平成4806日目

2002/03/06

この日のできごと(何の日)

【警視庁】ジー・オーグループを一斉捜索

通信販売の広告事業などに投資を呼び掛ける利殖商法を展開していた「ジー・コスモス・ジャパン」(東京都港区)が、元本を保証して会員から違法に出資金を集めていた疑いが強まり、警視庁生活経済課は6日、出資法違反(預かり金の禁止)容疑で同社本社や系列の「ジー・オーグループ」各社など約40カ所を一斉捜索した。

同課は、1997年2月から今年1月までコスモス社の口座に計約478億円の入金を確認。同社の内部資料では約200億円が返済不能となっている。

生活経済課は、各社の運転資金や大神源太名誉会長の私的な消費に流用された可能性が高いとみており、大型詐欺事件に発展する見通しとなった。同課はこの日、大神名誉会長から初めて直接話を聴いた。

調べでは、コスモス社は年に数回「6カ月で、2割確約」などとうたって投資を呼び掛ける「特別企画」を実施、昨年8月ごろには年利13−15%の社債を販売し不特定多数から金を預かっていた。搜索の直接の容疑は99年から昨年まで、都内の女性ら6人から計3060万円を預かった疑い。

会員は主に主婦や高齢者ら約4万人とされるが、出資会員は約1万2000人。毎月送られるカタログから売れそうだと思う商品を選んで一口2万−5万円を広告費として投資。新聞やテレビに通販の広告を出し、商品の売上額に応じて配当が得られるとされていた。

しかし、出資金を元にした通販事業はほとんど行われず、会員に送付する「利益結果表」には架空の数字が書き込まれていたという。昨年春ごろから解約や払い戻しにほとんど応じなくなり、約200億円が返済できなくなっている。

昨年、フィリピン国内の銀行買収に乗り出し、現地法人の社債発行や銀行預金、グループ会社の株券などの名目で新たに資金を募っていたほか、最近はフィリピンで裁判をするとして支援金を集めていた。《共同通信》

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【衆院予算委員会】

小泉純一郎首相は6日午後の衆院予算委員会で、自民党の鈴木宗男衆院議員の行政介入問題をめぐり「国政にかかわることで問題があるという指摘があれば、各省庁は必要な資料を(国会に)提供し、今後の改革に生かすべきだ」と述べ、新たに浮上した防衛施設庁関連など外務省以外の疑惑についても内部調査を実施し、結果を公表する考えを表明した。

鈴木氏の関与が明らかになった北方四島人道支援事業をめぐり、金子晃会計検査院長は「(実施主体の)支援委員会は国際機関のため検査対象外だが、いろいろな実態が明らかになっており、外務省に対して厳正な検査を行いたい」と述べ、四島支援に関する検査を行う考えを示した。川口順子外相は、支援委員会が実際には会議を開いておらず、議事録も存在しないことを明らかにした。

首相は北方四島支援について「過去の経緯、現状、将来の在り方をよく調査し再検討する必要がある」と、あらためて事業見直しに着手する方針を強調。塩川正十郎財務相も「こういうことが再び起こらないよう正すべきは正し、執行に疑惑がかからないようにする」と述べ、2002年度の支援事業は直ちに予算を執行させず、再チェックする考えを示した。

上田清司、原口一博(以上民主)、中井洽(自由)各氏への答弁。《共同通信》

【田中真紀子前外相】「野上氏、懲戒免職が当然」

田中真紀子前外相は6日午後、更迭された野上義二前外務事務次官が官房付で外務省に残っていることについて「懲戒免職が当然。官の責任は全く問わない。この内閣は一体何を思っているのか」と国会内で記者団に述べ、小泉純一郎首相の対応を厳しく批判した。

その理由として「野上氏は『中近東アフリカ(担当)や経済協力局の審議官をやっていた時、11年間にわたって鈴木宗男氏と仲良しだった』と大臣室で私に言ったことがある。その中で『いろいろな利権がエジプト、アフリカに非常にある』とおっしゃったことがある」と鈴木氏との親密な関係を挙げた。《共同通信》

【2002年度予算案】衆院通過

2002年度政府予算案は6日夜の衆院本会議で、自民、公明、保守の与党3党などの賛成多数で可決、参院に送付された。これにより、予算案は暫定予算を回避できる4月5日までに成立することになり、事実上の年度内成立が確定した。ただ、北方四島支援事業などで数々の疑惑が指摘された自民党の鈴木宗男前衆院議院運営委員長の証人喚問が11日に予定され、国会は波乱含みの展開となりそうだ。

