平成5041日目

2002/10/27

この日のできごと(何の日)

【衆参統一補選】与党が5勝2敗

小泉改造内閣発足後初の国政選挙となった衆参両院7選挙区の統一補欠選挙は27日投開票され、自民、公明、保守の与党3党の統一候補が5選挙区を制し、勝利した。野党側は民主党公認候補が加藤紘一元自民党幹事長の議員辞職による衆院山形4区を制したものの、1議席獲得にとどまり惨敗した。

小泉純一郎首相は政権運営に自信を深め、構造改革路線を一層推進する方針だ。ただ全選挙区で投票率が過去最低となり、「政治離れ」現象が鮮明になった形。加えて経済政策などをめぐり首相と与野党間の見解の違いは選挙戦を通じて解消しておらず、引き続き主導権争いが続くのは避けられない情勢だ。

一方、経済低迷、保守分裂が続出する絶好の機会に敗れた野党は大きな打撃を受け、民主党の鳩山由紀夫代表、中野寛成幹事長らの責任問題が浮上するのは確実で、抜本的な立て直しを迫られることになった。

与党は全選挙区で自民党の公認・推薦候補を公明、保守両党が推薦して足並みをそろえ、衆院新潟5区、大阪10区、福岡6区、参院千葉選挙区、鳥取選挙区で勝利、数の上では自民党議席を守った。衆院神奈川8区は保守系無所属が自民党公認、民主党公認の2氏らを抑え当選した。福岡では民主党の比例代表選出議員のくら替え出馬に厳しい審判が下った。

今回の補選は株価急落に象徴される小泉首相の経済運営を最大の争点に、スキャンダルが補選のきっかけになった選挙区も多いことから政治倫理も問われた。しかし、有権者の関心は低かった。

自民党は保守分裂となった選挙区でも、青木幹雄参院幹事長、古賀誠前幹事長、野中広務元幹事長ら首相に距離を置く実力者が陣頭指揮に立ち、勝利したことにより、党内の発言力を確保。今後も厳しい姿勢で臨む考えで、首相が経済運営などで苦しい立場を強いられることも予想される。

民主党は9月の代表選後、「鳩山代表−中野幹事長」体制での初の国政選挙。すべての選挙区で公認・推薦候補を擁立したが、経済や政治倫理をクローズアップさせることに失敗、無党派層を引き付けることができず、代表選とその後の執行部人事の混乱が直撃した。

小泉首相は27日朝(日本時間28日未明)、メキシコのロスカボスで衆参統一補選の結果を受けて「予想以上にいいね」と感想を述べた。その上で「本来補選は与党が負けるのが普通。いかに野党が批判ばかりしているか、批判なら誰でもできるということを国民は見てるのかな」と野党を批判。

政権運営への影響について「(影響は)ない。補選に勝っても負けても改革路線を確固たるものにしていく」と語った。《共同通信》

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【芝山鉄道】開業

成田空港建設の見返り事業として建設が進められてきた同空港と千葉県芝山町を結ぶ「芝山鉄道」が27日に開業し営業運転を始めた。

営業距離は空港内の東成田ー芝山千代田駅間2.2キロと日本一短い。平日は一日上下64本運転。京成線と結ばれ、都心と直結する。《共同通信》

【競馬】

第126回天皇賞・秋(27日・中山2000メートル芝18頭、GI)3番人気一の外国産馬シンボリクリスエス(岡部幸雄騎乗)が1分58秒5で勝ち、賞金1億3200万円を獲得した。

3歳馬の優勝はバブルガムフェロー以来、6年ぶり3頭目。53歳の岡部騎手は自らの最年長GI勝利を更新し、春を含め天皇賞6勝目、藤沢和雄調教師は2度目の制覇。

レースはゴーステディが4コーナーまで捨て身で逃げ、勝負は直線に持ち込まれた。5、6番手で満を持していたシンボリクリスエスが馬群をこじ開けるようにして抜け出し快勝。1番人気のテイエムオーシャンは13着だった。《共同通信》

【J1】

Jリーグ1部(J1)第2ステージ第11節最終日(27日・カシマスタジアムほか=2試合)札幌が、鹿島にVゴールで敗れ、3シーズンぶりの2部降格が決まった。札幌は年間順位で16位の勝ち点10、残り4試合に全勝しても現在同14位の柏(23点)に及ばず、15位以下が決まった。浦和は、0−0の延長後半、東京Vの米山にVゴールを決められ連敗、3位に後退した。《共同通信》

【プロ野球・日本シリーズ】

プロ野球の日本シリーズ第2戦、巨人(セ・リーグ)−西武(パ・リーグ)は27日、東京ドームで行われ、巨人が9−4で快勝し、1972年以来、30年ぶりの開幕2連勝を飾った。敗れた西武は、相手の本拠地でシリーズ10連敗となった。

巨人は一回、松井の二塁打で1点を先行。三回には先頭桑田からの5連続安打で石井を攻略。さらに阿部と仁志の長短打で一挙6点を奪い、七回にはダメ押しの2点を追加した。桑田は7回を1失点で、シリーズ通算3勝目を挙げた。

