平成5032日目

2002/10/18

この日のできごと(何の日)

【小泉純一郎首相】所信表明演説

小泉純一郎首相は18日午後、衆院本会議で所信表明演説を行い「日本経済の再生」を最重点課題と位置付け、デフレ克服に向けて政府・日銀一体となって総合的に取り組む考えを強調「経済情勢に応じては大胆かつ柔軟な措置を講じ、金融システムと経済の安定を確保する」と表明した。

10月18日のできごと(何の日)【小泉純一郎首相】所信表明演説
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これは今後の状況次第では国債発行30兆円枠に固執せず経済政策に柔軟に対応するとともに、金融システム安定化のため公的資金投入も辞さないとの姿勢を示すものだ。

また朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)による日本人拉致事件と核開発問題の解決に全力で取り組む方針を鮮明にした。拉致事件では、被害者5人の一時帰国は「問題解決の一歩にすぎない」とし、「交渉を通じて拉致問題の真相究明に努め、被害者やご家族の支援に政府を挙げて取り組む」と述べた。

同時に、工作船、ミサイル・核開発などの問題解決が北東アジアや世界の平和と安定に貢献すると指摘。「日朝間に横たわる深刻な懸念を払しょくし敵対関係から協調関係に向けて大きな歩みを始めることこそ日本の国益にかなう」と、国交正常化交渉の再開に理解を求めた。

首相は経済再生に向け、不良債権処理を本格的に加速し、2004年度に処理を終結させることを明言する一方、預金者の不安や混乱を避けるためペイオフ解禁を05年4月に延期するとともに、雇用、中小企業対策などセーフティーネット(安全網)にも万全を期し、さらに持続的な経済社会の活性化へ「1兆円を超えるできる限りの規模を目指した減税」を先行させると強調した。《共同通信》

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【北朝鮮による日本人拉致事件】

地村さん夫妻に日本旅券

朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)から一時帰国した福井県小浜市の地村保志さん(47)と浜本富貴恵さん(47)は18日午後、日本の旅券発給を受けた。新潟県柏崎市の蓮池薫さん(45)と奥土祐木子さん(46)、同県真野町(佐渡)の曽我ひとみさん(43)も19日にも旅券を発給される見通しで、5人全員が日本の旅券を取得する。

また地村さんの父保さん(75)は、地村さんが「27日に東京に集合し、ほかの4人と一緒に28日に北朝鮮に戻ることを決めた」と話していることを明らかにした。地村さんは「5人で決めたことなので、守らなあかんやろな」とも言っていたという。

この日午後2時すぎ、地村さんの実家を訪問した福井県国際課の職員2人は旅券を示して「名前、性別、顔写真は間違いないですか」と尋ね、受領証へのサインを求めた。地村さんは漢字で名前を書き込み、受け取った日本旅券を感慨深げに見つめた。浜本さん宅にも同3時すぎ県職員が訪れた。

県によると、帰国翌日の16日に東京で、職員が親族を通じて本人の旅券取得の意思を確認。翌17日に小浜市に戻った際、顔写真撮影など必要な手続きを済ませた。戸籍謄本は小浜市が職権で取り寄せ、住民票は「緊急措置」との外務省判断で不要とされた。

浜本さんには「あなたは日本人だから持っている方がいい」と兄雄幸さん(73)が勧めたという。《共同通信》

蓮池さん、北朝鮮のバッジ外す

蓮池さんは18日午前に柏崎市内の福祉施設に療養中の祖母を見舞い、施設内で旅券申請の手続きを取った。兄透さん(47)によると、蓮池さんは申請に必要な写真撮影の際に「日本のパスポートだから外すよ」と自ら胸の北朝鮮のバッジを外したという。

妻の奥土さんも実家で手続きを済ませた。曽我さんは同日午後に新潟県相川町のホテルで行われた高校の同窓会に出席した際に県職員から説明を受けた。《共同通信》

浜本富貴恵さん「毎日泣いて暮らした」

朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)から一時帰国し、小浜市に帰郷中の地村保志さん(47)と浜本富貴恵さん(47)夫婦の子供に日本名があることが18日、関係者の話しで明らかになった。また、2人が同市に27日まで滞在、28日には北朝鮮に戻ると決めていることが分かった。

浜本さんは帰郷後、幼なじみに「連れて来られた後は毎日泣いて暮らしたが、あるときを境にプツンと切れた。自分が生きるのはこの国、と前向きに朝鮮語を勉強し始めた」と話し、拉致被害に遭いながらも明るく生きてきたことを示した。

17日夜、浜本さん宅で催された宴席で、集まった親類の一人から「子供に日本名はあるんか」と聞かれた富貴恵さんが「あるんや」と答え、大学生の長男(18)の具体名を挙げたという。地村さん夫婦が子供に日本名をつけていたことは、北朝鮮に連れ去られた後も日本人としての強い意識を持ち続けていた表れとみられる。《福井新聞》