鈴木氏の喚問に対する世論と景気の動向が、内閣支持率の低下が続く小泉純一郎首相の政権運営に影響を与えるのは必至だ。

衆院本会議は6日午後10時前から開かれ、緊急上程された予算案と同関連法案を与党の賛成多数で可決。予算案は記名採決の結果、賛成286票、反対187票だった。野党4党が共同提出した公共事業削減による雇用・社会保障重視の予算組み換え動議は否決された。《共同通信》

【中国】不審船引き揚げに反対

中国の唐家璇外相は6日、東シナ海の中国の排他的経済水域(EEZ)内で不審船が沈没した事件について「日本側は事態を大きくし、複雑化させる行動を取るべきではない」と述べ、中国政府が日本の不審船引き揚げに事実上反対する姿勢を表明した。

日本政府が不審船の引き揚げを強行すれば、今年9月の国交正常化30周年を控え、改善に向かっていた日中関係が再びぎくしゃくする可能性も出てきた。

唐外相は北京で開催中の全国人民代表大会(全人代)の記者会見で言明、日本の発砲後に不審船が沈没したことについても「日本側に何度も申し入れ、中国のEEZ内で軽率に武力を使用して船が沈んだことに強い不満を表明した」と述べた。

唐外相はさらに、日本がこのほど沈没現場の海底で行った不審船の調査についても「わが方の申し入れを経て、日本側の調査船は早めに調査を終了して既に撤収した」と述べ、中国が調査に反対したことを明らかにした。外相はさらに「日本は中国側の権利と関心を尊重すべきだ」と述べ「中国は今後自らのEEZの権益と管轄権を守るために引き続き必要な行動を取る」と言明した。

中国は不審船問題でこれまで日本が慎重な対応をとるよう求めてきたが、先に不審船とよく似た船が中国上海付近の港に出入りしていたと日本で報道されたことに「全く根拠がない」(孔泉・外務省報道局長)と強い不快感を表明していた。《共同通信》

【この日の民主党】

原口議員「国民の怒りを買う予算は撤回せよ」

6日、衆議院予算委員会の総括質疑で前日に続いて質問に立った民主党の原口一博議員は、「支援委員会」のずさんな事業実態と鈴木宗男議員の関与について質した。

原口議員はまず、「14億円もするディーゼル発電所を、外務省は『物品』と言っているが、法律も定款も無視している。どういうことか。総理の説明責任に対する基本姿勢は」と質した。小泉首相は「情報公開し、今後の改革に生かす」と一般的な答弁。

原口議員は「刑事訴訟法239条に公務員の犯罪告発義務がある。外交秘ではないので、告発すべきでは」とさらに追及した。首相は「情報は守秘かどうか判断して出すべき」と答弁した。原口議員はさらに「一般論ではない。鈴木議員の関与のメモは積極的に出すべきだ」と迫った。首相は「メモは残っていれば、出すべき」と答えた。

原口議員は続いて、いわゆるタンザニアの「スズキホール」建設費の送金問題を質した。原口議員は「鈴木議員の収支報告書にこの送金は載っていない。送付状では外務省の職員が寄付したことになっている。この金はどこから出たのか」と質した。川口外相は「鈴木議員から現金振替の依頼があり、800万円を職員が受け取ったもの。この行為自体は不適切だ」と答えた。

さらに原口議員は「電信で12月1日に振り込んだものが、12月6日に届いている。不自然ではないか」と質したところ、外務省の小田野アフリカ審議官は「田舎の銀行で直接には届かない」と答弁。同じ質問に重家中東アフリカ局長は「承知しておりません」と食い違いを見せた。

次に原口議員は、国後島に贈られた自航式ハシケの問題を質した。まず、「2つで3億円もし、82トン、100トンのものだが、これも物品か」と質問。川口外相は「そういうことでございます」と答弁。首相も「技術的なことは分かりません。専門家に任せてあります」と非常識答弁。

原口議員はさらに「友好丸は外洋船。どうして外洋船がハシケなのか」と質した。外務省の倉井中・東欧課長は「呼称が異なる。供与するのにハシケと呼んでいる」とこれまた、非常識な答弁。川口外相は「ド素人で何をハシケと呼ぶか分からない。素人としては呼ばないだろうなと思う」と答弁。最後に原口議員は「国民の怒りを買う予算であり、撤回すべき」として質問を終えた。

