平成5018日目

2002/10/04

この日のできごと(何の日)

【北朝鮮による日本人拉致事件】

横田滋さん「孫にもぜひ会ってみたい」

朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)に拉致され、現地で死亡したとされる横田めぐみさん=失踪当時(13)=の両親と弟が4日、東京都港区の外務省診療所を訪れ、DNA鑑定のため少量の血液採取に応じたほか、めぐみさんのへその緒や髪の毛で作ったヘアピースを提出した。

父滋さん(66)はめぐみさんの娘とされる少女(15)との血縁関係が確定すれば訪朝するとした上で「夫とされる人物が両親にしか会わないと言うのだから行かざるを得ない。結婚生活や亡くなった状況を聞きたい」「聞かないで黙っていても、めぐみのことは分からない。孫にもぜひ会ってみたい」と述べた。《共同通信》

政府、生存者の帰国実現を確認

政府は4日午後、日本人拉致事件の解決を目指した「専門幹事会」(座長・安倍晋三官房副長官)を首相官邸で開き(1)北朝鮮在住の拉致被害者と家族の早期帰国の実現(2)政府調査団が持ち帰ってきた資料に基づく死亡者の身元確認の調査分析3北朝鮮に対する関連資料の追加提出要求–を確認した。

安倍副長官は幹事会終了後の会見で、生存者らの帰国時期について「なるべく早く実現したいが、正常化交渉が始まればその中で求めていく」と指摘。拉致された生存者が帰国よりも日本の親族の訪朝を求めていることについては「基本的には帰国を求めていく」と述べ、政府としてあくまで日本への帰国実現を優先する考えを示した。

政府はこれを受け近く、外交ルートを通じ北朝鮮側に対し、生存者5人と家族の帰国を要請する方針だ。背景には、北朝鮮国内での聞き取り調査には限界があるとの判断がある。

安倍氏は政府調査団の第2次派遣について「北朝鮮の対応ぶりも含めて考える」と指摘。死亡したとされる被害者の安否にかかわる第三者証言や責任者の処罰を裏付ける裁判資料など、日本側が提供を求めている情報に対する北朝鮮側の対応を当面見極めながら、検討していく考えを示した。

会合では政府調査団長の斎木昭隆外務省アジア大洋州局参事官が調査結果を報告。中山恭子内閣官房参与が拉致被害家族からの要望などを説明し、法務省が捜査状況を説明した。《共同通信》

地村さん、浜本さんの面接記録明らかに

朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)による拉致事件で、地村保志さん(47)と浜本富貴恵さん(47)が9月末に平壌で政府調査団の聞き取り調査に応じ、拉致の状況や現地での生活などについて詳述した面接記録の中身が4日、関係者の話で明らかになった。

2人は1978年7月、福井県小浜市で男4人組に襲われ袋に入れられ拉致された。新潟県佐渡島で3人組に袋に詰められ拉致された曽我ひとみさん(43)のケースと同じ手口。

地村さんが拉致の理由を北朝鮮側にただしたところ、幹部から「朝鮮革命のため、祖国統一のため若い日本人が必要だった。間違った方法であることは分かっているが、理解してほしい」という趣旨の説明を受けたという。

関係者によると、地村さんと浜本さんは78年7月7日「七夕なので星を見よう」と小浜市の小浜公園に行き展望台の2階のベンチに座った。後ろに人の気配がして地村さんが振り返ると、男4人が立っており、いきなり襲いかかってきた。

地村さんも浜本さんも袋に入れられ、船を2、3回乗り継いで北朝鮮入り。ともに「もう一人は、日本に帰した」と聞かされていた。

1年4カ月後に再会し、結婚。地村さんは、浜本さんが日本に帰されたと聞いていたため、再会時は「とても驚いた」という。

拉致の状況について、地村さんは、口をふさがれて後ろ手に縛られ、袋に入れられたと証言。軽いけがをしたが、船に乗せられた後に薬を塗られ、マッサージも受けたとしている。一日ほど船に乗って夕方、チョンジン(清津)に着き、船にいた人、チョンジンで待っていた人と3人で招待所に行ったと振り返った。

浜本さんは、浜辺で縄を解かれたといい、その後はゴムボートに乗せられ、モーターボート、漁船に乗り継いだとしている。船の人に「彼はどこに行ったのか」と尋ねたら「日本に帰した」と言われたという。《共同通信》

社民党、拉致問題の論文を削除

社民党社民党の福島瑞穂幹事長は4日の記者会見で、同党のホームページで紹介していた北朝鮮による拉致問題にかかわる論文について「事実認識が誤っていた」として執筆者の了解を得て、同日付で、ホームページ上から削除すると発表した。

論文は民間の「社会科学研究所」研究員の北川広和氏が1997年7月に同党の機関誌「月刊社会民主」に寄稿したもので「拉致疑惑事件は、日本政府に北朝鮮への食糧支援をさせないことを狙いとして、最近になって考え出され発表された事件なのである」などと記述していた。《共同通信》