西武は2試合連続して先発投手が早々と降板。打線も三、四回の反撃機で併殺を喫するなど、カブレラが2試合連続本一塁打を放ったほかは低調だった。《共同通信》

【ゴルフ】

樋口久子クラシック最終日(27日・茨城県太平洋クラブ&アソシエイツ美野里=6399ヤード、パー72)初日から首位の藤井かすみが2バーディー、3ボギーの73にまとめ、通算7アンダーの209で今季3勝目(通算4勝)を挙げた。賞金ランク2位の藤井は、賞金1080万円を獲得し、首位の不動裕理に約500万円差と迫った。

3打差の2位は平瀬真由美。さらに1打差の3位に不動、塩谷育代、大金寿子が入った。福嶋晃子は10位だった。

不動は生涯獲得賞金が4億円を、塩谷は同6億円をそれぞれ突破した。《共同通信》

ブリヂストン・オープン最終日(27日・千葉県袖ケ浦CC袖ケ浦=7208ヤード、パー72)スコット・レイコック(オーストラリア)が71で回り、通算16アンダー、272でツアー初優勝、賞金2200万円を獲得した。初日から首位を堅持したレイコックは14番でボギーとして谷口徹、片山晋呉に並ばれたが、16番のバーディーで再びリードを奪い、そのまま逃げ切った。

谷口と片山が1打差の2位。さらに2打差の横田真一とディーン・ウィルソン(米国)が4位だった。《共同通信》

【APEC首脳会議】

アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議は27日午後、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)に核兵器開発計画の放棄と問題の平和的な解決を求める「北朝鮮に関するAPEC首脳声明」を採択、同計画の放棄が北朝鮮の経済立て直しに結び付くとの強いメッセージを送り閉幕した。

日米韓首脳会談での共同声明に次いで、北朝鮮に影響力を持つ中国、ロシアを加えた首脳会議の声明には、29日からの日朝国交正常化交渉を前に、北朝鮮の外交的な「逃げ場」を封じ込め、核開発断念を迫る国際的包囲網を強化する狙いがある。APEC首脳会議で特定国に対する声明が出されたのは初めて。

声明は「北朝鮮がアジア太平洋共同体により大きく参加することで、経済的な利益を受ける潜在的な可能性に留意する。こうした見通しは、朝鮮半島が核兵器のない状態になるかどうかにかかっている」と指摘。核開発計画を撤廃すれば将来的にAPEC参加もあり得ることをにじませて、前向きな対応を促した。

また、朝鮮半島の非核化が「朝鮮半島および北東アジアの平和と安定にとって重要であり、同地域の全構成員の利益にかなう」との認識を強調。その上で「核兵器開発計画を放棄する約束を目に見える形で守るよう求めるとともに、この問題の平和的解決に向けたわれわれの関与を再確認する」と表明した。《共同通信》

【日中首脳会談】

小泉純一郎首相は27日夕、ロスカボスのホテルで中国の江沢民国家主席と会談し、江主席は首相の靖国神社参拝について「この問題は中国国民の感情に触れる。もう二度とこういうことが生じないように」と述べ、中止を求めた。首相は「二度と戦争をしない決意から参拝した」と理解を求めたが、江主席は会談の中で三回もこの問題を繰り返し、歴史認識問題を重視する中国側の姿勢をあらためて浮き彫りにした。

両首脳は北朝鮮の核兵器開発の阻止に向け、日中両国の協力を一層強化するとの考えで一致。国際社会と協調し、北朝鮮との対話を通じた平和的解決を目指す方針も確認した。

小泉首相は29日に再開する日朝国交正常化交渉について「日朝平壌宣言を誠実に履行するよう力強く求めていく」と表明。「米国も不信感を持ちながら対話の道を閉ざしていない。国際社会の責任ある一員となる国際協調路線をとるよう働き掛けたい」と述べた。

江主席は「中国は一貫して朝鮮半島の非核化を支持している。この問題を平和的に解決する必要がある」と述べ、関係各国の外交努力で問題解決を図る考えを表明した。《共同通信》

【MLB】

米大リーグのワールドシリーズ(7回戦制)エンゼルス(ア・リーグ)−ジャイアンツ(ナ・リーグ)第7戦は27日、アナハイムで行われ、エンゼルスが4−1で勝ち、4勝3敗でシリーズ初出場での初優勝を果たした。最優秀選手(MVP)にはエンゼルスのトロイ・グラース内野手が選ばれた。

エンゼルスは1−1の三回にアンダーソン外野手の放った走者一掃の二塁打が決勝点となった。

日本人選手として初めてワールドシリーズに出場したジャイアンツの新庄外野手は九回に代打で登場。三振に倒れた。今シリーズ通算3試合で6打数1安打の成績を残した。《共同通信》

