平成4815日目
2002/03/15
この日のできごと(何の日)
【自民党・鈴木宗男衆院議員】離党届を提出
自民党の鈴木宗男衆院議員(54)は15日の党政治倫理審査会に出席し、北方四島支援事業などをめぐる疑惑で自民党に迷惑を掛けたとして離党を表明、直ちに山崎拓幹事長に離党届を提出した。
元秘書が脱税事件で逮捕された加藤紘一元幹事長(62)も離党の意思を固め、地元・山形県の講演会幹部らに「これだけ党に迷惑を掛けたので、しかるべき場で説明したい」と伝えた。18日にも表明する見通しだ。
鈴木、加藤両氏とも進退問題を長引かせれば、国会審議や4月の衆参両院補欠選挙などを控えた自民党に与える影響が大きいと判断した。両氏とも記者会見などで議員辞職を否定した。
小泉純一郎首相や自民党はこれを「けじめ」として事態の収束を図りたい考えだが、鈴木氏の疑惑、加藤氏元秘書の事件は政治不信を拡大、小泉政権にとって打撃となった。
鈴木氏に対する辞職勧告決議を提出している野党は「離党で済む話ではない」(鳩山由紀夫民主党代表)とあくまで決議案採決を要求。自民党側が本会議上程に反対するよう公明、保守、両党に働き掛けており、与野党の攻防は激化する。
鈴木氏は党本部で記者会見し「私の政治活動や言動、私設秘書について国会で指摘され、深く反省すると同時に、このままでは党に大変な迷惑を掛けると思い、離党を決断した」と表明した。
ただ、外務省文書で明らかになった北方領土返還不要論を全面否定。「一方的なメモが使われ、私の排除というか、何かしかの意図があって今の事態に至ったと思う」と反論した。《共同通信》
◇
小泉純一郎首相は15日午後、鈴木宗男衆院議員の自民党離党について「彼なりに苦渋の決断をした。本人が決断したのだから尊重したい」と述べた。鈴木氏の議員辞職問題に関しては、党執行部と国会の対応に委ねる考えを示した。加藤紘一元幹事長が離党する方向になったことに関しては「自分で決めると聞いている」と述べた。《共同通信》
昭和64年1月1日〜このサイトをご覧頂いている日の一週間前まで、すべての日の「何らかの」できごとを記しています。
情報量が少ない日は随時加筆中です。
引用記事は名前、住所など一部修正の上、抜粋してあります。
外国の方のお名前、地名などは現時点で一般的に通じるものに書き換えています。(例・ロシアのプーチン氏はかつてプチン氏と表記されていました)
古い記事の多くは「書き写し」のため、誤字脱字が多数あります。見つけ次第修正しています。
【大相撲】
大相撲春場所6日目(15日・大阪府立体育会館)全勝の2人がともに勝った。横綱武蔵丸は平幕旭鷲山を冷静に押し出し、大関魁皇は栃乃洋を得意の右上手投げで退けた。大関昇進を縣ける関脇琴光喜は小結若の里に小手投げで逆転負けし、痛恨の3敗目。若の里も3勝3敗。綱とりを目指す大関栃東は土佐ノ海を引き落として連敗を2で止め4勝目を挙げた。
大関千代大海は勝って連敗を免れたが、大関武双山は関脇朝青龍に寄り切られて、ともに4勝2敗となった。朝青龍は小結貴ノ浪とともに3勝3敗。全勝の2人を1敗で平幕の闘牙、新入幕の霜鳥が追う展開となった。《共同通信》
【政界談話室】
○・・・民主党の菅直人幹事長は15日の記者会見で、鈴木宗男氏の疑惑が外務省の内部文書で次々に発覚していることに対して「(外務省が)敵対視していた田中真紀子前外相のときにも情報リークがあった」と外務官僚の意図的な「策略」を示唆。さらに「官僚がつくった報告書の中身は往々にして問題がある、公表されたものと、本当にその場で議論されたものとは、かなり違うことがある」と鈴木氏に意外な「助け舟」を出した。かつて厚相時代に薬害エイズをめぐり官僚と激突した経験があるだけに「敵の敵は味方」?《共同通信》
