平成4932日目

2002/07/10

この日のできごと(何の日)

【入善町長選訴訟】米澤町長の請求棄却

昨年10月の入善町長選で特養老人ホームの不在者投票に重大な瑕疵があったとした富山県選管の選挙無効裁決をめぐり、当選した米澤政明町長が、裁決取り消しを求めた行政訴訟の判決が10日、名古屋高裁金沢支部(川崎和夫裁判長)であった。川崎裁判長は「入所者の少なくとも18人は痴ほうの影響で自分の意思で不在者投票または代理投票したとは認められない」として米澤氏側の請求を棄却した。米澤氏側が最高裁に上告しなければ、判決の確定後50日以内に出直し町長選が行われる。選挙無効が確定するまで当選者の身分は失効せず、米澤氏が最終確定まで町長職を務める。

判決理由で川崎裁判長は、当時の入所者109人のうち、重度の痴ほうだった18人の投票手続きは選挙規定に違反しているとした。さらに「18人のほかにも数人の入所者が自分の意思と関係なく選挙に参加した疑いがある」と指摘した。その上で、得票差が8票だった選挙結果に影響があったとして「選挙無効とした県選管の裁決は相当」と断じた。

入善町長選をめぐっては、米澤氏に8票差で敗れた元同町助役五十里智治氏が、特別養護老人ホーム舟見寿楽苑での不在者投票に「入所者の意思に基づかない投票があった」として町選管に異議を訴えた。町選管は五十里氏の異議申し出を棄却したが、県選管は選挙無効を採決した。

訴訟では、米澤氏側が「入所者に対する不在者投票と代理投票の手続きは適法」として投票の有効性を主張したのに対し、県選管側は「入所者の意思によらない投票が一部含まれた」として請求の棄却を求めていた。

不在者投票の有効、無効を争点にした選管裁決をめぐっては、昨年8月に秋田県選管が同県阿仁町長選で選挙無効を裁決した。無効取り消しを求める訴訟は最高裁まで争われたが、6月11日の判決で町長が敗訴、無効が確定した。7月21日に再選挙がある。《北國新聞》

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【大相撲名古屋場所】

大相撲名古屋場所4日目(10日・愛知県体育館)横綱武蔵丸、大関栃東が初黒星を喫する波乱。武蔵丸は土俵際で平幕栃乃洋の右突き落としに敗れた。栃乃洋は8個目の金星。栃東は隆乃若に寄り切られた。大関千代大海は小結雅山を一方的に押し倒して4連勝。雅山は4連敗。左上腕を痛めている大関魁皇はこの日から休場、来場所はかど番となる。大関昇進を目指す関脇朝青龍は琴ノ若を一気に押し出して4連勝。関脇若の里、小結土佐ノ海はともに3勝目。4連勝は千代大海ら5人。《共同通信》

【台風6号】

台風6号は10日昼、紀伊半島の南海上を時速約25キロで北北東に進んだ。石川県内では、台風からの暖かく湿った空気のために梅雨前線の活動が活発になり、能登を中心に大雨に見舞われた。門前と富来では、土砂崩れや貯水池はんらんなどのために11世帯33人が避難。交通網も混乱し、住民の生活に影響が及んだ。金沢地方気象台では同3時35分、能登と加賀南部に大雨、洪水警報を発表、同11時、加賀北部を追加し、県内全域に警戒を呼び掛けた。

9日午前2時の降り始めから10日午後1時までの各地の雨量は、富来187ミリ、門前186ミリ、穴水181ミリに達している。同気象台によると、これらの地域で土砂災害の危険性が過去数年間で最も高くなっている。金沢の雨量は97ミリだった。《北國新聞》

台風6号の影響で、福井県の奥越地方は10日未明から強い雨に見舞われた。和泉村では河川のはんらんや土砂災害の恐れが出たため、災害対策本部を設置。住民23世帯48人が村施設に避難した。国道158号は相次ぐ土砂崩れで通行止めとなり、同村は孤立状態になっている。けが人は出ていない。《福井新聞》

長良川上流の堤防が損壊した岐阜県では、12市町村の1万6000人以上に避難勧告・避難指示が出され、行方不明者の捜索が続いた。新幹線の運休や飛行機、フェリーの欠航など交通機関は大混乱した。

大分市では9日不明になっていた男子中学生が10日午後、遺体で発見。茨城県麻生町では同日午後、堤防近くで遊んでい小学校二年生男児が行方不明になった。岐阜県では同日午前、長良川で中州に取り残された男性1人が行方不明になった。群馬県境町では竜巻とみられる突風で民家20戸が全半壊し、住民9人が病院で手当てを受けたほか、埼玉、長野両県で、も各1人がけがをした。《共同通信》

【ダスキン】肉まん添加物で報告書

ミスタードーナツが法定外添加物を含む肉まんを販売していた事件で、運営会社の清掃用品レンタル大手ダスキン(大阪府吹田市)が、肉まんの技術開発や製造を全面的に他社に委託し、添加物のチェックも他社任せにしていた実態が10日、同社が吹田保健所に提出した報告書で明らかになった。同社は「丸投げ委託」だったとして、今後の対応策などを報告した。