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【寺越武志さん】石川に帰郷

朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)から一時帰国した寺越武志さん(53)=志賀町出身=は4日午後、東京から小松空港に到着、39年4カ月ぶりにふるさと石川の土を踏んだ。武志さんは母友枝さん(71)=金沢市在住=らと共に石川県庁、金沢市役所、北國新聞社を訪れ、県民のこれまでの支援に感謝の意を表した。13歳で日本を離れて以来、ようやく耳にした懐かしい言葉に笑顔でこたえた。

小松空港に到着した武志さんは、警備の警察官に守られるように、友枝さんとともに姿を現した。到着ロビーでは日朝友好促進県議会議員連盟の宮下正一会長、長憲二自民党県連幹事長らが出迎えた。空港ビルの外で親せきら約20人の歓迎を受けた武志さんは、花束を受け取ると、親せきの子どもたちの頭をなでるなどして万感の笑顔を見せた。

この後、石川県庁で谷本正憲知事、金沢市役所で山出保市長、北國新聞社で飛田秀一社長と懇談し、一時帰国を報告。同日夜には松任市内の料理屋で親せきや支援者と会食し、金沢市内の友枝さんの自宅に到着した。

武志さんは1963(昭和38)年5月に志賀町沖の日本海で消息を絶ち、87年に北朝鮮で生存が確認された。3日に北朝鮮の労働組合「朝鮮職業総同盟」訪日団の副団長として一時帰国。12日まで日本に滞在し、金沢市内の友枝さんの家などに宿泊する。《北國新聞》

【愛知県春日井市】児童養護施設中学生が強盗殺人

4日午前0時30分ごろ、愛知県春日井市の児童自立支援施設「愛知学園」で、園生同士のけんかを止めに入った職員のAさん(34)が、生徒に首を締められたと、119番通報があった。

Aさんは、病院に運ばれたが、同1時半ごろ死亡した。園生5人がそのまま学園から逃走したが、春日井署は同日未明、市内のコンビニエンスストアで5人を見つけて補導、このうちの14歳と15歳の中学3年2人と中学2年(14)の計3人を強盗殺人容疑で逮捕し、中学1年(12)を中央児童障害者センターに通告した。もう1人は暴行にはかかわっていなかった。

調べによると、4人は学園から逃走するため、同日午前零時ごろ、わざとけんか騒ぎを起こし、止めに入ったAさんの首を羽交い締めにして殺害。Aさんのロッカーから、現金5万円の入った財布を奪った疑い。《読売新聞》

【営団日比谷線中目黒駅構内列車脱線衝突事故】営団の5人不起訴

死者5人、重軽傷者64人を出した2000年の営団地下鉄日比谷線・脱線衝突事故で、業務上過失致死傷などの疑いで書類送検された営団工務部の当時のレール保守、管理担当者5人について、東京地検は4日、嫌疑十分で不起訴処分とした。

警視庁目黒署捜査本部は昨年3月、5人がレールのゆがみなどを放置したことが事故原因として書類送検したが、東京地検は「左右の車輪にかかる荷重(輪重)のアンバランスなど複合的な要因が事故原因。5人を含む営団関係者に事故の予見は困難で、過失は認められない」と判断した。

書類送検されていたのは、日比谷線工務区長(59)と同工務区中目黒分室助役(62)、工務事務所長(55)=肩書はいずれも当時=ら。

警視庁捜査本部の調べでは、5人のうち日比谷線工務区長と助役は1999年11月、現場付近に保守基準を上回るレールのずれやゆがみが13カ所あることを確認したのに放置。工務事務所長ら3人は、同12月のレール研削で最大0.2ミリ程度削る計画だったのに約1ミリ研削、作業後の点検も怠ったとされた。

東京地検は送検後の捜査で「レールのずれ、ゆがみや研削は、それ自体が事故に直結する重大な要因とまでは認められない」とした。

「当時、輪重のアンバランスが脱線に与える影響は解明されておらず、5人だけではなく、ほかの営団関係者にも過失は認められない」と結論付けた。

事故は2000年3月8日朝、東京都目黒区の中目黒駅近くで発生。下り電車が脱線し、対向の上り電車に衝突、5人が死亡、64人が重軽傷一を負った。輪重のアンバランスについては、事故後研究が進められており、国土交通省が鉄道事業者に対策を指導している。《共同通信》

【九州南西海域工作船事件】北朝鮮工作船と断定

扇千景国土交通相は4日の閣議後の記者会見で、昨年12月に児島県・奄美大島沖で巡視船との銃撃戦の末に沈没した工作船について北朝鮮の工作船と断定し、首相官邸に報告したことを明らかにした。

扇国交相は「今後の日朝交渉の中で、工作船の航行目的の解明や再発防止を議題にしたい」と述べ、抗議することもあり得るとの認識を示した。

この工作船について9月17日の日朝首脳会談で、北朝鮮の金正日総書記が国の工作船と認めていたが、日本政府も北朝鮮の船と断定した。

扇国交相は「船尾の観音扉などの特徴や、過去に北朝鮮製と断定された水中スクーターや小型船と同種のものを搭載していたこと、金日成バッジ、北朝鮮製のたばこや菓子などの回収物から、物証的に裏付けられた」と述べた。