【この日の民主党】
高嶋議員、政官癒着の新疑惑を追及
15日、参議院予算委員会において、民主党の高嶋良充議員が質問に立ち、「政と官の関係のあり方」をめぐる考え方と現状を各大臣に質すとともに、行政改革推進事務局をめぐる人事介入問題、厚労省発注工事をめぐる談合疑惑などを明らかにし、関連省庁の対応を追及した。
高嶋議員はまず、鈴木宗男議員と外務省との癒着問題の本質について「説明責任を持たない政治家が政策を操る権力の二重構造、官僚が特定の政治家と結びついて特定の人間の利益を図る構造」があることを指摘。その上で、この間明らかになった外務省の一連の問題に関与した省員の処分について質した。
川口外相は、「調査結果を踏まえ、人事面を含めて適切に処理する」と答弁したが、高嶋議員は「外務省は、小泉首相が拒否すべきだと言った『不適切な意見』を採り入れたのであって、一定の処分は必要だ」と念を押した。
また、省員の国会議員との会合を自粛することを決めた農水省の措置を挙げ、これを全省に拡大する考えがないかを質問。福田官房長官は、「検討する」とした。
次に高嶋議員は、自民党有力議員と経済産業省の“ウラ部隊”が公務員制度改革を主導しているという疑惑について追及。経団連から公務員制度等改革推進室に派遣された人物による内部告発文書に基づきながら、行政改革推進事務局の人事が圧力によって差し止められた問題について質した。
石原行革担当相は「関係者に問い質したがそういう事実はなかった」と答弁したが、中島人事院総裁は、昨年6月に人事院から行革推進事務局への人員派遣が「理由不明のまま」直前に差し止められた事実を認めた。高嶋議員は、「直属の大臣が知らないところでこういうことが起こっている。調査すべきだ」と要求した。
さらに高嶋議員は、厚労省発注の国立病院関連工事をめぐる談合疑惑についても追及。匿名で寄せられた談合情報に基づいて、四国がんセンター(愛媛県)、東静病院(静岡県)、豊橋東病院(愛知県)、長良病院(岐阜県)などの工事の落札企業を確認し、すべて事前情報通りであることを明らかにした。しかも、これらの談合情報について厚労省の病院部長は知っていたにもかかわらず対応せず、坂口厚労相にも情報が伝えられていなかったことが判明。
対応を問われた坂口厚労相は、事実確認の上、すでに工事が始まっているものも含めてすべての発注を白紙撤回してやり直す、と表明。福田官房長官も、厚労省に厳正な対処を要請する意向を明らかにした。
内藤議員、政府の医療保険改革案の欠陥を指摘
民主党・新緑風会の内藤正光議員は、15日の参議院予算委員会一般質疑で、医療制度改革問題について1時間余にわたって坂口厚労相らの見解を質し、抜本改革への取り組みを促した。
内藤議員は、2000年から2025年までの間に国民医療費が2.7倍に増加するという厚労省推計などを示しながら、今回同省が決めた被用者本人の医療費3割負担などの医療保険改正案を批判。「5年しかもたないことを厚労省自体が認めている。とても持続可能な社会保障制度と言えない」とし、特に高齢者の医療費が高齢者人口の伸びを超えて増加し続けることについて、どう改革するのかと坂口厚労相らに質した。
厚労相は、「入院期間が長い、1つの病気でかかる回数が多いなどの問題もあるが、医療制度の問題もある。現在の診療報酬制度の基本からの見直しが必要」とし、今回決めたような一律1%余のカットではなく、慢性疾患について現行の出来高払いを包括払いに改めることなどが必要との認識を示した。
「では、その認識に照らして、今回の改正案の中身を評価すると何点か」と内藤議員が質すと、厚労相は「自分で出したので満点と言いたいところだが、最終結論が間に合わなかった部分もあるので65点か70点というところ」と認めた。
