平成4826日目
2002/03/26
この日のできごと(何の日)
【社民党・辻元清美衆院議員】議員辞職願提出
社民党の辻元清美衆院議員(41)は26日夕、政策秘書給与の不正受給疑惑の責任を取り、衆院議長あてに議員辞職願を提出した。土井たか子党首と会談し、最終決断したもので、28日の衆院本会議で許可される。
辻元氏は26日夜、党本部で記者会見し、当初疑惑を否定した今月20日の会見に虚偽の説明があったことを陳謝。「きっぱりとした態度をとることが政治不信の増大をせきとめることになる」と強調した。
鈴木宗男衆院議員の疑惑追及などで急先ぼうを務めた辻元氏が「政治とカネ」をめぐる疑惑で議員辞職に追い込まれたことは、国民の政治不信に拍車を掛けることになりそうだ。
辻元氏の進退問題決着は自民党を離党した鈴木、加藤紘一両氏の議員辞職問題にも波及、「政治倫理の確立」を訴えてきた社民党の土井たか子党首の責任問題に発展する可能性もある。
辻元氏は会見で、秘書給与の不正な受給方法をだれが持ち掛けたかや、秘書活動の実態など「名義貸し」かどうかの詳細な点について説明を避け、疑惑解消には至らなかった。
辻元氏は25日までのテレビ番組などで、自らの議員辞職勧告決議案の採決や証人喚問などを求め、当面の辞職は否定した。しかし、26日未明に土井党首が記者会見で議員辞職を勧告し、政審会長の解任も発表。同党内では辻元氏が姿勢を変えない限り、除名処分とすることもやむを得ないとの厳しい見方が出ていた。このため、執行部が辻元氏側と連絡を取り合い、最終調整を続けた。
社民党の調査によると、辻元氏は1997年4月から1年8カ月、別の参院議員の私設秘書をしていた女性を政策秘書として登録、国から支払われた政策秘書の給与を本人には月5万円渡し、残りを事務所の他の私設秘書らの給与などに充当。他党からは詐欺罪や政治資金規正法違反に当たるとの指摘が出ていた。《共同通信》
◇
歯切れのいい鋭い追及で人気を得た社民党の辻元清美衆院議員(41)。ところが、自らの政策秘書給与の詐取疑惑では、態度を二転三転させた。26日、ついに議員バッジを外した。「もっと国会で質問したかった」。不本意な思いを強調した辻元氏だが、疑惑への釈明は前言の訂正と謝罪だけ。肝心の事実関係の説明は欠いたまま、15分間で会見を打ち切った。
「本日、辞職願を提出してきました」。辻元氏は、東京・永田町の党本部で、避け続けた記者会見に応じた。「これは外します」。居並ぶカメラの放列の前で、スーツの議員バッジを外すパフォーマンスも。しかし、疑惑の事実関係に答えはなし。「今はちょっと分かりません」。準備不足と歯切れの悪さを残したまま、15分間で会見は打ち切られ、疑惑追及の“ヒロイン”の退場劇は後味の悪さを残した。
午後7時半、疑惑を完全否定した20日の記者会見と同じ党本部の会議室。「会見の場で明らかにすべきだったと反省している。申し訳なかった」。辻元氏は会見の冒頭、立ち上がって何度も頭を下げた。紺のパンツスーツ姿。数日見せたこともないさばさばした表情で、時折笑みものぞかせた。
「辞職願を出すに当たり、七転八倒した」。謝罪と反省の言葉の後、辞職を決断した心境に。「100回を超える国会質問をした。わたしはもっと国会で質問をしたかった」と言うと、不意に涙ぐんだ。「議員は辞めても、党は辞めない」。疑惑を指摘された他議員との違いも強調して見せた。
しかし、疑惑の事実関係について、前回の会見内容を訂正しただけ。問題となった政策秘書の紹介者を聞かれ「名前は差し控えたい」。秘書給与の移し替えをだれが持ち掛けたか問われても「ちょっと漠然としている」と不明りょうな言葉を並べた。同席した保坂展人衆院議員が質問を遮ると、辻元氏は背中を丸めながら退室。報道陣からは「何も説明していない」「逃げるんですか」と大声が飛んだ。《共同通信》
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【第74回選抜高校野球大会】
第74回選抜高校野球大会第2日は26日、甲子園球場で1回戦3試合を行い、関西(岡山)「21世紀枠」の鵡川(北海道)九州学院(熊本)が2回戦に勝ち進んだ。関西は左の宮本の好投で、智弁和歌山(和歌山)に7−2で快勝した。三回、宮本の二塁打などで3点を挙げ、八回には2点を加えてリードを広げた。鵡川は三木(兵庫)との初出場同士の対戦を2−8で制した。一回は無安打で4点を先制し、三回には3三塁打などで6得点。九州学院は、4年ぶり出場の前橋(群馬)に2−1で競り勝った。《共同通信》
