平成4657日目
2001/10/08
この日のできごと(何の日)
【小泉純一郎首相】中国・江沢民国家主席と会談
小泉純一郎首相は8日午後、中国・北京を訪問、朱鎔基首相、江沢民国家主席と相次いで会談した。会談で江主席は訪中を歓迎し「本日の会談をもって二国間の不正常な緊張局面は改善の方向に踏み出す」と述べ、歴史問題や首相の靖国神社参拝でぎくしゃくした関係に終止符を打ち、未来志向の関係構築を図る意向を確認した。小泉首相は会談後、記者団に「わだかまりは解けた」と成果を強調した。
ただ米軍など支援のため自衛隊を派遣するテロ対策特別措置法案に関連して、江主席は「テロ撲滅のための協力は理解できる」としながらも「アジアの人々に警戒心があることを覚えておいてほしい」と指摘。朱首相は「自衛隊の活動範囲の拡大は慎重に考えてほしい」と懸念を表明した。
日中関係で江主席がこうした意欲的な発言をするのは異例。小泉首相が日中戦争の発火点となった盧溝橋を視察したことなどを評価したとみられる。
北京到着後に首相は、北京市郊外の盧溝橋、中国人民抗日戦争紀念館を視察。その後、首相は内外記者団に「あらためて戦争の悲惨さを痛感した。侵略によって犠牲となった中国の人々に心からのおわびと哀悼の気持ちを持った」と述べ、中国国民に対し強い反省の念を示した。
朱首相は会談で「最近、歴史教科書や靖国神社参拝(の問題)があるが、盧溝橋に行ったことは歓迎に値する」と指摘した。
小泉首相は一連の会談で、「武力行使は行わない」と自衛隊派遣を強調し、米英軍の攻撃を支持する考えを伝えた。江主席は、「ブッシュ大統領は電話で、罪のない人を傷つけることはできるだけ避けるべきだと言ってきた。今回の大統領談話にもそうした内容が含まれており、うれしく思う」と米大統領の姿勢に理解を示した。《共同通信》
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【伊・リナーテ空港事故】
イタリア・ミラノ東部のリナーテ空港で8日午前8時ごろ、スカンジナビア航空機が離陸するため滑走路を移動中、軽飛行機と衝突し、そのまま空港の貨物施設に突入し炎上した。スカンジナビア航空機には乗務員6人を含めて110人、軽飛行機には4人が搭乗。イタリアのルナルディ運輸相は会見し、両機の乗客・乗員114人の死亡を確認、建物で作業していた空港職員4人が行方不明になっていると発表した。
在ミラノの日本総領事館員は、乗客名簿の中に日本人の名前は含まれていないと述べた。伊警察当局は原因を調査しているが、関係者の話では事故発生時、空港周辺は濃い霧が立ち込め、視界が悪かったという。軽飛行機が滑走路に侵入した原因について、パイロット労組はレーダーシステムが作動していなかったと指摘している。
事故を起こしたのはミラノ発コペンハーゲン行きのスカンジナビア航空686便と、ドイツのチャーター便会社の軽飛行機。目撃者によると、滑走路を横切ろうと右側から侵入した軽飛行機とスカンジナビア航空機が接触、進路を左方向に外れ空港施設に突っ込んだ。スカンジナビア航空機は機体が折れて炎上し、爆発音も聞こえたという。《日経新聞》
【米英軍】カブールなどを空爆
米CNNテレビなどによると、米英軍は8日夜(日本時間9日未明)、アフガニスタンの首都カブールなどに対する2日目の空爆を行った。前日に続いて、タリバン政権の軍事施設や米中枢同時テロの最重要容疑者とされるウサマ・ビンラディン氏のテロ組織アルカイダの訓練施設などを標的にしているとみられる。
AP通信などによると、カブールで対空砲火が続き、タリバンの拠点カンダハル近郊では爆発が報告された。また攻撃には巡航ミサイル・トマホークが使われた。
これに先立ちタリバン政権は同日、カブールで緊急閣議を招集、ビンラディン氏の引き渡しを拒否するとともに、拠点の防衛態勢の強化と、米英に対する徹底抗戦を決めた。
米NBCテレビは空爆が3−4日継続されると伝えたほか、ストロー英外相は、軍事作戦は数週間続くとの見通しを示しており、アフガニスタン情勢は一層緊迫の度を増してきた。《共同通信》
【FBI】炭疽菌の捜査開始
米国が生物テロ兵器として警戒している炭疽菌の2人目の保菌者がフロリダ州で確認され、米連邦捜査局(FBI)は8日、疫病対策センター(CDC)などと協力し、感染源特定などに向け捜査を開始した。
米衛生当局は当初、感染は偶発的とみていたが、アシュクロフト司法長官は同日、「テロと関連があるかは不明だが、犯罪行為として捜査する」と述べた。同州では63歳の男性が5日、炭疽病で死亡。8日には男性と同じ新聞社で働いていた70歳台の男性の鼻腔と車内のパソコンのキーボードから炭疽菌が検出され、FBIは社屋の立ち入りを禁止し、従業員300人が検査を受けた。
フロリダ州では米中枢同時テロのハイジャック犯モハメド・アッタ容疑者が飛行訓練を行い、同州の農薬散布機飛行場を訪れたことも分かっている。《共同通信》
【この日の民主党】
アフガン空爆開始を受けて党談話発表
民主党は8日、米英両軍が現地時間7日午後9時(日本時間8日午前1時30分)にアフガニスタンのタリバンの軍事施設などへの空爆を開始したことを受けて、午後から緊急の役員会とネクストキャビネット(次の内閣)の合同会議を開催。「テロ撲滅・米国の自衛として十分に理解できる」との鳩山代表の談話を発表した。
2001年10月8日
米軍等によるタリバン空爆について民主党
代表 鳩山由紀夫本日未明、米国及び英国はタリバンの軍事施設等に対して爆撃を行った。
私たちは、テロリズム撲滅という目的を米国及び国際社会と共有し、これを強く支持している。今回の米軍等の行動に関しても、テロ撲滅・米国の自衛という見地から十分に理解できる。ただし、今後の米軍等の活動によって一般市民の犠牲が拡大しないこと等、本来の目的を逸脱しないよう求めたい。
今後、日本国民及び在外邦人の安全確保はますます喫緊の課題となろう。政府は国内治安・テロ対策に万全を尽くすべきである。以上 《民主党ニュース》