内藤議員はまた、医療費の2割を占める医薬品では、最初に特許を得た先発品が20年の特許終了後も後発品にくらべて4倍近く高い薬価の設定となっており、後発品をもっと普及させれば医薬品代は大幅に下がるはずだと主張。このため、欧米諸国のように薬剤師の判断で同等の後発品を調剤できる「代替調剤」をぜひ認めるべきだと提案した。「検討しているが、具体的にいい案がない」との坂口厚労相の答弁に、内藤議員は「ぜひともやるんだという方向の中で検討して欲しい」と重ねて要望した。
「鈴木議員辞職勧告決議案への与党の対応に注目」菅幹事長会見
民主党の菅直人幹事長は15日の定例記者会見で、自民党の鈴木宗男議員の離党会見について「離党は所詮自民党内での問題にすぎない」と指摘した上で、引き続き議員辞職を強く求めていく構えを示した。
菅幹事長は北海道比例区選出である鈴木議員の立場をめぐって、「北海道で自民党と書いた票は、すべて鈴木宗男議員の当選に一石を投じたことになる」と指摘。小選挙区での当選者以上に党の監督責任は大きいとの見方を示した。さらに「与党がどういう姿勢をとるのか。最終的には国会の採決の場で明らかになる」とし、再喚問要求や議員辞職勧告決議案に対する、公明党、保守党も含めた与党の対応を見極めたいとした。
また菅幹事長は、自民党国家戦略本部国家ビジョン策定委員会が13日に提示した政策決定システム改革案に言及。族議員の不当な介入を防ぐため、政府が法案を提出する前に与党の承認を得る「事前承認制」の廃止、事務次官会議廃止、政と官の接触制限、公認候補者を選ぶ予備選挙導入などが盛り込まれている点について、「大部分が民主党が従来から提言してきたもの。大いに実行すべき」との考えを示した。
ただ、発表から1日経過した時点ですでに自民党内から反対の声が出ていることを受け、「自民党という政党は一部の議員が民主党案を丸呑みして発表するが、いざ実行するとなると結局実行できずにあいまいにする。この繰り返しがあらゆる問題で起きている」と批判した。
「さらに強く議員辞職を求める」鳩山代表が鈴木議員離党で会見
15日午後、民主党の鳩山由紀夫代表は、鈴木宗男議員の自民党離党届提出後の記者会見を受けて緊急会見を開き、「国民にたいへんな迷惑をかけ、国益を損ねたにもかかわらず、その反省がない。『自民党に迷惑をかけたから離党する』とする、まったく理解できない記者会見だった」として、鈴木宗男議員をきびしく批判した。
鈴木議員は「国会などの状況を見ると、自民党や多くの人に迷惑をかけるのは申し訳ないとして離党した」となどと述べており、鳩山代表はこの言葉に激怒。また、北方四島支援事業の入札への関与、外務省職員への暴行などの疑惑に関して「すべて指摘されている点は反省している」と述べながらも、違法行為があったかどうかについては「悪いことをしようと政治をやってきた認識はない」と語った鈴木議員の発言について、鳩山代表は「開き直りにもなりかねない」として不快感を露わにした。
鳩山代表は、鈴木議員は離党ではなく辞職すべきだとあらためて指摘し、「野党間で協力してさらに強く議員辞職を求めていく」との姿勢を強調。また「自民党の体質そのものが問われている問題だ」として、鈴木議員離党で決着をつけようとする自民党の思惑を断固として阻止し、自民党的体質への追及の手を緩めないことを改めて明言した。
北朝鮮拉致疑惑問題の真相解明に向けPT設置
民主党は、1983年に神戸市出身の有本恵子さんが欧州から北朝鮮に拉致された事件など、北朝鮮をめぐる日本人拉致疑惑問題の真相解明に向け、プロジェクトチーム(PT)を15日までに発足させた。
この件に関連し、熊谷弘国会対策委員長は15日の記者会見で「関連委員会で総力をあげて解明に向けて取り組んで行きたい」と述べた。《民主党ニュース》