平成4827日目
2002/03/27
この日のできごと(何の日)
【2002年度予算】成立
一般会計総額81兆2300億円の2002年度予算は27日午後、参院予算委員会で可決後、参院本会議に緊急上程され、自民、公明、保守の与党3党などの資成で可決、成立した。当初予算の成立時期としては戦後5番目に早い。審議では、アフガニスタン復興支援会議への非政府組織(NGO)出席拒否問題をきっかけに、鈴木宗男衆院議員のさまざまな疑惑が指摘されるなど政と官の関係、政治とカネの問題が最大のテーマとなった。《共同通信》
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小泉純一郎首相は27日夕、2002年度予算成立を受けて首相官邸で記者会見し、鈴木宗男、加藤紘一両衆院議員らに対する疑惑をきっかけに批判が出ている「政治と金」の問題の再発を防止するため、(1)公共事業受注業者からの政治献金を制限する政治資金規正法改正などの規制強化(2)あっせん利得処罰法の適用拡大に向けた国会議員秘書の定義の明確化−の検討を急ぐ意向を表明した。
首相は「今国会で一歩前進した姿で(関連法改正案を)成立できるような対応を与党に求めている。今回の不祥事を政治浄化の一助にしたい」と強調した。
「政と官」の問題については、政治家による官僚への働き掛けの実態を公開する場合には、政治家、官僚双方が納得するルールが必要との考えを示した。内閣改造については「当面、考える必要はない」と否定した。
朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)による日本人拉致疑惑では、北朝鮮が「行方不明者」の調査継続を発表したことに関し「拉致問題を無視できないことを感じ取ったと思う」と評価。その上で「国際社会との協力が北朝鮮にもプラスになることを理解してもらうような二重、三重の働き掛けが必要だ」と述べ、米韓両国と協調し北朝鮮に対話を呼び掛ける考えを示した。《共同通信》
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【第74回選抜高校野球大会】第3日
雨で順延となった第74回選抜高校野球大会第3日は28日、甲子園球場で1回戦3試合を行い、新湊(富山)津田学園(三重)尽誠学園(香川)が2回戦に勝ち進んだ。新湊は左腕荒瀬が投打で活躍し、愛工大名電(愛知)に2−1で競り勝った。荒瀬は七回に勝ち越しの左前打を放ち、4安打の無四球完投。新選は初出場で4強入りした1986年以来、16年ぶりの勝利。出場2度目の津田学園(三重)は初出場の札幌日大(北海道)を8−2で下し、甲子園初勝利。四回までに6点を奪って突き放した。尽誠学園(香川)は初出場の水戸短大付(茨城)を2−7で破り、2年連続で初戦を突破した。《共同通信》
【加藤紘一自民党元幹事長】議員辞職が不可避に
自民党を離党した加藤紘一氏の資金管理団体から加藤氏個人の口座に約9000万円振り込まれたことが発覚したことから、与党内で27日、加藤氏の辞職は避けられないとの見方が一気に広がった。加藤氏はこれまで元秘書の脱税事件とが無関係としてきたが、政治資金を個人的に流用した形となり苦しい立場に追い込まれた。
公明党幹部は27日夜、「辞職は必至だ」と述べたほか、自民党執行部の1人は「これまでと話が変わってくる。重大だ」と指摘。自民党の幹事長経験者も「(これが発覚する前でも)辞めろという声があるのだから」と辞職要求が一層加速するとの見通しを明らかにした。
与党内では加藤氏が自民党を離れたとはいえ、来月の衆院和歌山2区、参院新潟選挙区両補選など四大選挙への悪影響を懸念する声も強まった。
与党側は加藤氏が自民党離党という「極刑」(自民党首脳)としたため、進退問題は加藤氏本人の決断に委ねる構えだが、加藤氏を取り巻く環境は厳しさを増している。《共同通信》
【地球環境保全に関する関係閣僚会議】
27日、官邸で地球環境保全に関する関係閣僚会議が開催された。会議では、我が国の生物多様性の保全と持続可能な利用を総合的・計画的に推進していくための「生物多様性国家戦略」を決定した。
会議の締め括りにあたり小泉首相は「自然と共生する社会を目指して、ただいま決定した国家戦略に基づき、政府一体となり、また、地方公共団体、地域住民、NPO、企業など多くの方々の参画を得て施策を展開できるような取組みをお願いしたい」とあいさつした。《首相官邸》
