一郎首相は4日午前、中国の朱鎔基、韓国の金碩洙両首相とプノンペン市内で会談し、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の核開発問題について1994年の米朝枠組み合意を堅持しながら、平和的な解決を目指すことで一致した。
続く東南アジア諸国連合(ASEAN)プラス3(日中韓)首脳会議でも「東アジア全体の脅威」と位置付け、平和的に解決すべきだとの認識を確認した。
3カ国首脳会談で小泉、金両首相は「検証可能な形」で北朝鮮に開発計画廃棄を求める必要性を強調し、朱首相も「枠組み合意の実施が重要」と明言した。先月末のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の声明などを踏まえ、東アジアの主要3カ国に加えて、東南アジア諸国も含め北朝鮮に早期解決を求める包囲網ができた形だ。
朱首相は「日中韓の自由貿易が実現可能かどうか研究を始めたい」と述べ、3カ国間の自由貿易協定(FTA)締結を模索することを提案。小泉首相は中国が世界貿易機関(WTO)に加盟して間もないことなどから「中長期的に検討を進めるべきだ」と述べるにとどまった。
朝鮮半島情勢をめぐり小泉首相は、9月の平壌訪問で「北朝鮮が責任ある国際社会の一員になることが発展の基礎になる。孤立すべきでない」と金正日総書記に伝えたことを紹介。日本人拉致事件と核問題を最優先事項として国交正常化交渉に臨む方針を説明した。核問題では「平和的解決が重要。中韓両国の建設的役割を希望する」と述べた。
金首相は「東アジア全体に重大な影響を与える深刻な問題だ。透明性をもった解決を求めたい」と指摘。朱首相は「核開発計画は全く知らなかった。平和的協議を通じての解決を希望する」と述べた。《共同通信》
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【サッカー・ナビスコ杯】
Jリーグのヤマザキナビスコカップ決勝は4日、東京・国立競技場に約5万6000人の観客を集めて行われ、鹿島が1−0で初タイトルを狙った浦和を下し、2年ぶり3度目の優勝を果たした。3度は東京V(当時V川崎)と並ぶ最多優勝。優勝した鹿島には賞金1億円、浦和には5000万円が贈られた。《共同通信》
【プロ野球・巨人】優勝パレード
2年ぶりにプロ野球日本シリーズを制した巨人の原辰徳監督と選手ら44人が4日、東京・銀座などをパレードし、日本一の笑顔を振りまいた。
米大リーグ朝鮮を明らかにした松井秀喜選手も手を振って笑顔を見せた。大リーグ挑戦の表明以降、ファンの前に姿を見せるのは初めてとあって、同選手への声援が目立った。
午前10時半、選手らを乗せたパレードカー3台が東京・大手町の読売新聞東京本社を出発すると「ホームラン、ホームラン、松井」の大合唱が、真ん中の車の最後尾に立った松井選手は帽子をとって大きく手を振り、日本のファンの姿を胸に刻むようにゆっくりと周りを見渡した。
車は日本橋、京橋を経て、銀座の目抜き通りへ。沿道を埋めた約29万人(警視庁調べ)が歓声を挙げた。
パレード終了後、松井選手は「温かい気持ちで送り出してくれるのが伝わって嬉しかった。ありがたい気持ちでいっぱいです」と話していた。《共同通信》
【中国、ASEAN首脳会議】
中国と東南アジア諸国連合(ASEAN)の首脳会議が4日、プノンペンで開かれ、南沙(英語名スプラトリー)諸島などの領有権紛争の平和的解決を約束する「南シナ海の行動宣言」と、自由貿易協定(FTA)実施を2010年までに完了することを定めた「包括的経済協力枠組み協定」に合意した。
中国の朱鎔基首相とASEAN10カ国首脳が出席した会議ではこのほか、テロ対策や麻薬密輸など国境を越える問題で協力を強化する「非伝統的安全保障分野の協力に関する共同声明」も採択した。
双方は政治。安全保障、経済の両メインで協力関係を築く基盤の構築に成功、大きな外交成果を挙げた。行動宣言には外相(中国は王毅外務次官)が、枠組み協定には首脳がそれぞれ証明した。
行動宣言は中国、台湾とフィリピンなどASEAN4カ国が領有権を争う南沙、中国とベトナムが自国領を主張する西沙(英語名パラセル)諸島を含む南シナ海で、武力を用いずに領有権問題を解決することを双方が政治的に約束。宣言に基づき、双方は島や礁の新たな占有を自制し現状を維持するが、中国の要求で現在占有する島などに建造物を新たに構築することは対象から外された。ベトナムが強く求めた法的拘束力の強い「行動規範」については、将来の採択を目指すことで一致した。《共同通信》
【北朝鮮による日本人拉致事件】
小泉首相、第三国での面会排除せず
小泉純一郎首相は4日夜、プノンペン市内のホテルで同行記者団と懇談し、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)に残された拉致被害者家族の帰国問題について、中国などの第三国で被害者と子供ら家族が面会する方式を排除しない考えを強く示唆した。
本年度の税収不足が見込まれることを踏まえ補正予算編成については「総合対策をしているから、経済状況を見ながら大胆かつ柔軟に対応していく」と述べ、国債発行30兆円枠にこだわらず、来年の通常国会冒頭での補正予算編成に重ねて含みを持たせた。
首相は、こう着状態にある被害者家族の帰国に関して「今後の北朝鮮側との話し合いだ。水面下、交渉の中での話し合いの両方だ」と、あらゆるルートを通じて問題解決を急ぐ考えを強調した。
拉致被害者と家族の第三国での接触の可能性については「決まってから発表すればいい。決まる前に経緯は言わない方がいい。どこであろうと、日本に直接帰って来る場合もある」と指摘し、問題解決へ柔軟に対応する考えをにじませた。
北朝鮮の核開発問題では、日中韓首脳会談での連携確認を受け「(中国が)友好国として北朝鮮に国際社会の一員になるよう働き掛けていくことを期待する」と述べ、中国の影響力行使に強い期待感を表明した。《共同通信》