【プロ野球】
阪神の久万オーナー、星野監督、選手らは26日、公式戦の開幕(30日)を前に兵庫県西宮市内の西宮神社で必勝祈願した。
「六甲おろし」が流れる中、選手らは神社で待つ約300人のファンに迎えられた。オープン戦は15勝3敗2分けの1位と絶好調。星野監督は、勢いを公式戦に持ち込むべく、神妙な面持ちで久万オーナーとともに玉ぐしをささげた。
開幕戦は東京ドームでの巨人戦。11年連続で開幕戦に敗れているだけに久万オーナーは「戦力は他球団と比較して互角以上にまで来ている。生まれ変わったタイガースを披露する絶好の機会。ぜひとも連勝してほしい」と期待した。
◇
自由獲得枠で阪神に入った安藤(トヨタ自動車)の開幕1軍スタートが26日、確実になった。
星野監督が「安藤はいまのところ上の予定」と話した。即戦力右腕はオープン戦4試合に登板し、防御率3.86と振るわなかった。中継ぎでの起用が予想されるが、「チャンスがあれば、どんどん投げたい。もっと調子を上げていきたい」と意気込んでいた。
また、捕手は3人が1軍登録される予定で、矢野と吉本のほか、自自獲得枠で入団の浅井(法大)も開幕1軍が濃厚となった。
◇
中日は26日、ヤクルトとの開幕戦(30日・ナゴヤドーム)の出場選手登録28人を発表し、3年目の期待の右腕、朝倉が開幕1軍入りした。先発ローテーションの一角に入る見込み。
左足小指の靴擦れのためオープン戦終盤に戦列を離れた川上は登録されなかった。新外国人選手のブレットや新人左腕、久本(河合楽器)も外れた。《共同通信》
【東京地裁】都の外形標準課税は無効
東京都が2000年4月に銀行を対象に施行した外形標準課税条例は公平性を欠き違法として、都市銀行大手など18行が都と石原慎太郎知事に条例の無効確認や納付した約724億円の返還などを求めた訴訟で東京地裁は26日、条例は地方税法に違反し無効とし、賠償を含めて都に計約742億9000万円の支払いを命じる銀行側全面勝訴の判決を言い渡した。
判決理由で藤山雅行裁判長は「銀行薬には原則通り所得に課税すべきで、外形標準課税をすることは許されない。石原知事は議会で内容を吟味しない発言をし、違法な条例を成立させた過失があった」と述べた。
石原知事は判決について「歴史の流れを斟酌しない情念的な判決で、当然控訴する」と述べた。
外形標準課税は地方分権化を進める石原都政の目玉施策として全国で初めて導入され大阪府も続いたが、銀行側勝訴の判決は他の自治体にも影響を与えそうだ。《共同通信》
【政界談話室】
○・・・民主党の鳩山由紀夫代表は26日午後、ネクストキャビネット(次の内閣)の会合で自民党立候補予定者が出馬辞退した参院新潟補選に触れ、「公募しておきながら、それでは勝てないと強引に降ろしてしまうという前代未聞のことが起こった」と批判。「鈴木宗男氏や加藤紘一氏元秘書の問題で政治不信が募った。党中央の責任で厳しい闘いに追いやられたのに、政治生命を勝手に扱う自民党の政治手法を看過することはできない」と出馬辞退者に同情を示し、自民党を攻撃していた。《共同通信》
【参院予算委員会】
参院予算委員会は26日午後、BSE(牛海綿状脳症、狂牛病)問題と医療制度改革に関する集中審議を行った。野党側が武部勤農相の更迭を迫ったのに対し、小泉純一郎首相は辞任の必要はないとの見解を強調した。
首相は「農林水産行政を立て直すにはよほどの胆力がないとできない。多少の『辞めろ』の声に責任を放棄する人だったら、とても務まらない。責任の取り方は今までの不備な点を反省して、食品の安全確保に全力を尽くすことだ」と述べた。農相も「私でなければ、この困難を克服できないという決意で職責を全うしていきたい」と表明した。
農水省と厚生労働省の担当部署を統廃合し「食品安全庁」を新設する構想について、首相は「組織、機構はどういうものがいいか真剣に検討する必要がある」と前向きな姿勢を示した。《共同通信》
【大崎事件】再審開始へ
鹿児島県大崎町で1979年、農業Nさん=当時(42)=が遺体で、見つかった「大崎事件」で、殺人、死体遺棄罪で懲役10年の刑が最高裁で確定、服役を終えた同町、無職A子さん(74)ら2
人が無実を訴えている再審請求審で、鹿児島地裁の笹野明義裁判長は26日、再審開始を決定した。決定理由の中で笹野裁判長は、共犯者は知的障書があり暗示を受けやすい上、自白の変遷に合理的理由がないことなどを指摘。「捜査官による強制、誘導があったことがうかがわれる」と、自白の信用性に疑問を提示した。