【この日の民主党】

[統一補選]衆院山形4区で民主党公認の斎藤淳氏が初当選

27日に投開票が行われた衆議院山形4区補欠選挙で、民主党公認で新人の斎藤淳さん(33歳)が他候補に大差をつけて当選を決めた。

選挙事務所に集まった支持者らの歓声を浴びながらマイクを握った斎藤さんは、「地元出身とは言え、民主党の公募で落下傘のように立候補を決めたため、本当に降って湧いたような当選だ。民主党、社民党、自由党、連合、そして『もっけ連』の皆さんに支えていただいたことにあらためてお礼を申し上げます」と喜びを満面に浮かべながらあいさつ。

また、今後の抱負については、「農業も漁業も雇用の場も衰退している山形県北部をどのように建て直していくかが課題。県北の将来に責任を持ち、住民の皆さんの声を国政の場に届けたい。政権交代をできる仕組みづくり、何でも国にお伺いを立てるのではなく、地元のことは地元で決める地方分権の推進、情報公開の徹底によるガラス張りの行政などを実現していきたい。責任の重さに本当にキューッと身が引き締まる思いだ」と語った。

斎藤さんは、選挙戦さなかの2日に子どもが誕生し、父親になった。「立会い出産で、へその緒がついた娘を抱いて、この娘のためにも世の中を変えるために筋を通さなければならないと痛感した」と言う。

斎藤さんの選挙の大きな推進力の一つとなったのは、斎藤さんが挨拶でも紹介した「もっけ連」。「もっけ村」と名付けたテント村に全国からボランティアの若者たち50人が集まり、2週間にわたって創意工夫の選挙応援を繰り広げた。「村長」の高橋昭一さん(38歳)によれば、「もっけ連」とは、「ありがとう、ごめんなさい、恐縮です」を意味する庄内弁の「もっけだの」に「勝手連」を掛け合わせた名前だという。参加者の一人、石田真史さん(22歳・大学生)は、「受験で政治経済を勉強し、現実の政治に疑問を持った。ここに来て、最初は互いに名も知らなかった人たちと団結して斎藤さんを当選させることができたことは本当に嬉しい」と感想を語ってくれた。

また同日、衆院の神奈川8区、新潟5区、大阪10区、福岡6区、参院の千葉、鳥取の6つの補欠選挙も投開票が行われたが、すべての選挙区で過去最低の投票率となる中、各候補とも健闘及ばなかった。

神奈川8区では、おりた明子候補が善戦したが、公認決定から2ヶ月という時間の短さもあり、一歩届かなかった。おりた候補は、「このような結果になってしまったことはとても残念ですが、私を支えてくれた皆さんと、私の名前を書いてくれた人たちにお礼を言いたい。そして、誰もが志を持った時に政治に参加できる社会になればいい」と、選挙事務所に集まった支持者らを前にあいさつをした。

田中真紀子前外相の議員辞職に伴う新潟5区の選挙では、民主党はじめ自由党、社民党が推薦したいしづみ勝候補が善戦。長岡市では与党推薦候補に約1万票の差をつける健闘だったが、約9100票という小差で惜敗した。民主党新潟県連代表の筒井信隆衆議院議員は選挙戦を振り返り、「市民型選挙を完全に徹底できなかった点に、今後に生かすべき反省点があった」と述べた。

辻元清美前衆議院議員の議員辞職に伴って行われた大阪10区の選挙では、前高槻市長の江村利雄氏が民主党公認で立候補したが、与党候補らに及ばなかった。江村候補は「私の熱意や真意を訴えるだけの時間が足りなかった。もっと市民の方に共感を得られるように、これからも一市民として介護の分野に力を注ぎたい」と敗戦の弁を語った。

福岡6区では、衆院比例区選出の民主党現職・古賀一成氏が議席を返上して挑戦したが、自民党公認の新人候補に2万票余の差をつけられ、惜しくも次点に終わった。選挙結果について古賀氏は、「全力を尽くしたが、与党側の攻勢はすさまじかった。ここまで(組織による)上からの圧力が下まで通るとは、信じたくない気持ちだ。戦略を練り直して、次期総選挙で捲土重来を目指したい」と語った。

秘書の汚職事件で井上裕・前参議院議長が辞職したことに伴う参院千葉選挙区の選挙では、民主党を始め野党が推薦した若井康彦候補が善戦したが、当選には一歩及ばなかった。若井氏は選挙結果を受け、「世の中の最も大切な曲がり角に、このような結果になり申し訳ない。千葉県に本当の夜明けが来る時まで精一杯努力していきたい」と語った。

参院鳥取県選挙区では、民主党など野党と市民団体が推した勝部日出男候補が健闘。西部地区(米子・西伯郡・日野郡など)では優勢だったものの、東部・中部地区で票を伸ばすことができず惜敗した。勝部候補は「さわやかな改革の風が吹いていた。もう少し時間があれば勝てる勝負だった。これからさらに民の力、草の根の力を大きくしていきたい」と次への決意を語った。《民主党ニュース》



10月27日 その日のできごと(何の日)