平成4814日目
2002/03/14
この日のできごと(何の日)
【光市母子殺害事件】当時18歳、二審も無期
山口県光市の会社員本村洋さん(25)宅で、1999年4月、妻弥生さん=当時(23)=と長女夕夏ちゃん=同(11カ月)=が殺害された事件で、殺人などの罪に問われた当時18歳の元会社員の被告(20)の控訴審判決公判が14日、広島高裁で開かれた。重吉孝一郎裁判長は「内面の未熟さが顕著であり、矯正教育による改善更生の可能性がないとは言い難い」と述べ、無期懲役とした一審山口地裁判決を支持、検察側の控訴を棄却した。
重吉裁判長は「犯行の動機は極めて短絡的。自己中心的で卑劣。遺族への謝罪の手紙すら書いておらず、犯行の重大性や遺族らの心情を真に理解しているものか疑問を抱かざるを得ない」と厳しく指弾した。
判決では、最高裁が1983年の「永山事件」で示した少年への死刑適用基準と照らした結果、「最も重視すべき殺害行為に計画性がない」と指摘。被告が当時18歳1カ月だったことや、鑑別結果で「内面が未熟で、矯正教育は不可能ではない」とされたことを考慮し、「極刑がやむを得ないとまでは言えないとして無期懲役にした一審判決が、軽すぎて不当とは言えない」と判断した。被害者側の権利や保護については言及しなかった。
控訴審で検察側は、被告が拘置所仲間あてにあてた手紙の内容から「反省の情は全くうかがえない」として、死刑を主張。これに対して弁護側は、被告は中学生の時に実母が自殺するなど不幸な成育環境にあったと指摘し、「矯正の余地を求めた一審判決は妥当」として、死刑回避を求めていた。
判決によると、被告は99年4月14日午後2時半ごろ、本村さん宅に排水検査を装って上がり込み、弥生さんの首を締めて殺害した上で陵辱。夕夏ちゃんを居間の床にたたきつけ、首にひもを巻き付けて殺害した。《共同通信》
◇
「私は何と無力な人間かと思いました。司法の判断に不条理を感じる。検察には上告してほしい」山口県光市の母子殺害事件の控訴審判決公判。
妻の弥生さん=当時(23)=と長女の夕夏ちゃん=(同・11カ月)=を殺され、被告への極刑判決を求め続けてきた本村洋さん(25)は14日、広島弁護士会館で会見し、涙を浮かべ、声を震わせた。
グレーのスーツを着た本村さんは背筋を伸ばして報道陣の質問に答え、判決について「被告は2人を殺していながら、やはり少年法に守られた」とし、「納得がいかない」と早口で繰り返した。《共同通信》
◇
「遺族としてはあまりにも軽すぎる判決だ」−。母子殺害事件で、妻子を奪われた本村さんは、死刑を回避し無期懲役とした広島高裁の判決をこう批判した。広島市中区の弁護士会館で、涙をこらえながら記者会見した本村さんの表情には、無念さがにじみ出ていた。
本村さんは一貫して死刑判決を求めていただけに「勝ち負けではないと思うが、少年に負けたというか、自分の正義感が認められなかったのは悔しい」と心情を吐露。被告については「いまだに何を考えているのかわからない。肩の荷が下りるのではなく、つらい人生が始まると考えてもらいたい」と訴えた。
控訴審の判決では常に妻と娘の遺影を抱えていた本村さんだが、この日は「一人」で判決に臨んだ。「けじめなので墓に行って報告したい」と話した。《共同通信》
昭和64年1月1日〜このサイトをご覧頂いている日の一週間前まで、すべての日の「何らかの」できごとを記しています。
情報量が少ない日は随時加筆中です。
引用記事は名前、住所など一部修正の上、抜粋してあります。
外国の方のお名前、地名などは現時点で一般的に通じるものに書き換えています。(例・ロシアのプーチン氏はかつてプチン氏と表記されていました)
古い記事の多くは「書き写し」のため、誤字脱字が多数あります。見つけ次第修正しています。
【大相撲春場所】5日目
大相撲春場所5日目(14日・大阪府立体育会館)綱とりを縣ける大関栃東が関脇朝青龍に寄り倒され、連敗で痛い2敗目を喫した。朝青龍は2勝目。横綱武蔵丸は栃乃洋を寄り切り、土佐ノ海を首投げで退けた大関魁皇とともに5連勝とした。平幕の高見盛が初黒星を喫したため、全勝はこの2人だけになった。大関武双山は安芸乃島を下して1敗を守ったが、大関千代大海は小結貴ノ浪に突き落とされて2敗に後退。関脇琴光喜は旭鷲山を寄り切って2敗を守った。《共同通信》
【政府】景気判断を情報修正
竹中平蔵経済財政担当相は14日、3月の月例経済報告を関係閣僚会議に提出した。設備投資の低迷や雇用不安はあるものの、米国やアジアの景気改善により、情報技術(IT)関連を中心に輸出や鉱工業在庫、生産に好影響が表れてきたと判断。景気の基調判断を2月報告の「悪化を続けている」から「依然厳しい状況にあるが、一部に下げ止まりの兆しが見られる」に上方修正した。