また、凶器のタオルが特定されていないことに触れ、他の物証についても「事件との関連は自白にしか基づかない」などとして、証拠価値を否定。
Nさんの死因については「絞殺を示す(遺体の)内部所見もみられない」などとする新鑑定を基に、「新証拠が原審の審理中に提出されていれば、A子さんら4人全員を有罪と認定するには合理的疑いが生じる」とした。
同事件では79年10月、Nさんの長兄とその妻のA子さん、兄の3人が殺人と死体遺棄容疑で、おいのCさん(故人)が死体遺棄容疑で逮捕、起訴された。
80年3月の鹿児島地裁判決は「Nさんの首をタオルで絞めて殺した」と認定、一貫して無実を主張したA子さん以外の3人は控訴せず、一審で懲役刑が確定。A子さんも最高裁で刑が確定し、服役した。
A子さんは95年4月、再審を請求。97年9月には、Cさんも加わったが、昨年5月に自殺したため、母親のDさん(73
) が引き継いだ。《共同通信》
【MLB】
米大リーグのカージナルスは26日、田口壮外野手(32)に対し、カージナルス傘下のマイナーリーグ、3Aメンフィス行きを通告した。
日本人選手としてはイチロー(マリナーズ)、新庄(ジャイアンツ)両外野手に続く3人目の大リーガー野手を目指した田口だが、オープン戦はここまで打率1割4分6厘(41打数6安打)と不振。カージナルスのトニー・ラルーサ監督は同日「(田口には)きょう(26日)の朝、マイナー行きを告げた」と述べた。大リーグでは通常マイナー行きを通告した選手には1日か2日の休養日を与えるため、田口も同日朝、既に球場を後にしていた。《共同通信》
【この日の民主党】
郡司議員、BSE問題の行政責任などを議論
26日、参議院予算委員会のBSE問題に関する参考人質疑で民主党・新緑風会の郡司彰議員が質問に立ち、BSE感染源の肉骨粉規制を行政指導にとどめた1996年の農水省の対応を「重大な失政」と指摘するBSE調査検討委員会の報告書原案などについて質問した。
郡司議員はまず、BSE問題の行政責任を検証している厚労相と農水相の私的諮問機関「BSE調査検討委員会」のメンバーでもある東京大学大学院農学生命科学研究科教授の小野寺節参考人に質問。22日に発表されたBSE調査検討委員会の報告書原案にある「食の安全は果断に講じなければ行政の不作為を問われかねない」とする一文をめぐり、「行政の責任問題ということか」と質した。小野寺参考人は「検討途中で最終的には4月2日の最終文書を待つ」とした。
それを受けて郡司議員は「行政だけでなく立法府の不作為でもあったかもしれないという自省の念ももつ」とし、その判断材料としての情報公開の重要性を指摘した。この点について明治大学客員教授・農政ジャーナリストの中村靖彦参考人は「メディアにも危機感がなかった。行政の甘さを突くだけのメディアの知識なかった」と述べた。
予算のあり方をめぐっては「取扱いがむずかしい病原体なだけに施設の整備が必要」とする小野寺参考人の指摘を受け、郡司議員は積極的な取り組みの必要性を確認した。
また、中村参考人は廃用牛が順調に出荷され、BSE感染牛を発見し、発生源究明にむけ徹底調査する体制づくりの必要性を指摘。価格政策・生産抑制・生産者への所得保障が欠かせない点にも言及した。また風評被害を防ぐためには、消費者、生産者への正しい情報提供が不可欠だとした。
最後に郡司議員は、全国農業協同組合連合会代表理事専務の堀喬参考人に対し、鶏肉偽装問題に関連して「子会社の実態を把握していないのではないか」と指摘。この問題から関連会社の検査のあり方、外部機関によるチェックのあり方等が問われていると問題提起した。
小川議員、調査検討委報告原案踏まえ農水相辞任迫る
民主党・新緑風会の小川勝也議員は26日、参議院予算委員会の食品安全問題等に関する集中審議で、厚労相と農水相の私的諮問機関「BSE調査検討委員会」が22日にまとめた報告書の原案の骨子をパネルで示しながら、あらためてBSE問題での武部農水相の失政の責任、小泉首相の改革姿勢を厳しく追及した。
小川議員は、今回の報告書原案が肉骨粉規制での重大な失政、農水省の生産者偏重の姿勢や族議員との癒着などを指摘したことを挙げ、「私たちが予算委員会などで主張してきたこととほぼ軌を一にするもの」と評価するとともに、今後、4月2日の最終報告に向けて武部農水相に「重大な決意」を迫った。併せて、熊沢前農水次官の参考人招致について「首相がリーダーシップを発揮すべき」と質すと、小泉首相は「誰であろうと調査の必要があったら委員会で人を呼んでいただいて結構だと思う」とこれに応えた。