【仏・パリ郊外】市議らに銃乱射、8人死亡
フランス公共ラジオによると、パリの西郊外ナンテール市役所で27日午前1時15分ごろ、男が市議会議員らに向けて銃を乱射し、少なくとも8人が死亡、29人が重軽傷を負った。負傷者のうち8人が重体。
男は現場で市議らに取り押さえられ、駆け付けた警官に逮捕された。男は30歳前後とみられる。警察が身元や動機などを追及している。
銃乱射直前の午前1時まで市議会審議が行われており、男は複数の銃を持って議場内に入り、無言で乱射したという。現場には当時、議員ら約50人がいた。
同市はパリに近接するオードセーヌ県の中心都市で人口約8万4000人。現場周辺には数十台のパトカー、救急車が派遣され、厳戒態勢を敷いた。バイヤン内相も現場に急行した。
フランスでは昨年10月、中部トゥールの路上で男が通行人に向かってライフル銃を乱射し、4人が死亡、警官2人を含む7人が負傷した事件が起きている。《共同通信》
【アラブ首脳会議】開幕
アラブ連盟(21カ国・1機構加盟)の定例首脳会議は27日、レバノンの首都ベイルートで2日間の日程で始まった。開幕式後の首脳演説で、サウジアラビアのアブドラ皇太子は、流血の続くパレスチナ情勢を打開するための和平案を初めて公式に提案、首脳会議で討議するよう要請した。
皇太子は、イスラエルによる(1)全占領地からの撤退(2)エルサレムを首都とするパレスチナ独立国家樹立(3)パレスチナ難民の帰還−こそが和平の基礎だと協調。これと引き換えにアラブ諸国がイスラエルの「安全」を保障し「正常な関係」を結ぶことを提案。アラブ連盟の総意に基づいた提案として国連安全保障理事会に提出するよう求めた。《共同通信》
【ミャンマー】軍事政権議長、民政移管に言及
ミャンマー軍事政権、国家平和発展評議会(SPDC)のタン・シュエ議長は27日、ヤンゴンで行われた国軍記念日の式典で演説し「軍は平和と安定に向け努力しており、しかるべき時がくれば政権を譲る」と強調、民政移管に言及した。具体的な時期などは示さなかった。
ミャンマーでは今月9日、ネ・ウィン元大統領の娘婿や孫らによるクーデター未遂事件が発覚。国軍記念日が決行日とされていたため、例年より警備が厳しく、外国人記者の取材も制限されるなど、複数の有力な軍司令官らも更迭された事件の余波がうかがえた。
タン・シュエ議長は演説の中で、クーデター未遂事件や、民主化運動指導者のアウン・サン・スー・チーさんとの対話については一直接触れなかった。《共同通信》
【サッカー・国際親善試合】
27日、ウッジ(ポーランド)で行われたサッカーの日本−ポーランドで、日本は中田英(パルマ)ら欧州に所属する選手の力を生かし2−0で快勝した。
トルシエ監督は、中田英、小野(フェイエノールト)ら欧州のクラブに所属する4人をそろって先発に起用。先制ゴールの中田英のほか、それぞれがJリーグ組とうまく連係。守備も安定しポーランド得意の速攻を押さえ込んだ。日本が欧州で戦った国際Aマッチで勝利したのは1971年のアイスランド戦(レイキャビク)以来。《共同通信》
【この日の民主党】
[参院本会議]02年度政府予算3案、与党の賛成多数で可決、成立
参議院予算委員会、参議院本会議で27日、2002年度政府予算3案が与党の賛成多数により可決、成立した。民主党など野党各党は「現下の厳しい経済情勢に適切に対応していない」などの理由で反対した。7日の審議入りから3週間にわたった参議院の審議では、国民生活に直結する経済・雇用・金融問題や医療制度改革問題、BSE・食品安全問題に加え、外務省・鈴木宗男議員を始めとする政官の癒着問題などが幅広く取り上げられた。
■高嶋議員、藤原議員が反対討論
参議院の予算委員会、本会議での採決にあたり、民主党・新緑風会の高嶋良充議員、藤原正司議員がそれぞれ反対の立場で討論を行った。両議員は冒頭、02年度予算審議の過程で明らかになった鈴木宗男衆議院議員による外交・ODA予算の私物化などの疑惑に言及、「政官業をめぐる疑惑がますます広がりを見せているにもかかわらず、鈴木宗男議員らの離党という筋違いの決着で事態の幕引きを図る行為は、国民に対する背信に他ならない」などと厳しく糾弾。
また、BSE問題で重大な失政を続けた武部農水相について「もはや武部氏に農水相としての資質も能力も資格もないことは明白」として、あらためて辞任を強く求めた。
