平成5042日目

2002/10/28

この日のできごと(何の日)

【北朝鮮による日本人拉致事件】

曽我ひとみさん「早く夫と子供に会いたい」

朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)から古里に戻っている曽我ひとみさん(43)は28日午後、新潟市内で会見し、永住帰国についてあらためて「一日も早く、夫と子供に会って時間をかけて相談したい」と胸の内を語った。市内のホテルで約10分間、用意したメモを見ながら質問に答えた。

曽我さんは「夫と子供は私のことを心配してくれていると思う。どうか早く会わせてください」と北朝鮮にいる家族との早期再会を希望した。

横田めぐみさん=失踪当時(13)=に関しては「1978年8月19日に平壌の招待所で初めて会った。80年春に別れてからは一度も会うことはなかった。友達として生きていてくれればと心から願っています」と述べた。

78年8月12日に拉致された曽我さんは、一週間後に横田さんと会ったことになる。横田さんは曽我さんに「双子の弟がいてとてもかわいい。母は香水のにおいがして、とてもきれい」とも話していたという。《共同通信》

家族会「強気の姿勢」求める

29日の日朝国交正常化交渉再開を前に、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)に拉致された被害者の家族でつくる「家族連絡会」は28日、東京都内で記者会見。家族会代表で、横田めぐみさん=失跡当時(13)=の父滋さん(69)は「日本側は原則を貫き通して強気で臨んでほしい」などと語った。

滋さんは「帰国している5人の子供を呼び寄せることと、『死亡』とされた人についてきちんとした証拠を出すよう交渉してほしい」とし、今回の交渉で新潟県柏崎市の蓮池薫さん(45)ら5人の子供たちの帰国日程を決定してほしいとの考えを示した。

蓮池さんの兄透さん(47)は、蓮池さんが永住帰国問題について「ノーコメント」としながら故郷にとどまっていることに触れ「この状態が長期化すると、北朝鮮の子供が人質のようになり、本人の心も動きかねない。できるだけ早い子供の帰還をと思っている」と語った。

「死亡」とされた増元るみ子さん=同(24)=の弟照明さん(47)も、帰国した5人を北朝鮮に戻さなかったことについて「北朝鮮がまともな国家ならこのようなことはしない。人の生死をもてあそぶような報告書を出してくる所に大事な家族を帰せない」と話し、5人が残してきた子供たちの早期帰国を訴えた。

また有本恵子さん=同(23)=の父明弘さん(74)も神戸市内で「帰国した5人は日本から出さないと伝え、5人の家族と拉致被害者全員の帰国を要求すべきだ。これらの点で妥協できる余地は国際的にも国内的にもないはずだ」と話した。《共同通信》

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【ソニー】3期ぶり黒字化

ソニーが28日発表した今年9月中間連結決算は、純利益が1012億円となり、中間期としては3期ぶりに黒字に転換した。経営難に陥っていた子会社、アイワを12月1日付で吸収合併することが決まり、同社関連の損失が減るなど、主力のエレクトロニクス事業が黒字化したためだ。

これに伴い、2003年3月期の通期の連結純利益の予想額も、当初の1500億円から1800億円に上方修正した。中間期の売上高は、前年同期比2.8%増の3兆5115億円と、上半期としては過去最高。ただ通期の売上高予想は7月時点から1000億円下方修正し、7兆6000億円とした。

米国経済の先行き不透明感から、下半期に音響映像機器の販売が落ち込むと見ているためで、下方修正は本年度2度目。主力事業がけん引する形での本格回復に至っていないことが裏付けられた。《共同通信》

【横浜市】人口350万人突破

横浜市は28日、人口が350万人を突破し、350万184人になったと発表した。同市によると、市町村の人口最多記録を更新し、都道府県と比べても茨城県(11位)を上回り、静岡県(10位)に次ぐ規模。諸外国ではレバノン(2000年7月現在で約349万6000人)に匹敵する。

記者会見した中田宏市長は「唯一の350万都市として、横浜を活力ある街にし、市民にきめ細かなサービスをするため(区役所への)分権を進めたい」と話した。

横浜市の人口は1978年、当時市町村で人口最多だった大阪市を抜き、85年に300万人を超えた。ここ数年は毎年平均約3万人ずつ増加。2020年に370万−380万人に到達してピークを迎え、その後は緩やかに減少する見通し。《共同通信》

【プロ野球・沢村賞】

伝説の名投手、沢村栄治(巨人)の功績をたたえて、その年のプロ野球の最も優れた先発完投型投手に贈られる沢村賞の選考委員会が28日、東京都内のホテルで開かれ、巨人の上原浩治投手(27)が選ばれた。

