平成5008日目

2002/09/24

この日のできごと(何の日)

【石に泳ぐ魚】出版差し止め

芥川賞作家柳美里さんのデビュー作「石に泳ぐ魚」をめぐり、登場人物のモデルの在日韓国人女性が柳さんや新潮社側に出版差し止めなどを求めた訴訟の上告審判決で、最高裁第三小法廷は24日、人格権の侵害を理由に出版差し止めと計130万円の賠償を命じた二審判決を支持、柳さん側の上告を棄却した。柳さん側の敗訴が確定した。

上田豊三裁判長は「小説の公表で、女性は名誉やプライバシーなどを侵害されており、判例に照らして出版差し止めは、(表現の自由などを保障する)憲法21条1項に違反しない」とした。最高裁が人格権に基づいて小説の出版差し止めを認めたのは初めて。

判決理由で上田裁判長は、小説の公表で公的な立場にない女性の名誉やプライバシーなどが侵害されたと認定した上で「出版は女性に重大で回復困難な損害を被らせる恐れがある」と指摘した。

一審東京地裁は1999年、「作品には顔の腫瘍など女性の特徴がそのまま書かれ、プライバシーに対する十分な配慮が認められない」と賠償を命令。修正しなければ公表しないという女性との事前の合意を、柳さん側が無視したとして出版差し止めも認めた。

二審東京高裁も2001年、作品の記述が女性の人格権を侵害したと認定。事前合意の事実は認めなかったが「出版で平穏な日常生活が困難となる恐れがあり、人間の存在にかかわることは表現の自由の名の下でも発生させてはならない」として、出版の差し止めを認めた。

「石に泳ぐ魚」は94年、新潮社発行の雑誌「新潮」に掲載された。《共同通信》

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【セ・リーグ】巨人、2年ぶり30度目の優勝

プロ野球セ・リーグは24日、巨人が2年ぶり30度目のリーグ制覇を果たした。1リーグ時代を含めると3度目の優勝。

今年から原辰徳監督が指揮を執る巨人は、同じく就任1年目でパ・リーグを制した伊原春樹監督が率いる西武と、日本一を目指して10月26日に東京ドームで開幕する日本シリーズで対戦する。両チームの対決は1994年以来、8年ぶり5度目。

優勝へのマジックナンバーを1としていた巨人は、甲子園で阪神と対戦。勝利目前の九回に追いつかれ、延長12回の熱戦の末、2−3でサヨナラ負けしたが、2位ヤクルトも中日に敗れたため、開幕から132試合目でのリーグ制覇が決定。試合後に原監督が胴上げされた。

巨人は投打にバランスの取れた戦いぶりで独走し、8月13日にマジック34が点灯。その後、2度消滅したが9月11日に3度目のマジック15がともってからは順調にその数を減らし、全球団に勝ち越しを決めて堂々のゴールとなった。《共同通信》

【北朝鮮による日本人拉致事件】

政府は24日、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)による日本人拉致事件で、警察庁認定の8件11人以外に新たな被害者が認定されれば、日朝赤十字間の協議でなく、10月中に再開予定の国交正常化交渉を通じて、北朝鮮に安否確認を求める方針を決めた。同時に再開に先立つ非公式協議の場でも提起する考えだ。

福田康夫官房長官は24日午前の記者会見で、「証拠に基づいて解明できるということなら、拉致事件として取り上げることができる」と指摘。さらに「こちらが提起しなくても向こうから言ってくることは今後あり得る」と述べ、事務レベル協議で北朝鮮が新たな拉致被害者に関する情報を提供してくる可能性もあるとの見方を示した。

新たに家族らが北朝鮮による拉致被害の可能性を指摘しているのは、1974年に佐渡島で行方不明となった新潟県佐渡農地事務所技官の大沢孝司さん=当時(27)=と、78年に出国したまま行不明の神戸市の元飲食店店員田中実さん=同(28)、77年に「編み物教室に行く」と言って自宅を出たままの鳥取県米子市の松本京子さん=同(29)=、84年に「図書館に行く」と言ったまま不明の甲府市の山本美保さん=同(20)=の4人。《共同通信》