さらに、小泉内閣発足後、景気が悪化の一途をたどっており、中でも戦後最悪の雇用情勢を招いた最大の要因は「政府の経済の現状に対する認識の甘さと、国民生活を無視した経済無策にあることは火を見るより明らか」と、経済・雇用情勢の悪化についての小泉内閣の責任を厳しく指弾した。
予算への具体的な反対理由としては(1)小泉首相の政治的パフォーマンスにすぎない国債発行30兆円枠を守るために1兆5千億円もの「隠れ借金」を行った粉飾予算である(2)従来型公共事業を温存し、道路特定財源の見直しも見かけ倒しにすぎない(3)国民の雇用不安の高まりに応える踏み込んだ雇用対策がない(4)抜本的医療制度改革が先送りされ、国民にばかり痛みを押しつけている(5)ずさんな予算執行が露呈した北方四島支援を含む支援委員会に対する予算が計上されている──と5点を指摘している。
内藤議員、薬価制度の抜本改革を要求
27日、民主党の内藤正光議員が参議院予算委員会の締め括り総括質疑で質問に立ち、政府の医療制度改革案の内容について薬価問題を中心に質した。
内藤議員はまず、高い医薬品代が医療費増大の大きな要因になっている現状を打開する観点から、後発品の普及による薬価引き下げの方策について質問。薬剤師の判断で調剤できる代替調剤を認めることが後発品普及の有力手段になるとして、その実現に向けた法的問題などを質した。坂口厚労相は、医師法、薬剤師法などが関連してくるとした上で、それらを改正するか否かも含めて前向きに検討することを確認した。
薬価制度の見直しをめぐっては、1997年の厚相当時に薬価基準制度廃止を主張したにもかかわらず、今回の医療制度改革にはそれを盛り込まなかったのはなぜか、と小泉首相を追及。しかし首相は、「改革の中で議論していく」と述べるにとどまった。厚労相は、「医療制度全体の診療報酬体系の中で検討する必要がある」と述べ、「来年の今頃」までに薬価制度見直しの基本的な方向性を打ち出す意向を明らかにした。内藤議員は、現在の「統制経済的な」薬価制度を市場の実勢価格に基づくものに抜本的に転換するよう強く要求した。
また、医療保険制度改革では、被用者保険の3割負担導入について質問。国保財政の逼迫は加入者に占める高齢者の割合が高いなどの要因に規定された構造的問題であって、政管健保、組合健保との制度間統一の観点から保険料を引き上げるのは根拠がないと批判した。また関連して、保険者機能の強化が必要であるとし、その一環として、保険者が保険料を決める制度の導入を提案。小泉首相は「積極的に検討してもいい」と答えた。
斉藤議員、対テロ支援延長問題、景気対策などを質す
民主党・新緑風会の斉藤勁議員は27日、参議院予算委員会の締め括り総括質疑で、対テロ支援延長問題、景気問題、雇用問題などをめぐって政府の方針を質した。
斉藤議員は、まず小泉首相に対して、加藤紘一、鈴木宗男両議員への辞職勧告への考えを質した。斉藤議員は「辻元清美議員に対して、社民党の土井党首は辞職に値すると会見で発言した。それに照らし合わせてみると、加藤紘一、鈴木宗男両議員の進退についての小泉自民党総裁の発言は国民にとって奇異に映る」と切り込んだ。しかし、小泉首相は「奇異に見られようが、出処進退は個人が決めること」と述べ、自民党総裁としてこの問題に踏み込む意志がないことを示した。
また、テロ対策特措法に基づく対テロ支援を1か月延長する問題をめぐり、実施要綱の変更に値するのではないかと斉藤議員が指摘。これに対し、中谷防衛庁長官は「法律では、状況によっては5月19日まで延長するとしている。ウサマ・ビンラディンはじめ幹部はつかまっておらず、テロリストが再結集をはかる可能性がある中、まだ(対テロ支援は)必要」と説明。途中経過の説明等も不要だと述べた。
斉藤議員は、補給した米艦がテロ対策特措法に合致した活動を行っているかどうか、艦艇名を明らかにしないかぎり、国民は判断できないと指摘。同時に米国によるイラク攻撃があった場合の日本政府の対応を質した。中谷防衛庁長官は、イラク攻撃の確たる情報がない現段階では日本政府の行動も明らかにできない、などの答弁に終始。加えて斉藤議員は、専守防衛についての認識を小泉首相に質し、空中給油機導入はじめ防衛力整備はその認識に反する恐れもある点を提起した。
景気対策をめぐっては、竹中経済財政担当相に対し、「景気の底打ち期待が生まれている」との見方を示した上で、景気回復をより確実なものにするには民間需要の回復が必要不可欠だと指摘。ターゲットを定め、政府主導で対策を打つよう求めた。