またダスキンは同日、事件の真相究明や経営体質の改善などのために設|置したダスキン再生委員会の委員長に元日弁連会長の中坊公平氏が就任したことを明らかにした。《共同通信》

【東京地検】鈴木宗男議員を起訴

国有林無断伐採事件の行政処分をめぐり、林野庁への不正な働き掛けの見返りに後援企業の「やまりん」(北海道帯広市)のY社長から現金500万円のわいろを受け取ったとして、東京地検特捜部は10日、あっせん収賄の罪で衆院議員鈴木宗男(54)、政策秘書B(50)の両容疑者を起訴した。

特捜部は、外務省の公電漏えいや北方四島支援事業をめぐる鈴木被告の疑惑解明に向けて捜査を継続するとみられる。《共同通信》

【新潟県警】署長ら2人を書類送検

新潟県警白根署のN署長(55)がスピード違反を起こした長男の行政処分を見逃すよう依頼したとして、同県警は10日、偽計業務妨害の疑いでN署長と元交通機動隊長岡方面隊長(62)の2人を書類送検、同日付でN署長を停職2ヶ月の懲戒処分とした。

同県警によると、1999年9月、N署長の長男で飲食店従業員のB容疑者(24)=道交法違反(ひき逃げ)などで逮捕=が長岡市内の国道を走行中、31キロオーバーのスピード違反で摘発された。

当時関東管区警察局に出向していたN署長が元隊長に行政処分見逃しを依頼、元隊長は運転管理課に交通切符(取締原票)を送付せず、違反登録業務を妨害した疑い。《共同通信》

【参院予算委員会】

小泉純一郎首相は10日の参院予算委員会の集中常識で、住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)の稼働を延期すべきだとの指摘に対し「電子政府、電子自治体の基盤にを整え、住民の利便性を向上させる重要な課題だ。8月までに施行できるよう準備を進めている」と述べ、予定通り8月5日から稼働させる考えを強調した。

中国の江沢民国家主席が4月の首相の靖国神社参拝に強く反発していることについては「(戦没者)への敬意と感謝を込めて参拝している。そのことについて外国の人にどう言われようと、私の気持ちは変わらない」と反論、理解を求めた。

BSE(狂牛病)対策の在庫牛肉買い取り制度をめぐり、共産党の富樫練三氏が大阪でも不正が行われていた疑いがあると指摘したのを受け、首相は「税金が適正に使われていたか、ご指摘の疑惑に対してしっかりした調査をするよう指示したい」と約束した。《共同通信》

【天皇、皇后両陛下】馬車で昼食会に

ポーランドを訪れている天皇、皇后両陛下は10日、ワジェンキ公園の水上宮殿で開かれたミレル首相夫妻主催の昼食会に出席された。

宮殿は宿舎の迎賓館(ベルベデル宮殿)に隣接する公園内にあり、両陛下は馬車で移動。池や緑に囲まれた宮殿の周囲で多くの市民が出迎え、少年や少女が、合唱やダンスを披露した。

これに先立ち陛下はポーランド議会を訪れ、上下両院議長と会見。昼食会の後は、ワルシャワの王宮と旧市街広場を視察した。この区画は第二次世界大戦中にドイツ軍によって破壊されたが、市民の熱意で復元されたことで知られている。《共同通信》

【松田耕平さん】死去

プロ野球広島カープのオーナーで、元東洋工業(現マツダ)の松田耕平氏が、10日午後、胃がんのため東京都新宿区の病院で死去した。80歳、広島市出身。

東洋工業創業者、松田重次郎氏の孫で、慶応大卒業後、子会社を経て1961(昭和36)年に副社長として東洋工業に入った。世界初のロータリーエンジン実用化に成功。「世界のマツダ」の礎を築いた。

父親の松田恒次氏の急死で70年、3代目社長に就任。77年に代表権のない会長になった。東洋工業社長就任と同時に広島球団社長に。チームは75年に初優勝、セ・リーグ優勝6度、日本シリーズは3度を制した。《共同通信》

【この日の民主党】

小宮山議員、帝京大学疑惑を質す

参議院予算委員会において10日、首相出席のもとで集中審議が行われ、民主党の小宮山洋子議員が帝京大学疑惑、外交問題で政府の考えを質した。

小宮山議員は、帝京大学から調査報告書が15日までに提出されることになっていることを取り上げ、「提出されなかった場合、あるいは不十分だった場合にはどう対処するのか」と質した。遠山文科相は「報告書は出ると思う。不十分だった場合は現地調査を含めさらに厳しい態度で臨み、補助金の不交付、返還要求を含め厳正に対処する」と答えた。

また小宮山議員は、小泉首相に「アメリカに言うべきことは言うべき。アメリカの報道では『借りてきたネコ』というのもある。外交のビジョンを明確に」と迫った。首相は「私は言うべきことは言っている。アメリカ追従ではない。総理としての自覚と責任をもって国際会議に臨んでいる。野党の悪口も言っていない。パフォーマンスはやっていない」と答えたが、外交ビジョンは示さなかった。