海上保安庁は4日午後、これまでに回収した武器などの物証についての報告書を発表する。

工作船は6日に陸揚げされる予定。扇国交相は7日に鹿児島入りし工作船を視察する。《共同通信》

【民主党・鳩山由紀夫代表】補選勝利へ決意

民主党の鳩山由紀夫代表は4日、共育通信のインタビューに応じ、衆参統一補欠選挙について「帰趨によって国の未来が見えてくる。政治はすべて結果責任であり、全責任を負って戦う」と決意を強調した。

中野寛成幹事長の起用に反対していた若手議員らが同補選の結果次第で鳩山氏の責任を問う構えを見せていることに対して「全力を尽くして結果が出なけれは政治責任は私が負うが、(若手も)傍観者でなく、勝利を導く原動力であってほしい」と指摘、挙党態勢で選挙選に臨むよう求めた。

臨時国会については、低迷する経済情勢と北朝鮮との交渉に関して小泉純一郎首相を追及する意向を表明。ペイオフ解禁の延期方針に関し「首相はふらついている。金融危機でないなら延期する必要はない」と疑問を呈した。

拉致事件への首相の対応については「外務省の手のひらに乗って、(事件の記述を)平壌宣言に書かずに帰ってきた。相手の術中にはまっている」と批判した。《共同通信》

【この日の民主党】

鳩山新執行部が連合本部に新任挨拶

民主党の鳩山由紀夫代表は4日午前、3選の挨拶のため、東京・神田駿河台の連合本部を訪れ、連合の笹森清会長、草野忠義事務局長、鈴木英幸政治センター事務局長と懇談した。民主党からは、中野寛成幹事長、海江田万里政調会長、佐藤敬夫国対委員長、赤松広隆選対委員長が同行した。

「補選で全候補当選めざす」中野幹事長が初会見

民主党の中野寛成幹事長は4日、就任後初の記者会見に臨み、「心を新たに結束を固め、全党が一体となって政権交代を目指したい」と決意を語った。

中野幹事長はまず、27日投票の統一補欠選挙について、「7つの選挙区すべてで勝利する意気込みで取り組む」と強調。また、「一つでも負けてもいいような表現をするのは候補者、有権者に失礼だ」として勝敗ラインなどは設定しない考えを示した。

臨時国会をめぐっては、焦点課題として外交問題、有事法制、経済・金融政策などに言及。外交問題では、瀋陽総領事館問題や北朝鮮国交正常化交渉における外務省の不透明な対応を厳しく追及する意向を示し、開会を待たず外務委員会の閉会中審査を強く求めていることを明らかにした。先の通常国会で継続審議扱いになった有事法案については、「まず政府がキチッと整理されたものを国民に提起し直すべきだ」とした。ペイオフの凍結解除延期問題では、「金融危機はないと粉飾を続けてきた柳沢金融相を更迭したなら凍結は解除すればいい。さらに延期するのは矛盾している」と述べ、政府の金融政策のジグザグを糾していく考えを明らかにした。

また北朝鮮拉致問題の政府調査団報告について、「死亡したとされる人たちの死因、埋葬場所なども不明のままであり、徹底した再調査が必要だ」と指摘。「国交正常化交渉をやるなとは言わないが、始めるに当たって国の主権や人権の侵害を横においてはやれない」として、政府にこれらの問題への毅然とした対応を求めていく考えを示した。イラク問題では、日本としては武力攻撃にあくまで慎重であるべきだとし、イラクの大量破壊兵器に対する国連の厳密な査察の実現を求める立場を明確にした。

鳩山代表ら、ベトナム共産党書記長と会談

民主党の鳩山由紀夫代表、羽田孜特別代表、海江田万里政調会長、ツルネンマルテイ国際局長は4日、来日中のベトナム共産党のマイン書記長の要請を受け、迎賓館で会談した。

マイン書記長は冒頭、日越関係を非常に重視していると述べ、政府だけではなく野党とも交流を推し進めたいと表明。「民主党とも本日を出発点に交流を進め、相互理解を深めたい」と語った。また、15年間のドイモイ政策の成果として、ベトナム国内の経済は年々上向きに推移していると説明。そうしたなかで、日本からの投資、援助はインフラや貧困撲滅のために効果的に使われていると報告した。

これを受けて鳩山代表は、ドイモイ政策が順調に発展していること、日本のODAが有効に機能していることは喜ばしいとし、「ベトナムとの長期的な信頼関係の構築にむけ、民主党としても努力していきたい」と述べた。

また、ベトナムで行われた憲法改正について鳩山代表が質したのに対して、マイン書記長は「経済発展のための手立てとしての海外企業の受入れ、指導者に対する信任投票の検討、行政改革を進める中での汚職対策などを目指している」との説明があった。

さらに鳩山代表とマイン書記長は、日越両国が文化的特質や勤勉な国民性などで共通するとの考えで一致。今後も連絡を取り合い、相互理解を深めていくことで合意した。《民主党ニュース》



10月4日 その日のできごと(何の日)