平成4799日目
2002/02/27
この日のできごと(何の日)
【政府】デフレ対策を決定
政府は27日、経済財政諮問会議で総合的なデフレ対応策を決定した。不良債権処理を進めるため金融庁による大手銀行への特別検査を厳正化し、結果を公表。3月期決算へ反映させる。整理回収機構(RCC)による不良債権買い取りを強化。一方で金融危機を回避するため、公的資金による銀行への資本再注入を含め「あらゆる措置」を取る。株式の投機的な売りを抑えるため、空売りへの規制や監視を強める。
日銀へは思い切った追加緩和を要請。日銀は政府に協調して、28日の金融政策決定会合で追加策に踏み切る見通しだ。竹中平蔵経済財政担当相は記者会見で、金融政策の物価目標の在り方を諮問会議で議論する意向を表明した。
政府はデフレ脱却を「長期戦」(小泉純一郎首相)ととらえ、3月の規制改革推進3カ年計画、6月の税制改革と経済活性化の基本方針を含めて対応。首相は会議で「引き続き検討を深めてほしい」と述べた。
ただ今回の対策は首相自ら指示しながら有効策には乏しく、小泉首相の指導力を問う声が上がりそうだ。《共同通信》
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野党各党は27日、政府の総合的なデフレ対応策について「小泉内閣の経済無策の延長だ」(鳩山由紀夫民主党代表)「かえって市場の不安を高めるだけだ」(藤井裕久自由党幹事長)などと厳しく批判した。
民主党は「(小泉)構造改革の主な狙いは供給側の効率化であり、短期的にはデフレ効果が伴う。デフレ阻止には需要側の改革、発掘が必要だが、政府は十分対策を取っていない」(菅直人幹事長)と分析。鳩山氏が「金融危機回避のためには、不良債権の迅速処をしなければならないのに何も手付かずだ」と非難するなど、小泉内閣に退陣を迫る姿勢を強めている。
藤井氏は談話で「根本的な解決方法が示されていない。規制撤廃、税制改革、経済活性化策を先送りし、金融危機への対応も明確でない。言葉だけの首相のパフォーマンスに終始する小泉内閣の実態が明らかになった」と指摘した。
共産党は筆坂秀世書記局長代行が「不良債権処理を強引に進める小泉構造改革で日本経済はデフレに陥ったのであり、(対応策は)デフレ加速策としか言いようがない」との談話を発表した。
社民党の福島瑞穂幹事長は「小泉改革はデフレを促進するだけであり、政府の施策がデフレ対策になり得ないのは明白」と批判、前向きな消費活動を引出すため、雇用対策、社会保障制度改革などに取り組むべきだと指摘した。《共同通信》
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【NHK】秋の連続テレビ小説は「まんてん」
NHK大阪放送局は27日、9月末からのNHK朝の連続テレビ小説として「まんてん」を制作すると発表した。ヒロイン役にはタレントの宮地真緒さん(18)が決まった。
「まんてん」は、劇作家としても知られるマキノノゾミさんのオリジナル脚本。鹿児島県・屋久島生まれのヒロイン日高満天が「宇宙へ行きたい」という夢を実現するまでを描く。《共同通信》
【ソルトレークシティー五輪】日本選手団解団式
ソルトレークシティー冬季五輪の日本選手団解団式が27日夜、東京都内のホテルで行われた。式には、この日午後に帰国した竹田恒和団長(日本オリンピック委員会会長)をはじめ、主将の原田雅彦(ジャンプ=雪印)、旗手の三宮恵利子(スピードスケート=富士急)、スピードスケート男子500メートル銀メダリストの清水宏保(NEC)らが参加。メダル数が長野五輪の10個から2個に激減し、竹田団長ら首脳は「目標に届かず残念」と反省の言葉を並べた。
疑問の残る判定、採点などが目立った大会だったが、竹田団長は「抗議をするときはするし、ルール改正を申し込むこともするが、スポーツマンとしてそれ以上はできないし、すべきでない」との姿勢を示した。《共同通信》
【ダイエー】再建策を発表