岩本議員、石油公団天下り先破綻の経営責任を追及

民主党・新緑風会の岩本司議員は、10日の参議院本会議で石油公団等廃止法案など関連2法案の代表質問に立ち、石油公団廃止時の累積欠損金の見通しとその処理方策を質すとともに、公団出融資先の石油開発会社等へののべ150人もの天下りの実態を指摘し、役員の経営責任や監督官庁の行政責任の明確化を強く求めた。

このなかで岩本議員は、企業経営や石油開発の素人が公団出融資先石油開発会社の経営陣として天下りし、国民の血税を使って赤字を出しながらものうのうとしている実態を厳しく批判。これらの会社の整理に際し、損失を出したり解散に追い込まれた会社の役員には、個人資産を差し出すよう求めるべき、と強く迫った。

平沼経産相は、こうした石油開発事業のあり方について、国の資金の効率的運用や国民への情報公開という点で問題があったことを認め、国民からの強い批判を真摯に受け止めて対応していく考えを表明した。

伊藤議員、郵政4法案をめぐり代表質問

10日の参議院本会議で、民主党・新緑風会の伊藤基隆議員が郵政関連4法案をめぐって代表質問を行った。

伊藤議員はまず、内閣支持率の低下を示した新聞の世論調査の結果を引用しながら、国民が小泉内閣に求める優先課題は「景気対策」「社会保障制度改革」「税制改革」であり、「郵政3事業の民営化を突破口にあらゆる改革が進む」とする小泉首相の認識はそもそも的外れだと指摘。首相は過去の経験や感情にとらわれるあまり、バランス感覚を失っているのではないかと指弾した。小泉首相は「支持率に関係なく、『改革なくして成長なし』とする方針に変わりはない」などと、相変わらずの答弁をくり返した。

また伊藤議員は、景気の悪化に伴って国民の痛みが増している中、銀行は自ら痛みを伴うことはなく、公的資金投入でやりすごしているとし、「首相は郵政事業に引き替え、銀行への関心は薄い」と指摘。ここにも首相のバランス感覚の欠如があるとした。

これに対して首相は「金融安定化のための公的資金投入は、わが国金融システムに対する内外の信頼を確保する観点から行われた」とし、政府は強固な金融システムの構築を重要課題としていると説明。伊藤議員の指摘は当たらないとした。

さらに伊藤議員は、郵政関連法案にも触れ、郵政事業の民営化によって離島や山村などが切り捨てられてはならないと指摘。また、郵政公社の経営形態の検討をめぐっては広く民意を踏まえることが重要だと提起した。

「田中議員証言は予算委なみの公開の場で」鳩山代表

民主党の鳩山由紀夫代表は10日の定例記者会見で、秘書給与流用疑惑が表面化している田中真紀子衆議院議員が衆院政治倫理審査会に出席する意向であることについて触れ、「予算委員会なみの公開の場で(聴取を)行うよう求める」と語った。

鳩山代表は、当初野党として田中議員の予算委員会への招致を求めたものの、与党の抵抗があってやむを得ず政倫審になった経緯を説明し、「いずれにせよオープンにやるべきだ。予算委員会なみの公開の場で行うよう求めていく」と語った。

また鳩山代表は、「5増5減」の衆院小選挙区区割り見直し案(公職選挙法改正案)への対応について、「党に有利か、不利かではなく、早く結論を出すべきだ。法案の成立に向けて最善の努力を払う」と述べた。

谷林議員、北方支援事業めぐる贈収賄問題を追及

参議院予算委員会で10日、民主党・新緑風会の谷林正昭議員が質問に立ち、北方四島支援問題、政治とカネの問題を中心に質問した。

谷林議員はまず、平成10年12月に色丹、択捉、国後の3島へのディーゼル発電施設建設予算として40億円の補正予算が計上された問題について言及。サハリン州は地熱発電を検討してきたこと、国後島の発電施設は3億円程度の補修による対応が可能であったことなどを指摘し、「40億円を使いきりたいとの思惑が見え隠れしている。補正予算の執行が不自然ではないか」と指摘して、塩川財務相に見解を質した。

財務相は、北方領土問題の解決に向けた事業の一環として、外務省から要求を受け予算を計上したものであるとし、予算執行上の責任は外務省にあり、財務省には責任がないと明確な答弁を避けた。

また谷林議員は、北方支援事業の一部を落札した三井物産から自民党の政治資金団体である国民政治協会に対し、平成9年から12年までに8590万円の献金があったことを指摘。「まさに事業の見返りと言われても仕方ないのではないか」として、森山法相に「第3者収賄罪にあたる可能性がないか」と質した。法相は、「捜査当局において様々な資料に基づいて判断すべきものであり、法務大臣としては答弁を控える」と述べた。《民主党ニュース》



7月10日 その日のできごと(何の日)