曽我ひとみさんに卒業証書

朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)から24年ぶりに一時帰国し、新潟県真野町(佐渡島)の実家で一夜を過ごした曽我ひとみさん(43)は18日午後、相川町のホテルで県立佐渡高校(定時制)の同窓会に出席し、卒業証書を受け取った。

ひとみさんは赤いジャケット姿で1人だけの卒業式に臨んだ。藤木国裕校長(56)はホテルのロビーにしつらえられた式場で卒業証書を授与。ひとみさんは涙をぬぐいながら震える手で受け取った。《共同通信》

【ドジャース・石井一久投手】帰国会見

米大リーグ、ドジャースの石井一久投手は18日、東京都内のホテルで帰国報告の会見を行い「14勝はよくやったとは思うが、チームとしては僕があと2つくらい勝てば優勝できたかもしれないと思うと、歯がゆい思いもある」と激動のシーズンを振り返った。

4月6日のデビュー登板を白星で飾ってから6連勝。しかし、後半戦は3勝しか挙げられず、9月8日のアストロズ戦で頭部に打球を受けて緊急手術を行った。

けがの具合は順調に回復しているそうで、来年1月までは国内で調整する。石井は「ことしは、これが僕の投球という試合がないまま終わったので、今後は課題を克服したい。2年目が勝負だと思っている」と飛躍を誓った。《共同通信》

【プロ野球】

パ・リーグ、全日程終了

西武が4年ぶりに優勝したパ・リーグは18日、ロッテ−近鉄最終戦(千葉)で全日程を終了。セ・リーグは17日に全試合を終えており今季のプロ野球公式戦が幕を閉じた。西武は26日からの日本シリーズで、巨人と日本一を争う。

この日敗れた近鉄は、ダイエーと並び同率2位。ロッテは7年連続Bクラスとなる4位で、5位は日本ハム。オリックスは前身の阪急時代以来、39年ぶりの最下位に終わった。

個人打撃部門は、プロ野球記録に並ぶ55本塁打を放ったカブレラ(西武)が初の本塁打王と最高出塁率のタイトルを獲得した。首位打者は3割4分をマークした小笠原(日本ハム)が最多安打の松井(西武)らを抑えて初受賞。ローズが117打点で3年ぶりに打点王、谷(オリックス)が41盗塁で盗塁王となった。

投手部門は17勝のパウエル(近鉄)が外国人として6年ぶりの最多勝に加え、最優秀投手(最高勝率)、最多奪三振(182個)の3部門をいずれも初受賞。最優秀防御率は金田(オリックス)が獲得した。

パ新の44セーブポイント(6勝38セーブ)を挙げた豊田(西武)が最優秀救援、森(西武)が最優秀中継ぎのタイトルをともに初めて手にした。《共同通信》

【ダイエー】減収

経営再建中の大手スーパー、ダイエーが18日発表した2002年8月中間決算(連結ベース)は、家電部門の不振や店舗閉鎖が響き、売上高が前年同期比9.7%減の1兆1647億円と減収になった。

経費削減の効果が出て連結の経常利益は約2.3倍の57億円、当期純利益は債務免除益の計上で約5.3倍の1404億円。ダイエー単体での経常利益も50.8%増の91億円を確保したものの、経営再建の新3カ年計画に沿った当初見込みの110億円には届かなかった。ただ通期では計画通り200億円の達成を目指すとしている。

ダイエー再建をめぐっては、日本政策投資銀行や主力取引銀行が総額600億円の企業再建ファンド(基金)設立を決めるなど金融面の支援体制を強化。今後は落ち込みの激しい家電販売の見直しや店舗改装など、スーパー本業での営業力強化が急務となる。《共同通信》

【政界談話室】

○・・・民主党の羽田孜特別代表は18日の両院議員総会で党代表選を振り返り「党のエネルギーを蓄えるはずのものが、かえって多くの誤解を与えてしまった」とチクリ。さらに記者団を見回しながら「この人たちは報道するのが仕事ですから、親しくなっても愚痴を言うとそのまま報道されてしまう」としゃべり過ぎを戒めたが、かん口令と受け取られかねないと心配したのか「本当のことを話すことも必要」とあわてて補足説明。会場は大爆笑となり「結局、お笑いになってしまった」と若手からはため息が漏れた。《共同通信》

【この日の民主党】

第155回臨時国会始まる

第155回臨時国会が18日から12月13日まで57日間の会期で始まった。国会内で18日午前に開かれた民主党の両院議員総会で、鳩山由紀夫代表は「この臨時国会は、名付けて『小泉不況国会』だ。経済雇用問題で小泉内閣と対峙し、民主党こそ国民の期待に応えうる党であることをしっかり示そう。7つの補欠選挙に全党一丸となって勝利をつかもう」と挨拶した。