上田議員、「支援委員会」問題を引き続き追及

6日、民主党の上田清司議員は前日に続いて衆議院予算委員会で質問。政府の北方四島支援事業について、1995年から事業内容が恒久的施設建設支援に転換した経緯を質した。

まず上田議員は、「支援委員会」を通じた支援事業の案件選定は、受益国の要望に従い検討することとなっているにもかかわらず、文書で示された要望は過去1件しかないこと、94年以後は支援委員会メンバー(13か国)が出席した正式の会議は一度も開催されていない事実を指摘。川口外相も認めた。

さらに上田議員は「それで委員会は成立するものなのか」と重ねて追及。外務省の斎藤欧州局長は「ロシア以外はODA対象国となったので支援委員会の対象から外れた」などとした上で、ロシアに対しては申入れを行ったにもかかわらず委員会メンバーは不在だと説明。加えて、支援事業は目的に照らして継続して実施してきたと述べた。それに対して上田議員は「それでどうして予算がついてしまうのか」と批判した。

また上田議員は、95年5月の河野外相(当時)と鈴木宗男議員とのプレハブ診療所をめぐる国会質疑を紹介。建設推進を迫る鈴木議員に対して、外相が「建設は北方四島の不法占有という現状を固定化し、わが国の基本的な立場を損なう」と拒否していたのに、その後支援委員会が強引に建設を決めた問題を取り上げた。上田議員は、要請も委員会開催の事実もなく、現地調査団を派遣した事実もない点を改めて確認した上で、「だれがどう検討し、決定を下したのか」と迫った。外務省側は「支援内容は日本政府の判断で決定するもの」などとし、川口外相も明言を避けた。

上田議員は「支援事業はムチャクチャ、デタラメだ」と語気を強めて批判。併せて、必要な書類が何ら見つからない現状を重ねて追及した。これを受けて小泉首相も「記録は本来残っているべきもの」などとした。

[衆院予算委]与党、疑惑を隠蔽し02年度予算を可決

衆議院予算委員会は6日、02年度政府予算案の採決を行い、4野党修正案を否決、政府原案を可決した。

同委員会はこの日、15時から3時間の締めくくり総括質疑の後、02年度政府予算案の採決に移った。採決に先立ち、野党4党は一般会計予算における外務省予算のうち、国際分担金その他諸費から「支援委員会」拠出金相当額10億5000万円余を減額し、同額の予備費増額を行うとする修正案を共同で提出した。

共同修正案提出者を代表して趣旨説明を行った民主党の松本剛明議員は、鈴木宗男疑惑の舞台となっている北方四島等支援予算について「審議の過程で首相・財務相自身がその執行について再検討の必要性を認めたものである以上、いったん予備費に繰り入れて凍結し、構造的な癒着関係、ずさんな執行体制を改めるべき」と説明。「このような予算を本当にこのまま見過ごして良いのか、議員各位の良識が問われる」などと修正案への賛同を訴えた。

また、政府原案への反対討論に立った民主党・無所属クラブの城島正光議員は、冒頭、自民党の津島予算委員長に対し「公正なレフェリーであるべき委員長が、経済問題や外務省問題など山積する課題の審議を職権で打ち切る、野党の質問中に口をはさむなど、国会を愚弄する暴挙を繰り返した」と強く批判。また予算審議の過程で日々明らかとなった鈴木宗男議員と外務省の癒着疑惑について「国家の主権、外交の基本、そして予算全体に深くかかわるゆゆしき問題で、真相の徹底解明が打ち切られたことは大変遺憾」と政府・与党の姿勢を厳しく弾劾した。

城島議員はさらに、政府予算について「国民の将来不安を取り除く雇用や社会保障への配分がまったく不十分」「国債30兆円枠を守っているかのように見せかけるために『隠れ借金』を復活させたことは政府の情報開示姿勢への不信感を助長させる」「外務省の病巣の1つである機密費問題への切り込みが不十分」「公共事業費10%削減分を13年度二次補正予算で埋め合わせしている」など4点にわたって反対理由を指摘。他方、北方四島支援事業費など10億5000万円余の凍結を求める野党4党提出の修正案は「納税者の期待に応えるもの」と賛成理由を述べた。

両案を採決した結果、修正案は与党の反対で否決、政府予算は与党の賛成で可決された。政府予算は、本日深夜から明日未明までに衆議院本会議で採決の後、参議院に送付される。

