平成4830日目
2002/03/30
この日のできごと(何の日)
【イスラエル】軍事作戦拡大
ヨルダン川西岸ラマラにあるパレスチナ自治政府の議長府の大半を占拠したイスラエル軍は攻撃から2日目に入った30日も撤収の気配を見せず、アラファト自治政府議長を監禁状態に置いたままだ。
国連安全保障理事会は同日、イスラエルに対し、ラマラなどパレスチナ自治区からの軍撤退を要求する決議を採択した。だが、軍は西岸の自治区ベイトジャラやナブルス近郊にも侵攻、西岸南部のヘブロンにも治安維持のため戦車を出動させるなど、軍事作戦を拡大させつつある。
イスラエルは自治区からの議長追放とパレスチナ指導部の交代を狙っているとの観測が強いが、議長の監禁に対する国際的な非難が高まっており、イスラエルがどのように事態を収束させるのかが大きな焦点となっている。
安保理決議について、イスラエル外務省は、テロに対するパレスチナ側の責任をより明確にすべきだと指摘。一方のパレスチナ自治政府のアベドラボ文化情報相はロイター通信に、「肯定的に受け止める。すべては米国次第だ」と述べた。
議長は無事と報じられているが、依然、3階建ての建物の2階部分の執務室と寝室から動けずにいるもようで、アブルデイネ報道官や護衛数人と一緒にいるという。
イスラエル軍は29日、ラマラを立ち入り禁止地区に宣言。外国報道陣の立ち入りも禁じている。イスラエル放送によると、29日の軍の議長府突入で、これまでにパレスチナ人計10人が死亡した。
軍はこれまでにパレスチナ武装勢力メンバー計145人を拘束。AP通信などによると、ラマラ内のビルで5人のパレスチナ警官の射殺体が、見つかった。また、西岸とイスラエルの境界付近で、パレスチナ人がイスラエル警官1人を射殺、イスラエルの警官が応戦し、パレスチナ人2人が死亡した。《共同通信》
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【第74回選抜高校野球大会】
第74回選抜高校野球大会第5日は30日、甲子園球場で1回戦3試合が行われ、広陵(広島)延岡工(宮崎)浦和学院(埼玉)が2回戦に進出した。
3年連続8度目の出場の広陵は一回に中東の2点本塁打で先制し、七、八回に1点を追加。西村が5安打に抑えて今大会完封一番乗り。5年ぶり27度目の出場の中京大中京(愛知)を4−0で下した。浦和学院は2年生左腕の須永が8安打1点に抑える好投。六回に内田の2点右前打などで4点を越し、平安(京都)に7−1で快勝した。延岡工は三回、佐藤の大会史上5本目の満塁本塁打で逆転。秋田経法大付(秋田)を5−4で下し、4年ぶりの勝利を挙げた。《共同通信》
【プロ野球】
プロ野球公式戦は30日、セ、パ両リーグが全国6カ所で8年ぶりに同時開幕し、東京ドームで行われた注目の巨人−阪神は3−1で阪神が勝ち、12年ぶりの開幕戦勝利を挙げた。
昨李日本一のヤクルトはナゴヤドームで中日と対戦し、中盤の逆転で得た3点のリードを、細かい継投でしのぎ5−4と辛勝、広島−横浜(広島)は広島が終盤に逆転して、2−1で勝った。
パは昨季のAクラスチームがいずれも好発進。北海道で初の開幕戦開催となった西武−ロッテ(札幌ドーム)は、先手を奪った西武の松坂が10奪三振の好投で3−2と逃げ切った。
リーグ連覇を狙う近鉄は大阪ドームで吉岡、ウィルソンの本塁打、さらに中村が3安打、3打点の活躍をみせてオリックスに6−3で快勝。ダイエーは福岡ドームでの日本ハム戦の八回に、新外国人バークハートが勝ち越し本塁打を放ち4−3で接戦を制した。《共同通信》
【上野動物園】開園120周年記念式典
近代的動物園としては日本で最も古い、東京・上野動物園で30日、開園120周年を祝う式典が開かれた。式典には日本動物園水族館協会総裁の秋篠宮ご夫妻、石原慎太郎東京都知事らが出席。
上野動物園は1882年(明治15)年、上野公園内に開園。現在はインドライオンや原始的なサルのアイアイなど約430種、2200匹以上の動物を保有している。《共同通信》
【日本、韓国】国会議員が親善サッカー
日韓両国の超党派の国会議員によるサッカー親善試合が30日、韓国南部の済州島にある済州ワールドカップ(W杯)競技場で行われた。試合は逢沢一郎衆院議員の連続シュートで2対1で日本の勝ち。双方が汗まみれで一つのボールを追い、W杯に向けた日韓親善をアピールした。
1998年に始まった親善試合は年1回のペースで行われ5回目。対戦成績は3勝2敗で韓国リード。W杯韓国組織委員会の鄭夢準会長を含め計60人近くの議員が参加し、双方のチーム代表を務める森喜朗・日韓議員連盟会長と金鍾泌・韓日議員連盟会長も談笑しながら声援を送った。《共同通信》