2000年11月からの景気後退局面で、基調判断を上方修正するのは初めて。上方修正は同年6月以来1年9カ月ぶり。悪化を続けてきた景気が回復に向け動き出した可能性があるとの判断を示した。
竹中経財相は会議後の会見で「設備投資を含むダイナミックな回復に結び付くのかどうか、非常に大きな分岐点となる」と述べ、設備投資の動向を注視していく考えを示した。《共同通信》
【政界談話室】
○・・・禁煙推進議員連盟事務局長を務める小宮山洋子民主党参院議員は14日の参院予算委員会で、たばこのパッケージに記した健康への影響の注意書きについて「海外は厳しい。日本でももっとはっきりし書いた方がいい」と注文を付けた。これに対し坂口力厚生労働相は「どれほど厳しくしても異存はない」と答えたが、塩川正十郎財務相は「一番いいのは、税金を上げること。いっぺんに吸わなくなる。文言の話ではない」と、健康問題と財政問題を一気に解決する“たばこ税増税”の効用をちゃっかりアピール。《共同通信》
【天皇、皇后両陛下】パキスタン・ムシャラフ大統領と会見
天皇、皇后両陛下は14日、公式実務訪問で来日しているパキスタンのムシャラフ大統領負債と皇居・宮殿で会見された。同大統領と会うのは初めて。
両陛下は大統領夫妻と宮殿「竹の間」で約20分間会見した後、小食堂「連翠」に移り、皇太子ご夫妻、川口順子外相らを交えて昼食を取りながら歓談した。
天皇陛下が「去年の9月以来、大変アフガンの問題でご苦労なさいましたね」とねぎらうと、大統領は「困難な時期でしたがこの挑戦を好機に一生懸命努力して平和を達成することができました」と答えた。
また大統領が両陛下に対し「この機会にぜひご訪問いただきたい」と正式に招待した。《共同通信》
【小泉純一郎首相】パキスタン・ムシャラフ大統領と会談
小泉純一郎首相は14日午後、パキスタンのムシャラフ大統領と首相官邸で会談し、両国間の経済協力と民間投資を促進する次官級の「経済に関するハイレベル対話」の年内開始で合意した。3つの事務レベル協議の創設でも一致した。
首相は大統領の要請した有償援助再開に前向きな姿勢を表明。二国間の債務繰り延べや金利減免についても具体的な検討を約束し、1998年の同国の核実験以降、停止していた大型円借款などの経済協力の本格再開へ環境が整った。
事務レベル協議は(1)アジア地域の安定を目指す安全保障対話(2)大量破壊兵器の拡散防止を目指す軍縮・不拡散対話(3)政府開発援助(ODA)を協議する経済協力政策対話−の3つ。
首相は「パキスタンの民主化への取り組みの成功に期待する」と述べ、今年10月の総選挙に日本からの選挙監視団派遣を約束。大統領が同国の捜査能力強化への協力を求めたのに対し、首相は「警察改革調査団を派遣する」と応じた。《共同通信》
【この日の民主党】
今井議員、救命士による気管内挿管の解禁求める
今井澄議員は14日午後の参議院予算委員会での一般質疑で、現在医師のみに認められている気管内挿管による気道確保などの救命行為を救急救命士にも条件付きで速やかに解禁するよう坂口厚労相などに質した。
今井議員は、厚労相が12日の同委員会で救急救命士による気管内挿管を認める方向で検討を進める旨答弁したことを高く評価するとしながらも、「確かに私も医師として難しい問題があることは分かるが、瀕死の状態にある患者を運搬している現場で、病院医療の常識を持ち出して安全性を云々したり、医師法違反だからできないと言えるだろうか」と指摘。「緊急避難に相当するような場合には、とりあえず、今すぐ解禁すべきではないか。そのことによってどれだけ地域の住民が安心できるか計り知れない」と坂口厚労相に迫った。厚労相は「あらかじめどういう条件であれば許されるかを明確にしたい。結論は早急に出す」「やらなければならない時にはできるという形に改めたい」などとこれに応えた。
今井議員はまた、気管内挿管以上に必要性が高い蘇生術として、電気ショックによる「除細動」の実施を挙げ、現在救急救命士が施行する場合に必要とされる「医師の具体的指示」を「医師の包括的指示」に緩和すべきと提案した。
小宮山議員、京都議定書批准への対応を質す
14日、参議院予算委員会の質疑で民主党の小宮山洋子議員が質問に立ち、地球温暖化防止の京都議定書に対する政府の対応などを質した。
小宮山議員は冒頭、新たに明らかになった鈴木宗男議員の外務省職員への暴行事件の実態を川口外相に質した上で、同件を記録した外務省内部報告書と当該外務省職員の診断書の提出を要請。川口外相から「委員会の指示に従う」との答弁を得た。同時に小宮山議員は「これは暴行傷害事件だ」とし、鈴木議員の証人喚問の早期実現を求めた。