小泉純一郎首相は24日午後(日本時間24日夜)、アジア欧州会議を終えて市内のホテルで記者会見し、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)との国交正常化交渉に関して「拉致家族の皆さんと憤り、怒りを共有している。拉致問題の解明に全力で取り組まなければならない」と述べ、家族の心情を十分踏まえながら拉致事件の全容解明にあたる考えを示した。

北朝鮮へのコメ支援については、「どの国であれ、苦しみにあえいでいる時に人道上の手を差し伸べることは考えなければならないが、私はコメ支援など一言も言っていない」と語り、当面の支援実施を否定した。

一方、金融機関などの不良債権処理に関して首相は「経済停滞の大きな原因として不良債権処理が大変大事であると認識している。処理を加速するためにどういう対応が有効か、早期に対応を取りまとめたい」と積極的に取り組む姿勢を表明。補正予算については「国債を増発し公共事業をもっと増やせ、というような補正予算は臨時国会が開会されても組む考えはない」と否定した。《毎日新聞》

【民主党】新幹事長に中野寛成氏

民主党代表選で3選された鳩山由紀夫代表は24日、幹事長に中野寛成副代表(61)を充てることを決めた。同日午前、都内のホテルで再開された臨時党大会で表明し、承認された。政調会長など他の主要人事について鳩山氏は代表選で争った菅直人前幹事長ら3氏とも協議した上で、週内に決定する方針だ。

鳩山氏は中野氏を選んだ理由について「性格が円満で党の結束力を高めるため、本格派の方に登場してもらった」と記者団に述べた。

幹事長ポストには当初、鳩山陣営幹部の岡田克也政調会長の登用を検討。しかし、鳩山氏周辺によると、代表選で鳩山氏支持に回った旧民社党グループが難色を示したため、同グループの代表格である中野氏を起用した。

ただ、旧党派の意向に配慮した「論功行賞」人事と受け取られかねず、鳩山氏の党運営と指導力にあらためて批判が集まりそうだ。《共同通信》

【ASEM首脳会議】閉幕

コペンハーゲンで開かれていたアジア欧州会議(ASEM)第4回首脳会議は24日、参加するアジア10カ国と欧州連合(EU)加盟15カ国による対話強化を通じて両地域の協力を一段と進めることなどをうたった議長声明を発表、3日間の日程を終え閉幕した。

声明は、テロとの戦いを国連主導で行うべきだとの認識で一致したほか、朝鮮半島の和平を支援する考えを確認した。

また「多様な文化、異なる文明を有する人々が交流するASEMのプロセスは、国際関係をさらに発展させる資産になっている」と、アジアと欧州に対話の場を提供するASEMの役割をあらためて評価。「建設的な地域間交流により、多様性の中の統一が促進されるべきだ」として、政治・安全保護から経済・社会・文化に至る広範な分野での協力をさらに進めていく決意を表明した。《共同通信》

【イスラエル・パレスチナ情勢】

国連安全保障理事会は24日未明、イスラエル軍にパレスチナ自治区からの撤退と自治政府議長府包囲の中止などを求める決議案を賛成多数で採択した。14カ国が賛成、米国だけが棄権した。

決議案は欧州諸国が提案。イスラエル軍のヨルダン川西岸ラマラ侵攻に強い懸念を表明した上で(1)イスラエル軍は武力衝突が激化した2000年秋の位置まで撤退(2)パレスチナ自治政府は自爆テロ関係者を処罰−などを求めた。

米国は棄権の理由について「自爆テロに関与した過激派ハマスやイスラム聖戦を名指しで非難していない」と説明した。その一方で米国は、これまで「イスラエルの行動はパレスチナ自治政府の改革の助けとならない」とイスラエル側にも自制を求めており、拒否権は行使しなかった。《共同通信》