【小泉純一郎首相】政治資金規制を強化
小泉純一郎首相は30日午後、NHK番組の収録で、政治資金規制の抜け道との批判が根強い政党支部への企業・団体献金の在り方や、同支部が集めた政治資金の使途について規制を強化する方針で見直す考えを表明した。同時に、今国会中に政治資金規正法などの法改正を目指す意向も示した。《共同通信》
【英・エリザベス皇太后】死去
英女王エリザベス二世の実母エリザベス・アンジェラ・マーガリート皇太后が30日午後3時15分、ロンドン近郊のウィンザー城で死去した。101歳。
第二次大戦を挟んだ15年余り英国王だったジョージ六世の妃だった。ロンドン大空襲時も疎開せず国民の士気を鼓舞し、ヒトラーから「欧州で最も危険な女性」とさえ呼ばれた。高齢になっても悪問や外出先で国民と気さくに言葉を交わし、クイーン・マザーと呼ばれ敬愛された。
英バッキンガム宮殿は、31日、エリザベス星太后の「王室葬」を4月9日にロンドン中心部のウェストミンスター寺院で行うと発表した。
英王室の声明によると、皇太后は女王らが見守る中、眠るように息を引き取った。昨年末から呼吸器系を患い、今年2月に二女のマーガレット王女を失ってから衰弱が進んでいた。
スコットランド王室の流れをくむ14代ストラスモア伯爵夫妻の間に生まれ、1923年に国王ジョージ五世の二男アルバート王子(ヨーク公)と結婚した。ジョージ5世の死去で長男の皇太子がエドワード8世(後のウィンザー公)として即位したが、米国籍のシンプソン夫人との「王冠を捨てた恋」で退位。夫のヨーク公が36年、ジョージ6世として即位し、予期せず王妃となった。
第二次大戦中、カナダへの疎開の勧めを断り、バッキンガム宮殿がドイツ軍の空爆を受けた時は「うれしい。やっと被災地をこの目で見る資格ができた」と語り、国民を奮い立たせた。
52年、国王死去で工リザベス女王が即位し皇太后に。ダイアナ元皇太子妃の離婚など王室スキャンダルが相次ぐ中でも変わらぬ敬愛を集め、王室に対する国民の支持を引き留めた。《共同通信》
【この日の民主党】
「民主党ネクストキャビネットin釧根」を開催
30日、北海道・釧路市において、シンポジウム「民主党ネクストキャビネットin釧根」が開催された。同地域では、酪農、水産・漁業といった基幹産業の振興策、および地元の鈴木宗男議員が関与した北方四島返還問題をめぐって、自民党と小泉政権に対する批判が急速に高まっていることから、民主党の政策と政権交代実現への決意を広く訴えるために、同地で北海道初の“地方版ネクストキャビネット(NC)”を開いたもの。NC閣僚からは、鳩山由紀夫首相、伊藤英成外相兼安全保障相、峰崎直樹財務相、そしてBSE対策本部から郡司彰事務局次長が参加し、300名におよぶ参加者とともに、熱心な議論を繰り広げた。
シンポジウムは、民主党釧根の仲野ひろ子代表の司会で始まった。冒頭、仲野代表は、「太平洋炭鉱の閉山、BSE問題による酪農不振などによって地元経済は非常に厳しい状況だ。これを打開するために政治に求められているものは何か。みなさんとともに、釧根地域から日本を考えたい」と呼びかけた。
■小泉内閣1年の失政と民主党の責務を提起
続いて4名の国会議員がそれぞれに問題提起を行った。最初に発言したNC首相の鳩山代表は、まず小泉政権成立後1年を経た今日の政治状況について提起。「自民党を潰してでも、日本を変える」と豪語して登場した小泉首相は、結局自らが抵抗勢力に成り下がり、従来の自民党と何ら変わらない政治を行っている、と厳しく指摘し、先に成立した2002年度予算についても「どういう改革が盛り込まれるのかと思っていたら、何もなかった。縦割り行政の枠内で、予算配分の比率もほとんど変わらない。こんなことで経済が良くなるわけがない」と喝破した。
鳩山代表はさらに、小泉内閣の具体的な経済失政に言及。釧根地域の地元産業がおかれている深刻な状況に触れながら、「地域で頑張っている中小企業を切り捨て、大企業だけを守るという正反対のことをやっている。不良債権処理も一向に進めようとしない」と強く批判した。その上で、田中角栄元首相による「日本列島改造論」以来の政官業癒着による利権政治の構造を根本的に変え、地域主権の国家づくりに踏み出すという民主党のビジョンを提起し、「政権交代を実現するために、みなさんの力を貸してほしい」と熱く訴えて発言を締めくくった。