経営再建中の大手スーパー、ダイエーは27日、UFJ、三井住友、富士の主力取引銀行3行による5200億円の金融支援や普通株の大幅減資、グループの赤字店100店閉鎖、本体人員の2000人削減などを柱とする「新3カ年計画」を発表した。
巨額のリストラ損失の計上で、2002年2月期決算は単体の当期純損失が4500億円と巨額赤字に陥る見通し。このため役員5人を降格、役員年俸を最高50%引き下げることも決めた。
新計画では金融支援や資産売却などで系列の信販会社を除き昨年8月末で約1兆8000億円に上ったグループの有利子負債を3年後の2005年2月末に9000億円に半減させる。1月に発表した当初方針に比べ負債削減額を1000億円増額した。高木邦夫社長は「関係者に迷惑を掛け申し訳なぢが、3年後には必ず(経営を)健全にする」と述べた。《共同通信》
【戸塚ヨットスクール事件】戸塚被告、懲役6年確定へ
スパルタ式ヨット訓練で1980年から83年にかけ訓練生2人が死亡、2人が行方不明になるなどした「戸塚ヨットスクール事件」で、最高裁第二小法廷(福田博裁判長)は27日までに、傷害致死罪などに問われた校長の戸塚宏被告(61)ら4人の上告を棄却する決定をした。
情緒障害による不登校などの問題を抱えた子供の教育をめぐり、体罰の是非が社会的にも議論され注目を集めた事件で「矯正を目的とした体罰」を否定し、戸塚被告を懲役6年、コーチら3人も懲役3年6月ー2年6月の実刑とした二審判決が確定する。戸塚被告は確定後、収監される見通し。《共同通信》
【インド】列車に放火、57人焼死
インド西部グジャラート州ゴドラの駅で27日朝、ヒンズー教活動家多数を乗せた列車がイスラム教徒住民らに放火された。ゴドラの警察当局によると、子供15人を含む男女57人が焼死、43人が負傷した。
地元のパンチマハルス地区当局は、両教徒間の衝突が拡大することを警戒し、地区全域に外出禁止令を出した。
当局者らによると、死傷したヒンズー教徒らは、インド北部アヨドヤにヒンズー教寺院を建設するよう求める集会に参加。グジャラート州に戻り、駅でスローガンを叫ぶなどしていた。列車が出発しようとした際、イスラム教徒らが投石や放火を始めたという。4両が燃え、うち1両は全焼。
アヨドヤでは1992年にイスラム教のモスク(礼拝所)がヒンズー過激派に破壊され、イスラム教徒との間で抗争に発展、約2000人が死亡した。
ヒンズー教過激派団体「世界ヒンズー評議会」が、破壊されたモスク跡にヒンズー教寺院建設を計画。3月15日から作業を開始するとして約2万人がアヨドヤに集まり気勢を上げていた。《共同通信》
【第44回グラミー賞】授賞式
米音楽界最高の栄誉である第44回グラミー賞の発表、授賞式が27日午後、ロサンゼルスで開かれた。
主要部門のうち、シングル曲対象の最優秀レコード賞は、「ウォーク・オン」を歌ったアイルランドのロックバンドU2が昨年に続き同賞を獲得。U2は最優秀ロックグループ賞、最優秀ロックアルバム賞なども受賞した。
最優秀新人賞は、ニューヨーク出身の女性R&Bシンガー、アリシア・キーズ。キーズは最優秀楽曲賞、最優秀女性R&Bボーカル賞など5つの賞を合わせて受賞した。《共同通信》
【この日の民主党】
民間有識者が小泉内閣の構造改革を批判
衆議院予算委員会で27日、平成14年度予算に関する公聴会が開かれた。午前の公聴会ではメリルリンチ日本の小関広洋氏、阪南大学の石田護教授ら4人の公述人の意見陳述と質疑が行われた。
小関公述人は、金融不安の現状について「4月以降は預金の移動によって流動性の問題が発生する可能性が濃厚」「その背後には銀行の過小資本の問題が存在する」との見方を示し、資産査定の厳格化と適正引当の実施、過小資本の認識、公的サポート体制の再構築、不良債権の最終処理と産業リストラなどの必要性を指摘した。