上原投手は新人で20勝(4敗)を挙げた1999年以来、2度目の受賞。今季はセントラルリーグ最多の17勝(5敗)を挙げ、巨人のリーグ優勝に貢献した。《読売新聞》

【大相撲九州場所】番付発表

日本相撲協会は28日、大相撲九州場所(11月10日初日・福岡国際センター)の番付を発表し、岩木山が新入幕を果たした。元小結両国の中立部屋からは初の幕内力士誕生で、青森大出身でも初の幕内力士となった。新三役がいないのは、ことし名古屋場所以来。

横綱は秋場所で2度目の優勝を果たした武蔵丸が8場所続けて東に座り、8場所ぶりの出場で千秋楽まで武蔵丸と優勝を争った貴乃花が西。貴乃花は横綱在位が48場所で、曙と並ぶ史上4位となった。大関はかど番だった先場所で12勝を挙げた魁皇と、朝青龍、全体明けで初のかど番の栃東が東。西が千代大海と武双山。

関脇は3場所連続の若の里が東で、3場所ぶりに三役に復帰した琴光喜が西。小結には旭天鵬と隆乃若が返り咲いた。《共同通信》

【民主党・前田雄吉衆院議員】18歳少年に襲われる

28日午前8時15分ごろ、愛知県犬山市若の宮の名鉄小牧線楽田駅前の路上で、一人で演説をしていた民主党の前田雄吉衆院議員(42)=愛知6区=が、犬山市在住の無職の少年(18)に腹を殴られ、マイクを持っていた右手をねじられた。前田議員は腹や胸の打撲と右手首のねんざで2週間のけが。

少年は暴行の現行犯で犬山署員に逮捕された。調べに対し、少年は「自宅にいたら街頭演説の声がうるさいのでマイクを奪おうとした」と供述している。愛知県警は、少年は右翼団体とのつながりもなく、現場にも単独で来たとみている。《共同通信》

【政界談話室】

○・・・民主党の羽田孜特別代表は28日の記者会見で、衆参統一補選の惨敗について「みんな懸命に戦った。批判より補うことが大事だ」と執行部責任を否定した。比例代表からのくら替え出馬批判を浴びて落選した古賀一成前衆院議員の話題になると、前回総選挙で小選挙区と比例から重複立候補した点を強調。「惜敗率で当選した。単純比例から小選挙区に回ったのとは多少違う」と擁護を試みた。だが、さすがに無理な弁明と思ったのか「比例から小選挙区へという意味では同じだ」と最後は白旗。《共同通信》

【福田康夫官房長官】「小泉改革に賛意」

福田康夫官房長官は28日午前の記者会見で、衆参統一補選で与党候補が5勝したことについて「構造改革を中心とする小泉改革に承認を与えた、賛成の意を示したということになる」と評価した。同時にいろいろな要素もある。われわれも安心しているわけではない。改革のよりよき方針を探りつつ、努力をしていく」と述べた。《共同通信》

【ロシア・プーチン大統領】テロ対策の見直し指示

プーチン・ロシア大統領はモスクワ劇場占拠事件の犠牲者を悼む服喪の日である28日、閣議で演説し、大量破壊兵器使用による国際テロの脅威が高まっていると警告、軍参謀本部に対テロ活動の見直しを指示した。テロ対策で治安機関に加え、国防省所属の正規軍を積極的に活用する方針を示したものだ。

大統領はまた大規模テロの脅威に対し、国外での軍事力行使も辞さない強硬な姿勢を表明、占拠事件を受け、テロとの戦いへの強い決意を表明した。

人質116人が特殊部隊の使用した特殊ガスの中毒で死亡した問題で28日付のロシア各紙は、劇場突入時のガス使用の妥当性に疑問を表明、政府の対応を批判する声も出始めている。今回の大統領発言は国内で強まりつつある批判を、テロの脅威を強調することでかわす狙いもありそうだ。

大統領は「ロシアは決してテロリストの要求、脅迫には屈しない」と強調、チェチェン共和国独立派が再びテロを試みれば、断固とした対抗措置を取ると強調した。

一方で大統領は「悲劇は終わったが、多くの問題が残った」と述べて、事件を防止できなかった責任を認めた。

しかし、大統領は国際的な注目が集まっている特殊ガスの使用の妥当性や中毒死問題には言及しなかった。《共同通信》



10月28日 その日のできごと(何の日)