続いて発言した伊藤英成衆院議員は、2月に訪米した際に米政府首脳らから「日本は本当に改革ができるのか」などと深刻な危惧の念をぶつけられたエピソードを紹介。小泉政権に対しては今や海外からも厳しい視線が向けられている、と指摘した。さらに、釧根地域と結びつきの強い北方四島返還問題をめぐって、「多くの人が四島返還で頑張ってきたにもかかわらず、鈴木宗男議員の疑惑で明らかになったように、二島先行論などという形で歪められてしまった」とし、沖縄基地問題、北朝鮮拉致問題なども含め、日本外交のあり方が厳しく問われているという認識を明らかにした。
峰崎直樹参院議員は、開口一番、「混迷する政府の財政・金融政策の一番の問題は、“先送り”にある」と指摘。バブル崩壊以降、大蔵省、金融庁が金融危機の実態を隠蔽し、解決を先送りし続けてきた結果が、いまだに100兆円を下らないと言われる不良債権の蓄積であり、今また“3月危機”を株価操作によって表向き回避したことで「一息ついた」などとしているのは、先送りの継続に他ならない、と批判した。そして、兆単位の不良債権を抱えた大企業を守り、経営体質の改革が進まない銀行にも甘い政府に対して、日本経済の中心である中小企業の再起を支援する観点から打ち出した民主党の金融財政政策を、「金融再生ファイナルプラン」に沿って紹介した。
最後に発言した郡司彰参院議員は、従来の農業政策の問題点について提起。まず、「北海道と他の地域の農業は違う」と述べ、後者では「選択的規模拡大」政策によって農業そのものの衰退を招いたのに対し、前者では規模拡大による負債問題が最大の懸案となっている現状を明らかにした。その上で、生態系・環境と農業は切り離せない、北海道を含めて全国に単一の農業政策を当てはめるのは間違っている、生産者団体・族議員・官僚の癒着による弊害が大きい、などの視点を示し、民主党の農業政策の骨格を明らかにした。
■外交・安保問題を中心に参加者と議論
続く参加者との討論では、外交・安保問題などを中心に、熱心な議論が行われた。標津町からの参加者は、民主党政権になったら対米追随の歴代自民党政権とは違って米国にものが言えるか、と質問。伊藤議員は、2月のブッシュ米大統領訪日を前に、米側に同時多発テロ事件以降の米国外交について「一国主義になりすぎている」と指摘し、「悪の枢軸」発言についても「言い過ぎだ」などと伝えたことを紹介。「民主党は、おかしいことはおかしいとしっかり言える」と答えた。
釧路市の教員組合員は、「平和を愛する党として、有事法制化に反対してほしい」と要望。鳩山代表は、日本が侵略を受けて自衛隊が出動する場合でも、超法規的に行動するのではなく、国民の最低限の基本的人権を保障するようなルールに従わせる必要があるという問題意識を説明、民主党の緊急事態法制への取り組みに理解を求めた。
根室市の市会議員は、北方四島返還問題について、「帰属の問題がはっきり決まれば、あとは四島一括でなくても、柔軟に考えていいのではないか」と質問。鳩山代表は、質問者に同意しながら、「最終的に四島がもっとも早く返ってくるシナリオをまず確立すべきだ。それなしに無責任な二島先行論を唱えたり、私腹を肥やすために利用するなどというのは、言語道断だ」などと答えた。また鳩山代表は、代表としては初めての北方四島視察への意欲も併せて表明した。
討論のまとめに立った鳩山代表は、「いただいた意見を政策づくりに反映したい」と参加者に謝意を表し、今年中に政権交代を実現する決意を改めて表明してシンポジウムを締めくくった。
「鈴木宗男議員の地元で一騎打ち挑む」鳩山代表が会見
民主党の鳩山由紀夫代表は、30日午後、「民主党ネクストキャビネットin釧根」が開催された釧路市内で記者会見し、次期総選挙では「この選挙区で鈴木宗男議員に一騎打ちの勝負をしかける」として、民主党釧根の仲野ひろ子代表を公認候補として擁立する方針を明らかにした。
鳩山代表は会見で、この日に行われた「民主党ネクストキャビネットin釧根」について「実りある会議ができた」と感想を述べるとともに、「意味があってこの地で開催した。太平洋炭鉱の閉山やBSE問題の影響で地元の基幹産業が深刻な状況にある一方で、地元の鈴木宗男議員の行動によって脚光を浴びている。次期総選挙では、この選挙区で仲野ひろ子対鈴木宗男の一騎打ちの勝負をしかけ、最重点地域として取り組む」と語った。
また、自民党を離党した加藤紘一議員が辞職を否定していることについて、「はなはだ残念だ。金庫番だった秘書の逮捕は大変重い罪であるとなぜ受けとめないのか」と述べ、一刻も早い辞職を求めた。《民主党ニュース》