続いて、小宮山議員は「環境分野で今年最大の課題は地球温暖化防止のための京都議定書を8月に行われるヨハネスブルグ・サミットで発効させることである」との見方を示した上で、日本政府の批准に向けての決意を大木環境相に質した。環境相は「環境の分野で日本がリーダーシップをとることは外交の大きな柱としても努力すべき」とし、発効にむけて前向きな姿勢を示した。
その答弁を受けて小宮山議員は米国案を小泉首相が評価した点について、問題提起した。ブッシュ政権は2月、GDP当たりの温室効果ガス排出量を18%削減するとの政策を発表。これは事実上、排出増を容認する内容であり、欧州諸国や環境団体、米国議会内からさえも反発の声が上がっていた。その点を指摘した上で小宮山議員は「同盟国として日本は米国に対してきちんと忠告すべき」とし、相反する行動に出た小泉首相を批判。米国案を排して京都議定書批准へ復帰するよう米国への積極的な働きかけを大木環境相に求めた。
大木環境相は「京都議定書に近づくプロセスのひとつとも考えられる」などと答弁。 それを受けて小宮山議員は2月末から3月にかけて行われている日米事務レベル協議の内容、4月の日米閣僚級会合の目的などについて質問。京都議定書批准への道筋づくりにつながるかを議論した。併せて地球温暖化推進本部の方針が2月13日に決定され、まもなく新大綱が決定される点を取り上げた。小宮山議員は「なぜ省庁内の密室でことが決まってしまうのか」と問題提起し、国民の協力が不可欠の問題であるからなお更のこと、オープンに議論し、国民の声を反映させていくことの必要性を訴えた。
また、産業部門で7%削減するとしている点に言及。「産業界の反対への対応策」「実現への道筋」を問う小宮山議員に、平沼経済産業相は「負のイメージで捕われがちだが、技術革新を生み出すなど、プラスにすることもできる」として、技術革新等で最終的な目標達成へ近づけるとした。小宮山議員は「国際競争のなかでも早く取組んだ方が勝ち残る確率はより高くなる」として、早期着手を提起した。またヨハネスブルグ・サミットに間に合うよう、6月初めまでに国会で決定が下されるよう、「最大限の努力」を要請した。
続いて小宮山議員は厚労省が提示している、低所得の母子家庭に支給している児童扶養手当の見直し案について質した。同案は、今年8月分から支給対象を年収365万円未満に拡大する一方、約51万円の満額支給対象を年収130万円未満に引き下げる。年収130万~365万円は年収が1万円増えるごとに手当を約2000円減らすなど、小刻みに減額。支給対象世帯の半数近くが減額となる。
小宮山議員は窮状を訴える母子家庭からの訴えなどを紹介し、「こういう実態があっても削減が先と考えるのか」と政府の対応をきびしく批判。雇用体制の拡充などによる就職支援など、自立へ向けての環境整備こそが優先項目であることを強く訴えた。
さらに小宮山議員は「たばこの健康被害」をめぐって、政府の対応の遅さをきびしく指弾。たばこによる健康被害が拡大している実態を指摘した。「たばこの警告表示の拡充、未成年者への販売規制の徹底、職場・公共の場での禁煙・分煙の推進などの重要性を指摘した。
大使任命を国会同意事項に 外務公務員法改正案など決定
民主党ネクストキャビネット(NC)は、14日、外務公務員法の一部を改正する法案、国会法の一部を改正する法案を決定。両案は議員立法として国会に提出される。
外務公務員法の一部を改正する法案は、大使・公使の任命を国会同意人事とするもので、この間の外務省不祥事の続発を受けたもの。
国会法の一部を改正する法案は、国会の調査権を強化するもので、今まで委員会の決定でなければできなかった内閣、官公署への報告、記録の提出が、委員の4分の1の求めでできるようにするもの。
会議後の記者会見で岡田克也政調会長は、「明日の4党政策責任者会議で提案し、できれば共同で提出したい」と語った。
4野党、来週早々にも鈴木議員を刑事告発
野党4党の国会対策委員長は14日午後、国会内で会談し、来週早々にも鈴木宗男議員に対する刑事告発の手続きをとることで合意した。
会談後に記者会見した民主党の熊谷弘国会対策委員長は、「鈴木議員をめぐる疑惑のうち、ただちに刑事告発すべき行為が少なくとも数件にのぼっており、証拠隠滅を防ぐため、一刻も早く告発しなければならない。週末を挟んだ数日でこれらを精査し、告発の要件を整えることを4党で確認した」と報告した。
会談では、自民党元幹事長の加藤紘一事務所前代表をめぐる脱税事件についても、13日の衆議院予算委員会理事会で要求した加藤氏の証人喚問に加え、他の関連委員会で4党が連携して質疑を行うなど効果的な取り組みを行うことで合意した。《民主党ニュース》