小川議員はまた、「食の安全を確保するために行政システムを大きく改革しなければならないと認識しているか」と首相の考えを質した。首相は「食の安全を確保するために、今回のBSE問題を契機に、よりいっそう体制の強化を図っていかなければならない。調査検討委員会の報告・提言を踏まえ、あるべき方策を検討したい」と述べた。
これを受けて小川議員は、「農水族ではない武部氏を選んだ小泉首相の意図は分かるが、いまや国民の信頼も失い、野党からは辞めろと言われ、農水省と農水族からは足元を見られている武部農水相でそのような改革ができるのか」と小泉首相に厳しく迫った。
「農水相に対してそれぞれ批判があることは分かっているが、これからの農水行政を変えて行くためには、よほどの胆力が必要。不当な圧力に屈せず、断固として安全確保の体制整備をするんだという決意に燃えている武部農水相には、これまでの不備な点は反省して全力を尽くしてもらいたい」と首相はこれを拒んだが、小川議員は「そんなことを言っているのは小泉首相だけだ」と一蹴し、あくまでも武部農水相罷免を強く求めた。
江田議員、政府のBSE対策の不徹底を批判
26日、参議院予算委員会のBSE問題集中審議で、民主党の江田五月議員が質問に立ち、BSE感染源究明の遅れ、牛肉の安全確保の不徹底などをめぐって、政府の畜産行政の歪みを追及した。
江田議員は冒頭、いまだにBSEの感染源が特定できずにいることについて追及。まず、3頭の感染牛が共通に与えられていた動物性油脂を摂取していた牛がどのくらいいるかを質した。武部農水相は「推定3万頭」としたものの、その検査については「大部分は出荷される時に検査されることになる」などと悠長な回答。また、24カ月齢以上の死亡牛に対する検査についても、「全頭検査に近い形にしていく」としたものの、いつまでに検査体制をとるのかについては答えられなかった。江田議員は「なぜいつまでもできないのか」と厳しく批判した。
また、小泉首相が“全頭検査をやったから牛肉は安全”などと発言したと伝えられていることについて、「間違っている」と指摘。再度首相の認識を確認した。首相が、相変わらず「検査によって安全な牛肉しか市場に出回らなくなった」などと述べたため、江田議員は「24カ月齢以下の牛はプリオンが蓄積していても検査ではわからない。全頭検査は必要だが、それで安全が確保できたとは論理的に言えない。国民にあいまいな認識を伝えるべきでない」とたしなめた。
さらに江田議員は、BSE調査検討委員会の中間報告が肉骨粉について「近代畜産の陥穽」と述べていることを紹介しながら、「草食動物に共食いをさせてリサイクルするなどという考え方はいいのか。これはセンスの問題だ」として、BSEの背景にある畜産思想の是非について首相に質した。首相は、「(BSE問題は)食物こそ人間の基本であること、また自然を大事にすべきことを教えている」などと述べ、江田議員に共感を示した。
自民党農水族議員のBSE行政への関与をめぐっては、鈴木宗男、松岡利勝、江藤隆美の3議員の名前を挙げ、実態を調べて報告するよう農水省に求めた。
「事実上名義借りを認めた以上、当然」辻元議員辞職で鳩山代表
民主党の鳩山由紀夫代表は26日夜、辻元清美・前社民党政審会長が議員辞職したことを受けて、党本部で記者団に感想を述べた。
鳩山代表は、「社民党のエース格だっただけに、あなただけにはウソをついてもらいたくなかったと残念な気持ちはあるが、結論としては辞職は当然のこと」とする一方、「『党に迷惑をかけた』と離党だけして議員を辞職しない方々がいるが、辻元さんはその逆に『これからも党で活動したいが、国民には迷惑をかけた』と辞職した。国民はこのことは理解するのではないか」とも述べた。
同時に鳩山代表は、「事実関係については十分に明らかにされているとは言えない。社民党も辻元議員も、事実関係をもっと明らかにする義務がある」ときっぱり述べた。
辻元前政審会長が事実上名義借りしていた元秘書が民主党の家西悟衆議院議員の政策秘書を2カ月間勤めていたことに関しては、「菅幹事長が調査し、事実関係が少しずつ分かってきた。政策秘書給与が本人に全額渡っていたのかどうかか核心だが、これについては銀行口座を調査している。早急に結論を出したい」と表明した。《民主党ニュース》