また、小関公述人は、民主党・無所属クラブの松本剛明議員の質問に答えて、これまでの政府の公的資本注入について「銀行は健全だとする建前と資本不足への対応として資本注入を行う実態との不一致、金融システム対策と貸し渋り対策との混同、収益による公的資金の返済という非現実的な金融再生シナリオの策定」などの問題点を挙げ、「改革により銀行セクターが立ち直った後、市場で売却して資金を回収するという発想への転換が必要」と述べた。
石田公述人は、「リストラを完了すれば自動的に成長軌道に復帰するわけではない」「日本の競争力の回復こそが政府が早急に行うべき課題」との見方を示し、「小泉改革を組替えるか、新たな改革プログラムの策定しかない」と強調した。
北方四島支援事業めぐる癒着の実態を追及
外務省と鈴木宗男議員との癒着問題をめぐり、衆議院外務委員会でも27日、川口外相に対する質疑が行われた。民主党・無所属クラブからは、ネクストキャビネット外務・安全保障大臣である伊藤英成議員、中川正春議員、首藤信彦議員が計2時間にわたって質問を行った。
3議員は、「ムネオハウス」発注にあたり鈴木議員の要望を受け入れた外務省側担当者の責任、北方四島支援事業の実施主体である「支援委員会」の事務局職員採用における鈴木議員の関与、コンゴ駐日臨時大使へのIDカード発給拒否問題などについて具体的な事実を指摘して疑惑を追及した。
「現在、園部逸夫参与(監察・査察担当)のもとで調査中であり、これに予断を与えることは適切でないためお答えできない」「調査結果を待ちたい」などの答弁を繰り返す川口外相に対して、質問者からは「そういう答弁の姿勢では国民の信頼は得られない」などと批判が相次いだ。
政調会長談話で政府の総合デフレ対策を強く批判
民主党は、27日夕に政府が発表した総合デフレ対策に対して、直ちに岡田克也政調会長名の談話を出して「不良債権処理と金融再生に取り組む姿勢が見られない」と批判、これに代わるものとして独自に「当面のデフレ対策」を提言した。
談話は、政府の総合デフレ対策について「デフレ・スパイラルという現実に対する危機感も、それを阻止しようという意思も欠如している」と厳しく指摘。特に、「不良債権処理と金融再生に取り組む強い姿勢が見られないこと」が最大の問題だと批判し、3月末のペイオフ凍結解除までに金融危機を解消するための措置をとるのでなく、危機は存在しないと強弁して問題を先送りしたことを批判している。
そして、システミック・リスクを解消し、金融再生を図るために民主党提案の「金融再生ファイナルプラン」関連法案の成立を求めるとともに、当面のデフレ対策として、不良債権問題の決着のほか、ローン利子控除制度の創設、NPO税制の大改革、年金・医療制度の抜本改革などを提起した。
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政府の総合デフレ対策について(談話)
2002年2月27日
民主党政策調査会長 岡田克也1. 本日、政府は「早急に取り組むべきデフレ対応策」(総合デフレ対策)を発表した。しかし、その内容は、すでに打ち出されている政策の寄せ集めであり、インパクトのある政策はない。小泉総理には、デフレ・スパイラルという現実に対する危機感も、それを阻止しようという意思も欠如している、と指摘せざるを得ない。また、この間の政府内の混乱により、小泉政権には経済政策のコントロールタワーがないことも明らかになったが、これが小泉政権に対する市場の不安感を増幅する原因ともなっている。
2. 最大の問題は、不良債権処理と金融再生に取り組む強い姿勢が見られないことである。ペイオフ凍結が解除される3月末までにシステミック・リスクを解消しなければならないにもかかわらず、相変わらず金融危機は存在しないと強弁して、問題を先送りしている。
3. また、政府主導による大企業救済や整理回収機構(RCC)による不良債権買い取り価格のつり上げ、公的資金による銀行保有株式の買い上げ等の筋の悪い政策を含み、構造改革に資する政策であるとは到底考えられない。