【MLB】

米大リーグ、マリナーズのイチロー外野手は24日、シアトルのアスレチックス戦で今季5度目の先頭打者本塁打(8号)を含む5打数2安打。打率は3割2分2厘で首位に2分5厘差の4位。長谷川党首は七回途中から1回2/3を無失点に抑え、8勝目(2敗1セーブ)。マリナーズは8−7で逆転勝ち。エンゼルスが敗れたため、数字上のプレーオフ進出の可能性は残した。

ジャイアンツの新庄外野手はパドレス戦で七回の守備(中堅)から出場、2打数1安打だった。

カージナルスの田口外野手はダイヤモンドバックス戦の九回に代走出場。3−2のサヨナラ勝ちの得点を記録した。《共同通信》

【鮎川哲也さん】死去

本格推理小説の長老で作家の鮎川哲也氏が24日午後、多臓器不全のため神奈川県鎌倉市の病院で死去した。83歳。東京都出身。

1950(昭和25)年「ペトロフ事件」が雑誌「宝石」の懸賞小設に入選。60年には「黒い白鳥」「憎悪の化石」で日本探偵作家クラブ賞(現・日本推理作家受賞)を受けた。

鉄道の時刻表を効果的に使ったアリバイトリックをはじめ、ち密な作品で多くのファンを獲得。晩年は推理小説の理もた名作の発掘にも力を注いだ。90年には新人作家の登竜門となる「鮎川哲也賞」が設けられた。《共同通信》

【この日の民主党】

鳩山新代表、幹事長に中野寛成前副代表を指名

民主党の鳩山由紀夫新代表は24日、臨時党大会での施政方針演説の中で、新幹事長に前党副代表の中野寛成衆議院議員を指名、大会参加者の拍手で承認を得た。その他の新執行部人事については、近日中に両院議員総会を開催して提案し承認を得たいと述べた。

鳩山新代表は、施政方針演説で、「代表選挙での横路、菅、野田候補の見事な闘いを讃えたい。4者4様にそれぞれの思いを競ったが、政権交代の思いは皆同じだ。政策の多少の違いを乗り越えて、党としての方針を十分に打ち出すことができると確信した」と代表選を振り返るとともに、今後の党のあり方について、「あらゆることにタブーを設けず、時に激しく議論し、国民の意思を確認しながら一つにまとめあげていくことで、『たくましい民主党になった』と言われるよう党を育て上げていこう」と強くアピールした。

統一補選の候補予定者が決意表明

民主党の臨時党大会で24日、10月27日に投開票が行われる衆参7選挙区の補欠選挙の予定候補が紹介され、それぞれ決意を表明した。

斎藤淳(衆院山形4区・公認)予定候補は「新しい命を大切にする政治を実現したい」、折田明子予定候補(衆院神奈川8区・公認)は「なぜ税金が借金に化けたのか、政府の経済無策を訴えたい。最年少だが、よろしく」、江村利雄予定候補(衆院大阪10区・公認)は「介護保険の改正に頑張る」、石積勝予定候補(衆院新潟5区・推薦)は「2週間前に決断した。必ず勝つ」、若井康彦予定候補(参院千葉・推薦)は「民主党には2度目のお世話になる。頑張る」、勝部日出男予定候補(参院鳥取・推薦)は「鳥取から変えよう。日本再生へ勝利する」と、それぞれ力強く決意を表明、大きな拍手を受けた。衆院福岡6区の古賀一成予定候補は欠席した。

ホームレス自立支援法の措置実施を緊急に申し入れ

先の通常国会でホームレス自立支援法成立の中心となった民主党の鍵田節哉、山井和則の両衆議院議員は24日、同法の定める措置の早急な実施を求めて厚生労働、国土交通の両省に緊急の申し入れを行った。

申し入れに対して、厚生労働省では河村社会援護局長、国土交通省では総合政策局の中山審議官が対応。鍵田、山井両議員は、全国的な実態調査、地方公共団体における自立支援等の実施計画策定の促進など5項目を要請した。《民主党ニュース》



9月24日 その日のできごと(何の日)