野党、津島衆院予算委員長解任決議案を提出

民主党はじめ野党4党は6日、津島雄二衆院予算委員長の解任決議案を共同で提出した。

津島委員長は、外務省をめぐる一連の疑惑をめぐって、解明に消極的な与党側に与し、野党の反対を押し切って分科会の開催を議決。また6日には、平成14年度予算案を単独で採決しようとする与党の党利党略に加担し、委員会採決日程を強引に決めた。野党4党はそうした運営を「断じて容認できない」として、解任決議案の提出に至った。

解任決議案の趣旨説明に立った民主党の枝野幸男議員は冒頭で「予算委員長は予算という国政上の最重要案件を扱う委員会の長。公正かつ公平な立場で委員会運営を進める重大な任務を負っている。ところが、こうした責務を放棄し、不当かつ不公正な言動を繰り返して、充実した委員会審議を骨抜きにしてきた」と厳しく批判した。

枝野議員はまた、02年度予算審議をめぐって、「外務省をめぐる一連の疑惑」の真相を究明し、税金がどう使われているかを明確にするのは国会議員に課せられた使命だと強調。特に鈴木宗男議員をめぐる疑惑は、鈴木氏ひとりの問題ではなく、日本の政治・行政全般にかかわる問題だとし、予算審議の前提として、その解明は不可欠だとした。

そうした考えを示した上で枝野議員は「不当かつ不誠実な答弁を繰り返す外務省などを結果的に放置し、早期の証人喚問を実現しなかったことが審議の混乱に拍車をかけた原因であり、予算委員長の重大な責任だ」と指摘。委員会の審議を正常に戻し、国家にとって重要な予算審議を公正に行うためには、津島予算委員長の解任以外解決の道はないとした。

採決の結果、与党3党は解任決議案に反対し、賛成少数で否決された。

[衆院本会議]政府予算案可決、4野党の組替動議は否決

2002年度政府予算3案(一般会計予算、特別会計予算、政府関係機関予算)は、6日22時前から再開された衆議院本会議で討論・採決が行われ、与党の賛成多数で可決し参議院に送付された。採決時、野党4党は、予算の編成替えを求める動議を提出したが、与党の反対により否決された。

野党4党は、「来年度予算については、景気回復に資する真に必要な事業の拡充・追加、国民に対して真の財政状況を開示するための『粉飾予算』の是正、政治・行政に対する国民の信頼回復に向けた一層の報償費改革等の実現のため、抜本的改革が必要である」として、この本会議に「平成14年度一般会計予算、平成14年度特別会計予算及び平成14年度政府関係機関予算につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議」を提出した。動議は、連日の予算委員会審議で鈴木宗男議員の不当な圧力・介入が明らかになった北方四島支援事業等の「支援委員会」関係の予算については、予算の執行体制に疑義のあるため削除することを求めている。

■編成替えの重点事項

1 雇用対策の大幅拡充(追加額 5100億円)
2 社会保障施策の大幅拡充(追加額 3500億円)
3 教育関係の大幅拡充(追加額 1400億円)
4 BSE対策の大幅拡充(追加額 2300億円)
5 中小企業対策の大幅拡充(追加額 1200億円)
6 新たな方向性を展望した食料・農業対策の実施(追加額 300億円)
7 環境対策の推進(追加額 300億円)
8 交通対策の拡充(追加額 200億円)
9 その他必要な施策の実施(追加額 200億円)
10 公共事業関係経費の見直し(削減額 1兆3000億円)
11 内閣官房報償費及び外務省報償費等の見直し
12 行政経費(庁費等)の削減(削減額 500億円)
13 特殊法人向け歳出の見直し(削減額 1000億円)
14 予算の粉飾を改め、国民に正しい情報を提供するための見直し

■「権益温存型予算では景気回復なし」松野議員が動議の趣旨弁明

動議の提出者を代表して趣旨弁明を行った民主党の松野頼久議員は、「わが国経済が危機に直面しているにもかかわらず、小泉総理は『改革なくして成長なし』と声高に叫び、あたかも自ら構造改革を進め、その先に景気回復があるかのような幻想を国民に与えようとしている。しかし小泉総理が『改革断行予算』を標榜した予算は相変わらずの従来型事業の積み上げであり、『失われた10年』をもたらした既得権益温存型予算であり、景気の回復も国民の信頼も得られないのは当然」と小泉内閣と来年度政府予算を厳しく批判し、動議への賛同を訴えた。