4. 昨日、自由民主党デフレ対策特命委員会もデフレ対策をとりまとめ、小泉総理に提言を行った。しかし、その内容は、一般事業会社が保有する銀行株や保険会社が保有する株式の買い上げ、郵貯・簡保・年金資金による株価維持策(PKO)、日銀の金融政策に対する過度の要求等これまた筋の悪い政策が含まれており、到底評価できるものではない。
5. デフレ・スパイラルを阻止するためには、まず何よりも不良債権処理を急いでシステミック・リスクを解消し、金融再生を図ることが不可欠である。そのためには、民主党が提案している「金融再生ファイナルプラン」関連法案を速やかに成立させるほか、別紙のようなデフレ対策を講ずるべきであることを強く申し上げたい。 以上
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当面のデフレ対策
2002年2月27日
民主党1.不良債権問題の決着と金融再生
(1) 金融再生ファイナルプランの実行
○緊急一斉検査を実施し、間接償却を完了させる(厳格な資産査定と十分な引き当てをさせる)。
○債務超過銀行については、特別公的管理(一時国有化)等の破綻処理に移行する。
○過小資本銀行については、株主・経営者等の責任を明確化した上で公的資本増強を実施する。
○以上により速やかにシステミック・リスクを解消する。
○特別公的管理銀行を再編し、中小企業融資に特化した銀行を設立する。
(2) 地域金融円滑化法(金融アセスメント法)の制定
○地域の中小企業等に対する貸し渋り・貸しはがしや過剰な担保・個人保証を防止するため、ディスクロージャーを強化する。
(3) 証券取引委員会(日本版SEC)の設立
○相場操縦やインサイダー取引等の不公正取引に対する監視を強化し、株式市場に対する信頼性を高める。2.デフレの弊害の除去・緩和
(1) ローン利子控除制度の創設による負債デフレの緩和と需要喚起
(2) NPO税制の大改革によるNPO活動の拡大
(3) 試験研究優遇税制の強化等競争力強化政策の推進
(4) 徹底した規制緩和・撤廃
(5) 4兆円雇用対策基金の創設等雇用のセーフティネットの強化
(6) 年金・医療制度の抜本改革による将来不安の解消「鈴木疑惑は自民党体質の原点を問う問題」鳩山代表が会見
27日、民主党の鳩山由紀夫代表は定例の記者会見を行い、自民党の鈴木宗男議員にまつわる数々の疑惑について、「鈴木氏一人の問題ではない。自民党体質の原点だ」と述べた。
会見でまず鳩山代表は、鈴木議員の問題について、「ODAで私腹を肥やし、公共事業で私腹を肥やし、さらに北方領土問題でも私腹を肥やしていた。とんでもないことだ。このような政治家が日本にいること自体が実に恥ずかしい」と語気強く指弾。4野党共同で証人喚問実現を求めていく意向を明らかにした。
同時に、官邸や外務省で“宗男切り”の動きがあることにも触れ、「鈴木氏一人の問題ではない。自民党の政治体質の原点にかかわる問題だ。第2、第3の鈴木宗男が、自民党内のいたる所にいる。これを断ち切るのが、真の構造改革だ」と語った。
「鈴木氏喚問は予算審議の条件」4野党党首会談で一致
野党4党(民主、自由、共産、社民)は27日夕、国会内で党首会談を開き、自民党の鈴木宗男議員の証人喚問を予算審議の絶対条件として求めていくことで一致した。
4党の党首は会談後に共同記者会見を開き、まず民主党の鳩山由紀夫代表が会談内容を報告。鳩山代表は、鈴木議員の証人喚問を予算審議を進めるにあたっての絶対条件として要求することで一致したと明らかにし、「喚問によって政官癒着の疑惑がさらに深まれば、予算をそのまま通すわけにはいかない。したがって、喚問は予算採決の要件ではなく、審議の要件だ」と強調した。
自由党の小沢党首は「鈴木議員をめぐる疑惑は予算執行に関する与党議員と行政府の癒着の問題」とし、共産党の志位委員長も「政官が共犯で予算執行を歪めていた問題だ」と指摘して、証人喚問による疑惑解明抜きに予算審議は進められないと強く主張。
また、社民党の土井党首は、「4党で結束を確認したことは大きい。日本の政治のあるべき姿ハッキリ示していく」と述べた。《民主党ニュース》