また、角田義一参議院議員会長は、「代表選挙が終わって、国民の党に対する批判は厳しいものがある。これを乗り越えるには、新鳩山代表のもとに183名の国会議員が団結をして『闘争民主党』を目指さなくてはならない。闘って小泉政権を倒すという気概が必要だ。まず最初に大島農相の首をとらなければならない」と檄を飛ばした。

小泉首相の所信表明に対する本会議代表質問は衆議院で21日と22日の両日、参議院で22日と23日の両日行われる。民主党からは鳩山代表、中野寛成幹事長、千葉景子参議院議員会副会長、朝日俊弘参議院政策審議会長が質問に立つ。予算委員会はまず衆議院で24日、参議院で25日に全閣僚出席による基本的質疑を行う。30日と11月6日には党首討論が行われる予定。

「空疎な所信表明は首相の自信のなさ」鳩山代表

民主党の鳩山由紀夫代表は18日、国会内で記者団に対して小泉首相の所信表明演説について「このような空疎な演説は聞いたことがない。首相としてやる気があるのかを疑う。聞いていて悲観主義にならざるを得ない。日朝国交交渉で陸奥宗光の言葉『他策なかりしを信ぜむと欲す』を引いていたが、自信がないからああいう言葉を使った。われわれは責任野党として、経済でも外交でもわれわれの考えを示していく」と語った。

経済再生本部、「経済再生プラン」をめぐり議論

民主党の経済再生本部は18日、第1回の会合を開き、党の「経済再生プラン」策定に向けた議論を行った。衆参両院から50名を越える国会議員が参加した。

会合では冒頭、鳩山由紀夫本部長が挨拶に立ち、「経済再生本部は基本的に運動体。行動する現場主義の党としての真価を発揮していきたい。経済は“小泉デフレスパイラル”に“竹中クラッシュ”が加わり、メチャクチャな状態だ。デフレ対策、景気対策、財政再建の3つをバランスをとりながら進めることが大きな課題になる」と提起。続いて海江田万里事務総長が、ネクストキャビネットでの議論を踏まえながら、経済再生プランの基本的方向性とメニューの素案を示した。

その後、鳩山代表から提起されている「当面の経済政策・雇用政策に関する検討方針について」をも踏まえて議論が行われ、金融再生策をめぐって、金融機関の経営健全化と経済実態に合わない自己資本規制廃止のどちらに重点を置くか、地域金融の再生プラン策定こそ急ぐべきではないか、などの点が論点になった。また、現状のデフレに対する対応、経済の緊急事態に対する時限的な対策の検討などをめぐっても意見が出された。

さらに、できる限り実際に地域の現場を歩き、生きた経済の実態をつかみながら政策に活かしていくことが全体で確認された。

「大島農水相は口利き問題で説明責任果たせ」中野幹事長

民主党の中野寛成幹事長は18日の定例記者会見で、大島理森農水相の秘書官の口利き問題に触れ「“口利きはしたが、お金は受け取っていない”と大島農水相が釈明したそうだが、ではなぜ秘書官を解任するのか。大臣自らが説明責任を果たすべきだ」と述べ、この問題を来週開かれる予定の予算委員会などでも取り上げ、追及していくことを明らかにした。

また、この日に行われた小泉首相の所信表明演説ついては「投げやりな所信表明であり、心のこもらない項目の羅列のみで、これでは国民を悲しませるのみ」と批判。さらに、北朝鮮の核開発について「日朝平壌共同宣言の署名の前に首相が知っていたとすれば、より一層国交交渉再開の意図が明らかにされなければならない。国交交渉では安全保障、拉致問題の解決が最優先されるべきだ」との考えを示した。

故・今井澄議員を追悼

18日、第155臨時国会が召集され、午前10時から参議院本会議が開かれた。冒頭、議席指定が行われた後に、今井澄議員の逝去に伴って繰り上げ当選となった民主党・新緑風会の信田邦雄議員が紹介された。続いて議員一同が起立して見守るなか、去る9月1日に逝去された今井議員に対する弔詞を倉田寛之参議院議長が朗読し、自民党の阿部正俊議員が哀悼演説を行った。阿部議員は「末期ガンにおかされながらも、まさに追い求めていた理想(の医療の確立)に生命をかけ、最後まで国会議員としての職責をまっとうした」と故・今井議員を讃えた。

続いて、常任委員長として、内閣委員長に小川敏夫議員、財政金融委員長に柳田稔議員、国土交通委員長に藤井俊男議員、環境委員会委員長に小宮山洋子議員、基本政策委員長に江田五月議員を選出。また特別委員会として、災害対策特別委員会、沖縄及び北方問題に関する特別委員会、金融問題及び経済活性化に関する特別委員会、政治倫理の確立及び選挙制度に関する特別委員会の設置を議決、国会等の移転に関する特別委員会の設置をめぐっては起立採決が行われ、起立過半数で議決した。《民主党ニュース》



10月18日 その日のできごと(何の日)