自治体への財政負担が取り沙汰されている羽田空港再拡張問題については「財政負担を求めるのであれば、空港整備法の改正が必要」と指摘。扇国土交通相に質した。「早期着工・早期完成のためには関係自治体と綿密に話し合い、お互いに了解できるものがあれば協力を求めたいとしたもので、できれば公共事業として行いたい」と国交相が述べたのに対し、斉藤議員は東京都知事、神奈川県知事も否定的な見方を示している点を指摘。「空港整備法の改正は不要」という考え方で閣僚が意志統一をはかるべきだとした。
さらに斉藤議員は、鈴木宗男議員、野中広務元自民党幹事長の関与が疑われるエンバイロテック問題、健祥会問題などを追及。エンバイロテック問題では、民間の廃棄物処理業者であるエンバイロテックに対して、国費から「見舞金」という名目で廃棄物固形燃料化設置工事費に相当する11億8400万円が支出されている。
「従来型予算に大きく失望」鳩山代表会見
民主党の鳩山由紀夫代表は、27日の定例会見で、同日成立した2002年度予算について「何の特色もない予算で、大きな失望を覚える」とコメント。また前日の辻元清美・前社民党政審会長の議員辞職に関連して、鈴木宗男、加藤紘一両議員の問題に触れ、「離党せずに辞職するという辻元さんの身の処し方とまったくアベコベだ。離党で済む話ではない」として、さらに追及を強める意向を明らかにした。
鳩山代表は、予算について「小泉首相が初めて作成した予算であり、どこに小泉改革を含めているのかと思っていたが、省庁縦割りによる公共事業配分が基本で、今までとほとんど変わらない。これでは国民が期待する経済政策も出てくるわけがない」と厳しく批判した。
辻元議員の秘書給与問題に関しては、「まだ明らかになっていない部分を早急に調べ、全容をハッキリさせることが大事だ」と述べるとともに、社民党との国会内での協力関係には極力影響のないように努力したい、と言及。また、辻元氏の辞職について「潔い身の処し方であり、重い決断だった」とし、他方で野党の辞職要求を拒否している鈴木、加藤両議員に対しては、さらに国会で追及する姿勢を示した。
鳩山代表はまた、BSE調査検討委員会の報告書原案において自民党農水族議員の影響力について触れた部分が削除された問題にも触れ、「族議員の暗躍がここにも見て取れる」と指摘。報告書の厳しい内容を踏まえながら、武部農水相の責任をさらに追及し、辞任に追い込む考えを明らかにした。
市民政調の「市民政府」討論会に菅幹事長らが参加
27日、市民がつくる政策調査会(市民政調)の総会記念として、「市民政府」研究会・公開討論会が開催され、行政府(内閣)や立法府のあり方をめぐって、研究者やNGOとの討論が行われた。民主党からは菅直人幹事長、枝野幸男政調会長代理、水島広子衆議院議員が討論に参加した。
公開討論会では、「政策議論をしない内閣に市民・NGOはどのように関わるか」をテーマに議論。菅幹事長は、内閣のあり方や厚相当時のエピソードを披露し、枝野議員、水島議員は「議員立法と市民の関わり方」をテーマに、これまでの活動や市民立法への期待などについて思いを語った。
菅幹事長は、厚相当時、三権分立を盾に国会議員が行政に介入できないと官僚から聞かされ続けた話を紹介。「箇所付け」は行政の専権事項だが、内閣が行政に介入するのは当然であり、大臣の議会答弁も支配しようとする官主導の現状を批判した。
市民政調は、「交通バリアフリー法」「シックハウス対策法」などの政策提案や、市民政策議員懇談会への協力など、民主党の政策や活動に関して協力関係にあるNPO。
緊急事態法制、夫婦別姓問題で全議員政策懇談会
今国会の重要課題の1つである緊急事態法制問題などについて議論を深めるため、全議員政策懇談会が27日朝、党本部で開かれ、衆参国会議員110人が出席した。
終了後の記者会見で岡田克也政調会長は、「緊急事態法制については、法整備は必要との従来の党見解の確認と基本方針案についての討議を行った。さまざまな意見が出されたが、民主党として法制化を検討する必要があるという点はついては異論なく確認された。基本方針案についても、細かい表現などの修正は別として、大枠の方向性については了承された」と報告。
もう1つのテーマであった選択的夫婦別姓制度導入問題については、「家族の崩壊につながる」という反対論も一部にあったが、本日の懇談会としては、この制度を導入するという従来の党方針でいくことを多数の賛成で確認した」と述べた。いずれも今後ネクストキャビネットで正式に決定する。《民主党ニュース》