■「国民負担を強いる反改革予算」岩國議員が反対討論

続いて、民主党・無所属クラブを代表して岩國哲人議員が、政府予算に反対、野党の予算組み替え動議に賛成の立場から討論に立った。岩國議員はまず、01年度2次補正予算の強行採決からわずか1か月の間に再び強引な審議打ち切りを行い、鈴木議員をめぐる数々の疑惑解明の幕引きを図ろうとした津島予算委員長の委員会運営を「民主主義の精神を踏みにじるもので断じて許されない」と厳しく批判した。

さらに岩國議員は、「自民党を変える」と絶叫して国民の高い支持を得た小泉首相のもとで、相変わらず「年中行事のように、自民党議員をめぐる政官業癒着の疑惑が出てきている」と指摘。鈴木議員の疑惑でも、「要するに『バラマキ』が特定の政治家の『ハラマキ』に入ってしまっている。こうした政治がいまだに続いている」とし、このような予算の削除・凍結を主張した。

来年度予算については、岩國議員は「国債発行額を30兆円に抑制するという見せかけのためだけの粉飾予算」「公共事業1割削減と言いながら、今年度2次補正予算で前倒しにその埋め合わせをしているだけ」「相も変わらぬ硬直化した省庁別シェアや公共事業シェアに象徴されるように構造改革に値しない」「雇用・社会保障関係の予算が依然として質量ともに不十分で、国民の将来不安を解消するにはほど遠い。特に小泉総理の独善によって最重要課題である医療制度抜本改革が先送りされ、国民に大きな負担が強いられる」と4点にわたって反対理由を開陳。

また、野党提出の予算編成替えを求める動議については、「むだな公共事業などを削減する一方で、国民の将来不安を取り除く雇用や社会保障、教育、環境、災害などの分野への歳出を手厚くするなど、国の資源配分を大きく変える」もので必要不可欠と賛成理由を述べた。

「さらに財政構造改革と利権構造追及を」岡田政調会長が談話

6日、2002年度政府予算案の衆議院可決を受けて、民主党の岡田克也政調会長が談話を発表。予算内容について従来型の歳出構造を維持した「改革先送り予算」だと批判し、さらに財政構造改革の実現と自民党の利権構造追及を進める決意を述べている。

談話はまず、与党による強引な審議打ち切り・採決を「極めて遺憾」とし、政官業癒着構造の解明にふたをする政府与党に抗議。予算内容については、従来型の歳出構造を維持し、景気の悪化に対するセーフティネットも乏しい、と批判している。

他方、予算委員会審議について、国民の強い支援と野党の協力体制によって政官業癒着の実態を暴いたことを画期的な成果だと評価。11日の鈴木宗男議員証人喚問や参議院での審議を通じて、さらに財政構造改革と自民党の利権構造追及を進める決意を述べている。

2002年3月6日
平成14年度政府予算案の衆議院可決について(談話)
民主党政策調査会長 岡田克也

1.本日、平成14年度政府予算案が衆議院予算委員会と同本会議において可決され、参議院に送付された。日々新たな疑惑が明らかになる中、与党によって強引に審議がうち切られたことは極めて遺憾である。ことは単なる「支援委員会」、外務省の問題ではなく、「我が国を蝕む癒着構造」「政と官の関係」と言った根源的な問題であり、臭いものにふたをする与党の議会運営及びこれを放置した小泉総理の姿勢に対し、民主党は強く抗議する。

2.政府予算案は歳出面では、公共事業をはじめとして従来型の歳出構造にメスを入れることなく、改革先送りの予算案である。雇用対策はじめ景気の悪化に対するセーフティネットの充実という観点も乏しい内容である。これでは、国民は将来に対して明るい展望をもつことができない。

3.一方で、本年の衆院予算委員会審議は、ある意味で画期的であった。政官業の癒着の実態が次々と明らかにされたが、特筆すべきはその過程にあって私たち野党と国民が共にあったということである。野党の一致協力した体制もさることながら、国民の強い支援が無ければこれらの成果が上げられなかったことも、また事実である。

4.3月11日には証人喚問が予定され、また参議院における審議も控えている。これらを通じ、民主党は引き続き国民の視点に立った財政構造改革をすすめ、同時に衆議院での審議を通じて明らかとなった自民党の利権構造を厳しく追及する決意である。《民主党ニュース》



3月6日 その日のできごと(何の日)